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11040 story

「一太郎」アイコン訴訟、ジャストシステムの勝訴確定 57

ストーリー by GetSet
リアルな逆転裁判 部門より

あるAnonymous Coward曰く、"松下電器が、ジャストシステムのソフトウェアに特許権を侵害されたとして、「一太郎」と「花子」の製造や販売の中止、および製品の廃棄を求めていた裁判の続報です。 知財高裁では松下側が逆転敗訴となっていましたが、 その後、上告期限の10月14日までに松下側が上告しなかったため、ジャストシステム側の勝訴が確定したようです。(参考:ITmediaの記事)"

先の記事にも注釈をつけているが、ジャストシステム側が改めて発表したことから別ストーリーとして切り出している。今後のよき判例となることを祈りたい。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 防衛と先進 (スコア:2, 興味深い)

    by sameshima (10060) on 2005年10月18日 12時07分 (#816061) 日記
    たまに思うのですが、
    特許出願を防衛特許と、これはみんながナルホドって思うに違いないというような、先進性のある特許にわけたらどうでしょう?
    • by akiraani (24305) on 2005年10月18日 14時04分 (#816133) 日記
       それよりも、ソフトウェア特許の失効をもっと早くすべきかと。
       マウスというインタフェースがほとんど普及してなかった16年前のワープロに限っていえば多少先進性があったかもしれないが、ソフトウェアの世界においては5世代も6世代も前の話。いまさら穿り返して裁判沙汰に出来ること自体に問題がある。
      --
      しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
      親コメント
    • by Emc2 (14960) on 2005年10月18日 13時03分 (#816091) 日記
      我が社は特許権による攻撃を防ぐため中期特許力整備計画に基づきこれこれの特許を整備することとする…

      なんか某国の国防予算について説明できそうな文章ができあがりましたが。国防の場合と同様、ある意味抑止力理論で特許制度は成り立っている面があるので、殴る武器に使えない防衛特許は結局活用されない気がします。
      --
      RYZEN始めました
      親コメント
    • Re:防衛と先進 (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2005年10月18日 17時56分 (#816230)
      防衛目的なら発明者が特許申請せずに,公開広報に掲載すれば済む話です
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年10月19日 12時01分 (#816663)

      それ、昔特許庁だかに送ったことある。

      防衛特許は取得料を大幅に下げ、また、取得審査を パスしやすくする代わり、他社への特許料金請求を禁止。 これで浮いた人員を通常特許の審査の強化に回す。
      という案で、こうすれば
      • 本来の目的である、進歩的な技術の公開促進に通常特許の役割を戻すことができる
      • 批判される会社が言い訳に使う「防衛特許目的です」がどの程度本当に防衛目的かはっきりし、今後の特許法改正の材料となる
      • 防衛目的であっても特許には達しなくともアイディアレベルのものが公開されるので、一定の技術公開になる(玉石混合だけど)
      というのが骨子でした。

      あのメールは結局どうなったのだろうか・・・

      親コメント
    • 既知の発明(=新規制の無い発明)に対しては特許と認めない・認めた後でも取消を行うという前提を作れば、特許の種別を分けなくても発明を公開して既知のものとするだけでいいんじゃないですかね。
      • Re:防御したいだけなら (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2005年10月18日 12時41分 (#816077)
        元々そういう前提だけどそれが現実にはきちんと作用しないのが問題なのだと思うが。
        本来なら少々新規制が有ったとしても、物事の根幹に関わる発明で無い限りは特許でなく実用新案とするようになっている筈。
        そんなのも含めて特許とする事自体が間違えってのは当のお役所以外は解っているんではないかと。
        親コメント
      •  ええと、特許について理解して書き込んでます?
         既知の発明については当然ですが、特許として認められませんよ?
         認められたとしても無効にできるでしょ?
         特許の目的と制度を理解してから出直してください

        #釣られたんですかね?わたし
        #フレームのもとモデよろしく(^^;
    • by Anonymous Coward
      「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞 [wikipedia.org]の特許版でも作って表彰してあげてはどうでしょう?

      これの受賞が多ければ多いほど,社会的な信用を失うということで。
      • 何となく受賞者が二つのグループに分類できそうですね。
        各グループに名を連ねている方々にはそれぞれ相応しい方法で特製パイを進呈したいところです…

        #味は保証できませんが
        --
        #状況はいつも最悪、でもそれが当たり前
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2005年10月18日 12時11分 (#816063)
    判決前文 [courts.go.jp]

    • ジャストシステムのは特許の範囲には入らないだろ
    • しかも、それってWinhelp32.exeの機能で、汎用的なネジと一緒だし
    • そもそも、発明自体に新規性、進歩性が無いし


    口語訳してみました。
    • > * ジャストシステムのは特許の範囲には入らないだろ
      > * しかも、それってWinhelp32.exeの機能で、汎用的なネジと一緒だし
      > * そもそも、発明自体に新規性、進歩性が無いし
      それは控訴人の主張ですね。

      判決文のあらすじを口語訳してみました。

      3 争点
      ・控訴人製品をインストールしたパソコン及びその使用の構成要件充足性(争点1)
      ・特許法101条2号及び4号所定の間接侵害の成否(争点2)
      ・本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものと認められ,本件特許権の行使は許されないか(争点3)
      ・控訴人の当審における追加的な主張・立証が時機に後れた攻撃防御方法として却下されるべきか(争点4)

      1. 一太郎・花子が松下の特許に触れてるか(争点1)
      2. 間接侵害??これどういうことかわかりません(争点2)
      3. 松下の特許って新規性がないから無効じゃないの(争点3)
      4. 特許が無効とか今頃言うのおかしいんじゃないの(争点4)

      5 控訴人の当審における追加的な主張

      ジャストシステム側から。
      争点2に関して「winhelp32.exeを叩いてるんであって、汎用のネジと一緒なんだからウチが侵害してるわけじゃないよー。」

      争点3について、松下の特許出願時点で公知であった証拠を出してます。
      • フレッド・ストーダー著「ハイパープログラマーのためのハイパーツール」
      • デニー・スレシンジャー著「ヘルプ・ドキュメンテーション・システムの概説」(マックチューター1987年11月号)
      • ナショナル・インストルメンツ社「ラブビュー~マッキントッシュのための科学ソフトウェア~」
      • マイケル・ボーズ=グレッグ・ウィリアムズ著「ラブビュー:実験仮想器具エンジニアリング・ワークベンチ」(バイト・マガジン1986年9月号)
      • 「ラブビューのバージョン1.2」(遅くとも1988年に頒布されていたもの)
      と全く同じじゃないの
      • フレッド・ストーダー著「ハイパーカードのユーザーに優しいプログラミング」(マックチューター1987年10月号)
      • ヴィッキー・スピルマン=ユージン・ジェイ・ウォング著「HPニューウェイブ環境ヘルプ・ファシリティ」(1989年8月発行)
      を参考にすれば簡単に思いつくんじゃないの

      6 被控訴人の当審における追加的な主張

      松下側から。
      争点3について
      「いやいや、ウチの特許はその当時思いつくのは難しいって!」

      争点4について
      「もともとジャストホーム2家計簿パックの裁判やったときから4年間も経過してるのに今更特許が無効とかそんなこと言うなよ、今までも調べる時間たくさんあったはずじゃん」
      という主張。

      第3 当裁判所の判断

      1. (争点1)一太郎と花子は松下特許の範囲内にばっちり入ってます。
      2. (争点2)winhelp32を叩いていようが、一太郎をインストールしてないWindowsでは特許に触れる場所がないんだから、一太郎と花子をインストールする行為が間接侵害です。(その他いろいろ)
      3. (争点3)いろいろあるけどまとめると、「HPニューウェイブ環境ヘルプ・ファシリティ」と周知の技術で当業者が容易に発明をすることができたので特許無効審判で無効。
      4. (争点4)今回の追加部分は新しく追加された文献だけど、まあ文献調査は時間かかるもんだししょうがないかな。いつまでに出せとも特に言われてたわけでもないし。


      5 結論
      よって,被控訴人の請求は,いずれも理由がないから,これを認容した原判決を取り消し,被控訴人の請求をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。

      販売差し止めとか在庫廃棄とかそういうのはナシですー
      親コメント
    • by PittyPat (11791) on 2005年10月18日 14時49分 (#816148)
      日本弁理士会のウェブサイトの、「判決紹介」です。

      http://www.jpaa.or.jp/appeal/opinion_20051012.html [jpaa.or.jp]

      親コメント
    • 特許の範囲に入るという判決ですよ。
      地裁判決は否定されてません。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2005年10月18日 13時09分 (#816097)
      しかも、それってWinhelp32.exeの機能で、汎用的なネジと一緒だし
      それはジャストシステムの主張ですが、裁判所は認めないみたいですね。
      確かに,証拠(乙16)によれば,別紙イ号物件目録ないしロ号物件目録記載の機能は,マイクロソフト社のWindowsというオペレーティングシステムのうち「Winhlp32.exe」等の実行ファイルの有する機能を利用しているものと認められる。しかしながら,控訴人製品をインストールしたパソコンにおいて,前記機能が実現されていることが認められるものの,控訴人製品をインストールしていないパソコンにおいても同様の機能が実現されていることを認めるに足りる証拠がない本件においては,前記各目録記載の機能は,控訴人製品をインストールしたパソコンにおいて初めて実現される,言い換えると,控訴人製品のプログラムと「Winhlp32.exe」等の実行ファイルが一体となって初めて実現されるというべきであるから,控訴人製品は,本件第1,第2発明による課題の解決に不可欠なものというべきである。したがって,控訴人の前記主張は採用することができない。
      何この詭弁…
      親コメント
  • by Li-ion (25837) on 2005年10月19日 0時07分 (#816447) 日記
    何か、最近忘れ去られていませんか?
    アイディアや表現が保護される法律が何故できたか。
    忘れていませんか、特許法や著作権法の前文に書いてある事を・・・

    この事件をきっかけに、消費者に有害にできる無効な特許なんて消えれば良い・・・ そう思ってしまった。

    # 松下の友人は「ジャストめ・・・」って言ってましたけど何か?
    --
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  • by t_mrc-ct (5292) on 2005年10月18日 14時18分 (#816138) 日記

    それで、結局この特許は今後も有効なんでしょうか。それとも特許取り消しで無効?

    • by PittyPat (11791) on 2005年10月18日 14時42分 (#816145)
      無効審判を起こして、無効の審決が下されない限り、今後も 有効です。といっても、あと数年で権利期間は満了しますが。
      親コメント
      • by chute (19365) on 2005年10月18日 18時25分 (#816249)

        ・争点3(本件特許権の行使の制限)について
        本件特許は,以下のとおり,本件発明の新規性又は進歩性の欠如による無
        効理由があり,特許無効審判により無効にされるべきものと認められるから,
        特許法104条の3第1項に基づき,被控訴人の控訴人に対する本件特許権
        の行使は許されない。


        てことで.
        親コメント
        • by PittyPat (11791) on 2005年10月19日 10時44分 (#816626)

          上記の文は、
          1)本件特許に無効理由があるということと、
          2)それにより「無効にされるべきもの」であるということ、
          を言っているだけで、特許権そのものは有効なのです。

          従来のケースではこのような訴訟において、侵害していると
          訴えられた側が、訴訟とは別に特許庁に対して特許無効の
          審判を請求し、その審決が特許庁によって下されるまで、
          裁判所は裁判を進められなかったのでした。

          近年、日本の裁判は判決が出るまでに時間がかかりすぎる!
          という声が大きくなったため、別途無効審判を起こさなくても、
          無効とされるべきかどうかを裁判所が判断できるように
          法改正がされました。今回がそれですね。

          でも、だからといって、「無効」にすることは依然として
          裁判所には許されていないのです、「無効と判断する」ことが
          できるだけで


          ですから、本件特許は依然として有効なのです。
          親コメント
          • by chute (19365) on 2005年10月19日 18時30分 (#816847)
            ご説明ありがとうございます.その通りだと思います.
            ただ,「有効です」と言い切ってしまうと,無効審判の審判がないと権利行使も可能なのかと考えそうでしたので,敢えて引用してみました.

            おっしゃる通り,侵害裁判においては裁判所は「無効と判断する」ことができるだけですが,それだけでも104条の3により権利は行使できなくなるので,実質的には使えない特許だと認識していますが合っていますでしょうか.
            親コメント
    • 特許としては残るでしょう。
      ただし、今回の裁判で権利を主張しにくいと分かってしまった
      ため、有効な特許とは言えなくなったでしょう。

      特許自体をすぐに無効にするには、誰かが取り消し請求の
      裁判を起す必要があるんじゃないかな?

      それよりも、この特許を維持するための金を松下が出さなく
      なり、勝手に特許権が消滅すると思う。

      毎年金を払わないと特許権は維持できないが、その
      金額が毎年上がっていくから。
      (だよね? > 識者)
  • by Anonymous Coward on 2005年10月19日 11時44分 (#816653)
    特許を「事実上無効化」するパスが増えた。と考えると、
    個人の発明を潰しやすくなった・・・って事は無いのでしょうか?

    それとも、もともと多数存在する特許無効化のパスの一つなのかな?

    有識者の方、どうか教えてください。

    • いったん登録になった(=権利化された)特許を、わざわざ無効にするなんて手間とお金のかかることは、
      1)特許権者やライセンシーに「侵害だ」と訴えられた場合
      2)訴えられる前でも、自分の実施したい(例えば製造・販売したい)ものに抵触しそうな場合
      の、いずれかぐらいしか無いんじゃないでしょうか(パッと思い付く限り)。

      無効にしようと思ったら、「無効だ」とする根拠、証拠は
      無効を申し立てる側が揃えなくてはならないし、それには
      お金と時間がかかるからです。

      上記2)のケースを心配して、あらかじめ侵害防止調査(抵触しそうな権利が無いかどうか調べる)や、
      さらに無効資料調査(無効とする根拠が示された資料を探す調査)を
      行っていた場合でも、わざわざ無効を申し立てるのは訴えられるのを待ってから(?)、
      だと思います。

      無効の証拠さえ握っていれば、訴えられても怖くはないし、
      訴えられもしないうちからお金と時間をかけて無効審判請求なんて
      恐らく、したくはないでしょう。

      と、以上を踏まえると、個人発明家の特許であれ大企業の特許であれ、
      積極的に無効化しようっていう動きが今後増えるというようなことは
      無いんじゃないかなー、と、思います。

      それとも、個人の発明家であることのハンディキャップが何かあるとお考えなのでしょうか。
      もし、論点がずれていたらすみませんでした。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2005年10月18日 13時21分 (#816106)
    MacOSのバルーンヘルプのパクリで特許取られてもなぁ。
    無印良品の偽ブランドが同名で他国であるけど、それと同じようなものだね。
    盗人猛々しいとはまさにこのこと。

    みんなLINUX使おうよ
  • by Anonymous Coward on 2005年10月18日 22時27分 (#816374)
    松下に対して、「この訴訟の間、一太郎を安心して使えなかったことによる精神的苦痛に対する補償を求める」裁判ってのを起こしませんか?
  • by Anonymous Coward on 2005年10月19日 2時20分 (#816501)
    そもそもアレゲ度は皆無
    何度も取り上げるほどのネタでもないと思う

    スラドも大企業バッシングで憂さを晴らす
    低俗な奴らの溜まり場になってしまったんだな

    勝っても負けても叩かれるんじゃ可哀想だよ
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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常

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