web上で言えば、例えば、#copyright;1891となっている、"Recollections of President Lincoln and his administration" [archive.org]という文献があります。 これには、前述のStantonの言葉は出てきますが、Lincolnの言葉は出てきません。 もし、Lincolnが前述の言葉を言ったのであれば、Lincolnが亡くなってから30年程度で書かれたLincolnについての本で、Lincolnの発言としては書かれてはいないこと、Stantonのエピソードが出てくることは、かなり以上だと思います。
「Every man over forty is responsible for his face」の方ですけど。この(10歳ほどずれた)セリフも、たとえばCosgrove Murphy『Knowing the Man』(Auto-Science Institute, 1926年)はスタントンの言葉として紹介してるんですよね。これをリンカーンの言葉だと言い出したのは、私の知る限りだとFrances Parkinson Keyesの「Face and Fortune」[『Words to Live by』(Simon and Schuster, 1948年)所収]が最初なんじゃないかと。それより古い例あるかしら?
うーん、私にとっては、単一の根拠でこの結論に至ったわけじゃないので、結構、話がややこしいのですけど…。とりあえず、話を理解していただくために、手にいれやすいところで、『Recollections of President Lincoln and His Administration』(Harper, 1891)のpp.183-184と、『History of the United States from the Compromise of 1850, Vol.5 1864-1866』(Macmillan, 1904)のp.183と、『Experts in City Government』(D. Appleton, 1919)のpp.312-314と、『Knowing the Man』(Auto-Science Institute, 1926)のp.10と、『Words to Live by』(Simon and Schuster, 1948)のpp.32-33を、できれば、この順序(つまりは年代順)で読んでいただけないでしょうか? 細かい話は、それからにしましょう。
「40を過ぎた男は自分の顔に責任を持つべきだ」はリンカーンの有名な quote (スコア:1)
つーかこれで引けば腐るほど出てくる。
http://www.google.co.jp/search?q=Abraham+Lincolin+responsible+for+his+... [google.co.jp]
fjの教祖様
Re:「40を過ぎた男は自分の顔に責任を持つべきだ」はリンカーンの有名な quote (スコア:1, 興味深い)
「19世紀の文献」には到底見えませんが。
腐るほど出てきているのも同様です。安岡さんは、これもタイプライターと同じ、孫引きによる誤解の拡大再生産と言いたいのでしょう。
web上で言えば、例えば、#copyright;1891となっている、"Recollections of President Lincoln and his administration" [archive.org]という文献があります。
これには、前述のStantonの言葉は出てきますが、Lincolnの言葉は出てきません。
もし、Lincolnが前述の言葉を言ったのであれば、Lincolnが亡くなってから30年程度で書かれたLincolnについての本で、Lincolnの発言としては書かれてはいないこと、Stantonのエピソードが出てくることは、かなり以上だと思います。
okkyさんは、この文献を読んでどう思われますか?
「自分の顔に責任を持つべきだ」はリンカーンかスタントンか (スコア:1)
Re:「40を過ぎた男は自分の顔に責任を持つべきだ」はリンカーンの有名な quote (スコア:1)
この場合、スタントンの話なのかリンカーンの話なのかをきれいに切り分けるのはかなり困難です。この本を書いた人がエピソードの性質とバランスを考えてスタントンに摩り替えたとしても不思議ではない。異論・反論を出せるようなマスメディア自体、ぜんぜん信頼が置けない時代ですから。もっと言えば、スタントンもリンカーンも同じ考えだったとしても不思議はない。互いに影響しあっているでしょうから。
ただ、リンカーンは直感と直情の人、スタントンは慎重で思慮の人、と言うのが彼らの若いころのエピソードの傾向です。そのことから考えて、「相手のツラを見て判断する」のをスタントンが実施したとは考えにくい。私はリンカーンの方がオリジナルだと思います。
印刷されているから信頼できる、と言うのは間違った前提です。ま、広がっているから信頼できる、と言うのも同様に間違った前提ですが。
fjの教祖様
Re:「自分の顔に責任を持つべきだ」はリンカーンかスタントンか (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re:「自分の顔に責任を持つべきだ」はリンカーンかスタントンか (スコア:1)
私(安岡孝一)個人が何を根拠にしているのか、知りたいのですか?
うーん、私にとっては、単一の根拠でこの結論に至ったわけじゃないので、結構、話がややこしいのですけど…。とりあえず、話を理解していただくために、手にいれやすいところで、『Recollections of President Lincoln and His Administration』(Harper, 1891)のpp.183-184と、『History of the United States from the Compromise of 1850, Vol.5 1864-1866』(Macmillan, 1904)のp.183と、『Experts in City Government』(D. Appleton, 1919)のpp.312-314と、『Knowing the Man』(Auto-Science Institute, 1926)のp.10と、『Words to Live by』(Simon and Schuster, 1948)のpp.32-33を、できれば、この順序(つまりは年代順)で読んでいただけないでしょうか? 細かい話は、それからにしましょう。