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このストーリーはどちらがどちらに支払うかという問題と、排他的取引契約を行うという2つの問題に関わっていますね。どちらがどちらに支払うかという問題については記述された通りでしょう。若干の補足を行っておきます。
> iPhoneが携帯業界を変えた。> 「我がキャリアから発売させてください、お金もたくさん貢ぎますから」という、これまでと逆の流れを作った。日本の携帯電話業界では10年前くらいから行われていたことですね。iモードや3G端末を開発する際にキャリアが直接開発費を投じたり、通話料を原資とした販売奨励金でユーザに買い換えを促していた事がこれに該当します。
携帯電話端末と通信キャリアのどちらがどちらにお金を支払うかや、コンテンツホルダと検索エンジンのどちらがどちらにお金を支払うかは、それぞれのプレイヤーがどれだけそれぞれの顧客にとって魅力的であるかによって決まります。コンテンツホルダと検索エンジンの関係を例にとると、コンテンツホルダがある検索エンジンに掲載されるために支払っても良い額は、その検索エンジンへの掲載によって、どれだけコンテンツホルダの収入が増加するかによって決まります。検索エンジンがあるコンテンツを掲載するために支払っても良い額は、そのコンテンツを掲載することによって、どれだけ検索エンジンの収入が増加するかによって決まります。
現在の所、検索エンジンはGoogleやYahooのような先行者の影響力が強く、これらの先行する検索エンジンとコンテンツホルダが互いに支払っても良い額を相殺した結果、検索エンジンへお金を受け取る結果となるサイトが多いようです。Googleのスポンサーリンクへの入札をしているコンテンツホルダの数がこの状態に相当するとお考えください。他方、twitterのような強力なコンテンツであれば、相殺した結果、検索エンジンからお金を受け取る場合も出てきます。
これまで先行者が支配してきた検索エンジン市場において、百度やbingのような強力なライバルが増えれば増えるだけ、コンテンツホルダが特定の検索エンジンに支払っても良い金額は減ってゆくでしょう。他方、検索エンジンが選ばれるきっかけとなるような強力なコンテンツが増加すればするだけ、そのコンテンツを掲載するために検索エンジンが支払っても良い金額は増加するでしょう。最近のコンテンツホルダの大型化と、検索エンジンにおけるライバルの増加を考えると、検索エンジンがお金を支払う場合も増えてくる事が予想されます。
他方、その支払いに関する契約が排他的取引になるか否か、排他的取引であることが望ましいか否かは別の問題です。社会的には検索エンジンのインデックスの大きさという利益を損なう代わりに、検索エンジン間の競争が促される事による恩恵が生じるでしょう。似たようなプラットフォームビジネスにおける研究例が2つあります。米国の電話帳に関する研究では、独占の電話帳会社が全てのコンテンツ(広告)を掲載する場合と、電話帳会社が競争を行ってそれぞれの電話帳会社が競争的に広告を集める場合を比較したところ、後者の方が社会的に望ましいという結果が得られています。また、米国のゲーム機に関する研究では、普及数の少ないゲーム機がキラーソフトの排他的取引契約を結ぶことで、普及数に勝るゲーム機との競争に生き残りやすくなる結果、ゲーム機の競争が促進される事が示されています。これら2つの研究結果が検索エンジン市場でも同じように当てはまるのであれば、検索エンジンとコンテンツが排他的契約を結ぶことで検索エンジンの競争が激しくなる、競争による便益はインデックスの分断による不利益を上回る、と予想されます。
後は、誰が誰と契約するのか、という問題が残ります。しかし、そこは理論的に予測が難しい(均衡がたくさんある場合が多い)ため、今後の動向を予測するのは難しいですね。
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人生unstable -- あるハッカー
コンテンツホルダーと検索エンジンは持ちつ持たれつだが (スコア:4, 興味深い)
「我がキャリアから発売させてください、お金もたくさん貢ぎますから」という、これまでと逆の流れを作った。
もしこれが検索業界に起きたらどうだろう。正直、Googleなど検索エンジンのコンテンツは他人のもの(ウェブコンテンツ)を元にしている。もしコンテンツホルダーが強くなり、検索結果に表示する権利を販売するようになったどうだろう。今回のように、有名なサイトの結果が表示できる検索エンジンはその分価値が高まるだろう。
だが、あり得ない話ではないだろう。特にアメリカでは。金になることならなんでもやる。
もちろん、もしGoogle以外では表示させな
Re:コンテンツホルダーと検索エンジンは持ちつ持たれつだが (スコア:1)
このストーリーはどちらがどちらに支払うかという問題と、排他的取引契約を行うという2つの問題に関わっていますね。
どちらがどちらに支払うかという問題については記述された通りでしょう。
若干の補足を行っておきます。
> iPhoneが携帯業界を変えた。
> 「我がキャリアから発売させてください、お金もたくさん貢ぎますから」という、これまでと逆の流れを作った。
日本の携帯電話業界では10年前くらいから行われていたことですね。
iモードや3G端末を開発する際にキャリアが直接開発費を投じたり、通話料を原資とした販売奨励金でユーザに買い換えを促していた事がこれに該当します。
携帯電話端末と通信キャリアのどちらがどちらにお金を支払うかや、コンテンツホルダと検索エンジンのどちらがどちらにお金を支払うかは、それぞれのプレイヤーがどれだけそれぞれの顧客にとって魅力的であるかによって決まります。
コンテンツホルダと検索エンジンの関係を例にとると、
コンテンツホルダがある検索エンジンに掲載されるために支払っても良い額は、その検索エンジンへの掲載によって、どれだけコンテンツホルダの収入が増加するかによって決まります。
検索エンジンがあるコンテンツを掲載するために支払っても良い額は、そのコンテンツを掲載することによって、どれだけ検索エンジンの収入が増加するかによって決まります。
現在の所、検索エンジンはGoogleやYahooのような先行者の影響力が強く、これらの先行する検索エンジンとコンテンツホルダが互いに支払っても良い額を相殺した結果、検索エンジンへお金を受け取る結果となるサイトが多いようです。
Googleのスポンサーリンクへの入札をしているコンテンツホルダの数がこの状態に相当するとお考えください。
他方、twitterのような強力なコンテンツであれば、相殺した結果、検索エンジンからお金を受け取る場合も出てきます。
これまで先行者が支配してきた検索エンジン市場において、百度やbingのような強力なライバルが増えれば増えるだけ、コンテンツホルダが特定の検索エンジンに支払っても良い金額は減ってゆくでしょう。
他方、検索エンジンが選ばれるきっかけとなるような強力なコンテンツが増加すればするだけ、そのコンテンツを掲載するために検索エンジンが支払っても良い金額は増加するでしょう。
最近のコンテンツホルダの大型化と、検索エンジンにおけるライバルの増加を考えると、検索エンジンがお金を支払う場合も増えてくる事が予想されます。
他方、その支払いに関する契約が排他的取引になるか否か、排他的取引であることが望ましいか否かは別の問題です。
社会的には検索エンジンのインデックスの大きさという利益を損なう代わりに、検索エンジン間の競争が促される事による恩恵が生じるでしょう。
似たようなプラットフォームビジネスにおける研究例が2つあります。
米国の電話帳に関する研究では、独占の電話帳会社が全てのコンテンツ(広告)を掲載する場合と、電話帳会社が競争を行ってそれぞれの電話帳会社が競争的に広告を集める場合を比較したところ、後者の方が社会的に望ましいという結果が得られています。
また、米国のゲーム機に関する研究では、普及数の少ないゲーム機がキラーソフトの排他的取引契約を結ぶことで、普及数に勝るゲーム機との競争に生き残りやすくなる結果、ゲーム機の競争が促進される事が示されています。
これら2つの研究結果が検索エンジン市場でも同じように当てはまるのであれば、検索エンジンとコンテンツが排他的契約を結ぶことで検索エンジンの競争が激しくなる、競争による便益はインデックスの分断による不利益を上回る、と予想されます。
後は、誰が誰と契約するのか、という問題が残ります。
しかし、そこは理論的に予測が難しい(均衡がたくさんある場合が多い)ため、今後の動向を予測するのは難しいですね。