新しい粒子線治療装置(レーザー駆動粒子線) 13
タレコミ by pongchang
pongchang 曰く、
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原子力研究開発機構のプレスリリースによると、現在ある粒子線治療装置では磁力を使った加速器が用いられているが、これをレーザーに切り替える「レーザー駆動粒子線を用いた粒子線がん治療装置」について、イオンの加速が従来手法の約10倍になるあたらしい技術を開発したという。
成果については、Physical Review Letters (Y. Fukuda et al. Phys. Rev. Lett. 103, 165002 (2009))に掲載されている。粒子線治療は高速で照射する炭素などのイオンが身体の表面ではあまり作用せず、がん細胞を重点的に破壊する効果がある。現在、使われている粒子線治療装置は大型の加速器を使っているため体育館サイズの施設が必要で、治療費も高額となっている。
日本原子力研究開発機構光医療研究連携センター(京都府木津川市)の福田祐二研究副主幹らは特殊なノズルを使って、真空中に高圧の二酸化炭素・ヘリウム混合ガスを噴射し、その横からレーザー光を当てる手法で、炭素イオンなどを加速させる手法を開発した。この技術を使えば大型の加速器が不用になり、治療装置は教室サイズに小さくできるという。[産經新聞大阪本社]医療用のみならず、産業用などにも活用範囲が広い技術と思われる。
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どっちだ? (スコア:1)
プレスリリースを見たら「ナノ粒子ターゲット」なんて書いてあって、「二酸化炭素・ヘリウム混合ガス」じゃないじゃないかと思ったら、これは産経ニュースの記事の方なのね。
産経ニュースは「サブ臨界密度プラズマ」なんて書いてないが、根拠あるのか?
(Physical Review Lettersの方は見れないから分からん)
単に、産経ニュースが間違えてるだけのような気がする。
プレスリリースでナノ粒子だからこそ高効率吸収できるってのが、混合ガスで簡単にできてしまっちゃ意味ないよなー。
高効率吸収だからこそ臨界密度に近いプラズマが発生するんだから、他の方法で「サブ臨界密度プラズマ」なんて発生するわけもなし。(臨界密度を超えてしまうとレーザーを反射してしまうから、ギリギリで非線形効果が大きいサブ状態がウリ)
非線形効果によるレーザー光の自己収束でエネルギー密度が高くなって、加速電子による電磁場でイオン加速するのが有効になるんだ。
the.ACount
なんかワロタ (スコア:0)
> 超大型のレーザー装置による巨大なエネルギーが必要となり、加速器の大きさは体育館サイズの施設となり
そんな施設が実在することのスケールのでかさにワロタ
むしろ逆 (スコア:4, 参考になる)
加速器といえばでかいのがあたりまえ. LHC [atlas.kek.jp]なんか周長27kmですから, 体育館サイズなら小さいと感じてしまいます.
ただ, 最近ではレーザーウェークフィールド(レーザー航跡場)加速 [hiroshima-u.ac.jp]によるテーブルトップ加速器というのが注目を集めていて, 総粒子数では小さいもののエネルギピークではかなりの粒子線を一部屋分ぐらいのサイズで実現できるようになってきました. ただ, このウェークフィールド加速では, リンク先の説明にあるように, 電子のような軽い粒子には効果的なのですが, 陽子とかそれ以上の重い粒子については加速が困難でした.
一方, 放射線医療の面からは従来のX線などに変わって, 重粒子線 [juryushi.org]が効果的であることが注目されてきています.
今回の研究は, 炭素イオンのような重い粒子についても電子と同様なウェークフィールド加速を実現したということだと思います.
# 間違えていたら指摘プリーズ
Re: (スコア:0)
そのうちヒッグス粒子治療なんてのを編み出された日には、治療のためにヨーロッパくんだりまで
わざわざ出向かなければ。治療費もいくらかかるんだか。
Re: (スコア:0)
ブラウン管も加速器ですよ。
Re:なんかワロタ (スコア:3, 参考になる)
この部分はヘンです。別コメにもあるHIMAC [nirs.go.jp]はレーザーを使っているわけではありません。現在、このような従来からある加速器を使って癌治療が行なわれていますが、体育館サイズで高価なので、レーザー加速器なら小型で安価で実現できるという話だったはずです。
とは言え、このような新発明があっても、粒子線癌治療に使えるエネルギーにははるかに及びません。その段階で想像になってしまいますが、実用化するには出力10kWのレーザー、消費電力1MWを超える装置が必要になりそうで、サイズ、値段とも、従来の加速器と似たようなものになってしまいそうです。しかも、10kWのフェムト秒レーザーは、あまりにも高価なので、誰も作って実証することができない、という難しい状態になっているようです。
レーザー加速器の話は、いわゆる加速器業界の人が、治療器を売り込むためのネタとして使っているという、微妙に政治的な要素があるようです。
Re: (スコア:0)
つか、治療に使うにはエネルギーも必要だけど、それなりのビーム電流も必要なんですね。
# レーザー加速器は、現時点では癌治療に必要なビーム電流を出せてません。
# 大電流を目指してがんばれ。
Re:なんかワロタ (スコア:2, 参考になる)
日本は粒子線治療の先進国だよ。粒子線治療施設は全世界に数十か所しかないのに、その半分以上が日本国内に設置されている。現在はビル一棟丸ごとの機械って感じで、建造費が数十億円かかる。
#まぁ箱モノ行政の生み出したものだけどな。
日本って凄い (スコア:2, 興味深い)
粒子線治療、がん等のキーワードでググると治療談を掲載されている方が見つかりますが、
300万円近くという治療費の補助として、自治体によっては無利子で融資を行っている所も
あるのですね。
ここに世界中の粒子線治療施設 [juryushi.org]のマップがありますが、
まあ多少は裕福であるにせよ、ごく普通の一般人が世界最先端の治療を受けられる機会が
あるというのは、世界的にも珍しいのではないかと思う次第です。
他の国だと距離的にすんんんごい遠かったり、そもそも国内になかったりします。オーストラリア人なんか
どうすりゃいいんだ。。。アメリカに行くのかなあ。
ちなみにアメリカだと600万円近く掛かるようです。
Re:日本って凄い (スコア:2)
>300万円近くという治療費の補助として、自治体によっては無利子で融資を行っている所もあるのですね。
一応、医療保険によっては先進医療特約というものがあってそれによりカバーされる場合があります。
大体月額100円以下で付けられるようです。(私の場合は60円もしませんでしたが)
Re: (スコア:0)
>オーストラリア人なんかどうすりゃいいんだ。。。アメリカに行くのかなあ。
日本との人口比でいうと6:1。
日本に多すぎという判断からすれば無くても済むんじゃないの。
Re:なんかワロタ (スコア:1)
レーザー核融合のレゾネーターとかもーでけーもんね。
激光だっけ?
Re: (スコア:0)
これか?
重粒子加速器 HIMAC [nirs.go.jp]