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テクノロジー

IBM、液体金属で冷却する太陽光発電技術を開発 65

ストーリー by nabeshin
insiderman 曰く、

IBM Researchが、太陽光をレンズで集めて太陽電池に照射することで、より高い発電効率を実現する実験に成功したと発表した(日本IBMのプレスリリース、写真付きのIBM Researchのプレスリリース)。

太陽電池はクリーンなエネルギー源として期待されているが、面積当たりの発電効率が低く、大電力を取り出すためには広い面積に渡って太陽電池を設置しなければならないため、発電効率の向上が期待されている。

今回開発された手法は、太陽光をレンズを使って小さい面積に集め、より強力な光を太陽電池セルに照射することで発電効率を向上させるというもの。レンズを使って太陽光を集光するという手法は従来から考えられていたものの、太陽光の熱によって太陽電池セルが溶けてしまうという問題があった。そこでIBMは、CPUを冷却するために開発した、液体金属を熱導体として使用する冷却機構を使用して太陽電池を冷却することで、この問題を解決した。この冷却機構で太陽電池の温度が1600℃が85℃にまで下がった。

今回の実験では、1平方センチサイズの太陽電池セルに、230ワット相当の光を集め、70ワットの電力を取り出すことに成功。この技術を実用化できれば、太陽光発電システムの大幅な低コスト化が行えるとしている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2008年05月21日 16時38分 (#1347749)
    ちょうどCPUのチップサイズぐらいで、ちょうどCPUの消費電力ぐらいで、冷却もCPU冷却機構が使える。この太陽電池をCPUチップの上に貼り付けてレンズで太陽光を導入できるようなノートPCを作ると、屋外ではCPUの消費電力は太陽光で賄えるので、電池のもちもよくなるし、環境にも優しい技術ですね。
    • by MISSION (13232) on 2008年05月21日 17時05分 (#1347758) 日記
       その場合従来+160W分の放熱機構が必要になるのですが。

       仮に消費電力65WのCPUを使っていたとすると、残り5Wで225Wを放熱させることが出来ると、CPU分の消費電力をこの液冷太陽電池でまかなれば良いことになりますね。
       実際にはそのような運用をする場合もっと消費電力が少ないプロセッサを使用するはずなので余裕度はもっと出てくると期待しますが。

       できればHDDのモーターとLCDのバックライト(かそれに相当するもの)以外、PC内の論理回路全てと冷却機構の消費電力をまかなってくれるところまで行って欲しいものです。ここまで行けば、HDDをSDDにしLCDを微透過型とかにすることで、昼間の屋外使用時はバッテリに蓄えた電力を消費せずに済むようになってくれるのだけれども。
      --
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    • by gm_camouf01 (31675) on 2008年05月22日 0時13分 (#1347978)

      しかしながら、コンピューター・チップの冷却のために研究開発していた方式を借用することで、この研究チームは、太陽電池を摂氏1600度以上という高温からわずか摂氏85度に下がるように冷却することに成功しました。
      とあるので、CPUを冷却するのは当初の目的に見合ってますね。
      太陽電池とCPUのハイブリッドまで目標に入っていたのかは、わかりませんがw
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      えっと、集光の為のレンズは何処に?
  • 万能ですね! (スコア:2, おもしろおかしい)

    by opanpo (36109) on 2008年05月21日 19時14分 (#1347828)
    T-1000型って冷却装置にもなるんですね!!
  • by Anonymous Coward on 2008年05月21日 16時39分 (#1347750)
    確かに高効率ですね(こないだNHKで報道していたのはこれかな?それともシャープかな)。
    それでも160Wのエネルギーがムダに放出されるんだから、こりゃたまらん。

    コジェネレーションじゃないけど、その廃熱も有効活用するソリューションはないのだろうか?
    たとえば、その1600℃の熱で高圧水蒸気を発生させて、タービン回す。とか。

    #「太陽熱の湯」とか作るとよいかも。
  • by harutin_99 (34900) on 2008年05月21日 16時45分 (#1347752) 日記
    冷却装置には何Wぐらい使うのかな?
    それなりに電気食うよね。
    • by cannabis (31589) on 2008年05月21日 19時11分 (#1347826)
      プレリリースから辿れる携帯用(?)のレンズパネルの写真をみると
      どうもお尻から冷却用水パイプらしきものが2本伸びていますね。
      目測ですがパイプの径は10mmくらいなので、揚程2m、1000L/hと仮定すると、ポンプに6Wほど必要かもしれません。
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      • いっそのこと、一次冷却系である液体金属を冷やす二次以降の冷却系を通す液体の蒸気か何かでタービンを廻して発電して循環系のポンプの補助電源にするとか。

        安全性とか一次冷却系の起動の問題があるので、完全なスタンドアロンには出来ないですが、うまいこと組み合わせると定常運転時には循環系用のポンプや制御系の消費電力を差し引いてもおつりがきてしまうくらいの電力が出来そうな気がします
        …この技術、地上で使うよりも火星よりも内側の惑星・衛星や人工衛星で使った方が費用対効果高いかも。
        今までは原子炉か原子力電池か核融合装置がないと賄えない可能性が高いとされていた、大型人工衛星や居住型宇宙船、そして月などのベースキャンプでの電力の大半をこの技術をうまく使うと賄えそうな感じがするんですけど。地球の地上と違って日照がお天気に左右されないとか大気による減衰が少ないというのはオイシイのでは…

        とはいえ、この手の熱循環系って大きくなればなるほど故障の可能性や故障したときのダメージが大きくなりますので…万が一、一次冷却系が破損した場合でもこれの事故 [wikipedia.org]と違って一次冷却系から漏れた液体金属には原則として放射能は含みませんが、しかし、液体金属と言うナーバスな物を使っている事や二次冷却系以降が加熱して空炊きしたら一次冷却系どころか発電装置全体が一瞬でお釈迦になりかねないので注意が必要でしょうけど…特に宇宙空間では日照の有無での温度差が激しいですからリスクも高いかも。
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    • by s02222 (20350) on 2008年05月22日 0時40分 (#1347985)
      それよりも、

      >CPUを冷却するために開発した、

      ・・・どんなCPUを作る気だったんだろう(((;゚Д゚))))ガクガクプルプル
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      • Re:1600度→85度 (スコア:2, 参考になる)

        by taka2 (14791) on 2008年05月22日 11時20分 (#1348124) ホームページ 日記
        「1600度」って聞くとすごそうですが、「230Wの光を受けて70Wの電気を出力」するってことは、その差である「160Wの発熱」を廃熱すればいい話ですね。
        IBMのPOWER6 [ibm.com]はダイサイズ341m2で消費電力は25W~150Wらしいですから、
        今回の太陽電池セルはサイズはちょっと小さいですが発熱量的にはCPUの冷却方法がちょうどそのまま使える感じでしょう。

        ちなみに、7年前の時点でコア温度は数秒で400度近く [srad.jp]いってます。
        最近のCPUは温度管理が進んでるだろうし、無理矢理発熱させるなんてのはもう無理でしょうねぇ…
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  • タイトル… (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2008年05月21日 16時46分 (#1347754)
    こういうチャチャは好きではないが

    「IBMの液体金属で冷却する太陽光発電技術」じゃなくて
    「液体金属で冷却するIBMの太陽光発電技術」じゃないのか?

    「IBMの」がかかるのは「技術」だよね?「液体金属」じゃないよね?
    • by parsley (5772) on 2008年05月21日 18時31分 (#1347805) 日記
      お約束の「が」を伏せてみたんだよ。ほら、入れてみるとすっきり。
      --
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    • Re: (スコア:0, オフトピック)

      だから編集者を見ろとあれほど・・・

      #前回オフトピになったので
      #今回は解りやすくを基本に。
    • by Anonymous Coward
      >「液体金属で冷却するIBMの太陽光発電技術」じゃないのか?

      それはそれで、
      「液体金属で冷却する」がかかるのは「技術」だよね?「IBM」じゃないよね?
      って言われそうな。
      • by Anonymous Coward
        液体金属で冷却する、IBMの太陽光発電技術
  • それほど高熱になるなら、それで蒸気タービンを回すと取りこぼしを回収できて更に高効率になりそうですね。
  • 1600度もあったら (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2008年05月21日 23時33分 (#1347954)
    その熱エネルギーで水を水素と酸素に分離できるんじゃないのか?

    1 名前:帰社倶楽部φ ★[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 11:19:18 ID:???
    環境技術開発のベンチャー企業ライブニュー(東京)は18日、日大工学部(福島県郡山市)の協力で、
    特殊な触媒を使って低温下で水から水素を製造することに成功したと発表した。世界初の技術という。
    安価で簡単に水素が製造でき、クリーンエネルギーの観点から実用化に期待が集まる。

    約700度に加熱した水の蒸気を、特殊な熱処理で固めたセラミックなどの触媒に当てるだけで、
    水素が分離する仕組み。通常の熱分解で水素を取り出すには、約4000度に高める必要があるとされている。

    理論的には1リットルの水から1.3立方メートルの水素が製造でき、水の加熱に費やすエネルギーの
    約4倍のエネルギーが得られる。2年後をめどに商品化を目指すという。
    同社が研究拠点を置く日大工学部構内の郡山地域テクノポリスものづくりインキュベーションセンターで
    記者会見した岩井達也代表は「クリーンエネルギーを化石燃料からでなく、水から取り出す技術の研究開発
    は世界中で行われているが、低温下で成功したのは画期的」と強調した。
    協力した日大工学部の出村克宣教授は「水素の位置付けは高まっているが、コストが問題だった。安価で
    しかも簡単に製造できることに大きな意味がある」と話した。

    [河北新報]2008年03月18日火曜日
    http://www.kahoku.co.jp/news/2008/03/20080319t62031.htm [kahoku.co.jp]
    • by barrel (25979) on 2008年05月22日 2時57分 (#1348027)
      その方法で水素取り出すだけならそもそも液体金属を使った冷却はいらなそうですね。
      しかし・・・以下の点はどうも眉唾の気が。

      >水の加熱に費やすエネルギーの約4倍のエネルギーが得られる

      ほんとかな。ほんとかな。
      得たエネルギーの1/4を投入してまた水を加熱して・・・

      以下2chより

      >神龍「願いを三つかなえてやろう」
      >クリリン「願いを100個にしてくれ」
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  • by Hiroshi_DA (36270) on 2008年05月22日 12時35分 (#1348173)
    ターミネーターを思い出すな。
  • タイトルの意味が分からない人は熱力学(特に第2法則あたり)を勉強してね.

    というか, この技術の意味があまり分からないんですよね. 太陽「熱」発電なら集光して高温にすることに意味があるし, 光触媒や太陽光レーザなんかなら温度と共に強度が必要ってのがあるので集光しないといけないってのも分かるんですよ. でも, 光発電だとタイトルで示したエネルギレベルとしての温度の方が重要で, 強度の方は条件としては弱いし, 逆に温度上昇で効率が低下することを考えると, 薄く広くした方がシステムとしてのトータルコストはよくなるんじゃないかという気もするんですよね.

    プレスリリースにも高密度化でコストダウンとか書かれてあるのですが, 設置密度を決める因子が太陽電池本体から光学系(場合によってはさらにプラス放熱系)に変わっただけじゃないかと.

  • by Anonymous Coward on 2008年05月21日 18時37分 (#1347809)
    レンズを使って太陽光を狭い範囲に就航する事で太陽電池パネルは小さく出来ますが、
    そのレンズを設置するための面積は従来の太陽光発電施設同様に広大になりそうに思います。

    他のコメントにもあるように廃熱をうまく使って全体の効率を上げる事が出来れば、
    設置面積も減らす事が出来るかも。
    • by Anonymous Coward
      衛星軌道上に(ry

      #それなんてスネーカー?
  • by Anonymous Coward on 2008年05月21日 18時47分 (#1347813)
    太陽電池に光を収束するレンズの設置面積はどうなんだろう?
    結局全体的な設置面積は大差無いとかにはならないんだよね?
    • by Anonymous Coward on 2008年05月21日 19時15分 (#1347830)
      面積のことはあまり気にしてないんじゃないかと。
      発電素子の面積が小さくなることによるコスト減がキモなんだと思います。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      あと、集光型だと追跡装置必須になるってのもある。

      アバウトにでも光が当たってれば良いって使い方を出来無いんで、一般民生用には難しいんではないかな。
      一般家庭やコンシューマ使用ではやっぱり真っ平らな通常のセルの方が使い易いでしょうね。

      まあ、それでも大規模な太陽光発電施設になれば、少々手間が掛かっても少しでも効率が上がれば良いってのは有るでしょうけど。

      • >あと、集光型だと追跡装置必須になるってのもある。

        香川の仁尾に、太陽光発電の実験施設があったよね
        鏡で集光してタービン回すの
        あれって追跡対応してなかったっけ?

        でも、レンズも結構馬鹿に出来ないコストがかかるのでは
        高さも必要だし、集光されたらそのほかは暗くなるし、
        太陽電池そのものを改良した方が良いような気がするんだけどなぁ
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      • by Anonymous Coward
        別に集光を極限まで追い求めることをしなければ、屈曲型(レンズ)ではなく反射型(鏡)で充分でしょ?
        多少複雑にして、導光部と集光部の組み合わせでもいいけどさ。(反射・レンズの組み合わせ等)
    • by Anonymous Coward
      ここはひとつ、レンズは静止衛星軌道上に...

      # 妄想
      •  残念、そのアイデアは秋田書店版グレートマジンガーで使われてます。
         ……ミケーネ帝国の対地上制圧用戦略兵器として。

         もちろんきっちり破壊されました。
        --
        ここは自由の殿堂だ。床につばを吐こうが猫を海賊呼ばわりしようが自由だ。- A.バートラム・チャンドラー 銀河辺境シリーズより
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  • by Anonymous Coward on 2008年05月21日 21時40分 (#1347903)
    Prescottをもっと高速化出来たのに(笑)
    なんか、TDP65Wというのがえころじーに聞こえるのは気のせい?
    Pentium以前は‥
  • by Anonymous Coward on 2008年05月21日 22時07分 (#1347923)
    オーソドックスに水銀を使うとか、高速増殖炉みたいにナトリウムを使うとか、じゃないんですね。
    (ナトリウムは常温では固体ですが)
    どっちも危なっかしくて、よほどな理由がないと使ってられないでしょうけど。
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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家

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