airheadの日記: memo: Fmaj7-G7-Em7-Am (1)
先日遅ればせながら知ったエントリから。最近のJ-POPが云々といった話題については他者に譲るが、このコード進行自体は吟味してみるとなかなか面白かったので、気づいたことを書き留めておく。
取り上げられているコード進行とその構成音は次のとおり(以下Key=C/Key=Am)。G音が鳴りっぱなしになるのが気になるが、AmをAm7にした場合も示している(括弧内がG音)。
Fmaj7 G7 Em7 Am(7)
E 7 5
D 5 7
C 5 3
B 3 5
A 3 1
G 1 3 (7)
F 1 7
E 1 5
gt. tab
8 7 7 5
10 8 8 5(8)
9 7 7 5
10 9 9 7(5)
8 8 7 7
x x x 5
ギターのタブ譜においてG7の押え方がちょっとキツイが、7thのF音を最低音にすることはこの進行を効果的にする一要素のように思われるし(後述)、前後の繋がりがいいのでこの際マスターしてしまおう。ローポジションでは次のようなものがいいだろうか。[*]
0 3 3 0
1 0 0 1
2 0 0 2(0)
3 0 0 2
x x 2 0
1 1 0 x
ところで、誤解を招くように思われる部分があったので指摘しておきたい。動画後編で「このコード進行は洋楽では一時期を除いてあまり使われていない」「80年代のダンスミュージックにおいて盛んに使われたがその後ほとんど使われなくなった」というように強調されているが、これを受けて早合点してはいけない。
洋楽での初期の使用例としてBoys Town Gangの『Can't Take My Eyes Off You (1982)』が挙げられているが、それは(あっさりとではあるが)述べられているとおりカバーであって、Frankie Valliがソロ・シングルとして1967年に発表したものがオリジナルだ。同コード進行はThe Stylisticsの『You Are Everything (1971)』でも使われおり、このいずれも大ヒットするとともに発表直後から現在にいたるまで数多くカバーされてきたスタンダード曲である。また、Toad the Wet Sprocketの『Something's Always Wrong (1994)』ではこの進行を組み入れたものが使われており(トライアドでの使用になっているが同じようなテイストは感じられるはずだ)、この進行を使う曲は他にも多くあると思われる。
- en.wikipedia: Can't Take My Eyes off You
- en.wikipedia: You Are Everything
- en.wikipedia: Something's Always Wrong (Toad the Wet Sprocket#Singles)
とりあえずこの進行の呼び名が欲しいのだが、「J-POP進行」「ユーロビート進行」などと呼ぶのには抵抗があるので、(なんだかダサいが)一時的に「王道進行」と呼ぶことにする。
[*] 当初、ローポジションのEm7を「0 2 2 0 0 3 (単なるEmトライアド)」と示していた。訂正済み。
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