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9473 story

青色LED訴訟が発明対価8億4000万で和解成立 450

ストーリー by Oliver
企業の設備とノウハウと個人の閃き 部門より

sillywalk 曰く、 "朝日新聞の記事によれば、中村修二教授(米California大Santa Barbara校)と日亜化学工業の間で争われ、さきの1審で200億円の発明対価を中村教授側へ支払うよう命じる判決のあった青色LED訴訟において、控訴審の東京高裁は両者に和解を勧告し、日亜側が約8億4000万円あまりを支払うことで和解が成立しました。
和解内容は、中村教授の発明対価を6億857万円とし遅延損害金2億3534万円を含めて計8億4391万円を同社が支払います。また、中村教授が在職中の全発明について、特許を受ける権利が同社に継承されていることを双方が確認したというもの。
和解後、中村教授は弁護士を通じて「私は今回の和解内容について全く納得していないが、弁護人の意見に従って受諾することにした。発明の対価についてのバトンを後続のランナーである一人ひとりの技術者に託し、本来の研究開発の世界に戻ります」との声明を発表しました。なお教授は改めて12日に記者会見する予定です。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 全体の流れが見えないと、判りにくいと思いますが、こんな経緯がありました。
    ・中村氏が日亜を辞める時に、6000万円の特別退職金の代わりに、今後特許を出願しない事を要求
    ・中村氏は拒否
    ・日亜は、米国の企業に日亜時代の企業秘密を漏らして特許侵害をしているとして中村氏を訴える
    ・報復として今回の訴訟に踏み切る

    ソースは日経BP [nikkeibp.co.jp]と、PRESIDENT online [president.co.jp]。

    最初から金の亡者という訳じゃありません。
    日亜から訴えられなければ、中村氏側から訴えることはしないんじゃないかと思います。
    金が欲しいと言うより、金額として査定する事に意味があったのでしょう。
    そういう意味では、今回の和解は意味をなさないかもしれません。
    しかし中村氏には、訴訟に時間を費やすより、研究に対して時間を割いて欲しいです。
    捨て台詞のような事を言っていますが、それでも日本の(エンジニアの)ためを思っていると思いますよ。
    • 考えてみると

      >この1~2年、中村氏と日亜化学の関係は悪化していた。事の発端は中村氏が日亜化学を退職した1999年12月に遡る。日亜化学は、約6000万円の特別退職金を支払う見返りに、中村氏に対して青色LEDに使っている材料(窒化ガリウム)の研究と特許出願はしないように求めた。しかし、中村氏が拒否。昨年12月に日亜化学は中村氏を「トレードシークレット漏洩」の疑いで提訴し、両者は険悪な状態に陥っていた。中村氏による今回の提訴は、いわばその報復という面がある。
      http://bizns.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/search/wcs-bun.cgi?ID=138473&FORM=biztechnews

      この「約6000万円の特別退職金を支払う見返り」に「青色LEDに使っている材料(窒化ガリウム)の研究と特許出願はしない」って条件って無茶だよな。
      1954年生まれで今50歳、99年12月って約5年前だから45歳。
      その道の技術屋にその道で働くなってことだよな。野球選手に野球をやめろ、芸人に芸人辞めろ、と言っているようなもの。65まで働くとすると20年もあるじゃん。
      隠居しろってことか?年300万?それとも、6000万を元手にラーメン屋でもやれってことか?
      「窒化ガリウム」以外の材料での研究も出来なくはないだろうけど、別の材料だと材料に関する知識に深みがないんじゃないの?

      2万のごほうびも笑えるけど、社内規定とかでそうなっているのならば、それはそれで良いのかもしれないが、当然、地位も名誉も金も会社から与えられなかったら、退職して出て行くのは当然の結末。
      中村氏側から見れば、会社は功績のあった人間に対して無茶な条件出して、更に提訴してきたんだよな。
      彼の立場で、自分が会社にいかに貢献したかを考えるとぶち切れて当然と思う。
      親コメント
  • ごほうび (スコア:2, 興味深い)

    by chanbaba (13080) on 2005年01月11日 16時01分 (#677062) ホームページ
    http://www.asahi.com/national/update/0111/009.html の
    >今回の訴訟の意義について、弁護団の升永英俊氏は「会社側の支払いがわずか2万円という『ごほうび』だったのを8億4千万円に転換した。

    6億/2万=3万倍に「ごほうびアップ」とみるべきか、

    >「世紀の発明」と言われた青色LEDの発明対価は一審判決が認めた超高額の約600億円から一転、100分の1の額で決着した。

    600億/6億=0.01倍とみるべきか。

    6億って、サラリーマンとしては多い金額だけど、会社への貢献度から出世、その後、役員とかになって70くらいまで居続けたと考えると、それ程大きな金額でもないよな。
    役員報酬3000万*20年=6億だから。
    • Re:ごほうび (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2005年01月11日 20時27分 (#677199)
      今の日亜からすれば6億なんて安いものでしょ.

      今も中村氏が日亜の社員で,適切な処遇をするために中村氏を所長とする研究所を作ったり~なんてことを考えれば大した金額ではありませんよ. そうしてちゃんと中村氏にインセンティブを与えていれば,日亜は青色レーザーでもう一山当てられたのかもしれないのに.
      親コメント
  • by GPH (8223) on 2005年01月11日 16時02分 (#677063) 日記
    Asahi.comからなんですが、(01/11 13:42)
    「日本は大企業を重んじ、個人の権利を全く無視した国家であったのが証明されたと思う」
    「これからは講演等を通じ、理系を目指す人にはぜひ、実力が収入に反映される米国に来るよう勧めたい」

    ・・・だ、そうです。アメリカはそういう国なんでしょうか。
    中村氏をアメリカ的視点で評論した意見って、どっか載ってますかね・・・?
    • 捨てぜりふ? (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2005年01月11日 19時52分 (#677179)
      とんでもない。
      研究開発に携わっている人間の、今の、正直な気持ちですよ。
      優秀な技術者/研究者ならばなおさらでしょう。

      これだけの発明がたった6億?馬鹿こくな。
      じゃあ、一体、どれだけの成果を挙げれば、日本で"成功した"と言えるだけの報酬を得ることが出来るのだ。

      8億がどれ程大したことのない金額なのか、他のスレッドにあったけれど、野球選手の年俸と比べてみたって良い。

      今回の和解が、一層の頭脳流出と理系離れを加速させるのだろうなぁ、と言うのが、
      現場の人間の正直な感想ですよ。


      #アレだけの成果に、たった8億ぽっちのゼニを得ただけで、ゼニゲバ扱い…ですか。(他の書き込みね。)
      #報われねぇよなぁ。ハァ。
      親コメント
    • Re:捨てぜりふが (スコア:3, すばらしい洞察)

      by tsuya (14020) on 2005年01月12日 0時33分 (#677386) 日記
      中村教授「和解、納得していない」 青色LED訴訟 [asahi.com]

      本当にこのような発言をされたとすれば、大変残念ですね。どうか記者会見で世界的な恥をさらさぬよう思いとどまっていただきたいものですが。

      私も技術者のはしくれですが、かなり値切られた印象は拭えないとはいえ、今回の高裁の和解案は一審判決に比べて非常にまっとうなものであり、安堵する気持ちが強いです。世の研究者、技術者がみな、窒化ガリウムのような素材で一発逆転を狙えるのなら、地裁のひとり勝ち裁定は我々にとって朗報だったでしょう。しかし現実には、順当な(と思われていた)セレン化亜鉛を選んで先を越される人が大半です。彼がひとり勝ちするためには、出し抜かれた人々は敗者として切り捨てられなければ計算が合いません。それはそれで潔いシステムなのかもしれませんが、それが技術振興につながるのでしょうか?

      中村氏はこのようにもおっしゃっています [google.co.jp]が、ひとり勝ちがお望みで、それをひとりで実行できる確信がおありだったのなら、もう少し早く勇気を出して出願前に独立し、もとの職場にライセンスを売るしかなかったのです。ナノゲート・キャパシタを生み出した岡村廸夫氏のように。

      今回は対価の減額があまりにも大きく、50%とはいかないまでももう少し多めの貢献度が適切な落としどころだったのかもしれませんが、だとしても国家(政府? 社会?)に唾棄するかのような発言は醜悪です。それにアメリカの場合は、利益の50%はまず投資家に還元されるのが普通かと思います。

      もうひとつ、お金が欲しいなら、せっかくアメリカに渡ったのに教授職というのはもったいないでしょう。中村氏はカネの亡者などではなく、よい意味で経済合理性に乏しい人生を歩んでいる方だと思うのですが。

      親コメント
      • by novastyli (3559) on 2005年01月13日 0時36分 (#678216)
        >もうひとつ、お金が欲しいなら、せっかくアメリカに渡ったのに
        >教授職というのはもったいないでしょう。中村氏はカネの
        >亡者などではなく、よい意味で経済合理性に乏しい人生を歩んで
        >いる方だと思うのですが。

        アメリカの大学は、企業と張り合える給料を出します。

        また、アメリカの企業では、発明の対価は0ですが、大学では実施料の50%近くが発明者のものになります。
        親コメント
    • Re:捨てぜりふが (スコア:2, 参考になる)

      by Li on (9067) on 2005年01月11日 21時46分 (#677241) 日記
      >・・・だ、そうです。アメリカはそういう国なんでしょうか。
      >中村氏をアメリカ的視点で評論した意見って、どっか載ってますかね・・・?

      えー、ここの中で紹介されていたこのサイトから引用 [www.ne.jp]。
      >2~3人の米国の教授に相談したら話しが広がって10の大学、5の企業から勧誘があった。
      >(日本からはゼロだった。) しかも天秤にかけるとどんどん上がる。(イチロー選手の
      >お金どころではなかった。) さらにストックオプションで何十億にもなる。

      この話は2000年であり現在とは違うので実際にはもっと少なくなるとは思いますがそうだとしても、かなりの報酬にはなるのではないでしょうか?
      親コメント
  • by zumapon (9208) on 2005年01月11日 16時16分 (#677070)
    日亜化学工業:プレスリリース [nichia.co.jp]より。

    東京高等裁判所 平成16年(ネ)第962号の和解について [nichia.co.jp]
    和解についての当裁判所の考え [nichia.co.jp]
    和解条項 [nichia.co.jp]
    404特許の相当対価の説明 [nichia.co.jp]
    東京高等裁判所 平成16年(ネ)第962号、同第2177号の和解について [nichia.co.jp]

    2番目の「和解についての当裁判所の考え」には対価についての計算式も掲載されていて面白いですね。
  • 守銭奴 vs. 守銭奴 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2005年01月11日 16時42分 (#677091)
    企業が守銭奴でも誰も批判せんし、むしろそれが善。
    なんで個人が守銭奴やったら批判されるのん?
    • by raf (9322) on 2005年01月11日 16時57分 (#677102) 日記
      うまくやってる奴がいればやっかむのがいるのは当然ではないですか。
      企業の場合は受益者がたくさんいるからあんまりおおっぴらに言われないだけ。
      個人の場合だと受益者は一人だからたたきやすいって寸法ですよ。
      この辺が実に日本人的だねぇ
      --
      -- 星を目指さない理由は何もない -- 「MISSING GATE」by 米村孝一郎
      親コメント
    • 奴隷根性 (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2005年01月11日 19時03分 (#677156)
      嫉妬と奴隷根性が入り混じった感情を持つ人が多いから。
      堀江とかが資産300億とかいっても反発しない人は多いのに、
      毎年1000億の利益の多くを生み出すようになった発明をした人がその対価を求めると反発する。
      それは経営者なら自分は納得させることが出来るけど、同じ技術者、もしくはサラリーマンだった立場の人間が何億もの金を受けるのは許せない、って意地汚い心があるのさ。
      親コメント
  • ひでー話だ。 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2005年01月12日 10時23分 (#677596)
    このトピックの書き込みを読んでいて、あまりの惨さに開いた
    口が塞がらない。

    日本では、技術者は滅私奉公しないと評価されないのか?
    自分の正当な評価を求めたら、銭ゲバ扱いなのか?

    冷静な評価を下す前に、脊髄反射で銭ゲバ扱いする人間が
    多すぎるじゃないか。。

    個人的には200億はさすがに不当だと思うけど、それ以前に、
    彼に対する評価自体が不当なんだから。

    彼が何に対して怒りを抱いているのか、それを見誤っちゃ
    いけないよ。
  • 和解額が第1審の額を大幅に下回る結果になって
    司法制度がおかしいとか言ってるけど,第1審の
    三村裁判官がおかしかっただけで。
    みんな第1審判決の中身読んで言ってるの?
    あれって将来利益の算定とか,貢献度の算定とか
    めちゃくちゃだよ。

    中村氏側の訴訟代理人は強気ごり押しで有名な人。
    それが和解を薦めたんだから,1審が出来すぎ(はったりを
    そっくり認めてもらったようなもの)なのであって,
    この和解金額も御の字でしょう。

    中村市の発明は青色LEDのたくさんある中のある層の製造法だけど,
    類似した特許はまえからあったし,中村市の発明より優れた製法は
    その後も出てきている。
    青色LEDは全部自分の手柄のようなイメージをメディアを通して
    広げた中村氏側のイメージ戦略の勝利でしょう。
    • by CowardDuck (25674) on 2005年01月14日 9時47分 (#678847)
      第1審の将来利益の算定とか,貢献度の算定は中村氏側の
      主張を全面的に採り入れたもの。

      なぜ中村氏側の主張が全面的に通ったのかと言うと
      日亜の主張が支離滅裂だったから。

      >和解額が第1審の額を大幅に下回る結果になって
      >司法制度がおかしいとか言ってるけど,第1審の
      >三村裁判官がおかしかっただけで。
      >みんな第1審判決の中身読んで言ってるの?
      >あれって将来利益の算定とか,貢献度の算定とか
      >めちゃくちゃだよ。

      日亜の主張では中村氏の発明は実用に耐えないもので
      重要なものでもなく、日亜の利益は開発費を差し引くと
      マイナスだということになっていた筈。

      特許というのは保持し続けるのに経費がかかるもの。

      重要でない特許であれば特許権を放棄して経費を
      節約して然るべきもの。

      利益がマイナスだということは開発としては
      失敗だということ。そうだとすれば中村氏は
      責任を問われ役職、給与においてネガティブな
      査定をされてしかるべき。

      しかし、実際には日亜は特許を放棄することも
      中村氏を降格も減給もしていない。

      民事裁判ならば一方の主張が支離滅裂ならば
      もう一方の主張が全面的に通ってしまう。

      ということで、おかしいのは第1審の裁判官ではなく
      日亜側の主張。
      親コメント
  • by RX-178 (2626) on 2005年01月11日 15時57分 (#677057)
    中村教授は
    「私は今回の和解内容について全く納得していないが、弁護人の意見に従って受諾することにした。」
    と言っているようだけど、納得していないのはどっち?

    ・200億円から6億円に下げられたこと?(後2億は遅延金)
    ・在職中の全発明の特許を受ける権利が同社に継承されること?

    なんだかんだと言って、金の亡者にしか見えなくなってきている今日このごろ
    • by chanbaba (13080) on 2005年01月11日 16時21分 (#677074) ホームページ
      >中村教授は
      >「私は今回の和解内容について全く納得していないが、弁護人の意見に従って受諾することにした。」
      >と言っているようだけど、納得していないのはどっち?

      どっかのTVでのニュースでキャスターが言っていたけど、弁護士は今後の訴訟を継続する訴訟費用を考えると「最大の利益になる」と考えているようなことを言っているみたいなことを言っていた。
      きっと、1億くらい更に訴訟費用を投入し訴訟を続けても、7億や8億取れる見込みが弱いと言う話なんじゃ?

      >なんだかんだと言って、金の亡者にしか見えなくなってきている今日このごろ

      600億や200億とかは「金の亡者」の様にも見えていたが、6億って、営業とかの人間があれだけ貢献したら、出世し役員とかになって同じくらい取るんじゃないの?
      非常勤役員とか顧問とかで、地位と名誉と金を与えることを考えると、そのくらいはあっても良いんじゃ?
      「数百億取るぞ」ってやっているわけじゃないんだし。
      和解なんて双方が折れ合うんだから、「不満が全く無い」なんてことはそもそもありえない。それを口に出すか出さないかだけでしょ。
      口に出したのは、技術屋の立場の向上的な物があり、もっと頑張りたいと思っている面もあったからなんじゃ?
      親コメント
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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