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テクノロジー

曲面上に感光素子を配置するカメラデバイスが開発される 22

ストーリー by hylom
その発想はなかった 部門より

insiderman 曰く、

人間の目のように、球面上に感光素子を配置したカメラデバイスが開発されました(Reutersの記事Nature Newsの記事Natureに掲載された論文)。

現在デジタルカメラなどに使われている光感知デバイスは、平板上に微細な感光素子が並ぶ構造をしていますが、このような構造の場合、画像の端に向かうに従って画像が歪んでしまうという欠点がありました。感光素子を球面上に配置することで、このような歪みを減らすことができるようになります。

また、今回開発されたデバイスでは素子を単純に曲面状の板に配置するのではなく、網目状の部材に素子を貼りつけ、細いワイヤーでおのおのの素子が接続・支持されているような状態にすることで、衝撃や変形によるデバイスの破損を防いでいるとのこと。

球面上に素子を配置することで、性能を維持したままカメラの光学系を小型することも可能で、人間の眼球サイズのデジタルカメラも試作されたそうですが、曲面構造によりフォーカスや視野が従来のものと比べて大きく改善されたそうです。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by don_takos (36595) on 2008年08月08日 17時22分 (#1399787) 日記
    単に画像の端が歪むというだけなら、単にレンズや絞りごとに射影の歪みのテーブルみたいなのを
    記録しておいて、マッピングして、ゆがんだ端はクロップしてしまうというので問題なさそう。
    輝度情報も面積比で補正できるんじゃないかな。
    (1ピクセルを1マイクロ秒で処理すると100万画素で1秒の計算時間だから、それだと遅すぎますけど)
    だからわざわざ高コストの作り方をする理由はちょっとわかりません。
    どちらかというと、材料や製作手法にポイントがあるのかなぁ。
    • by Anonymous Coward on 2008年08月08日 18時06分 (#1399816)
      > 単に画像の端が歪むというだけなら、単にレンズや絞りごとに射影の歪みのテーブルみたいなのを
      > 記録しておいて、マッピングして、ゆがんだ端はクロップしてしまうというので問題なさそう。

      それをやっているデジカメもコンパクトでは珍しくありませんが、今回のは画像素子に光が斜めに入射する事による光量や解像度の低下を解決しようという話ではないかと思います。(参考 [wikipedia.org])
      まあ他コメントにあるように専用のレンズシステムが必要になるので、今すぐ市場に出てくるようなことはないでしょう。
      親コメント
  • >人間の眼球サイズのデジタルカメラも試作された
    中未来・遠未来的には発展型を視神経に直結させて視力回復…って話も出てきそう。夢ひろがりんぐ。

    #で、スマートガン・システム(シャドウラン的な意味で)を米軍が研究するんだなきっと
    --
    RYZEN始めました
    • by Anonymous Coward
      これでますます次世代Googleストリートビューのカメラが楽しみになります
      • by Anonymous Coward
        なるほど!球面全体に素子を貼り込むんですね!
  • by SNT (23129) on 2008年08月08日 15時13分 (#1399685)
    人間の目と同じような配置にしても、表示デバイスが平面だったらダメな気がする。
    カメラが視神経に直接つながるならまだしもさ。

    表示ディスプレイは、戦場の絆みたいな状態になるのかなぁ。
    • by Anonymous Coward on 2008年08月08日 17時17分 (#1399782)
      表示デバイスなんて気にする必要ないでしょう。

      これが生かせるのは、車の衝突回避システムのように、広範囲の画像が必要になる場合。球面のまま、処理してしまえばよいわけで、平面よりも、処理を簡略化できるのではないでしょうか。光学系は言うまでもなく。
      親コメント
      • by SNT (23129) on 2008年08月08日 18時12分 (#1399819)
        あー、なるほどね。
        てっきりデジカメみたいなものに使うのだとばかり思ってたよ。

        現状だと、プログラムで補正するか、レンズで補正するかのトレードオフだったのが、
        曲面感光素子を使うっていう選択肢が生まれるのか。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        単純な2次元配列で表現できる平面格子上の演算よりも曲面上の
        演算の方が複雑な気が。
        • by albireo (7374) on 2008年08月08日 18時46分 (#1399834) 日記
          欲しいのが平面格子なデータならそうですが、親コメにある「車の衝突回避システム」のような広角の画像情報から位置を検出する場合、どうせ球面にマッピングしなおさないと歪みのせいで正しい位置は出せないって話ですよ。
          --
          うじゃうじゃ
          親コメント
  • by hrihri (30309) on 2008年08月08日 15時17分 (#1399689)
    写真画像の縁が歪むのはレンズのせいでは?
    受光素子を球面にすることで歪みを減らせるのは確かにそうだろうけれど、
    レンズを少なくできるってのが強みなんでわ。
    • by Anonymous Coward on 2008年08月08日 16時38分 (#1399745)
      >> 写真画像の縁が歪むのはレンズのせいでは?

      元記事の説明によると,現状で

      透視投影をするためにレンズを利用する→レンズは曲面なのに投影面は平面だから歪む→歪みを小さくするために追加のレンズを入れて,できるだけ歪みを軽減している

      みたいなのが,投影面が曲面になることで問題解決ということらしいですよ.
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年08月08日 15時20分 (#1399691)
    センサーを曲面配置にすることでメリットが出てくるのは、広角レンズ・マクロレンズ・シフトレンズあたりでしょう。 そういう用途には現在レンズ交換式の一眼レフが多く用いられているわけですが、曲面のセンサーに対応した交換レンズのラインナップをそろえるのはかなり大変ではないかと思います。
    デジタルコンパクトカメラでは、もともとセンサーのサイズが小さいということもあって、曲面のセンサーを採用するメリットが薄いような。
    レンズ交換式でない高性能カメラというものの需要が多ければ、そこで曲面センサーを採用するのが現実的かな。
    • レンズに撮像素子を付け、素子もろともレンズ交換するなんてどうでしょう。
      となると本体側とのインターフェースをどうするか。
      メモリに直接書き込むのが楽としてもフォーマットを互換にするなら結構計算能力も必要で……。
      って、あれ?ファインダーと電源外付けのデジカメが一丁出来てしまった。

      やはり交換レンズは難しいようで。
      親コメント
      • 技術的に高度化するに従ってモジュールの単位が大きくなるのは良くあることですね。

        たとえば、現代の戦車はエンジン周りの機構がパワーパック化されていて、修理や定期交換時にはエンジン内の部品やエンジン単位ではなく、トランスミッションまでまとめて交換します(これ全体が一つのケーシングに収まっている)。
        これと同じことで、「撮像素子付きレンズ」が普及すれば「ある用途に最適化したレンズとそのレンズに最適化された撮像素子のユニット部品」ごと付け替えるのが一般化するかもしれません。

        とはいえ今回の素子は光学系まで含めた小型化・高耐久化が目玉のようなので、そもそもの性質として「交換レンズ」には向かないかも。やっぱり人工眼球ですかね。
        あとは保安装備用のビジュアルセンサーとか、軍用なら戦車の全周視界システムとか?
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年08月08日 18時04分 (#1399815)
    記事読んでも素子が曲面の内側についてるのか、外側についてるのかわかりませんでした。
    外側だったら複眼デバイスみたいでかっこイイナ。
  • by Anonymous Coward on 2008年08月08日 20時32分 (#1399874)
    部門名は「その発想はなかった」だけど、光学レンズの特性的には映像素子も球面の方が良いのはあたりまえ。 それが成されないのは、映像素子の製造上の問題だと思ってたよ。
    • いわゆるレンズ付きフイルム、写ルンですの類はフイルムを曲げてます。
      コストダウンのため、像面歪曲をレンズで補正するよりもフイルムで補正することにしたわけです。

      撮像素子を球面上に配列することで、像面歪曲は軽減できるかもしれませんが、レンズの収差ってのはそれだけではありません(ザイデルの5収差等)。
      高価なレンズは現状でも像面歪曲はほとんどありませんし、その他の収差の補正も優秀です。今回の雑像素子は収差の補正を割り切らざるを得ない、安いカメラ用に向いてると思います。

      # 一眼レフで採用したら、今までのレンズが使えなくなっちゃう!
      親コメント
    • 私も「ぜひ欲しい」「だけど技術的に難しいからまだ無いのだろうな」と思っていました。

      だってさ。
      光学に疎い私でも
      「なんで非球面レンズなんで難しいものが要るの?」
      と不思議だったもの。

      なぜ不思議かというと、
      人間の眼球はそんなものを必要としていないでしょ?ってこと。

      なぜ必要としないのかは、ものの位置関係の自由度から考えると結論は1つしか無くて、
      「レンズを変形させないなら、網膜のほうを変形させるっきゃない」
      のですよ。

      変形というか、ようは少なくとも1つの解として
      「人間の目と同様に、網膜(に相当する受光機)を丸くする」
      のがいいってのは火を見るより明らか。

      >網目状の部材に素子を貼りつけ

      それなんて「網」膜?
      • 非球面レンズってのは像面歪曲の補正用ってわけではありません。
        非球面レンズは、レンズの形が単純な球面ではないレンズのことです。
        つまり中央部と周辺部で曲率が違うわけです。

        ということは、レンズの中央部を通る光と周辺部を通る光で違いが出る場合に威力を発揮します。
        それはつまり収差ってことですな。

        非球面レンズを使用しなくても、複数のレンズを組み合わせることで
        同様の補正結果を得ることはできます。
        非球面レンズを使えば、それが一枚で済むのでコストダウン、重量軽減、小型化に貢献するわけです。

        ちなみにCDやDVDのレーザのレンズは全て非球面です。
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年08月09日 1時18分 (#1399959)
    例えば対照型レンズは構造上、画像に歪みは出ない訳ですが。

    まあ、現状のセンサーの感度や反射率の都合で、現状ではデジカメに対称型レンズってのはなかなか使えないけど、別に歪むのがセンサーが平面だからって訳では無いと思いますが。

    まあ、これで現状で重視されるテレセン性の問題が無くせるってのは確かですけど、逆に言えば入射角が限定されるって事で、ズームレンズみたいに使用中にテレセン性の変化があるものには使い辛いんではないでしょうか?

    個人的には、それでもこのセンサーは、眼球的カメラが作れそうだから欲しい気はしますけど、実際的には余り使い道は無いかも。

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