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158454 story
アメリカ合衆国

米国では新聞はもはや「マス」メディアではない 69

ストーリー by hylom
日本も同じ道を辿るのか、 部門より

mhatta 曰く、

ワシントン・ポスト紙の報道によると、アメリカにおける紙新聞の流通量がここ70年で最低の水準となったという(The accelerating decline of newspapers)。今年の4月から9月の間に、紙新聞の有料購読者数は昨年と比べ10.6パーセントも減少した。新聞社はオンラインでは一応の成功を収めているが、それはあくまで読者数の話であって、収益には結びついていない。また、オンライン版の広告収入は紙媒体のそれに比べて遠く及ばないようだ(本家/.の記事)。

元ジャーナリストのコンサルタント、アラン・D・マッター氏によれば、アメリカ人のうち日刊紙を買うのは今や13パーセント、3900万人に過ぎない。1940年には31パーセントだったことを思えば大幅な下落である。これを見てマッター氏は「もはや新聞は、ありとあらゆる意味において、『マス』メディアではない」と喝破している(Newspapers, the mass-less mass medium)。

なお、こうした状況においても読者を失わず、場合によってはむしろ読者数を増やしている新聞もあるらしい(Our opinion: Who's losing readers?)。それはほぼ例外無く、規模が小さく、限られた経営資源を非常にローカルなニュースに特化した(そして広告も地元に密着した)新聞社のようだ。

米国の新聞業界については、山本一郎氏がボイスプラスに執筆したコラム記事「情報産業に明日はあるか 第2回 大手新聞社が倒産する日」が詳しい。興味のある方はこちらもどうぞ。

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  • by habe (11732) on 2009年10月29日 22時04分 (#1662600)

    日本も
    ・各社業績が悪化している(http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090612/biz0906122213017-n1.htm [msn.com])
    ・ワーキングプアとかが増えてる&職場の経費節減なんかもあるし新聞を買う余裕がなくなっているかも?
    なんかを考慮すると部数が増えてるってことはないんだろうと思います。

    ただなぁ…日本の場合は実売部数が不明確だからなぁ…。

    なんたって某所(http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_newspapers_in_the_world_by_circulation [wikipedia.org])に(“citation needed”だけど)

    Note that the numbers of the Japanese newspaper are overstated to raise advertising expense (They call it "Oshigami")

    と書かれるくらいの始末で…。

    • by Anonymous Coward

      これは日本人が書いてるでしょ。

    • by Anonymous Coward

      もうひとつ考慮すべきことがある

      私は新聞を年契約して買っているけど、
      どうしてこうも馬鹿みたいな記事ばっかりなんだと、
      質の低さにうんざりさせられることが多い。
      買うのがばかばかしくなってくる。

      あげくに、パチンコ広告ばっかりの折り込み広告に、
      年々増えてるとしか思えない紙面の広告

      ほんとに良い新聞ならもっと高くても買いたいが、
      とうてい買う気になれない新聞ばっかりの現状では、
      お先真っ暗としか思えない。
      買ってる消費者が満足してないんだもの

  • by live-gon (30327) on 2009年10月29日 22時20分 (#1662613) ホームページ 日記

    「大手新聞社が倒産する日」は非常に興味深く読めました。しかし、このコラムも無料であるというところにメタな薄ら寒さを覚えずにはいられませんでした。

    友人が「一周してやっぱり金を払わなくちゃ駄目だとみんなが気づくのは相当先で、それは崩壊した情報産業による致命的な出来事が起こってからだ」というようなことを言っていたのですが、それがすごく印象に残っています。

    --
    LIVE-GON(リベゴン)
    • by firewheel (31280) on 2009年10月30日 1時02分 (#1662742)

      >「一周してやっぱり金を払わなくちゃ駄目だとみんなが気づくのは相当先で、それは崩壊した情報産業による致命的な出来事が起こってからだ」

      かつて購読していたbitが休刊した時には同じ事を考えました。

      しかし今、日本の四大新聞が全部倒産して無くなってもそうは思わないと思う。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2009年10月30日 1時44分 (#1662766)

        >しかし今、日本の四大新聞が全部倒産して無くなってもそうは思わないと思う。
        ジャーナリズムなのにジャーナルじゃない所に最大の問題があるんだよね
        どの新聞(テレビ報道も)公正中立と言論の自由を振りかざしていながら
        偏向と特定思想への入れ込みが紙面からにじみ出てると言うのは異常事態でしょう。

        米国のメディアだと自分の立ち位置を明確にしてるので各紙を読むことで読者が中立を保てるけど
        隠れ左翼とか隠れ右翼、隠れ反日とかじゃどうもならんでしょう。

        親コメント
      • 「一周してやっぱり金を払わなくちゃ駄目だとみんなが気づくのは相当先で、それは崩壊した情報産業による致命的な出来事が起こってからだ」

        かつて購読していたbitが休刊した時には同じ事を考えました。

        しかし今、日本の四大新聞が全部倒産して無くなってもそうは思わないと思う。

        そうは思わない理由というのは、新聞だからということでしょうか? 四大新聞を情報産業全体の比喩として使っていて、情報産業がすべて滅んでも、というような意味があったりするのでしょうか?

        既存の新聞に限った意味であれば、まあ、そうかもしれないと私も思います。情報産業について話したつもりだったので、新聞の話だったらすれちがいになるなと思ったもので。

        --
        LIVE-GON(リベゴン)
        親コメント
    • by s02222 (20350) on 2009年10月30日 9時35分 (#1662873)
      きっと大丈夫ですよ。さすがに大きな新聞社がつぶれかけたら公的資金注入やらで国有新聞化されますよ。
      親コメント
    • by ishiwata (38125) on 2009年10月30日 17時41分 (#1663166)
      無料の原動力は広告なんですけれど
      ネット広告の力は電子化され無料になったマスメディアを支えきれるんでしょうか??

      広告モデルは景気に左右されやすく脆弱です。
      テレビくらい巨大であればともかく、ネット上の広告は細切れ低価格で
      そんなのやっていけるのかな...と。
      親コメント
    • by yamadasan (36387) on 2009年10月30日 18時39分 (#1663206)
      ネット上の情報も、既存媒体か既存媒体で運営してるウェブサイトからの転載か
      それを元にして膨らませた情報のほうがまだ大半でしょうからね。
      完全にネット発の情報でニュースソースとして十分に信頼を置けるメディアはまだ 少ない気がします。

      ネットで十分、と思ってたら、そもそもネットに乗せる情報源がなくなってた、
      ってことになりかねない危惧は自分も感じています。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      何故無料がいけないのでしょうか?

      昔)
      広告費 + 購読料X購読者 = 取材料 + 構成費用 + 原材料費(紙とか) + 配達費

      これから)
      広告費 = 取材料 + 構成費用

      こうなるだけですよね?
      広告費 = 取材料 + 構成費用
      これでペイできるなら、問題ないし

      扶養者層向けに
      広告費 + 購読料X購読者 = 取材料 + 構成費用
      で発行しても構わない

      選択肢が広がるだけなのでは?

      例えば、時計
      技術革新で、昔の時計職人が
      「一周してやっぱり金を払わなくちゃ駄目だとみんなが気づくのは相当先で、それは崩壊した時計産業による致命的な出来事が起こってからだ」というようなことを言っていたとします。
      それって、負け犬の遠吠えですよね
      でも高級時計市場って、なくなってませんよね?
      お金を払ってでも良い記事が欲しいって人なんていくらでも居るのかと

      結論
      無料という選択肢ができただけで、良いものは残っていくでしょJK
      • by Anonymous Coward

        大幅に、それこそみんな論壇誌の出版部数くらいでどんぐりの背比べするくらいには縮小すれど高級言論市場はなくならないでしょうが、
        あとの国民はR25とネットのニュース読むだけ、というのは健全な民主主義を存立させる基盤足りうるのだろうか?
        「無料という選択肢ができただけで、良いものは残っていくでしょJK」とは言うが、大抵の良いものだって巻き添えでなくなるんですよ。

        • by the.ACount (31144) on 2009年10月30日 13時55分 (#1663038)

          厳しくなった時が危機ではない。
          本当の危機はブームの時。
          市場が荒れて良心的経営が生き残れなくなると、ブームが終われば何も残らない。
          とか聞いたね。(てことはネットが危機か)

          --
          the.ACount
          親コメント
        • by Anonymous Coward

          ×良いもの

          ○努力を怠ったもの

  • by optimized (4229) on 2009年10月29日 22時03分 (#1662598)

     つまり、保護された大本営発表の制度が日本に存続を続ける限りは、新聞社もテレビ局も、給料が減るとはいえ、何とか食いつないでいけるのではないでしょうか。

    【ご参考】
    http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51301487.html [livedoor.biz]

    --
    optimized for /.
    • by Anonymous Coward

      2009年現在の大手メディア各社は、不動産収入が経営を支えています。新聞、テレビはそれらのブランド価値を高めるツールにすぎません。
      前政権を批判していた各社が前政権下の政策のおかげで不動産バブルを謳歌しているという皮肉な結果となっています。
      ムダをなくすという名目で各種控除を廃止する現政権が本気なら、メディア各社の不動産収益にも相応の税金を払ってもらうことになるのでしょうね。

      • >2009年現在の大手メディア各社は、不動産収入が経営を支えています。新聞、テレビはそれらのブランド価値を高めるツールにすぎません。

        なんか因果関係がおかしい気がするけど、
        実際、去年からの景気の悪化で広告収入が激減してしまって本業の売り上げが60-70%マイナスなんてざら、
        それまでたいした額でもなかった不動産収入やコンテンツ(アニメとか映画のDVD)の売り上げはそんなに変わらないので
        相対的に「経営を支える」形にはなってますね。

        だからといって「TBSの土地だから」って所有のマンション借りたりするか?というのは関係ないと思うんですけど。

        #2つめ以降の文章もなんだかなあって。ちゃんと税金は払ってますがなにか?
        #もろ関係者だけどIDでいいや

        --
        --- #寝て起きて食べてまた寝る
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        • by Anonymous Coward

          悪くはないんだけど、「あんたら何屋さん?」って変な感じではある。

  • by Anonymous Coward on 2009年10月29日 23時10分 (#1662658)

    アメリカの新聞って、規模は違えど要するに信濃毎日とか東京新聞とか千葉日報の世界でしょ?
    日本やイギリスの全国紙みたいなホントの「マス」メディアじゃない。
    もともとそんなモノをアメリカ人は必要としてなかったんだから、何をいまさら、という話。

    • by Anonymous Coward
      One Stateの規模があれば十分「全国」紙なんじゃね?
    • by Anonymous Coward
      ただ、その地方、あるいは国家の政治や経済を動かすような影響力を持っていたのは間違いない。
      マスとは経営規模の大小ではなく政治経済への原動力となる人々への影響力の大きさのことだと思う。
      問題はこれからの時代に政治や経済に影響力を及ぼすメディアはなにかってところなのでは。
      紙媒体が電子媒体に移行しただけならば、その地方紙とやらの影響力は今後も持続することになるのでは。
      もともと米国の新聞は、地方の同業社から記事を買って転載するのが商売なので、紙媒体が電子媒体に変わっても状況はさほと変わらないのでは。
      電子媒体の広告収入が増加しないのは、今の広告
  • by ishiwata (38125) on 2009年10月30日 9時05分 (#1662860)
    私はネットの新聞が嫌になって紙に逆戻りしました。

    ネットの新聞(やそれに類似したもの)は紙面(画面)に含まれる情報量が少ないし読みにくい。
    一番上にはかならずヘッダーとリンク、左にもリンク、右にもリンク、もちろん下部にもリンク...
    それらのリンクはほとんど変化せずどの記事を見ても「毎度同じものが」表示されます。
    そして記事のすぐ横には広告...読みたい情報はそれらの中にちょこんと存在していて
    一体何が主体なのかわからなくなきますね。
  • Web killed the newspaper. (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2009年10月29日 21時44分 (#1662587)

    T/O

  • by Anonymous Coward on 2009年10月29日 22時27分 (#1662620)

    週刊アスキーでの歌田明弘さんの連載も詳しいですね。
    過去記事は歌田さんのブログ [a-utada.com]で読めます。

    • by Anonymous Coward
      この人はかなり前から指摘してますよね。
      週アスで毎回興味深く読んでいます。

      無料にしたら自身が崩壊するし、有料にしたら見てくれない。
      この矛盾を解決しないと(マス)メディアの将来は無いかもしれません。
  • by Anonymous Coward on 2009年10月30日 0時24分 (#1662718)
    >限られた経営資源を非常にローカルなニュースに特化した(そして広告も地元に密着した)新聞社
    そもそも新聞ってそういうもので、どっちかっていうと全国紙が異端なんですよ。
    朝毎読日経 VS 地方紙のシェア争い [facta.co.jp]
    「全国紙」の都道府県別トップシェア新聞を地図化してみる [gamenews.ne.jp]
    都道府県別シェアから見た広告メディアとしての新聞 [cocolog-nifty.com]
    全国紙幻想を捨てよう [hatena.ne.jp]
    たいていの地域で地方紙のほうが全国紙よりも折り込み広告の量が多いはずです。
    • まあ地元の名士とその親族のおくやみ記事という有力コンテンツがありますからね、地方紙は。
      それで無くとも地元の政財界ともずぶずぶで、自ら関連事業で放送でもバスでも観光でも広告でもガッチリと地元に密着し、
      関連企業のホテルのライバルホテルでやるイベントは一切報道してやらねーとかせこい事する一方で
      東北四大祭りの一つ(自称)を始めてみたり勝手に私立の美術館やオーケストラ作ってみたりと無駄なイメージ戦略には事欠かない、まさに

      > 規模が小さく、限られた経営資源を非常にローカルなニュースに特化した(そして広告も地元に密着した)新聞社

      そのもので経営に成功している新聞があるんですが、そんなので生き残ってる! 地方紙偉い! とか言うのはちょっとなあ。

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    • アメリカの場合、だだっ広い上に全国規模では、強力な三大ネットワークがあって、おまけに CNN まである。
      地元密着型の新聞が多いのは、テレビと新聞の住み分けが進んだ結果だとも思います。
      ここらへんは、日本も似たり寄ったりになりつつあるのかも知れません。
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    • 聞いた話ですが、「ニュースはネットでも見られるが、お悔やみ欄は地元新聞じゃないとダメだ」って理由で地元新聞を定期購読してる人がいるようです。

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  • by Anonymous Coward on 2009年10月29日 22時10分 (#1662605)

    ネットメディアだと、全国・世界に取材網もつようなメディアが存続できなくなって、
    個人アフィブログの延長線上みたいなネットや既存メディアでネタを拾って記事にするニュース?サイトばかり繁栄してますな。

    そのうちあちこにちに大掛かりな取材網を作って報道してるような既存メディアが全部死んだら、
    1次情報はどうなるんでしょうか?

    • 政治経済ニュースに限れば、一次ソースは政府や企業のWEBサイトで良いんじゃない?
      あとはオンブズマン的な活動だけど、これは別にマスメディアが直接やってるわけじゃないよね?

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    • by user003 (37747) on 2009年10月30日 16時07分 (#1663107)
      「知りたい」という気持ちは誰しも持っているわけだから、
      独自に取材みたいなことをするアマチュアが生まれてくるのではないかと
      楽観的に考えています。
      大規模なメディアが無い世界ではアマチュアが活動できる場面も増えてくるでしょう。
      インターネットのおかげで組織的に動かなくても、知りたいと感じた人が自分ができることをやるだけで
      網羅的に情報を構成することができるようになりましたからね。
      必要なのはその個々の情報をまとめる仕事でしょうかね。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      テレビもネットと似たようなものですからね。NHKはその豊富な予算でかろうじて独自取材できてますが。
      記者さえ生き残れば媒体なんてなんでもいいと思ってるけど、新聞以外の媒体の経営者に記者を大事にしようとする意識はあるだろうか
      • by Anonymous Coward

        その「記者」が維持できないのがネットメディアなんですよ
        個人もしくは数人でやってるニュースサイトとかは調子いいですが、
        そういったサイトはネットや既存メディアからネタを引っ張ってきて記事にしてるだけで
        既存メディアが記者を抱えて集めてる情報を、他のマスメディアやネットのネタを拾って
        いわゆる記者なしで作ってるのだからね

  • by Anonymous Coward on 2009年10月29日 22時14分 (#1662608)
    新聞で偏向していないのは天気予報だけ。
  • by Anonymous Coward on 2009年10月30日 8時32分 (#1662849)

    日本でメディアのクロスオーナーシップが許可されている以上、
    「最強メディアであるテレビ」のロビー団体として生き残るよ。
    あと、最近は新聞業界が「国民の知る権利のために、個別宅配制度は絶対に守る」って息巻いているし、
    その辺が収入の要所ということを十分自覚しているのでしょう。

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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