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広島大学が12GHzのクロック発生及び分配技術を開発 17

ストーリー by Oliver
激しい振動 部門より

Anonymous Coward 曰く、

毎日MSNの記事によると、広島大学大学院の佐々木守助教授(半導体集積科学)のグループが、エルピーダと共同で世界最速の半導体クロックを発生・分配するための技術を開発し、開催中のISSC 2007 (国際固体素子回路会議)で発表した。
具体的には、集積回路内の信号のばらつきや膨大な消費電力の課題を克服するため、集積回路内の伝送路を網目状に組み、伝送路の端につけたコイルで振動を起こして回路内の機器に一斉に信号を送る仕組みを開発。この結果、従来の5倍の速さで計算できる一方、消費電力を従来の50%削減したとしている。
広島大学の報道発表ページに 「パソコンの性能を5倍以上に向上できる超高速クロックの発生及び分配技術の開発」というのがが、一般向けには公開されていないので、これ以上はよく分からない。けど、手法的にはアリなのかな。

ISSCでの発表はセッション9.5 [PDF]「12GHz Low-Area-Overhead Standing-Wave Clock Distribution with Inductively-Loaded and Coupled Technique」とあるのでプロトタイプで12GHzを達成しているようだ。

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  • by gm300 (14617) on 2007年02月16日 0時22分 (#1110667) ホームページ 日記
    網目状は結構普通。intel, IBMともに数年前には確実にやっていた。PS2も、GRAPE-DRも網目という証拠がある。でもコイルとは。
    物理的にどれくらいのサイズのコイルが要るんだろう。そもそもコイルはチップに一個?すごくたくさん?コイルがあればPLLは要らなくなる?

    共振を使ったとしても、場合によっては配線の方の容量を微妙に変えることで動作周波数は調整できる。とりあえず10umで設計しておいて、マスク作るときに9umに削るとか。ネガのフォトマスク使っていれば、そんな改造は簡単かもしれない。

    しかし、配線の太さだって密度だってばらつきがある。だから今困っているわけだ。ばらつきがあると当然容量にもばらつきがでてしまい、共振周波数が変わってしまうと思う。さらに悪いことには、配線の太さは同じチップの中でも10%程度は変わる可能性があるので、共振の鋭さが落ちてしまう。落ちると周波数の安定性だけはなく、消費電力にも響くだろう。配線が細くなってCが少なくなった時には、Lが大きくなって補ってくれればいいのだけれど。新しい点があるとすればそのような相補性を発揮できるようなアートワーク的な改善ではないだろうか。プロセス的なばらつきは相補的なアートワークで凌げても温度はどうするのだろうか。金属配線だけで構成されていれば温度の影響は受けにくいが、Trも利用していれば恒熱回路=ヒータが必要になるだろう。いくら共振を使っても配線の抵抗成分や、終点側のTrの中の抵抗成分でどんどん電流は熱になっていく。そのためにTrによる駆動は常に必要だろう。

    12GHzが達成できても必ずしもclock速度を12GHzにしなくてもいいわけで、たとえば2GHzにしてもいいし、500MHzにしてもいい。また確かにclockの揺るぎも問題だけど、それ以上に問題なのはTrの速度のばらつき。Trの速度のばらつきの幅が今の1/4になれば、3割は早く動くと思うな。もちろんマージンはなくなるけど。
  • by Anonymous Coward on 2007年02月15日 23時17分 (#1110640)
    ISSCCの発表を聞いたわけでも論文を読んだわけでもなく、
    ただ単にハイライトを読んだだけなので、以下はただ単なる推測です。

    6M 0.18um CMOS technology.
    The power consumption is 80mW at 0.9V.
    とハイライトには書いてあるのですが、私の知る限り 0.18um CMOS は 1.8V が定格電圧なはず。
    そこをあえて 0.9V時の消費電力が書いてあるってことは、
    振幅が 0.9V しか出ていないと勝手に推測。

    まあ、0.18um CMOSで12GHzを出そうと思うとそれぐらいになるとは思うのですが、
    問題はこれが「0.18um CMOS」だからこうなのか、
    それとも「コイルを用いて伝搬している」からなのかが重要だと思います。

    前者ならば最新プロセスを適用すればもしかしたら・・・・と言う可能性を議論できますが、
    後者ならば、最新プロセスを用いても定格電圧を出せないと言うことになるので、
    こんどは素子の入力電圧が定格電圧以下でもまともに(周波数に見合った)動作する CMOS が必要になってきます。

    ・・・・・・・・・・コイルで 12GHz出すよりこちらの方が難易度高そうなんですけど。
  • by cyber205 (4374) on 2007年02月15日 23時04分 (#1110636) ホームページ 日記
    > 伝送路の端につけたコイルで振動を起こして回路内の機器に一斉に信号を送る仕組み
    なんか、アマチュア無線で習った送信段の「タンク・コイル」みたいなもんでしょうか。
    確かあれは、C級増幅の説明のところだったかな。
    共振現象を利用しているのだとすると、設計段階で中心周波数を設定してしまうので、
    後からクロックアップを行うのは難しくなりますね。
  • by sameshima (10060) on 2007年02月15日 23時17分 (#1110639) 日記
    インダクタで終端して位相合わせしたら電力は食わない
    けど周波数が変えられないので、システムとして走るか
    止まるかになって電力食いそう…

    網目状で終端点にコイルって言うと、
    高圧電力線の同期調相機を思い出す。
    http://www.radionikkei.jp/denki/contents/03301/index.html [radionikkei.jp]
  • by Anonymous Coward on 2007年02月15日 21時47分 (#1110607)
    >パソコンの性能を5倍以上に向上できる超高速クロックの発生及び分配技術の開発

    クロックが高速になるにしたがって、スキューを保障するのが難しいのは確か。
    しかしそれは10GHzで動作する半導体をつくるために乗り越えなくてはならないさまざまな障害の一つ。

    クロック分配の問題が解決したなら、それで即10GHz以上で動作するプロセッサを
    作ることが出来るというわけでは無い。
    • by s02222 (20350) on 2007年02月15日 21時58分 (#1110615)
      まあ、新技術を開発した時に、景気づけのためご褒美に使える慣用句ってことで(笑)>「~の性能をn倍以上に向上できる技術」。
      毎度毎度、「HDDの容量を~」だとか「光ディスクの~」だとかが実装に落ちてくるまでに何分の一倍されてるやら。

      意味としては、「~の性能をn倍しようとしたらその途中で必要になりそうな技術」ぐらい。
      親コメント
    • では具体的に分類していこう

      司会者として知識のない範囲で話題をふるなら

      まず、バスの速度から入っていくんでしょうか?
    • ぷれすこっとで500Wの放熱が可能なら‥orz
      まぁ、1cm^2かそこらのもので500Wというのが‥
      昔、.35プロセスのalphaで130Wがどうかと論じたのが夢のよう
  • by shoji12 (14093) on 2007年02月15日 23時46分 (#1110652)
    配線が作る容量を利用しているのかな?
    その容量と終端コイルのインダクタンスで決まる共振周波数を、クロック周波数に一致させているのだろうか?
    さらに定在波が存続できるようにして希望するノードの電圧値を2倍にしているのだろうか?
    これまでのコメントで想像したことです。
  • by Anonymous Coward on 2007年02月15日 23時17分 (#1110641)
    GUNN発振器とかだと150GHzとかでも普通にありますし、テイバイ器も作れるのでテラヘルツでもいけるはず。 どの部分が新しいのだろうか??新しいんだろうけど、どの部分がすごいのかイマイチ専門外の私には分からない。。
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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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