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Xerox、普通のカラープリンタで印刷できる「すかし」技術を開発 43

ストーリー by Acanthopanax
xerographic 部門より

WestEast 曰く、

ITmediaの記事マイコミジャーナルの記事より。米Xerox社は普通のカラープリンタで印刷可能なすかし技術“InfraredMark Specialty Imaging Font”を開発したと発表した(プレスリリース)。この技術では、カラープリンタのCMYK各色のトナーが赤外線に対して異なる反応を示すことを応用し、人間の目には同じに見えるが赤外線に対しては大きく異なる反応を返す2つの色を使い、それぞれ文字色と背景色に使用することで、通常の状態では読めない文字や画像の印刷を行う。この技術で印刷された文書は赤外線カメラなどを使うと見えるようになる。また、この文書をコピーしたとしても、文字がゆがめられて読みにくくなり、コピーされた文書であることが判別できるという。

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  • Xeroxの新技術 (スコア:5, 参考になる)

    by sakaki101 (30670) on 2007年10月07日 23時01分 (#1230593) 日記
    この技術の要点は3つ。
    ・インクの配合を変えることで、赤外線の吸収率は異なるが、肉眼では同一に見える色が作れる。
    ・それを利用して赤外線下でのみ見える文字や画像を印刷できる。
    ・単純にコピーしようとすると(赤外線下での"色合い"を再現できないために)その文字や画像が崩れてしまう。

    「紫外線や赤外線を利用して偽造を難しくしよう」という発想は別に目新しくありません。(例えばブラックライトで光るインクとかはお馴染みですね。)
    Xeroのすごいところはそれを特殊なインク類を一切使わず、普通のレーザープリンターで実現させたところです。
    これ単独ではそれほどセキュアではないという指摘がありますが、個人レベルでは単純なコピーを防げるだけで大きいでしょうし、そもそも偽造防止ってのは複数の方法を併用することで偽造の難易度を高めるものでしょう。

    ちなみに、偽造防止の点ではXeroxはかなり進んでて、他にも虫眼鏡でしか見えない極小フォント(約0.2mm)やら傾けないと見えない文字やら [xerox.com]を開発してます。
    • by tsakurada (32110) on 2007年10月08日 2時29分 (#1230677)
      このニュースを見たときに,これって国立印刷局のImageSwitchと似ているなあ~と思ったんだけど,
      技術的にはほとんど同じアイデア?

      http://www.npb.go.jp/ja/tech/imgswtch/index.html [npb.go.jp]

      インクジェットでやるのと,レーザープリンタでやる違いはあるけれどね.
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      > Xeroのすごいところはそれを特殊なインク類を一切使わず、普通のレーザープリンターで実現させたところです。

      じつはここで言う「普通のインク」というのは、
      Xeroxが(従来から)発売しているインクのみで、
      他社のインクではできません、ということだったりして。
      ですので、インクは純正品をお使いください、と。

      というか、わざわざ他社のインクでの実験なんか、やらないだろうし。
      • Re:Xeroxの新技術 (スコア:2, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2007年10月08日 11時52分 (#1230760)
        もちろん純正インクのみ対応でしょう。
        各社のインクの分光反射率は全く違います。材料が特許で保護されているのでコピーもできません。
        他社向けにパラメータを微調整する手間をかけるよりも自社インクを売ったほうがいいに決まってます。

        インクジェットプリンタメーカー(Canon,EPSON,hp)のようにインクタンクに余計な認証回路をつけるといったつまらない工夫より、
        こんなことができるのでうちのを使ってください、としているほうがずっと前向きでいい手だと思います。
        親コメント
  • 題名だけ見た時 (スコア:4, おもしろおかしい)

    by HEEP's Gypsy (20069) on 2007年10月07日 20時17分 (#1230525)
    ますますカラーコピーで偽造紙幣を作るやつが増えるんだなぁ、と思ってしまった。
    • Re:題名だけ見た時 (スコア:0, フレームのもと)

      by Anonymous Coward
      まったく純粋な疑問なのだけど、これの一体どこが「興味深く」て「参考になる」の?(さらにスコア5って)

      どれだけ好意的に判断しても、「おもしろおかしい」では?
  • by suebo (16471) on 2007年10月07日 20時45分 (#1230534)
    >この文書をコピーしたとしても、文字がゆがめられて読みにくくなり、コピーされた文書であることが判別できるという。
    赤外線で文字が歪むのなら赤外線カットフィルタを間に挟むなり、極論すればコピー機のガラスに最初からフィルタをコーティングすれば無効化されてしまいそう。
    (大学周辺のコピー機は色々な対策を無効にする機能があると、昔々聞いた覚えが有ります)

    • 元記事やプレスリリースを読めば原理と適用分野が分かりますので一読を。
      これは、CMYKによってある色を表現する場合の解は一つでないことを応用しています。
      プレスリリースを引用すると

      "There are multiple ways to mix these toners to create a single color, like teal blue. But since each o、f the individual toner colors reacts differently to infrared (IR) light, some combinations are detectable under infrared light and others are not," Bala said. "Xerox uses that effect to create infrared text that is invisible to the human eye, but visible to an infrared camera."

      引用者訳
      ”例えばteal blue (灰色がかった青)のように、ある一つの色を表現するのにCMYKのトナーを混合する方法は複数あります。それぞれのトナーは赤外線に対して違った反応をするので、ある組み合わせは赤外線で検出できますが他はできません。Xeroxはこの効果を人間の目には見えないが赤外線カメラには見える文字を生み出すことに使用します。”

      となっています。
      つまり、チケットやライセンスなどが印刷された用紙を赤外線に通すと、正規のものでは肉眼では見えない文字が浮き上がるが、コピーされたもの、スキャン後偽造されたものではこの文字は浮き上がらないか、正しく浮き上がらないので偽造だと分かるということです。
      フィルタを通してしまえば単に偽造防止用に埋め込まれた文字もつぶれてしまうだけなので意味がありません。
      --
      kaho
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年10月07日 22時32分 (#1230589)
        印刷会社でCMSを見てます。

        Lab (R^3)から CMYK(R^4) への変換が1通りじゃないことを利用しているわけですね。
        例としては、(C,M,Y,K)=(70,60,50,0) と (C,M,Y,K)=(0,0,0,50) がほぼ同じ色に見えるけれど、紫外域や赤外域では全然違う分光反射になるため区別がつく、ということですね。

        通常のICCプロファイルだけでは混ぜ方変更ができないので、RIPを作っているところでしか実装できないのがくやしいですね。

        ただ、レーザープリンタじゃインク量制御がそんなに厳密でないし安定性も低い(DocuColor1256をよく使いますが、朝と夜で全然色が変わってしまってます)ので透かしが割と丸見えなのではないかな、と。肉眼でも見えっぱなしになるけどそれをコピーするのは面倒、という運用になるような気がします。
        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2007年10月07日 20時55分 (#1230538)
      > 赤外線で文字が歪むのなら赤外線カットフィルタを間に挟むなり、
      > 極論すればコピー機のガラスに最初からフィルタをコーティングすれば
      > 無効化されてしまいそう。

      それだと肝心の赤外線でのみ読める文字が写らないのでは?
      親コメント
    • CMYK のそれぞれのインク(トナー)の混成状態での話だから、
      他社製品では違う見え方がすると云う話なんでは?。

      # 同じ印刷装置を使うと、同じ見え方がするんだろうか?
      親コメント
  • by dicek_t (24691) on 2007年10月08日 12時18分 (#1230768)
    Xeroxなら、すかし入りのクーポン手軽に発行できますよってだけで、
    小売り店などには、かなり強力なセールスポイントになりますよね。

    実際、クーポンにすかしが必要でなかったり、実際的でなかったりしても、
    # どうしても偽造したい人なら、
    # (同じXeroxのプリンタがあれば)そのくらいなんとかするでしょうし。
    値段に大差なければ、とりあえずXeroxにしてしまいそう。
    • 米ゼロックスと富士ゼロックスは別会社です。
      米ゼロックスの技術なので、富士ゼロックスの機械には載らないんじゃないかな。詳しくはいえないけどライセンスとかお金の問題とかあるし。

      中の人なのでAC
    • すかしはすかして見ない限りムダ知識の一種になりうる可能性のひとつである
  • 普通にスキャンして (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2007年10月07日 20時44分 (#1230533)
    コピー防止の文書も充分な解像度でカラーだと普通にスキャンできたりするから、
    これも将来の高性能なスキャナで普通に読み取れたり、
    透かしはともかく見た目は普通に印刷できるようになったりして。
    • 「透かしはともかく見た目は」と言った時点で、
      カラーコピー機やPCを使って作った、現在の
      ちゃちな偽札と状況が同じですね。

      そういや、コピー機で再現できない微小な
      ドットで印刷したコピー防止技術って
      今でも使っている?
      ドットが抜け落ちることで「これはコピー」とかの
      文字が浮かび上がるやつ。
  • いたちごっこ (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Account-mochi Coward (34881) on 2007年10月08日 2時58分 (#1230682) 日記
    赤外線で読めるならスキャナに赤外線を搭載すればいいのでは?

    いくらかかるのかコストパフォーマンス的に意味があるのか知らんけど。
    --
    署名スパムがウザい?アカウント作って非表示に設定すればスッキリさ。
  • Xeroの使い魔 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2007年10月07日 20時06分 (#1230521)
    これが虚無の魔法ってやつね!!!

    #すみません、言ってみたかっただけですのでAC
  • by Anonymous Coward on 2007年10月07日 21時59分 (#1230569)
    透かしのキモは濃淡の密度

    密度を薄く濃淡を濃く
    密度を濃く濃淡を薄く

    この組み合わせで人間の目で見たときに遜色つかないよう調整されたものを
    印刷するときのセンサーの感度、補正、インクの性質などで微妙なところを狙ったものですからね

    ビット単位で制御できればインクの情報があるわけですから何とかなります

    画像して読み込んで補正がきかないからうまく行かないだけの話であって
    仮にインクが規格化されどれも同じなら簡単にコピーできるのかもしれませんね
    • まあ今回のは濃淡でやるものではないけどね
      • ある意味濃淡ですよ
        その色で見るか
        テレビの画素の用に3色で1つの色を表すかですから

        同じ色に見えるようでも違うトナの割合で行えう事でですからね
        キモは紙の白い部分を輝度側うまく使ってるだけかもな
        • (人間の目には同じに見えるけど)違う色を使っているわけですから,濃淡とは
          言わないではないかと.

          まあ確かに各トナーにまで分解してみれば各色の濃淡ではあるのですが,
          だってほら,通常のカラー印刷の違う色(赤と青とか)に対して,「この二色は
          濃淡が違うからこう見えるんだ」とはなかなか言わないじゃないですか.
          #この場合も,それぞれのトナーの濃淡の比率が違うだけですし.
          親コメント
  • 以前、Xeroxプリンタの印刷物に追跡コード [srad.jp]なんて話がありましたが、今回の技術も追跡のために密かに使われたりするのでは…と思うとちょっと怖いですね。
    • ああ、そういうのもありましたね。
      あの頃はまだ内部統制なんて言葉が通じなかった時代か。
      現在ならきちんとプレスリリースすれば、好意的に受け入れられたかも。
      ソニーのルートキットと同じで、黙ってやるから怪しまれるんだし。

      ‥‥まあ、他にもいろいろやってそうな気がしないでもない。
      大きなウソを隠すために小さなウソをバラすのはよくある話で。
      親コメント
      • 偽造防止技術が使われていることはカタログにも記載してあることですから、例のrootkitとは話が違います。 また、この手の技術は特許として相当な件数が公開されてますので(たしか専用のFタームもある)、秘密でもなんでもありません。

        とはいえ、偽造防止関連の技術は今後も積極的には公表しないと思いますけどね。当局との関係もあるでしょうし(多分)、あることないこと疑ってくれる人がいてくれるおかげで犯罪の抑止にもなるでしょうから。

        メーカとしては例のドットは色が狂う原因になるので載せたくないというのが本当のところです。むしろ偽造防止技術なんかとっぱらって「偽札さえ作れる」と宣伝したほうが性能のアピールになるんですがねw

        • オフトピってわかってるけどあまりにもひどいので突っ込み。

          > 偽造防止技術が使われていることはカタログにも記載してあることですから
          コピー機が特定できることまで書いていたのか?

          > また、この手の技術は特許として相当な件数が公開されてますので(たしか専用のFタームもある)、秘密でもなんでもありません。
          特許で"技術が"公開されていればいいのか?

          rootkitもこちらも両方論外。
          • 偽札防止のための技術の一つだからね。
            お札に含まれている偽札防止技術が全て公開していないのと一緒ですな。

            それに大手複写機メーカーは使用された複写機を
            特定できるなんかしらの方法を積んでいます。
            常時Enableにしてるかどうかは別として。
    • 追跡用途としてだと、そのうちトナーの粒が実はナノマシンだった!!みたいなことになるかもしれないですね。

      トナーの粒一つ一つに10桁くらいの番号が振られてて、その番号はそれを買う顧客(企業)毎にユニークになってて、、、みたいな。
      親コメント
  • けっこういけそうじゃないですかね?この技術。

    「透かし」を文字として描いて人間が読むのではなくて、バーコードとして描いて機械に読ませれば実用性もありそうに思われ。
    普通のバーコードでは、複製時の歪みに対して寛容そうだから、QRコードとかの二次元バーコードみたいに、読み取り方向を複数にしたりして複製を難しくするとか。

    ぱっと見、複製防止技術が使われてなさそうなのに実は・・・てところもいいところかな。複製屋さんも油断するみたいな。

    具体的な用途としては〜、チケット?
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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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