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医療

その症状、カフェインの離脱症状? 53

ストーリー by hylom
飲み過ぎ注意 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

CNNでカフェインの離脱症状に関する記事が組まれている(本家/.より)。

研究によると、カフェインの離脱症状には頭痛、疲労感、眠気、集中力の欠如、風邪のような症状、イライラや憂鬱感などがみられるという。離脱症状は最後にカフェインを摂取してから12~20時間後に表れ始め、2日後をピークとして最長1週間程度続くこともあるといい、当然ながら摂取量が多いほど離脱症状の程度も大きいとのこと。

カフェインには血管を広げるレセプターをブロックする作用があるため、頭痛の原因となっている場合もあるそうだ。妊娠でカフェイン摂取量を減らす必要に迫られる場合もあるだろうし、パニック発作や不安神経症などを患っている人はカフェイン摂取を控えるよう推奨されるという。また手術前の断食などでカフェイン断ちせざるを得ない場合もあるだろう。そういった場合、他の薬物と同じように徐々に摂取量を減らしていくことがお薦めだそうだ。

北米では80~90%の人が毎日カフェインを摂取しているとのことで、専門家らはその半分が頭痛などの離脱症状を示す可能性があるとしている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 離脱症状? (スコア:5, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2009年04月09日 14時08分 (#1546341)

    オフトピですが、いまは禁断症状といわず離脱症状というのですか?

    ……と思ってぐぐったら、
    「アルコール依存症の中でもっとも病気らしく見えるものといえば禁断症状といわれているものでしょう。医学的には離脱症状と言います。」
    というのがありました。
    禁断症状は俗語で専門的には離脱症状というのですね。

    #確実にカフェイン依存症なのでAC

  • by leiqunni (8779) on 2009年04月08日 20時33分 (#1545957) ホームページ 日記

    いつも週明けの月曜日に頭が痛くなっていました。
    でもしばらくすると治るので、全然気にしていませんでした。

    なんかのときにWikipediaでカフェインのことを調べたときに、
    禁断症状として頭痛とあったので、あー、週末はコーヒー飲まないからなー。
    と納得しました。

    • Re:月曜日の偏頭痛 (スコア:3, おもしろおかしい)

      by tks256 (30608) on 2009年04月09日 15時14分 (#1546376)

      そんなときにはリポ○タンDですよ。
      頭痛が嘘のようにとれます。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2009年04月09日 14時29分 (#1546354)

      >いつも週明けの月曜日に頭が痛くなっていました。

      できれば、週末にコーヒーを飲んで月曜を迎えていただきたい。

      # 予想:それでも頭痛がでるんじゃないっすかね

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        別人ですが、僕は週末にコーヒー飲んだら月曜日の頭痛はなくなります。
        今週試しました。

    • by Anonymous Coward
      > いつも週明けの月曜日に頭が痛くなっていました。

      「週末頭痛」というのがあるらしいです。仕事している時は気が張っているので
      頭痛にはならないのですが、気が抜けると頭痛に襲われるので週末毎に頭痛が
      発症するらしいです。leiqunniさんの頭痛もそれかも・・・あれっ?
  • 一方日本では (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2009年04月09日 14時06分 (#1546340)
    >北米では80~90%の人が毎日カフェインを摂取

    日本だって、緑茶飲料の売れ行きをみれば、結構なもんじゃないか?
    上の世代なら普通に急須で淹れてたりするだろうし。
    • by wakatonoo2 (30019) on 2009年04月09日 15時09分 (#1546373) 日記

      http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/note/188.html [tokyo-gas.co.jp]

      Q.お茶やコーヒーをよく飲みますが、カフェインの量が気になります。いろいろなお茶のカフェインの量を教えてください。
      A.カフェインは、茶葉、コーヒーなどに含まれる成分で、苦みを持っています。

      抽出液のカフェイン量(100ml中)が載っていますが、普通に飲めばコーヒーの1/3ぐらい?

      #玉露ばかりしかのまん!って人だとコーヒーの2~3倍ってとこでしょうか。

      親コメント
      • Re:一方日本では (スコア:4, 参考になる)

        by y_tambe (8218) on 2009年04月09日 18時11分 (#1546460) ホームページ 日記
        書き方と数値から見るに、おそらくそこの元ネタは五訂食品成分表ですね。

        #あの数値はコーヒーが割と低めに書いてあるんで。

        よろしければ、こちらの数値 [google.com]も参考にどうぞ。大体の目安としては、
          玉露:コーヒー:紅茶:緑茶(ウーロン茶) = 10:4:3:2
        ってあたりです。
        親コメント
        • いちいち食品成分表だの開くのも面倒だし、いっそのことカフェインの含有量を測れる検査キットみたいなのを信頼できるメーカが販売したらすごい売れるんじゃないのかな…。

          と思って検索してみたら、どこのメーカか知らないけど、あるらしい。 [umeusa.com]

          これ、結果が本当に信頼できるんなら、本気でいますぐにでも欲しいんだが……なーんか怪しいんだよなあ。

          親コメント
          • 面白いモノを紹介していただいてありがとうございます。

            このモノについては知らなかったのですが、実は何年か前に、ラマを使って耐熱性の抗カフェイン抗体を作る、という研究がありまして…
            #原著はこれ [nih.gov]ですが、Nature news [nature.com]で取り上げられてたので、記憶の片隅に残ってました。

            商品解説を見ると、抗体を用いた検査紙法なので、おそらくはこの抗体を使ってるのだと思います。もしそうなら、熱いコーヒーでも検出可能だし、検査の精度としても(その抗カフェイン抗体の出来にもよるんですが)病院で行うような尿検査とか妊娠検査キットくらいの精度はある、と考えてよいと思います。

            ただまぁ、試験紙を用いる簡易検査キットなので、説明にあるように「大体の目安」を求めるためのもので、正確な濃度を求めるのには使えないですね…少なくとも、検査紙のラインの位置を変えられないことには、(概その)濃度の測定には使えない、という感じ。
            親コメント
            • いかん。訂正。

              >検査紙のラインの位置を変えられないことには

              イムノクロマト [bl-inc.jp]だったら、位置ではなくて、ライン部分に仕込んである抗体の濃度、ですね。失礼しました。

              多分、D側のラインにコントロール抗体、C側のラインに抗カフェイン抗体がそれぞれくっつけてあって、あらかじめ決めておいたカフェイン濃度のときにD>Cになるように調節してあるのでしょうね。
              親コメント
    • by Anonymous Coward

      そろそろ上の世代は団塊になってきているので、急須なんて習慣は廃れつつあります。
      コーヒーまみれですね。

      若年層はどちらかというと水では?
      ペットボトル茶の愛用は30代が中心だし。

      • by backyarD (36899) on 2009年04月09日 14時25分 (#1546351) 日記

        ペットボトル茶の愛用は30代が中心だし。

        そ、そんなはずは!?
        え?マジ?うそ!?

        #本気でその視点から見てなかったから驚き。

        親コメント
      • by kicchy (4711) on 2009年04月09日 14時33分 (#1546357)

        >>日本だって、緑茶飲料の売れ行きをみれば、結構なもんじゃないか?
        >>上の世代なら普通に急須で淹れてたりするだろうし。

        >そろそろ上の世代は団塊になってきているので、急須なんて習慣は廃れつつあります。
        >コーヒーまみれですね。
        >若年層はどちらかというと水では?
        >ペットボトル茶の愛用は30代が中心だし。

        二人の言っている「上の世代」が食い違っていないかとハラハラです。

        # 家では急須・会社でペットボトル茶愛用の団塊の子供世代より

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        ペットボトル茶の愛用は30代が中心だし。

        ソースプリーズ

      • by Anonymous Coward
        当方四十代、茶筅で抹茶を点てているでござる。
        いやマイノリティなのは重々承知ですが。

        最近は抹茶アイスだったり抹茶ケーキだったり抹茶ラテだったり、
        純粋な飲み物としてよりフレーバーとしての人気が高いかも?
        • by nagika (30998) on 2009年04月10日 12時55分 (#1546881)

          当方、東京勤務になって水道水のまずさに驚き、緑茶からコーヒーに変えたクチなのですが、水はどうされてます?
          うちの隣のフロアでは、有志にてウォーターボトルの宅配契約してるらしいです。。

          親コメント
          • by MISSION (13232) on 2009年04月13日 18時42分 (#1548422) 日記

            >東京勤務になって水道水のまずさに驚き

             ああ、23区は利根川水系ですからね。
             多摩地区の南っかわになると多摩川水系になるのでまともな味になります。
            # むろん上流に行った方が良くなる、行きすぎると普段の生活が不便になるけれど、奥多摩の方まで行けば水がうまいと思えるくらいに。
            # 実家に済んでいた頃は週末に気が向くとあのあたりの造り酒屋の近くまで行って散策した後、酒蔵見学して、併設の店で肴を突っつきながら酒を飲み、自由に組んで良いことになっている仕込み水を水筒に詰めて(中にはポリ容器持って汲みに来ている人もいたような……)、酒かって湯葉やらなにやら買って帰るなんてことをやってたっけ。仕込みの時期だと度数を調整していない樽から汲んだままの酒(亀口酒)を売ったりもしてたし(酒税法の改正で(?)通販でも買えるようになったけれど、基本的には一般の酒屋では売れず、酒蔵でなくては買えないらしい)

             ちなみに利根川水系でうまい水が飲みたくなったら、群馬とかあっちの方(前橋よりも上流とか聞いたような記憶が……沼田より上だっけ?)まで行かなければダメらしいです。
             23区内では浄水器使っても、まぁ飲めなくはないという程度でしたね。
            # で、京都の水はあれよりはましだけど、今の実家よりはだめ。一番水質が悪化していた(一部で有名だった某市水道部の努力ではどうにもならないくらいに自主水源が悪化してた)頃の実家の水と同じかそれよりもちっと落ちるぐらいかな。

            --
            ここは自由の殿堂だ。床につばを吐こうが猫を海賊呼ばわりしようが自由だ。- A.バートラム・チャンドラー 銀河辺境シリーズより
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      • by Anonymous Coward

        33歳で毎食後に急須でお茶入れてるが、俺はマイノリティ(笑い)か。

        • by Anonymous Coward
          お兄さまと呼んでもいいでしょうか
    • by Anonymous Coward
      私も以前、カフェインに関するこのスラドのストーリーで、お茶の摂取に関して、コーヒーより心配だというコメントを書きましたが、
      その際のレスとして寄せられた意見は、ほとんどが「玉露でもない限り、普通の一般的な緑茶のカフェイン含有量はたいしたことはない」ということでした。
      本当のところはどうなのか解りませんが。
      それに北米の場合はコーヒーだけではなく、合成カフェイン製剤や、カフェインがより多く含まれていることを売りにしたドリンクなどで
      合理的かつ安易に摂取することも多いでしょうから、その摂取量の比率たるや、日本のそれよりも高いことは確かでしょう。
      • by doh (35450) on 2009年04月09日 14時51分 (#1546365) 日記

        それに北米の場合はコーヒーだけではなく、合成カフェイン製剤や、カフェインがより多く含まれていることを売りにしたドリンクなどで合理的かつ安易に摂取することも多いでしょうから、その摂取量の比率たるや、日本のそれよりも高いことは確かでしょう。

        北米では、コーヒー以外で言えばコーラ等のソフトドリンクの摂取によるものが多いと思います。尋常じゃないほど飲みますから。

        親コメント
        • 北米では、コーヒー以外で言えばコーラ等のソフトドリンクの摂取によるものが多いと思います。尋常じゃないほど飲みますから。

          当方北米在住だけど、これって個人差がすごい。飲む人は本当にたくさん飲むし、飲まない人は全く飲まない。日本と比べて安易に手に入る飲み物が非常に限られてるからかな?NY市内のbodegaって置いてるのはコーンシロップでベチャベチャに甘くしたアイスティー系とコーラ系、後はボトルウォーター位だし。でも飲む人の飲み方が尋常じゃないから、周りの人の平均は結構多いと思う。

          # 90年代中頃に、西海岸のAmcoってガソリンスタンドに付いてたコンビニで、72 oz(約2.1L)のソーダを売ってました。容器はバケツ+蓋、たしか2-3ドル位だったと思う。ネタで買ったけど、さすがにギブった。写真に残しておけばよかったw

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      • by Alef_F (27309) on 2009年04月10日 11時12分 (#1546792)

        その際のレスとして寄せられた意見は、ほとんどが「玉露でもない限り、普通の一般的な緑茶のカフェイン含有量はたいしたことはない」ということでした。
        本当のところはどうなのか解りませんが。

        泰平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず

        親コメント
  • 今まで熱でも出たのかと思っていたのですが、最近調べた所どうやらカフェインの離脱症状らしいです。
    大体20時間位で出始めるかなぁ。
    分かっていればどうって事はなくて、結構いてーなこんちくしょう位で我慢できなくもないのですが、風邪だと思っていたときは早く治さなくちゃと思って悔しい思いをしながらおとなしく暖かくして寝てたりしてました。

    # ところでアルコールをある程度摂取すると同様に筋肉痛出るんですが、こっちはアルコール筋症というものだそうですね。
  • 幼い頃には、僕の両親がよく、中毒になるのでコーヒーを多く飲まないで、と言った。 だから今の僕も、コーヒーがあればまああ少し飲むが、コーヒーがない場合特にコーヒーを探すことはない。 その記事を読んだら、あっ、両親の言った通りだ!と思ったが、症状はそんなに酷いとは思わなかったんだ。 コーヒー怖っ。。。
    --
    日本語を勉強している外国人。ircでの名前はaで始まり、86で終わる。日本語の間違いがあったら、指摘して訂正してもいいよ。
  • またまた古いエントリーだけど、この記事に関してコメント書きました。
    カフェイン離脱症候群: http://life-support.cocolog-nifty.com/lifelonglifelog/2009/04/post-86c1.html [cocolog-nifty.com]
  • by Anonymous Coward on 2009年04月09日 14時04分 (#1546336)
    夜、寝る前に最後に飲むのも、
    朝、起きて最初に飲むのも珈琲です。
    日中も二時間に一度ぐらいは珈琲を飲んでます。
    12時間も間が空かないので、常時カフェインが入ってるのかも、
    • 同じく。そんな症状でないなぁと思ったら、ほぼ12時間~20時間の間隔で
      摂取し続けてます(朝のんで、昼~昼過ぎに飲んで、帰宅しても夜9時~10時
      にもまた飲んで。翌朝も...)。

      カフェイン切れたぁ...とか言いながらタリーズに「コーヒーを汲みに」行って
      いた私のつぶやきはあながちウソではなかったのですね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      常時摂取してると、耐性が出来てカフェインの効きが悪くなりません?

      # いざと云う時に、カフェイン錠剤(エスタロンモカとか)を飲んでも効かなかったりして。
      • by Anonymous Coward
        カフェインの耐性なんてない という話を聞いたことがあります
        • この辺りは実は結構ややこしかったりするんですが…

          カフェインの作用のうち、少なくとも中枢興奮作用については、薬理学の教科書なんかでも「耐性はない」と記載されてることが多いと思います。この中枢興奮作用ってのは、ヒトだと計算なんかの効率を上げたり(特に単純計算の繰り返し等で、頭脳労働の疲労を軽減する)、目を覚ましたりする作用で、マウスなどの動物実験では特に自発運動量の増加あたりを指標にして測定するんですが、これらについては、連用していても効果が低下することはない…すなわち「耐性があらわれない」部類に当たります。

          実際問題、連日の睡眠不足時なんかに立て続けで飲むと効かない、ということはあっても、普段から2-3杯/日くらい常用してる人で全く効果が得られなくなるとか、「2-3杯じゃ効かないから5-6杯、いや7-8杯」と行った具合に「効かなく」なっていくということは、実はあんまりありません。「効かなくなった」というときには、むしろそもそも立てこんだ仕事が何日も続いて疲労や睡眠不足の方が蓄積してる時などが多く、そうなってくると「もうカフェインで抑えられる範囲を超えちゃった」という点が原因になったりもするので、効かないのが「カフェイン耐性」のせいなのか、それとも状況のせいなのか、そこらへん「個人の感想」だけで主張されても、全く当てにならないという。
          ただその一方で、やっぱりカフェインが「まったく効かない」わけではないにせよ、効きにくくなってくるというケースもあるにはあるようではあるし、そのすべてを「個人の感想」だけで片付けていいものかどうか、そこらへんがややこしいところだったりしたわけです。

          この中枢興奮作用については、大脳にあるアデノシン受容体に対して、カフェインが拮抗的に阻害することによると言われてるのですが、このアデノシン受容体、脳にはA1受容体とA2A受容体という二種類のものがありまして。カフェインはこの両方に対して作用しうることが判ってます。
          A1とA2Aの両者の働き方はかなり複雑で、例えば線条体あたりだとこの両者はそれぞれを逆に調節するように作用する(A2Aは鎮静的に、A1は神経興奮に)部分があったりもするんですが、(まだ細かい部分はよく判ってないながら)大脳皮質での作用とかまで含めて、トータルに見るとA1もA2Aもどちらも普段は中枢を鎮静させる方向に調節していると考えられてます。そして、カフェインによってこれらの作用が阻害されることで中枢興奮が起こる、と考えられてます。

          で、実はカフェインは、この中枢A2A受容体の阻害については耐性が出ませんが、その一方で中枢A1受容体の阻害には耐性が現れる、という報告が出てまして。ただA1受容体への作用に耐性が出来ても、A2A受容体阻害だけでも十分に中枢興奮作用は得られるのだ、と。このことで、カフェインの中枢興奮作用全体で考えると耐性は現れないんだけど、A1受容体での耐性で、一部効きが悪くなったようにも感じることがあるんじゃないか、というのが最近の解釈になってます。

          ……これは割と納得のいく仮説でして、これまで薬理学の教科書的には「カフェインに耐性は出ない」ということになってたので、個人的には、説明を求められたときなどには教科書的な説明をしながらも、正直内心では疑問を感じつづけてた部分でした。それがこの仮説であれば、「効き目が弱くなること」と「作用全体としては耐性が現れないこと」の両方が説明できます。

          この他だと、カフェインは高濃度ではアデノシン受容体だけでなくニコチン作動性アセチルコリン受容体にも作用することも知られてまして、こちらの作用にも耐性が出ることが判ってました。なので、以前はこの作用がカフェインの部分的耐性の出現に関与している、とも考えられてました。例えば、栗原先生の『カフェインの科学』なんかでもこちらの説が紹介されてます(まだA1/A2Aの耐性出現がよく判ってなかった頃に出された本なので)。この可能性もまだ捨てがたい部分はありますが……それよりも新しく見つかった、このA1受容体とA2A受容体への作用の違いから説明する仮説の方がより正しいんじゃないかなあという感じを持っています。この他にも、カフェインの全身性の作用については、ノルアドレナリンやインスリンなどの分泌を介して行われる部分があり、これらの作用については耐性が出るということも言われてます。この辺りが複雑に絡み合ってくるのでややこしい。

          #つってもまぁ、大抵の「効かなくなった」という個人の感想では精神疲労の蓄積が主因になってる場合が多いんじゃないかなぁ、と思ってますが。
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          • 長文ついでにもう少し。

            >カフェインの作用のうち、少なくとも中枢興奮作用については、薬理学の教科書なんかでも「耐性はない」と記載されてることが多いと思います。

            この「耐性はない」と言われていたことの根拠ですが、耐性には「代謝耐性」と「組織耐性」という二つの主な機構が知られてまして、そのどちらもカフェインでは生じていないから、というのが理由になってます。

            代謝耐性は、ある薬剤を投与しつづけてるうちに、主に肝臓などでその薬剤を分解する酵素の活性が上昇することで、体内での分解が促進されることで薬剤の体内濃度が速やかに低下するために効かなくなる、というものです。実は、カフェインには肝臓や腎臓でCYP1A(チトクロムP450の一種)などを誘導する作用があるのですが、連用によって増強されることはないため、代謝耐性は生じないと考えられてます。

            組織耐性は、実際の標的組織で生じる耐性機構で、これは例えばその薬剤の受容体の数が増減するような変化によって、薬剤の効き方が低下するものです。これについてもカフェインでは起こらないと言われてました。実際、A2A受容体には変化がないようなのですが、実は慢性投与によって、アデノシンA1受容体やアセチルコリン受容体(ニコチン作動性、ムスカリン作動性)の発現レベルの増加が起こりうる、ということが最近示されてきてます(受容体の数が増えると、それを阻害するにはより多い量のカフェインが必要になります)。カフェインの部分的耐性にはこの機構が関与してるのではないかというのが、最近の考え方になってます。

            もう一個「行動耐性」というものがありまして……実はカフェインでは動物実験によっては、この行動耐性が見られるのですが、これは薬剤に対する「耐性」ではありません(ややこしい名前なんですが)。これは、こんな感じの実験系で見られるものです。
            1. マウスの自発的な動き(うろちょろと動き回る度合い)に応じて、餌箱から出てくる餌の量が変化するような装置を組む。
            2. このとき、自発的な動きが増えたら、出てくる餌の量が減るように設定する。
            3. 給水瓶に薬剤(この場合、カフェイン)を混ぜ、飲み水とともに与える。すると、通常はカフェイン摂取で自発運動量が増えるので、給餌量が減る。
            4. そのうち、カフェインを摂取しても、マウスはあんまり動かなくなる ←カフェインによる自発運動亢進に耐性が出来た???

            実はこれ、「カフェイン摂取した後に動き回ったら餌が減らされる」というのをマウスが学習したために、「わざと動き回らなくなった」現象です。その証拠としてこういう、行動の結果がデメリットにつながるような実験系(2での設定の仕方)だけで見られます。こういうのを「行動耐性」と呼びます。「耐性」という名前から紛らわしいのですが、薬の効き目自体が変わったことによるわけではないので、薬理学的メカニズムを伴った「耐性」ではありません。

            つまり、A1受容体などについての知見が出てくる前の(薬理学の教科書なんかで採用されてきた)考え方だと、「カフェインの中枢作用には代謝耐性も組織耐性も生じない=耐性を生じない(行動耐性は出るケースがあるけど、それは耐性とは呼べないしね)」という扱いでした。それが現在は「いくつかの経路では組織耐性も出るけど、主要な経路の一つは耐性を生じないので、全体としては耐性にならずに効き続ける(せいぜい、部分的な耐性に留まる)」ということになってきてます。

            親コメント
          • 長文ついでに、もう一つ(ちっとは役立ちそうな情報も出しとこ)

            >中枢興奮作用ってのは、ヒトだと計算なんかの効率を上げたり(特に単純計算の繰り返し等で、頭脳労働の疲労を軽減する)、目を覚ましたりする作用で

            カフェインは割と「頭の働きをよくする」みたいに考えられがちなんですけど、実は同じ「頭脳労働」でも、作業内容によっては逆効果なことがあります。

            カフェインがもっとも有効とされるのは、上述したような「単純計算の繰り返し」みたいな作業です。よく「カフェインによって、計算能力が向上する」というのが取り上げられ、大学の学生実習などでも行われてますが、あの手の実験でよく用いられる内田クレペリン検査 [wikipedia.org](二つの数字を足し算し、その下一桁を延々と書いていくヤツ)なんてのは、その最たる例です。この手の作業であれば、普段よりも続けるのが苦にならず、また計算ミスも減ります。これが「精神疲労の軽減」というやつです。

            その一方、同じ頭脳労働でも、例えば新しいアイデアを出したりするようなケースには、カフェインによる恩恵はほとんど期待できないと言われてます。それどころか、カフェインを摂取することで神経が昂ったり、落ち着きがなくなったりすることで、考えがまとまらず、却って効率が落ちてしまうケースもあると。

            #なお元ネタは [nih.gov] [nih.gov]辺りの総説です。上の二つも同様。
            親コメント
            • by Anonymous Coward

              その一方、同じ頭脳労働でも、例えば新しいアイデアを出したりするようなケースには、カフェインによる恩恵はほとんど期待できないと言われてます。それどころか、カフェインを摂取することで神経が昂ったり、落ち着きがなくなったりすることで、考えがまとまらず、却って効率が落ちてしまうケースもあると。

              …この話が本当なら、IT土方じゃないプログラマにとっては害でしかないってことじゃないかい。

              でも「昂る」効果を、やりたくもない仕事でも疲れなく乗りこえなきゃ、ってときに期待するのはOKなのかも。

  • by Anonymous Coward on 2009年04月09日 14時48分 (#1546363)

    と空目。

    オフトピだが、個人的には子供に安易にカフェイン含有飲料(ペットボトルのお茶やコーヒーなど)を与えることの方が気になる。
    子供に対するカフェインの影響ってどうなんだろう。

    ## 空目を空自と空目する

  • by Wingard (37819) on 2009年04月09日 16時08分 (#1546407)

    >頭痛、疲労感、眠気、集中力の欠如、風邪のような症状、イライラや憂鬱感

    今まさに、「頭痛、疲労感、眠気、集中力の欠如、憂鬱感」があって、
    さっきから頭痛いわ眠いわなんじゃこりゃーと思ってたところでこの記事。
    そういえば今日は朝からカフェインとってませんでした……

    と思ってたら、緑茶は飲んでいたのでやっぱりただのサボリ病なようです。

typodupeerror

あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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