パスワードを忘れた? アカウント作成
27797 story
交通

超電導モータ搭載電気自動車 90

ストーリー by hayakawa
乗り心地はいいのかな? 部門より

ogino 曰く、

住友電気工業株式会社は、世界で初めて超電導モータにより駆動する超電導電気自動車を試作し、6月19日より「北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展2008」において一般公開する(日経 Tech-Onの記事、閲覧には会員登録が必要な模様)。

4リットルの液体窒素タンクを搭載し、同社が発売しているビスマス系線材を使用した固定子を冷却、2時間ほど超伝導状態を維持できる。パワーソースは鉛蓄電池。ベースはトヨタ「コンフォート」。「超伝導によって大電流による大きなトルクを得ることができ(試作車では変速機を5速に固定)、電気抵抗による損失の回避によって燃費?向上、ひいては低CO2につながる」としている。また低電圧で大電流がながせるので、変圧器や電池の直列にする必要も無くなるとしている(ただし試作車では鉛蓄電池を12個直列)。

10年以内にバスなどの業務車両での実用化を目指す。1日走行分の液体窒素搭載のモデルを想定しているが、将来液体水素を使用する燃料電池車ができれば、この液体水素を使用して冷却することにより液体窒素が不要になり、また冷却能力が向上することによりモータを小型化したり大出力化したりできるとのこと。

この試作車自体は「試乗できる車両を早急に製作したかったため」にいろいろと改良の余地があるようだが、自家用車に搭載できるほど小型化されているのには驚いた。また将来的に変速機が不要になれば、これはこれで革命的なことだと思う。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2008年06月16日 15時22分 (#1364527)
    今の世の中、いかにも車が多すぎます。
    エコ物流とか超伝導とか、それはそれで大切なことですが、
    エネルギー消費全体を減らすこと、その方がもっと大切でしょう。
  • by FRAGILE (8034) on 2008年06月16日 16時07分 (#1364565)

    「AKIRA」の金田のバイクは超伝導モーター使っていたな、と。

    いつまでも、そこを目指してしまう気がする。

    P.S.それにしても、「水から電気~」の自動車ネタがなければ、もう少し注目されたニュースな気がするんですが...

  • 最近の交流モーターのエネルギー効率は90%に達します。

    電気抵抗が0になったことで得られるエネルギー効率の上昇と、
    液体窒素で冷却するために発生するエネルギー効率の低下と、
    どっちが大きいか結構微妙なラインだと思うのですが。

    #大出力にはできるだろうけど、それはCO2増やす方向の話だよね。
    • by akiraani (24305) on 2008年06月16日 17時28分 (#1364635) 日記
      超伝導の一番の利点は効率が100%になることではなくて、低電圧で大電流が流れることでしょう。
      低い電圧で高い電力が得られるため、絶縁処理などが簡略化できるようになります。
      このあたりの特性から、冷却装置で多少かさをとられてもお釣りがくるほど小型大出力が可能になるという点がポイントなのではないかと。

      つまり
      • 小型化が可能だからデッドウェイトが減る
      • おまけに高効率

      という二つの要素があるからエコだという話ではないですかね。
      --
      しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
      親コメント
      • by kamuy (1690) on 2008年06月16日 17時49分 (#1364650) ホームページ 日記
        うお、凄い納得した。
        そうか、今まで「超伝導は電流が凄いから漏電したら大変」と思ってたけど、それを流す電圧がもの凄く低くなるから絶縁が相当楽になるのね。
        ソレ込みで考えると、保冷分の質量増加を併せても、なるほどシステム全体としては軽くなる方向にもいけるかもしれん。

        #超伝導では「大電流低電圧」になると云うコトを、今更理解した orz
        #なるほど、そりゃー「超伝導送電線」とかが目論まれるはずだ…
        --
        -+- 想像力を超え「創造力」をも凌駕する、それが『妄想力』!! -+-
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2008年06月16日 20時35分 (#1364738)
          モーターの中のコイルが圧倒的に軽い、というのも忘れてはいけません。超伝導抜きで同じ電流を流そうとすると、径が極太の銅線の塊になりますからね。
          親コメント
        • いや~、まだ納得できません。

          冷却装置もタンク自体真空断熱でしょうから、重量はともかく体積がすごいでしょうし、
          液体窒素ためこむとなるとそれなりに安全対策が必要になります。
          ヘンなところでこぼしたら窒息しそうだし。

          大電流でトルクを稼いだとしても機械的な力を取り出すということは
          軸に相応の強度を持たせないといけないわけですし、
          メカとしての軽量化には限界がありそうに見えます。

          現状ではまだ「手段が目的」になっているように見えるので、
          実用化できそうなのかどうかの見極めがしたいという意図も感じられます。

          ちょっと話はそれますが、大学とかで実験に使う液体窒素って
          \300/Lくらいでしたっけ?(10年くらい前の記憶)
          これだと実用化はかなり遠そうですね…。

          # こういう話とか議論自体に水をかけるつもりはないですよ。
          # 技術の発展にはこういった時期も必要だというのは分かってるつもりです。
          親コメント
    • by SteppingWind (2654) on 2008年06月16日 16時25分 (#1364582)

      磁束密度を上げて, モータを小型軽量化できるんじゃないかな?

      親コメント
      • by QwertyZZZ (8195) on 2008年06月16日 16時30分 (#1364587) 日記
        でも冷却機器類とか冷媒の保存とか考えると、その程度の軽量化分は失われるんでは?って疑問は尤もだと思う。

        そもそも、その程度ならシンプルな構造の方が無難だろうから、自動車なんぞよりは電車みたいなちゃんと定期的にメンテ出来る機器向きじゃないかとか、その分軽いほうがシステムの性能的に上がらんか?とか。

        親コメント
  • 獲らぬ狸の? (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2008年06月16日 15時16分 (#1364522)
    >将来液体水素を使用する燃料電池車ができれば、この液体水素を使用して冷却することにより液体窒素が不要になり、また冷却能力が向上することによりモータを小型化したり大出力化したりできるとのこと。

    冷却に使用することで必要以上に気化してしまったら元も子もないような?
  • by qem_morioka (30932) on 2008年06月16日 15時43分 (#1364541) 日記
    ただ、できる、というのと実用になるの間には大きな壁があるんだろうなと。
    変速5速に固定ったって、適当な変速機いれたほうが効率が良くなるんだろうが・・・

    ま、パワーリソースの特性に従って変速機も変化していき、ゆくゆくは無くなるんでしょうけど。

    #そんなの定年後であってほしいよ!!(w
    • by kamuy (1690) on 2008年06月16日 16時06分 (#1364563) ホームページ 日記
      変速機に限定して言うなら、早けりゃ来年でしょ。
      具体的には iMiEV の事なんだけど、あれは既に変速機レスになってる。
      (差動装置は入れてるとは思うが、それは当事案も同じだし)
      座席から見ると変速ノブのようなモノはついているけど、あれも実はモードセレクターだし。

      個人的には上位の Lancer Evolution MIEV にも期待なんだけど、こっちは市販化までには更に長い道程がありそうだしな…
      --
      -+- 想像力を超え「創造力」をも凌駕する、それが『妄想力』!! -+-
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2008年06月16日 15時59分 (#1364553)
      モーターの特性表を見れば解ると思いますが、キャパシティさえちゃんと有れば普通にトランスミッションは要りません。

      まあ、電車に変速が無いのを考えれば解り易いかな?一番トルクの欲しい停止時に最大トルクを出すのが全然難しく無いので。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2008年06月16日 16時08分 (#1364568)
        http://www.mitsubishi-motors.co.jp/corporate/technology/environment/im... [mitsubishi-motors.co.jp]
        電気自動車のモーターのトルクカーブ
        (※http://www.mitsubishi-motors.co.jp/corporate/technology/environment/miev.html)

        ガソリンエンジンのトルク曲線のイメージにとらわれすぎてるとわかりにくいですよねー。
        …というか、(ガソリン車の単純なEVコンバートを除いて)「夢の」というより、変速機レスの電気自動車のほうが主流なんじゃないかと思います。
        親コメント
      • キャパシティがあれば、ですよね。

        電車は外部供給ですし、それをスタンドアロンの自動車にってことになると、
        内蔵できて売れるぐらいに小さくなるまでにどれだけの時間がががが!!
        ジヤトコやアイシンAW危うし!!

        #しかし今はそれだけのエネルギーを単なるタンクで蓄積してるってのは
        #考えようによってはすごいんだよなぁ
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2008年06月16日 18時18分 (#1364665)
          モーターのキャパシティだから、普通にモーターの大きさが車に見合っていれば良いだけですよ。

          って訳で、現状でもよっぽど現物合わせで作った「元の自動車ありき」のEVで無い限りは、トランスミッションなんぞ積んでない方が多いです。
          電動フォークでも、ターレットでもゴルフカートでも、元々電動としてデザインされた物は皆トランスミッションは積んでません。

          でもって、必要なサイズ・重量は一般的ガソリンエンジンよりも元々小型です。

          大きく嵩張るのはバッテリーの方なんですよね。

          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2008年06月16日 19時46分 (#1364714)
            だから、モーターのキャパシティを上げるのが超伝導の強みというわけで、やっと電気自動車から超伝導に話が戻ってくるわけです。

            ローレンツ力は、流れる電流の量に正比例します。従って、大きい力を得る為には、太い銅線でグルグルにしなければならず、その大きなモーターを運ぶには…という話が堂々巡りしてパワー/ウェイト比が…という話だったわけですが、超伝導では、その問題はクリアされています。なにせ、抵抗が十分小さいわけですから、かなり小型のモーターでも大電流を流せるので、モーター自体の重さではなく、冷却装置+電池の重さの方がクリティカルなのです。
            親コメント
        • そこは水の永久機関 [srad.jp]で解決!

          ほんとかよ・・。
          --
          ◆IZUMI162i6 [mailto]
          親コメント
  • 議論を読んでいると (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2008年06月16日 16時44分 (#1364594)
    エコって変な方向に社会を持って行くもんだなと思った.
  • by pongchang (31613) on 2008年06月16日 20時19分 (#1364728) 日記
    昨年はプロボックス [u-tokyo.ac.jp]でした。いいじゃん、プロボックスで。
  • by Gockie (33276) on 2008年06月16日 22時19分 (#1364804)
    エコだエコだっつって新しい車バンバン作ってバンバン売るより、
    それなりに低燃費で排ガス対策された古い車を長く大事に乗る方がエコなんじゃあねぇの?
    そのエコな車作るのにどんだけエネルギーと資源使ってんのよ。

    #そーいやエコな車を飛行機でイギリスに運んだとかってポール・マッカートニーが激怒してたなw
  • by lyp (35059) on 2008年06月17日 0時12分 (#1364885)
    この記事を読んだときにヤマト1のことを思い出しました。
    機構は全く違うのかな?ちょっとよくわかりませんが、超電導つながりってことでカキコしました。
    たしか説明パネルにかなり低速って書いてあったような気が・・・

    無関係だったらごめんなさい。
    • by nekopon (1483) on 2008年06月17日 9時16分 (#1365059) 日記

      ヤマト1は(乱暴に言えば)水中のイオンを電磁誘導で後ろにブッ飛ばす物です。今回のものは単純なモーターです。

      # つまり大型に水タンクを車にすえつけて電磁推進するのは後ろの車に大迷惑ということです(ぉ

      親コメント
  • by cogito (25709) on 2008年06月17日 1時03分 (#1364921)
    新幹線あたりに採用してみては。
    さらなる高効率な乗り物になってくれそうな気もしますがいかがなもんなのでしょう。

    #そして冷却剤に液体水素を積むようになったらテロリストに狙われやすくなるんじゃろうか...
    #はっ.. 新幹線大爆破... いやだいやだ。
    #あ、蓄電池じゃなくていいから水素じゃなくてもいいのかしら。

  • by Dobon (7495) on 2008年06月17日 2時45分 (#1364979) 日記
    素朴な疑問。
    液体窒素を作るエネルギーは、節約するエネルギーよりも大きいのか?

    200℃もの温度差を生成するには、かなり大量にエナジイを消費する。
    (モータの小型化や高効率化は、液体窒素の製造コストを超えるのか?)
    --
    notice : I ignore an anonymous contribution.
  • >2時間ほど超伝導状態を維持できる

    と言うことは、この試作車は2時間しか超伝導環境では走れないのです。エネルギー効率だのなんのと言う以前の話。
    ぶっちゃけ、実用化は遙か先の夢のまた夢。実際には巨大なバッテリーに加えて、これ以上の液体窒素積んで走るわけにもいかないので、窒素冷凍機積むんだろうけど、これまた巨大になるし、停止中も冷凍機運転しなくちゃならないから、実現性あるのかな???単なる超伝導とエコのデモンストレーションでは?
typodupeerror

普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家

読み込み中...