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法廷

「IH調理器での健康被害」を訴え、喫茶店経営者が三洋を提訴 118

ストーリー by hylom
「電波で健康被害」よりは信憑性はあるけど…… 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

MSN産経ニュースによると、神戸市内で喫茶店を営む夫婦が「IH調理器を使用することで健康を害した」としてIH調理器メーカーである三洋を提訴した。

通常IH調理器が人体に悪影響を及ぼすことはないと考えられているが、徳島大が調査を行ったところ、取っ手など人体に接触する部分が金属の場合、片手でその部分に触れ、もう片方の手でステンレスの流し台に触れるといった場合に、IH調理器により発生した微少電流が体内を流れるという現象が起こるという。ただし、この微少電流が人体にどのような影響を与えるかについては研究データがほとんどないそうだ。

夫婦はIH調理器によって不整脈などの心疾患になったと主張、約8900万円の損害賠償を求めている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2010年08月06日 19時41分 (#1806159)
    リンク先のMSN産経にある
    『徳島大が夫婦の依頼を受けてこのIH調理器を使って実験したところ、ステンレス製の調理器具には、周波数2万~6万ヘルツの電流が流れ、一定の接触条件で人体にも流れることが判明。20年8月には三洋電機の担当者も実験に同席、電流の存在を確認した。』
    の引用が抜けてます。

    これまでの電波系のクレーマーと大きく異なる重要な点で、だからニュースになってるのです。
  • by Anonymous Coward on 2010年08月07日 0時16分 (#1806285)
    こんな話を思い出しました。

    ラジオ放送が始まった頃のこと、一般の人にとってはまだラジオなんていうものはまるで魔法ようなもの。
    胡散臭さや不安もあったのか、農作物の不作が続いたある年、
    「農作物の不作はラジオの電波のせいだ!」
    というクレームがあがったのでした。

    さてさて、困ったのは当局。
    ラジオの電波が農作物の成長に影響を及ぼすことがあるのかどうか。
    あるとしたら大問題。

    科学的に検証が必要ということで、実験をすることになりました。
    ラジオ電波塔の近くの畑において、生育環境をまったく同じにした二つの作物を準備。
    一方は通常通り、もう一方対照実験として電磁波をガードするために金網で囲って生育の比較を実施したところ、驚きの結果が。
    なんと、通常通り生育したほうはクレームどおり成長が極めて鈍く、金網で囲ったほうは問題なく成長し、
    ラジオ電波が農作物に悪影響を及ぼすということが証明されてしまったのでした。

    ・・・ということはまったくなく、結論から言うと、実は畑の土は深刻な亜鉛不足に陥っており、
    金網で囲ったほうは、その網が亜鉛でめっきされていたために、土に亜鉛が供給され、
    結果、作物の生育がよくなったということだったんだそうで。

    何が原因で何が結果か、ということは本当に慎重に調べなければならないという話。

    何らかの不思議な事象が発生した場合、まだ科学的に知られていない新たな現象が起こっているのではなく、
    もっと単純な原因が不思議に見せているだけの場合はというのは、本当に多い。
    まずは予断なく、既存の知識から原因を徹底的に洗うところからはじめなければなりませんよね。
  • 鍋の金属の部分を素手で掴むとかかな?

    --
    -------- tear straight across --------
  • by Anonymous Coward on 2010年08月07日 14時35分 (#1806465)
    日本の司法が、科学的な知見に基づいて判断してくれればいいのですが、御殿場事件 [wikipedia.org]や草加事件 [wikipedia.org]などを考えると怪しい気がします。
    加えて判例主義であることを考えると、ここで原告勝訴の判例ができると、いわゆる電磁波クレーマーの類(ここ [www.gsn.jp]とか)を増長させるばかりか、彼らのオカルト的な主張が裁判所で認められることになり、後々電磁波に関する色々な分野に悪影響を与えはしないかと危惧しています。

    このご夫婦を歴史という法廷に立たせないためにも三洋電気には頑張って欲しいです
  • 事実・仮説・トンデモの境の情報が氾濫する中、
    この提訴されたご夫婦もある程度しょうがないような気もします。

    電磁波とは? [nagaipro.com]

    しかし、日本はこれといった厳しい規制も無く、携帯・電気メーカーが野放し状態となっているのが現状です。こうした環境のもと、私たちは今や、これまで人類が経験したことも無いような過剰な電磁波社会の中にあり、目に見えない恐ろしい負の副産物をひたすら浴び続けているのです。

    IHクッキングヒーターの電磁波を測定しました [hi-hi.jp]

    ヨーロッパでは2ミリガウス以下の電磁波環境をガイドラインとしているそうなので、その基準からすれば標準火力で20cm以上、最強火力では30cm以上離れなければならず、調理できなくなってしまいます。
    知らなきゃ平気だったのかも知れませんが、知ってしまった以上、何か対策がないものかと思い、インターネットで調べたところIHクッキングヒーター専用の電磁波対策エプロンを発見しました。3種類ありましたが、思い切って一番高いタイプを購入しました。(IHクッキングヒーター用エプロンの詳細)
    次のページでは実際に測定して商品の効果を確認しました。
    (以下続く)

    メーカーの言う安全とはどんな規格なのかなざっと、調べてみました。
    CB認定の適用規格 [safetyweb.co.jp]
    CISPR 11 ed.3 工業・科学・医療無線周波機器 限度値・試験法
    CISPR 14-1 ed.4;am1;am2 電気製品・電動工具エミッション
    CISPR 14-2 ed.1;am1 電気製品・電動工具イミュニティ
    CISPR 22 ed.3 情報技術機器 限度値・測定方法

    電磁調理器はきっとCISPR 14-1ですね。これは一般的な家電でしょうから、
    もっぱら調理に使う周波数(20kHz~50kHz)は除外になっていることが多い
    (医療機器のCISPR11や、モデム・ルーターなどのCISPR22でも同じ)
    ですので、IECなどの個別規格でもっと決められているのかもしれません。

    もっともヨーロッパのCEマーキング(特にクラス2以降)については、
    日本での適用(JIS化による強制)は通常5年ぐらい遅れるものなので、
    どうかなぁ(家電メーカーの技術者でないとわからない範囲)

    自分だったら雑端(526.5kHz~30MHz)を測るかなぁ。でも20k~50kじゃないしな。
    そういう意味では上記の「電磁波とは?」は、事実3割、仮説5割、トンデモ2割
    ってとこでしょうか。メーカーが規格はとおっているっていうのも判る。

    あとは、メーカーがその当時の時代としてとりうる想定を満足していて
    どうたらこうたらと、長い裁判になるような気がします。

  • 原理考えたら (スコア:0, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2010年08月06日 19時54分 (#1806167)
    取っ手が金属の容器なんて使わないよな…。
    • Re:原理考えたら (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2010年08月06日 20時05分 (#1806174)
      使う側は、普通にガスこんろと同じ感覚でしょう。なべ選びに、持ち手がプラスチック製であることを条件になどとは考えないでしょう。
      理科離れの影響も考えられますが、まずは、料理にそんな物理学の知識が関係してくるという新しい事態だということだと思います。
      親コメント
    • Re:原理考えたら (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2010年08月06日 20時41分 (#1806198)

      原理考えなくても……というかガスコンロでも、取っ手が金属の鍋を火にかけたまま、
      その取っ手に素手で触ることはあまりしないと思います。

      # それとも、鍋つかみをいつも濡らして使っていたとかそういう話でしょうか。

      親コメント
      • 一般に業務用の鍋やフライパンは全部ともがらですぜ。
        レストランの調理場にTVカメラが入ったりしてるときに、フライパンの取っ手が木だったりはせんでしょう?
        ふきんでつかんだり、エプロンでつかんだり、場合によっては手でそのまま持つ人もいますな。
        # 和食だとそもそも取っ手が無くてやっとこでつかんだりしてますな。短時間なら素手。

        今回の場合、毎日毎日長時間鍋を使い続ける職業の人と、一般のご家庭を比べてはイカンのではないかなあ。
        # そんなところにIHを使う善し悪しも含めて。

        親コメント
        • > そんなところにIHを使う善し悪しも含めて。

          ガスが使えない/禁止されているビル内テナント等では、中華料理もIHで調理せざるを得ないようです。
          プロ用の設備だからできるのだと思いますが。

          http://allabout.co.jp/r_house/gc/25096/2/ [allabout.co.jp]
          > 「白楽天」はオール電化の複合施設に入店したので、電化厨房になりましたが、

          http://allabout.co.jp/r_house/gc/25097/ [allabout.co.jp]
          > 百貨店や色々な施設が複合している建物のオーナー側からすると、
          > お客さまの安全のため火災はもっとも避けたいところで、施設全体
          > で火を使わない計画にする例が多く見られます。そのような建物に
          > 入るレストランは、電化厨房にするというわけです。

          親コメント
    • by mongolian (40511) on 2010年08月06日 20時50分 (#1806202)
      IH用南部鉄器のフライパンもありますし、愛用しています。 といっても加熱中は直に持てませんが…。 ともあれ、この裁判については無理筋っぽいですね。 そもそも >ただし、この微少電流が人体にどのような影響を与えるかについては研究データがほとんどないそうだ。 の時点で決着がついているような。 健康被害との因果関係が立証できないってことでしょう。
      親コメント
      • by saitoh (10803) on 2010年08月07日 20時05分 (#1806541)
        発病のメカニズムが明確にならなくても疫学的に因果関係があると証明できれば裁判に勝てるでしょうけど。 全国のIH調理台を使っている調理師で同様の症状が続出したら話は別ですが。ダンナ発病→調理役を交代した妻発病→ガスコンロに変えて症状収まる、というこのお二人だけの症例では、裁判で勝つのは難しいでしょうねぇ。

        たしか四日市喘息訴訟では、厚生省(当時)が疫学調査で関係を明らかにしたんでしたね。

        全国の同年代の調理師でIH使用者ととガス使用者との健康状態の統計調査をしたらわかるのかなぁ??

        親コメント
    • by Anonymous Coward
      猫を電子レンジになんか入れないよな。
      あれは作り話らしいけど。
      • Re:原理考えたら (スコア:2, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2010年08月06日 22時30分 (#1806248)
        読売新聞記事データベース/G-Search 95年06月10日

        ◆000001 (19920613TYM19003)
        [暮らしの中のPL](9)参考にならぬ「米の高額賠償」(連載)
        92.06.13 東京読売朝刊19頁(全1152字)

        ◆作り話だった!?「レンジにネコ」 極端な例を語るより救済へ現実的議論
        製造物責任(PL)制度の是非を語る際、ひところ必ず引き合いに出された例に、「電子レンジにネコ」の話がある。

        アメリカで、ぬれたネコの毛を乾かそうと、電子レンジに入れたところ、ネコが死んでしまった。
        「ペットを乾かしてはいけない」という警告表示がなかったとして、飼い主が電子レンジのメーカーを訴えた、というものだ。
        弁護士の浅岡美恵さんは、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の副委員長だった昨年春、こうした極端な話がPL社会の現状であるかのように流布されることに疑問を持ち、アメリカの原告弁護士協会に問い合わせた。
        同協会からは、「そうした訴訟が起こされた話は聞いたことがない」との回答があり、一緒に「ホラーストーリー集」という簡単なパンフレットが送られてきた。
        「天窓から落ちた泥棒への保険金支払い」「芝刈り機で心臓発作を起こした心臓病歴のある男性への高額賠償」など、PLも含めてアメリカの訴訟社会の問題点としてしばしば例示される8件の訴訟について、協会が事実関係を調べた報告資料だった。
        例えば、芝刈り機のケース。
        この男性には心臓病歴はなく、芝刈り機そのものも製造業者の設計に合わない欠陥品で、始動コードを15回も引っ張っているうちに心臓発作に襲われたというのが真相だった。
        浅岡さんは、この「電子レンジにネコ」の話に続いて、アメリカのPL制度の問題点として強調され、平均額が100万ドルとも伝えられる高額賠償の実態についても仲間の弁護士と調べた。
        人身被害に関する陪審評決の統計情報やアメリカ保険協会などの製造物責任の高額クレームについてのサンプル調査などを検討した結果、PL訴訟全体での平均賠償額は数万ドル程度であることがわかった。
        浅岡さんが、「電子レンジにネコ」の真偽や、社会への大きな負担になると声高に弊害が叫ばれる高額賠償の実態にこだわるのは、「わが国のPL論議がこうした外国の極端な話に引きずられる」のを憂慮したからだ。
        外国の特異な例を引き合いに出して、PLの是非を論じるのは無意味との声は産業界の中にもある。
        家電製品協会消費者部長の石田晃さんは、PL導入の是非にとどまらず、消費者の被害救済についてもっと議論されてもいいと言う。
        製品の表示、消費者の苦情をくみ取る方法、第三者のテスト機関の充実など、業界が取り組まなければならない課題が多いことも認める。
        同協会の調査では、製造物責任を知っている消費者の割合は1%にも満たなかったという。
        真偽の定かでない面白おかしい話を基にした平行線の議論ではなく、豊かな暮らしのために、製品の安全性確保や被害救済について、じっくり検討すべき時期に来ているのではないだろうか。
        (白水忠隆、丸山雅樹)
        (おわり)

        読売新聞社
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      プラスティックの取っ手もネジで留めてあるから絶縁性に関しては疑問
    • by Anonymous Coward

      鍋釜すべて本来本体も取っても金属がデフォですがなにか?

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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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