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バイオテック

代替燃料には何が有利なの? 271

ストーリー by mhatta
芋焼酎一本で24時間ハイな人は知っています 部門より

maia曰く、"ミネソタ大の研究によれば、代替燃料としてトウモロコシから作るエタノールと、大豆から作るバイオディーゼルを比較すると、後者の方が効率的で環境的にも有利だという(読売新聞の記事)。

栽培から加工までの投入エネルギーと、得られるエネルギーを比べると、エタノールは1.25倍、ディーゼルは1.93倍だったという。温室効果ガスの放出量も、バイオエタノールよりバイオディーゼルを使う方が有利。また、大豆の栽培に要する肥料は、トウモロコシの1割未満で済む。しかしnews@nature.comの記事をよく読むと、結論はどちらもお薦めできないというもの。2005年のアメリカのコーン生産量を全て燃料化してもガソリン需要の12%にしか相当しないし、大豆を全て燃料化してもディーゼル需要の6%にしかならない。ちなみにアメリカではバイオディーゼル原料の主流は大豆だが、EUでは菜種油。なんとEUでは菜種の燃料用需要が伸び、2005年には食用と燃料用がほぼ均衡し、価格は上昇、資源は食品業界との取り合いになっているという(朝日新聞の記事)。

生産量を高めるにしても、今度は農業の環境負荷を考慮に入れる必要がある。そこでお薦めなのは、セルロースから作るエタノールかもしれない(参考:WIRED NEWSの記事)。原料にはスイッチグラスも例示されているが、主に草木の廃棄物が想定されている。廃棄物利用といえば、廃食用油から作られるバイオディーゼルもあるが、量が限られている気がする。日本の年間廃食用油は40万トンという。片山右京氏が来年のダカールラリーに廃食用油バイオディーゼルで参加するが、完走には原料として1万リットルの廃食用油が必要だという(毎日新聞の記事)。

さてはて、代替燃料問題は難しいものだ。"

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  • by Zepto (5428) on 2006年07月17日 18時17分 (#979965)
    木炭を使えばよい。
    • by yusasa (1159) on 2006年07月17日 20時35分 (#980054)
      どこの木を切ってきましょうか?
      --
      "Patriotism is the last refuge of a scoundrel." - Samuel Johnson
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    • by Rodin (28411) on 2006年07月17日 22時16分 (#980123)
      燃焼効率はわかりませんが、
      ・木の10倍以上の成長速度
      ・わずか3年程度で素材活用が可能
      ・全て使いきれる「ゼロ・エミッション(廃物ゼロ)資源」
      という竹は魅力的だと思います。

      参考:
      日本古来のエコ素材「竹」が世界を変える! [nikkeibp.co.jp]
      日本の竹やぶは資源化できる! [nikkeibp.co.jp]
      --
      匠気だけでは商機なく、正気なだけでは勝機なし。
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      • by Anonymous Coward on 2006年07月17日 23時30分 (#980183)
        竹炭を一つの解と考えるのも良いかもしれません。
        ただし、いざやってみると竹炭を作る窯の設置場所や原料の安定供給、運送・人件費など次々問題が発生するんじゃないでしょうか。

        2年ほど前に竹切りボランティアに参加したことがありますが、竹炭を作るにしても施設までは遠すぎてとても運んでいられない、かと言ってトラックで小さな窯を運んできて炭にするにしても、それでは品質が悪すぎてまともな燃料としては使えない…というジレンマがあるとのことでした(規模が違いすぎる話ではありますが)。

        #子供時代は五右衛門風呂沸かし係で、たまに乾燥竹も使用。
        #材木の方が燃料として長く持つことを経験的に知っているAC
        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年07月18日 2時01分 (#980286)
      木炭を使うんなら、何らかの形で液化することを考えないといけないでしょうね。
      使い勝手を考慮するとやっぱ液体じゃないと話にならないです。
      かつて石油が石炭を駆逐したのは、
      輸送時の利便性が高かったのが大きかったからと聞いたことがあります。
      石炭だとスコップやらクレーンやらで積み込み積み下ろしをしないといけないんですよ。
      それが石油だとポンプ一発ですむ。
      この差は莫大です。
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  • 水問題 (スコア:4, 興味深い)

    by Disca (7279) on 2006年07月17日 18時48分 (#979988) 日記
    ↑でも言っているが、セルロースの原材料となる
    トウモロコシや大豆は、大量の水を使用しなければ
    収穫することができない。
    現在インド、米国、中国で栽培されているこれらの植物に
    供給する水は、ほとんどが地下水であると言われている。
    そこで日本として将来のエネルギー問題を解決するならば
    国土の狭い日本で考えると、海草や水中に住む生物
    (植物性プランクトン)とかを利用することで、
    安易に原材料供給問題は解決できると思うのであるが…


    植物性プランクトンは、天然の太陽エネルギー固定化セルであったりする。
    これら植物性プランクトンの具体的な栽培
    方法が確立されていないのが問題かもしれないが、
    簡単な方法としては、大量のペットボトルの中にそれぞれ
    植物性プランクトン注入して沖合いの海に浮かばせる(^^;。

    何せこの分野に無知なのでAC。。。
  • 代替燃料いうまえに (スコア:3, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年07月17日 18時02分 (#979949)
    何の代替燃料の話するかを明記した方が良いと思いますっ!!
    • Re:代替燃料いうまえに (スコア:3, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2006年07月17日 18時31分 (#979976)
      そうそう。
      でないと「フレームの元」という代替燃料になっちゃいますよね。
      親コメント
  • 石油は燃やしてしまうよりも原材料として使った方が有効利用になると思うから、理想的には燃料としては石油を利用しない方向で、って思うんだけど、ジェット燃料(ケロシン)って代替できるのかな。最近飛行機に乗る機会が多くて、さらに燃料費の臨時加算に orz となることも多いので気になっています。
    --
    屍体メモ [windy.cx]
    • by SteppingWind (2654) on 2006年07月17日 18時39分 (#979981)

      航空機用ジェットではなく, 一般的なガスタービンについては, 通常のシリンダ型内燃機関と比べて対応可能な燃料の幅が広くなっています(極端な話, 炭粉でも使えるものがあるとか). 例えば, このガスタービン発電機 [mhi.co.jp]の場合, 軽油から重油までを運転中に変更することも可能になっています.

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年07月17日 19時27分 (#980012)
      参考までに、
      東京-大阪間を移動する時のCO2排出量

      自動車: 96.2kg
      飛行機: 58.0kg
      新幹線: 10.0kg
      (CO2駅すぱあと [team-6.jp]より)

      やはり代替燃料+内燃機関より、
      さくっと電気に移行してしまうほうが良いように思いますがね・・・
      親コメント
      • by soy_milk (26202) on 2006年07月17日 23時05分 (#980160) 日記

        電気に移行すべしというより、まず公共交通機関を使いましょう、という話かなという気もします。まあ、自家用車から鉄道へシフトさせると、現状、都市部では電気への移行ということになりますが。中・長距離輸送は鉄道へ、短距離輸送はバスへというのがよろしいんじゃないでしょうか。

        自家用車に代替燃料を普及させるよりは、バスなど(とくに自治体が運用しているもの)で代替燃料を使うようにする方が政策的に楽でしょう(もちろん電気−市電を復活させるとか−でもいいですけど)。そこで代替燃料の市場をある程度大きくしてから、自家用車などへの普及を図った方がよいのでは。

        しかし自家用車の便利さに慣れた人に、公共交通機関への移行を促すのはかなり大変そうですねぇ。

        親コメント
  • 現在の燃費と現行の運送利用の部分から見直さないと、
    代替燃料をどんなに生産できたとしても、永久に足り
    ないという結論が出そうですね。

    結局地球という星が養える生物の上限を考えなければ
    ならないのかも。
  • もっと先に考える事は (スコア:3, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年07月17日 22時27分 (#980139)
    なぜ、こうも、大規模なエネルギーを使っていこうとしているのか?
    その事を考えるべきではないかと思います。

    人が生きていくうえで、本当に石油エネルギーは必要でしょうか?石油エネルギーが無くても人は生きていたのではないでしょうか?
    なのに、石油エネルギーが無い事には人類の存亡に関わるとさえ考えているようです。生きていくだけなら石油エネルギーなんて必要ないはずです。
    本当に人間が恐れているのは、石油エネルギーを梃子に生み出される人間が持っている禍々しい欲望だと思います。石油にはそれらを掻き立てるエロスを持っているからこそ語られるのでしょう。
    また、政治家はその欲望によりより集団化される人間の力を利用しようとして様々な手を尽くします。そして、それにまんまと人は騙されてしまいます。

    具体的に例を挙げれば、エロティシズムの原点として、石油がこうも神聖視されるのは、それが軍事物資であるという側面が切り離せないからだと思いますが、どうでしょうか?
    私たちが石油に対して熱くなるのは、自分の生存本能と結びついているからだとは言えないでしょうか?

    まあ、話は大幅にそれましたが、そんな面も持っているということを忘れないで欲しいと思います。
    aonoano
    • by Rodin (28411) on 2006年07月17日 23時25分 (#980177)
      「代エネより省エネを」と誰かが言うと予想してましたが、
      もっと深く考える方がいたんですね。感心しました。
      この意見への返事としては不適切かもしれませんが、
      このコラムを紹介しておきます。

      冬の冷気を夏に持ち越す省エネ住宅 [nikkeibp.co.jp]
      ・厳冬でも暖かいアイヌ伝統民家
      ・たき火の熱が大地に蓄えられた
      --
      匠気だけでは商機なく、正気なだけでは勝機なし。
      親コメント
  • 海水 (スコア:3, おもしろおかしい)

    by yosshy (3545) on 2006年07月17日 23時45分 (#980206) 日記
    海水を電気分解して水素と酸素にして、両方とも高圧タンクに詰めて…じゃ需要を満たせんのでしょうか?
    日本みたいに周りが海の所ならば資源に苦労しませんし、燃焼後は水として自然に帰っていくだけの話と思うのですが。
  • 廃棄物から代替燃料 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年07月17日 18時20分 (#979968)
    牛糞からガソリンを精製 [srad.jp]

    ……まあ、現時点での技術では投入したエネルギーに比して取得できるエネルギー量という問題はあるものの、
    現在廃棄されているものを原料にすると言うのはいい着眼点な訳で。
  • トウモロコシ (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2006年07月17日 18時33分 (#979977)
    トウモロコシは栽培するのに大量の水を必要とする環境負荷の高い作物らしいですね。
    肥料の方も大量に使うのね。

    #まあ、栽培する環境によって向き不向きがあるのでしょうけど。
    #環境を力づくで用意する場合は、そういう効率が重要になるということですか。
    #嫌な時代だなー。
    • by ncube2 (2864) on 2006年07月17日 18時58分 (#979993)
      連作障害ってのがあって、基本的に同じ土地での連続栽培には適さない作物です。
      で、アメリカのコーンベルトは元々肥沃なので無理やり連続栽培をやってましたが、さすがに土地が荒れて(作物が育つ部分の)表土流失が深刻になってきて、それの防止のために大量の水を撒いてきました。
      そしたらその水が呼び水となって、今度は地中の塩分が表土に浮かび上がってきて、ますます大量の水が必要に。(これに耐え切れずに失敗したのが中国の大躍進・北朝鮮の密植・アメリカ主導の緑の革命等)
      と言う訳で「代替エネルギー促進のためのトウモロコシの補助金」ってのは単なるお題目で、彼の国にもいる「票と引き換えに国から金を毟り取る」って連中がウヨウヨいるだけにしか見えませんわ。
      親コメント
    • Re:トウモロコシ (スコア:3, 参考になる)

      by unyuchan (22065) on 2006年07月17日 19時02分 (#979997)
      アメリカのトウモロコシ生産は殆ど灌漑農業ですが
      何千年かけて溜まったオガララ帯水層 [wikipedia.org]の地下水は既に半分以上くみ上げて
      あと50年で枯渇すると言われているので石油より先になくなりますな
      親コメント
    • by KMnO4 (31335) on 2006年07月17日 19時25分 (#980011)
      >トウモロコシは栽培するのに大量の水を必要とする環境負荷の高い作物らしいですね。

      ん?可食部の重量あたり水使用量でいえば主要穀物(米・大豆・小麦・トウモロコシ)の中ではトウモロコシがもっとも少ないのですが?
      →参考:http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/Info/Press200207/ [u-tokyo.ac.jp]

      (とくにhttp://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/Info/Press200207/Img2003-01/vw2003-0130... [u-tokyo.ac.jp])

      そもそもトウモロコシはC4ですから,水利用効率にしてもエネルギー利用効率にしても優れているはずなのですが,どこからこういう話がでてきたのでしょう?

      あるとすれば,乾燥地の開拓農業に適した作物であることから,砂漠の乏しい水を食い尽くす云々以下略という想像がなされたのでしょうか.
      親コメント
      • 示された例は不適切です.なにぶん概算がいい加減なもので.
        水の消費量(必要降水量)を,品種によらず通常の陸上品種はすべて4mm/day,
        稲は15mm/dayに固定し,単純にこれに育成日数を掛けただけですので.
        #proceedingの方も見ましたが,特に出典はなし.こう仮定しました,
        #としか書いていないもので.
        つまり,半乾燥地の雨水だけに頼って半年かけて育つ植物よりも,水を
        それこそ湯水のごとく投入しなければならないけど1週間で育つ植物の
        方が(その計算法上は)「水は少なくていい」と認定されます.

        実際には各植物ごとに生体活動に付随する蒸散量は違いますし,
        生育時の気温も違いますし(トウモロコシの方が高め=蒸散量は多い),
        耐乾性も違う(要求される土壌の保水量が違う)ので,同じ数値を
        使って計算するのは(どの植物が一番水消費が少ないかを議論するには)
        暴論過ぎます.
        #示されているところのように仮想水フローの概算に使うのにも意味がない
        #とまでは言いませんが,そちらにしても恣意性は高いと思います.

        ですから,実際に育てられている場所で,どの程度の水資源が投入されて
        いるのかを調べなければどちらが有利かは言えないはずです.
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      • by Anonymous Coward on 2006年07月17日 22時11分 (#980122)
        >>乾燥地の開拓農業に適した作物であることから,砂漠の乏しい水を食い尽くす云々以下略という想像がなされたのでしょうか.

        そのとうり,トウモロコシは乏しい水資源を食い尽くす開拓農業で栽培されてるんです.
        トウモロコシの種は風に飛ばされて自然に生育地域が広がることはありません.

        したがって人間の手によって品種改良され栽培地域が拡大していったのですが,
        生育条件に適した高温・乾燥した土地で商業的に大規模栽培するとなるとジャブジャブ
        水を撒くしかないんです.
        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年07月17日 23時39分 (#980196)
        うーん、もっと別の資料はないですか?

        それってトウモロコシは特別扱いになってて、トウモロコシの事を語るには不適切なんですけど。。

        一般的には小麦は一キログラムに千リットルって言われてて、それに対してトウモロコシは1900ですから大量に水を消費すると考えられるのも当然なのではないでしょうか。

        それをおかしいと指摘するのに、その資料はあんまりです。
        せっかく真面目に読んだのに。。

        あと、トウモロコシはC4植物だからって話ですけど、肥料を無駄に消費するところから可食部の割合がかなり低いのだろうと想像できるので、それだけを理由にされても説得力がありません。
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  • by keybordist (3572) on 2006年07月17日 18時34分 (#979979) 日記
    バイオエタノールにしても、バイオディーゼルにしても、
    食料生産とバッティングするような手段では、
    幅広い支持は得られないでしょう。
    というか、人が食べられる穀物を燃やしてまで、
    何で内燃機関にそこまでこだわる必要があるのかな、
    という気もします。

  • 既に欧州では自動車用の新世代ディーゼルが主力と言って差し支えないぐらいに
    実用化されてるのに,日本だと全然普及の糸口さえついてないみたいですねぇ.
    ボッシュジャパンも,いろんな機会で試乗会とか企画してみたりしてるようですが
    反応は捗々しくないみたいな感じ.
    (という印象を受けただけで実際はどうかわからないんですが)

    ワタシはAlfa RomeoとBMWのコモンレールディーゼルにちょっとだけ触らせて
    貰いましたけど,もうディーゼル特有の厭な騒音はないしアンダーパワーでもない.
    もちろん煙も出ないし油臭くもない.
    あのくらいの完成度なら,あえてディーゼルを嫌う理由ってあまりないような
    気はしましたけどね.はて大豆油ディーゼルでも同じくらいの性能は出るのかな.
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