kazekiriによる
2006年05月19日 15時00分の掲載
1匹のゴキブリを発見すれば...部門より。
1匹のゴキブリを発見すれば...部門より。
cnetmania曰く、"japan.linux.comに GPLの遵守の現状と問題点という記事が掲載されている。 GPLの違反行為と闘う人々の状況をまとめた記事であるが、 Busyboxのメンテナによれば、 LinuxやBusyBoxを使用しているのが明白であるにもかかわらず 「これは純然たるプロプライエタリなソフトウェアです、と謳っている」との 報告を毎週3件程度は受けているという状況もあるようだ。 gpl-violations.orgによる違反企業との闘いもまとめられていて、 かなり読み応えがある。日本では エプソンコーワの違反の件でもあるように比較的穏便に解決する ことが多いわけだが、今後ますますGPL採用ソフトウェアの利用が拡大 することでどうなることやら。"
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この議論は賞味期限が過ぎたので、保存されている。
新たにコメントを書くことはできない。
遵守活動はどの程度重要か? (スコア:4, 興味深い)
進化生物学とかである程度明らかにされた傾向として、
次のようなものがある。
- 利己主義者と互恵主義者には本質的な違いはないが、互恵主義者のほうが「自己」の範囲が広く(自分だけじゃなく、自分の家族や仲間のことも考えられるということ)、未来予測の期間が長い(長期で見て便益があれば、短期のコストは我慢できる)。
- 互恵主義者と利己主義者がひとつの環境に存在していた場合、互恵主義者は利己主義者に必ず負ける。
- 「利己主義者の集団」と「互恵主義者の集団」であれば、後者のほうが生産性が高い。
- よって、少しだけ賢い互恵主義者には、自分自身の生き残りのために、利己主義者を締め出して集団化する傾向が発生する。
- 少しだけ賢い利己主義者には、互恵主義者のフリをする傾向が発生する。
- ある程度の集団で協力の進化を可能にするのは処罰である。
次に、ソフトウェア業界の人なら同意してくれそうな、
次の前提条件を提示したい。
- ソフトウェアは社会的である。(=孤立した環境では便益が小さくなる。)
- ソフトウェアによってえられる便益はゼロサムではない。
- 開発者は、排他的に動作するソフトウェア、相互運用可能なソフトウェア、どちらでも作ることができる。
で、おそらく FSF や SFLC は互恵的団体で、かなり長期(十年とか三十年とか)で
コストを回収するつもりだ。
もちろん一般の企業はそんなことを言えるような状況になく、
かなり短期(一年とか)で回収しないと破産しちゃう。
とはいえ IBM のような、今後三十年この業界で飯を食っていく
つもりがある企業は、長期で回収してもいいし、
だから FOSS についても積極的になれる。
で、GPL 遵守活動は「利己主義者を締め出」すことに他ならないし、
それが裁判になれば「処罰」ということになるわけだ。
長期的視点では必要なことなんだけど、問題点としては、
GPL 遵守活動のコストがあまりに大きいことだ。
「ある程度の集団で協力の進化を可能にするのは処罰である」というのは、
処罰する側のコストが小さくなければ成り立たない。
そして協力できないと FOSS は利己主義者を上回る便益を生み出せず、
生き残れない。
FSF / SFLC もそこには気づいていて、なるべく簡単に
GPL 違反を指摘できるようにしようとしているけど、
まだ敷居が高いように感じる。
もっと気軽に楽しく、GPL 違反を指摘できるようにならないと
いけないんじゃないかなぁ。
…などということを考えてみた。
参考文献は「自由は進化する」 [amazon.co.jp]
「進化と人間行動」 [amazon.co.jp]あたりってことで。
# mishimaは本田透先生を熱烈に応援しています
他にもあるかも (スコア:3, 参考になる)
アクアプラスに関してはその後公開ということで決着しましたが、その時指摘されていたようにGPLを理解せずにGPLなソースコードを利用した(している)ケースもあると思います。
日本国内において海外製のソフトウェアを用いる際にはライセンス規約が英語である場合が多く、読み飛ばす人が圧倒的多数なのかもしれません。
#まぁ、日本語だったら読むのか?という問題もありますが・・・
Re:他にもあるかも (スコア:3, おもしろおかしい)
親コメント
Re:他にもあるかも (スコア:2, 参考になる)
#Windows2000やOffice2000がそうかはライセンスを見てください。
親コメント
GPLv3の60日ルール (スコア:3, 参考になる)
権利者側がライセンス取り消しまで60日待たなければいけないと
いうものではありません。
利用者側がGPL違反を(コッソリ?)直して60日何も言われなければ
OKというものです。
つまり時効60日。過去の違反によるライセンス取り消しに怯える
必要はないということです。
# http://gplv3.fsf.org/rationale [fsf.org] を読めば間違うはずないのに…
コスト (スコア:2, 興味深い)
GPLに、「違反行為が確認できた場合、違反者はその違反行為を証明するために要した対価を支払う」とか盛り込んじゃダメなんですか?
# 低レベルな発想だからもうどこかで語りつくされてる気はするけど…
日本でGPL違反と言えば (スコア:2, 参考になる)
日本独自の「フリーソフト」文化 (スコア:2, 参考になる)
「フリーコンポーネントのTXXXXを使っています」とかなっててソースコードやGPLについては一言も言及していなかった人が1件→×
「ソースコード見たい人はメールください」という比較的後ろ向きな人が2件→○?
「不本意ながらGPLです、メールくれればソース送ります、なるべく請求しないでね」という激しく後ろ向きな人が1件→△
「GPLに基づきこのプログラムを使用・変更・再配付することができます。基本的にアーカイブ内容を改変せずそのままで配布してください、転載後には事後連絡ください、転載時にメディア料金以上の代金請求することは禁止します」という、全く理解していないのが1件(ソースについて言及なし)→×
「GPLに基づき云々」は書いてあるけど、コンポーネント本体は別途入手してくださいとなっており、ソースコードに言及していないのが1件→×
「GPLに基づき云々」は書いてあってソースコードへのアクセスも可能だけど、コンポーネント本体を別途入手させるのが4件→×
開発日記に書いてあるからきっと使ってるんだけど、本体のドキュメントにはその使用について一切書いていない人が1件→×?
というわけで、GPLをしっかり遵守しているケース、ほとんどありませんでした。
実際このコンポーネントは商用ソフトでも使われてて一時期話題になったことも…。
Re:日本独自の「フリーソフト」文化 (スコア:3, すばらしい洞察)
親コメント
Re:日本独自の「フリーソフト」文化 (スコア:3, 参考になる)
2,3についてですが、GPLの3のb項に基づく配布だと思われます。GPLの3のb項には次の記述があります。
この「a written offer」とは紙などに書かれた文書(通常、人間が読める物)のことです。電磁的記録を以て「a written offer」とすることはできません。また「medium」とは物理的な媒体(フロッピーディスクとかCD-ROMなど)です。もし、2,3がWebや配布されるファイルに「ソースコード見たい人はメールください」とか「不本意ながらGPLです、メールくれればソース送ります、なるべく請求しないでね」と書いてあっただけならば、「a written offer」を満たしていないので、×です。ソースコードを電子メールで送ったり、あるいはFTPなどでDownloadする方法を教えるのでは「medium」を満たしていないので×です。
GPLの3のb項に基づいてバイナリを配布するならば、文書(通常、人間が読める物)と物理的な媒体(フロッピーディスクとかCD-ROMなど)が必要です。
元の投稿の2と3の状況がわからないので、×とは言えませんが、同様に元の投稿の情報だけでは◎とも言えません。
親コメント
Re:日本独自の「フリーソフト」文化 (スコア:4, 参考になる)
他の方がご指摘の通りTMP3Playerというコンポーネントを使った、所謂『フリーソフト』の話です。明らかにGPLを全く理解しないで使っている4.のようなケースは「×」と書きましたし、「△」は字句上一応満たしているけど明らかにドキュメントがGPLへの敵意丸出しでしたので、△にしました。
昔調べたもので、特に追及するつもりもなかったので、ソフト名は紛失しています。改めて今ググれば、具体的なソフトもたくさん見つかりますが、「思想は合っていても文面で矛盾している」系の善意のソフトのURLをここで挙げて糾弾するほどGPL信者でもないので、それも勘弁してください。重ねてごめんなさい。
で、意外と/.にもGPLの細かい解釈で混乱のある人が多いので、説明を。
【2・3「ソースはメールで請求してください」】
readme.txtに、上記のように書かれているだけの場合、厳密にはGPLに矛盾します。公式のGPL Q&A [gnu.org]を読むと、『あなたがバイナリを匿名FTPで頒布したいならば、あなたはソースをそれらと一緒に頒布しなければなりません。』と明記されています。紙の書面がないのなら、ソースとバイナリは全く同等に入手可能でないといけないのです。「○?」や「△」になったのは、「厳密には矛盾している気がするけど、ここまで言うのも、なんだかなー」というグレーな気持ちの表れでして。
【4「転載後に作者に連絡を」】
これは明らかにダメ。GPLが求める以上の制限をソフトに加えることは、GPLと矛盾します。例えば「転載後に連絡ください」という制限項目を主張した時点で、GPLに矛盾です。もちろん「バイナリ再配布時にメディア料金以上を請求してはいけない」という制限も、GPLに矛盾です。これ系の有名な例はオリジナルBSDライセンスの宣伝条項でしょうか。
【5・6「コンポーネント部分は別途入手してからコンパイルしてください」】
自分の作ったソースの部分だけを配布し、ライブラリ部分を含めないのは、GPL違反です。GPL3項に、「ある実行形式の著作物にとって完全なソースコードとは、それが含むモジュールすべてのソースコード全部に加え…(略)」とあります。自分のソフトに組み込まれたTMP3Playerという部品を、別のURLから入手させないとexeがコンパイル出来ない、というのは(悪意はなくても)GPL的に良くない。
参考:差分を配布するだけでいいですか? [gnu.org]
文面上合ってるなら思想はどうでもいい、というのも一つの考え方でしょうが、思想が合ってても文面で矛盾してるソフトが多いのも気になります。
親コメント
GPL違反のリスクってどの程度? (スコア:1, 興味深い)
法的なリスク・ペナルティってどういったものになるんでしょう?
(OSS界隈での評判が悪くなるのはわかるんですけど)
Re:今後ますますGPL採用ソフトウェアの利用が拡大する (スコア:1, おもしろおかしい)
親コメント
Re:BSDライセンスのほうがいい (スコア:1)
コピーし放題のソフトは破綻しようがないって気はする
親コメント