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10212 story

自由を得た『星の王子さま』 91

ストーリー by Oliver
公衆の財産 部門より

KAMUI 曰く、 "サン=テグジュペリと言えば,その挿絵も本人の手による『星の王子さま』の作者として知られるが,2005年 1月22日で日本における著作権が切れた。それに伴い、岩波書店の独占的な翻訳出版権が消滅した事を受け,国内の複数の出版社から「新訳」での出版が予定されている事を asahi.com の記事が伝えている。
原書『Le Petit Prince』(小さな王子)は 1943年にフランス語版と英語版が出版され,日本では 1953年に岩波書店が『星の王子さま』の題名で出版した。日本国内での著作権保護期間の 50年(サン=テグジュペリは 1944年に出撃した際に消息を絶っている)と戦時加算の 10年により 今年 1月で著作権が切れた事から,論創社・宝島社・中央公論新社・集英社などが新訳の出版に名乗りを挙げ,早い所では 6月には出版されるが,他にも準備中の出版社があると言う。
なお,『星の王子さま』ミュージカルを制作している TBS が「みんなで訳そう!」というプロジェクトを行っているが,最終的な権利が何処に行くのかがイマイチよく解らない。"

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  • いやぁ笑った (スコア:5, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2005年05月26日 15時44分 (#741204)
    著作権は切れても、特定の商品やらサービスを識別する商標は永遠に更新できるわけで。特許電子図書館 [ncipi.go.jp]で検索してみると、文房具や壁紙から理化学機械器具??まで片っ端からフランスの著作権管理団体が押さえてるらしい。(食品・加工肉ではカネツカデリカフーズが押さえてた)。

    で、その日本での独占代理店というのがこの会社 [lepetitprince.co.jp]。
    「株式会社セラムは、サン=テグジュペリ作『星の王子さま』の商品化権を管理する、日本で唯一の代理店です。(星の王子さま公式ホームページ)」ブランドコンセプトは「大切なものは目に見えない」

    『星の王子さま』を手がかりに、<本物の人間らしさとはいったい何か>をみつめなおしたい・・・。
     株式会社セラムは、このテーマに真摯に取り組んでいきたいと考えています。


    ぶははははは。まあ流しておくとして、著作権切れについては大事なお知らせ [lepetitprince.co.jp]なるページがあった。著作権が切れてもイラストとタイトルとロゴを商標として使う権利は押さえてるからライセンスしろよ、という他に、なんと著作権切れにあわせてサンテグジュペリ本人によるオリジナルの挿絵に似せて描いた新イラストを出して延命を計ってるらしい。「このイラストには新たな著作権が発生しています」だとさ。

    1939年に死んでるミュシャの絵で永遠に儲けるために商標どころか「財団による正式な認定書」とかいう商売までやっちゃってるミュシャ財団とか、著作権がなくなってるエッフェル塔を電球で飾ってその著作権を楯にエッフェル塔が写ってる写真とかから金取ろうとしてる奴らとか、諦めの悪い権利団体ほどタチの悪いものはないな。そりゃ永遠にうまい汁吸うためだったら法改正だってさせるわな。

    ついでに、「星の王子さま公式ホームページ」のFAQ [lepetitprince.co.jp]から:

    Q  私のホームページからこのサイトへのリンクをはりたい。
    A  営利を目的としない個人のホームページに限りリンクを許可しています。ただしそのページを当社が公認するというわけではありません。(略)星の王子さまのイラストをセラムの許可なく、あなたのサイトで使用することは、禁止させていただきます。下記の内容に該当するサイトからのリンクはお断りさせていただきます。また、その際のクレームは一切お受けできませんので、予めご了承ください。
    ・セラム、星の王子さまクラブの権利を侵害する内容
    ・セラム、星の王子さまクラブ、第三者に対する中傷、誹謗
    (略)

    ヤレヤレ。
  • ご参考まで (スコア:3, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2005年05月26日 14時53分 (#741170)
    「著作権」のきれた「翻訳」てことで、
    プロジェクト杉田玄白 [genpaku.org] を思い出してみたり。

    # 「そんなこた、とっくに承知だ。余計なリンク張るな」
    # と思った人がおられたら、ごめんなさい。
  • by Elbereth (17793) on 2005年05月26日 14時58分 (#741176)
    岩波版は「星の王子様」だけど、原版の直訳は「小さな王子」なんですよね。
    「星の王子様」で定着している日本で「小さな王子」のタイトルで出すと、同じ作品だと分からない人がいるかも知れない。
    あと、意訳な「星の王子様」は岩波に権利があるから使えない、みたいなことはないんですかね。
  • by sylphide (21133) on 2005年05月26日 17時59分 (#741292) 日記
    自由になれなかったネズミ [ittousai.org]の事を思い出しました。

    しかし王子も本当に自由になったわけではないようです…

    ----
    ネズミ:王子!どうして戻ってきたんだ?

    王子 :やっと自由になれたと思ったのに、まだ自由じゃない [lepetitprince.co.jp]んだって…

    ネズミ:気の毒に…俺も20年刑期が延びた時は落ち込んだぜ…それで王子は何年延びたんだ?

    王子 :判らない… ねえミッ○ー、商標権ってなに?

    #つまんないけどID
    • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 20時41分 (#741402)
      商標制度 [wikipedia.org]自体は、同じ分野で同じ名前の商品がでて混乱することを防ぐものだから著作権ほど副作用は大きくないんだよ。("NPO"みたいな言葉を通すのは問題だけど)。比較してみると、
         商標     (著作権)
      ・登録が必要   (描いた瞬間に発生)
      ・審査がある   (審査不要)
      ・公報に載る   (登録がないから調べるシステムもない。調査依頼は高くつく)
      ・十年で切れて要更新
      (著者の死後数十年、権利者が不明でも自動的に続く)
      ・特定分野での商標を持っていれば、その分野の商品や役務の名前に使うことを禁止できる
      (個人が非営利に使っても、元にした翻案でも禁止できる)

      こんな感じ。逆に言えば、著作権切れたら大変なことになるって脅しの多くは実は商標さえあれば問題ない話だったりする。「ミッキーが著作権で“保護”されなくなったらニセモノ商品が出まわって“本物”を買えなくなる」とか「ディズニーランドからミッキーがいなくなる」なんてのは素朴な勘違いか単なるFUD。純正が欲しければ今まで通りtmでメーカー確認すればいいし、ディズニーランドにはパブリックドメインのアリスや白雪姫やサンタがいる。

      パブリックドメインのキャラクターでも、例えば「白雪姫」は金属溶接機に使うなら日立製作所 [ncipi.go.jp]、戦車およびロケットの名前にするなら自転車のミヤタ [ncipi.go.jp]が商標を持ってる。

      キャラクターにしてみれば、ガチガチの専属契約から複数企業と契約して自由にやれるようになった感じじゃないかな。人類の財産レベルになって殿堂入りというか。

      ミッキーが可哀想なのは、アリスやロミオやジュリエットやサンタやホームズや星の王子さまのいるリーグに十分移籍していい歳なのにいまだに雁字搦めで、他の作品に出演できないことかな(シェイクスピア作品やアリスの翻案は原作の価値を破壊したか?)。「煙草吸うミッキーなんて見たくない」なんていうヌルいディズニーファンがいるみたいだけど、あいつ昔はパイプ吸ってたから
      親コメント
    • >ねえミッ○ー、商標権ってなに?

      他のなににも代えられない、代わりのないものなんだよ。
      大事なものは、目に見えないからね、、、、、
      親コメント
  • つうか・・・ (スコア:2, 参考になる)

    by wanwan (45) on 2005年05月26日 14時54分 (#741171)
    タイトルの「自由を得た『星の王子さま』」という言い方はちょっと言いすぎなんじゃないか?
    別に岩波書店が不当に独占契約をしていたわけでもないでしょうに、このタイトルだと誤解を受けないっすかね?

    多分、洒落のつもりで書いてるのだろうけど、関係者じゃなくてもむかっとします。
    っていうか、編集もタイトルが正しい言い回しかどうかをきちんと判断した方が良いんじゃないですかね、雑談サイトとはいえ、あまりに失礼、無礼だと思いますよ。
    • Re:つうか・・・ (スコア:2, すばらしい洞察)

      by cavefish (25520) on 2005年05月26日 15時03分 (#741177)
      そうですかねぇ?
      素人からみるとやっぱり”自由を得た”って表現が一番しっくりきますが.
      これを機に,著作権の死後50年の保護が本当に妥当なのか議論してみるのもいいかも.
      こんな流れもありますしね.
      http://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyouindex.html#000144 [aozora.gr.jp]
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      • Re:つうか・・・ (スコア:1, フレームのもと)

        by hanetaro (21793) on 2005年05月26日 15時42分 (#741200)
         同様に素人ですが、「自由を得た」って表現は違うのではないかと感じました。
         自由を得たのは「星の王子さま」を利用したい人であって、「星の王子さま」が自由を得たわけではないのではありませんか?

         死後50年の保護が長いか短いかは置いといて。
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    • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 15時42分 (#741198)
      自由を得た『星の王子さま』というタイトルから、即座に帰って来た「ちびくろ・さんぼ」 [srad.jp]を連想してしまったので、『星の王子さま』で何か騒動が起きていたかの印象を受けました。
      確かに独占的な翻訳出版権の縛りはあったかもしれませんが、それが『星の王子さま』の自由を完全に奪っていたわけではありませんし、不当に出版権を得ていたわけでもない岩波書店に対して失礼だと思います。

      元ACさんみたいにむかっとまではしなかったけど、なんだかなぁという気分です。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 15時05分 (#741180)
      独占契約そのものが文化の発展を阻害していることを不当と感じている諸兄は多いと思われます。
      親コメント
    • by Li Luxing (7797) on 2005年05月26日 15時06分 (#741181)
      >自由を得た『星の王子さま』

       タイトルを見ただけで『著作権が切れて自由に扱えるようになった』。
       私はそういう印象を得ましたので、解りやすいタイトルだと思います。

       そもそも、どこにも『不当に』独占契約をしていたなんて書いていません。
       もしかして、独占していることが絶対的な悪だという印象の元での発言でしょうか?

       自由でないからといって悪でもありませんし、自由だからといって善でもないのではないでしょうか。
       『自由になった』に蔑みの意味を感じたから「むかっと」したのだと思いますが、それはあなたの思い込みによる感情なだけではないでしょうか。
      --
      李 露星
      親コメント
    • あの「自由を得た」というタイトルを見て、私はミッキーマウス絡みでの20年間の著作権延長のことを思い出しました。ミッキーマウス(ブルース?)の独占インタビュー [ittousai.org]では思いっきり囚われていましたし。
      参考:囚われの齧歯類、著作権延長を語る [srad.jp]
      --
      Mc.N
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 15時45分 (#741205)
    今後、より良い訳が出てくる可能性は高いんだろうけど
    反面、星の王子様の名前を関しただけの駄作が大量に出てくる事もあるだろう

    岩波が独占状態だったのが良くないって話もあるが、長年に渡って良書を提供し続けてくれたわけでもあり
    素直に「お疲れ様、ありがとう」と言いたい。

    # 子供の頃を思い出してちょっと感傷的になってみた
    • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 21時33分 (#741441)
      例えば、アンデルセンの著作権が切れてなければ、ディズニーの『白雪姫』はなかったでしょう。ジュールベルヌの著作権が切れてなければ、ガイナックスの『不思議の海のナディア』もなかったでしょう。

      たとえ、駄作がいくら出たとしても、著作権切れによる恩恵は計り知れないものがある、と私は思います。既存の媒体でない場合はなおさらですね。私も、邦訳では岩波の以外では違和感を禁じえないでしょうが…

      #でも、あれを子供にわかれってのもどうかと思う
      親コメント
  • by keirin (11199) on 2005年05月26日 16時18分 (#741225) 日記
     タイトルだけ見てこのニュース [yahoo.co.jp]のことかと思った…
  • ここには大きいお友達がたくさんいますね。

    #GRANDES PERSONNESって、あれ?そういう使い方する意味でしたっけ?
  • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 14時43分 (#741167)
    「各社競作」
  • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 15時28分 (#741188)
    少し前にanne(Anne of Green Gables)が
    名前のスペルにこだわるくだりが
    キリスト教圏である本国でどういう表現だったのか
    調べたいと思ったことがあった…

    私の力では、青空文庫みたいなサービスが
    日本以外でもおこなわれているのかどうかすらわからなかった。

    いや、無いことは無いだろうとは思いつつ。
    どなたかごぞんじないですか?

    Anne of Green gables自体は英語版を見付けたが
    件のくだりがどこかわからずじまい orz

    #anne系の名前はst.mariaの母に由来したりもする。
    #diana自ら異教徒っぽい名前というくだりもあるらしい。
  • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 15時36分 (#741195)
    「星の王子さま プチ・プランス」でしたね。

    #和洋折衷?
  • by Anonymous Coward on 2005年05月26日 15時44分 (#741202)
    ニューヨークにでも行ったんですか?
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192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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