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電力

大規模な太陽熱発電装置、米アリゾナで建設予定 50

ストーリー by hylom
鳥取とかなら使えるのかな…… 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

米アリゾナ州にて、高さ800メートルを超える巨大ソーラー発電塔が建設されるそうだ。興味深いのは、太陽電池を使わずに太陽熱を使って発電を行うという点(Gizmag本家/.)。

仕組みは非常にシンプルで、塔の下には巨大な温室装置があり、そこで暖められた空気が中央の塔に集まり上昇気流が生まれ、塔基部に設置されたタービンによって発電が行われる。建設予定地の砂漠地帯では地表温度は40℃程であり、温室内では80~90℃にもなると考えられるとのこと。800メートル以上の塔の最上部との温度差は大きく、強い上昇気流が生まれ、ピーク時には200メガワットの出力が期待されているという。

他にもメリットとして次の点が挙げられている。

  • 絶対温度ではなく温度差を活用するため、天候に左右されない
  • 日中に温室が十分に暖められるため、夜間も発電可能
  • 暑く乾燥した土地に適した発電設備のため、砂漠など実用性の低い土地を活用できる
  • タービンのメンテ以外のメンテナンスはほぼ必要ない
  • 太陽と空気のみで稼働可能
  • 環境を汚すことがなく、温室で植物を育てることも可能

建設総額は7億5000万ドル(約585億円)とのことだが、完成した暁には11年で元が取れる計算だという。塔の耐久年数は80年を目指しているとのこと。すでにSouthern California Public Power Authority社への電力販売契約も締結しており、およそ15万世帯に電気が送られる計画であるとのことだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • http://srad.jp/article.pl?sid=02/09/09/1255230 [srad.jp]

    作ろうとしてたのはオーストラリアの企業であるEnviroMissionで今回のと同じ.
    自国での建設は,大々的に作るとアピールしたけどその後「やっぱもっと建造費がかかりそうだから政府が出してくれない?」とかいろいろ言い出して気がつくと立ち消え(計画のオフィシャルな認可申請が行政側に提出されていない).
    その後軸足をアメリカに移しつついろいろ営業して今回の話に繋がる.

  • by BlueRain (37857) on 2011年07月28日 0時32分 (#1993415)
    この施設が太陽光を遮るために思ったほど温度が上がらなくなってまともに動きませんでした。
    などという間抜けな落ちは待ってないよね。ね。ね。
  • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 16時42分 (#1993181)

    サンシャイン計画というのがあったのですよ

    • by Anonymous Coward
      なんか鏡で光を集めてお湯を沸かして、ってのを子供の頃になんかの科学雑誌みたいなのでみたなぁ、って思ったら出力が期待はずれだったのね。
      • by SanPierre (37035) on 2011年07月27日 17時48分 (#1993233) 日記

        太陽熱発電自体の開発は国内で続けられています。
        例えば、東工大のビームダウン型太陽熱集光装置 [titech.ac.jp]など。
        しかし、日本国内では成り立つ見込みがないので、適用先は中東や北アフリカ、インド北西部・チベット・モンゴル、オーストラリアあたりを考えているようです。

        もっともこのストーリーの発電方式は、これまでの蒸気タービンを使うものと全く違いますけどね。

        親コメント
        • これが成功したらあと二本タワーが作られて世界は三分されるわけですねっ
          親コメント
        • by Anonymous Coward
          日本でも道路のアスファルトが溜めた熱を使って発電できないんですかね
        • by Anonymous Coward

          日本国内では成り立つ見込みがない

          ネタ元の方式とも東工大の方式とも違うけど、サンシャイン計画の香川県仁尾町での大失敗があるからねぇ。(太陽熱発電が日本には不向きであることの知見を得るのに100億円かける実証実験というのは...)

          • by Anonymous Coward
            高速増殖炉や核融合炉なんて出来ないことの証明に何兆円・・・
      • by Anonymous Coward

        お湯を抜き取ってうどんをゆで始めたせいで出力が期待ほどでなかったと見た!

      • by Anonymous Coward

        一時期広まった太陽熱温水機とかまだあるのかな?

        • by Anonymous Coward on 2011年07月28日 3時20分 (#1993445)

          日本での太陽熱温水器は一定の需要を保ち続けてるかやや減少傾向って感じですかねぇ。性能的には自然エネルギーの中ではダントツの高効率かつ低コストを誇っていて低価格モデルなら補助金抜きでも5年で元が取れます(ただし取れるのは湯だけ)
          最近太陽熱温水器が熱いのは何といっても中国で、シンプルな自然循環式が内陸部の田舎で大ブームになっています。日本だと太陽熱温水器=風呂くらいのイメージですが、あちらでは電気もガスも不自由なために燃料は薪で飲み水の煮沸もままならなかったりしますからね。あっちでは太陽熱温水器最強です。

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    • by Anonymous Coward

      日高のり子が仁尾太陽博で唄ってたのだけは覚えてます。

      # トシがばれるのでAC

  • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 16時51分 (#1993186)

    スペインではアクシオナ社が保有する太陽熱発電所(4件合計20万kW)の3/4が
    商業稼働中とのこと。
    http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2011/html/0000011903.html [mitsubishicorp.com]

    #20万kW=200MWで合ってるよね。

    • by Anonymous Coward
      太陽熱発電といってもまったく方式が違うように見えますが…
      • by Anonymous Coward

        トラフ式太陽熱発電のほうが安上がりなんじゃね?

  • by s02222 (20350) on 2011年07月27日 18時21分 (#1993253)
    >温室内では80~90℃にもなると考えられるとのこと
    >•環境を汚すことがなく、温室で植物を育てることも可能

    なにが育つんだろう。燃料になる藻とかの極端な生き物?
    • Re:超促成栽培 (スコア:3, 参考になる)

      by keybordist (3572) on 2011年07月28日 1時23分 (#1993438) 日記

      アメリカの話題だから、日本語訳の際、うっかり華氏をそのまま摂氏に置き換えたのかと思って、
      原文を確認したら、中心部の温度は摂氏で80~90度だったのでミスでは無かったようです。

      ただ、砂漠地帯では、昼夜の温度差が激しいので、
      地下の温室空間が夜間でも一定以上の温度を保てて、かつ、水が入手できるのであれば、
      辺縁部で何らかの植物を育てる事が出来るのではないかと想像します。

      親コメント
      • 外周部から大気を取り込んで、温室で加熱して中心の塔から上方に放散する構造ですから、中間のどこかに適温の場所ができる…と理屈の上ではなりますね。
        しかしながら、
        >・日中に温室が十分に暖められるため、夜間も発電可能
        このような運転をするのであれば、適温の場所は時間と共に夜は中心側、昼は周縁側に移動してしまうような気がします。
        通常の温室であれば、昼は適度に遮光・放熱し、夜は気密を保って温度変化を抑えるでしょうが、それを行えば発電ができなくなるはずで…結局、植物を育てる云々はアイデアを書いてみただけじゃないかという印象を受けます。

        もっと根本的なところで、「砂漠地帯では、昼夜の温度差が激しい」を読んで気づきましたが、
        >・絶対温度ではなく温度差を活用するため、天候に左右されない
        これ、「曇りで気温が低いときは上方の大気の温度もその分低いから問題なし」ってことだと思うんですが、そもそも砂漠って夜間は放射冷却で地表温度がガクンと下がる(から、昼夜の温度差が激しい)わけですね。一方で、乾燥空気に輻射能は無いし大気温度の低下は比較的小さいはず。そうなると、上昇気流を作るのに必要な温度差を得るための熱は昼間より増えるはずで、それを本当に地表の蓄熱だけで賄えるのか、という疑問が…

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 16時51分 (#1993187)

    砂漠がいっぱいあるからなー。
    # 周囲に何もないというのは原発の立地としても優れてるけど

    • by Anonymous Coward

      お忘れですか・・・!日本の魔境!鳥取を!・・・あれ?だめか・・・

      • by Anonymous Coward
        お忘れですか・・・!タイトルの下!部門名を!

        #気候的に合わないんじゃないかな、と地元民じゃないけど予想してみる。
        • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 18時16分 (#1993248)
          お見込みのとおり、鳥取は日照時間が短いので、ああいうのには適していないのです。
          http://todo-ran.com/t/kiji/13657 [todo-ran.com]
          それに、あれは砂漠ではなく砂丘なので、起伏が激しくて大規模な構造物の施工には不向きなんです。何より国立公園だし。
          親コメント
          • by Anonymous Coward

            仮に鳥取砂丘にこれを作ったとしよう。
            そうすると観光地としての価値がなくなり、鳥取から名所が一つ消えます。
            ・・・あと何が残ってるんだっけ?

            鳥取が島根より知名度が高いのは鳥取砂丘があるからであって、なかったら島根なみになると思ってる。
            あわせて鳥根とか言われそうだ。

            # 鳥取県民と島根県民に怒られそうなのでAC。

            • by Anonymous Coward

              >あわせて鳥根とか言われそうだ。
              こういう話の流れで「島根ならRubyをわすれちゃだめっしょ」とちゃかしたら、「原石とれたっけ?」と返されたでござる

            • by Anonymous Coward
              >島根県民に怒られそう
              大丈夫、島根にパソコンなんてあるわけないから
              • by Anonymous Coward
                謝れ。 鳥取でPC生産する、ONKYOにDOGEZAしろ!!
    • by Anonymous Coward
      原発には冷却水が必要ですから、砂漠に建てるのは不向きでは?
      チェルノブイリは人口湖を作って内陸で動かしましたが・・・砂漠ではむずかしいかと
      • 外界との最終的な熱交換部分が空冷のものって結構ありませんでしたっけ?
        フランスとかの内陸部とか.あと,イスラエルの原発なんぞも砂漠にあったような……
        #何かの時のためにある程度の量の水は内部に保持してあるんでしょうが.

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        • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 18時12分 (#1993244)

          > イスラエルの原発なんぞも砂漠にあったような

          イスラエルは福島第一の事故を受けて、商業炉の計画を中止したそうです。商業用以外の実験炉のことですかね?
          イスラエル、初の原発建設計画を停止 [yomiuri.co.jp]

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          • >商業用以外の実験炉のことですかね?

            そうですそうです.
            核開発に使われたんじゃないかといわれているやつです.同じ砂漠っぽいですが.

            福島の事故を受けて,「同じくらい古いから,うちらのも止めようぜ」みたいな話が上がっていた覚えが.

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        • by Anonymous Coward

          「空冷」というのが一体何を指しているのか、ちょっとわからないのですが、フランスの原発で完全空冷の物はなかったはずです。

          フランスの原子力発電所は、こんな感じ [wikimedia.org]のいかにも「原子力発電所です!!」っといった感じの馬鹿でかい冷却塔が特徴ですが、これらの内陸部に存在する原子力発電所は、基本的に大きな川のそばに設置 [rist.or.jp]されています。
          これは近くの川から水を取り込み、それを冷却塔下部で噴射し蒸発させることにより冷却する構造(ゆえに湯気が出る)なので、「空冷」と表現するのはちょっと無理があります。

      • by Anonymous Coward
        それで人が増えていたのか。
  • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 17時08分 (#1993198)
    ただちに影響はないんだろうが
  • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 17時09分 (#1993199)
    ふと、800mも高低差があったら気圧差で風力発電もできるんじゃね?
    と思ったけど、地表付近の熱が高ければ煙突効果を使えば更に高能率だね。
    って恒久的な熱差があるんなら対流させた方が半永久的じゃないか。
    あ、これがそれか。
    • Re:思考の変遷 (スコア:4, おもしろおかしい)

      by TarZ (28055) on 2011年07月27日 17時23分 (#1993210) 日記

      ふと、800mも高低差があったら気圧差で風力発電もできるんじゃね?

      この効果のせいで、実は高層ビルではエレベーターシャフト内でいつも強力な上昇気流が生まれており、いくらでも発電できる状況なのですが、この事実は石油メジャーによって秘匿されているのです!

      # プギャー!

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      発明の名称:永久発電装置
      発明が解決しようとする課題:従来の発電にはエネルギー源が必要であった
      課題を解決するための手段:数百メートルの高低差を通風管で結び、両端に生じる気圧差で風力発電を行う

      • by Anonymous Coward

        課題を解決するための手段:数百メートルの高低差を通風管で結び、両端に生じる気圧差で風力発電を行う

        球体循環装置にすると科学部を持たない某新聞社が取材に来てくれますよ

    • by Anonymous Coward

      おいおい、お前さんの身の回りの大気は気圧差でどんどん上に飛んでっちまってるのかい?
      海の浅いところと深いところをパイプで結んだだけで、圧力差で水がどんどん噴出してくることになるのかい?
      #いや、それならパイプで結ばなくても吹き出てくるんだけどさ。

      こうして人は永久機関を発明してしまうのか……

      • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 17時38分 (#1993224)

        海の浅いところと深いところをパイプで結んだだけで、圧力差で水がどんどん噴出してくることになるのかい?

        実は噴き出してくるんだな、これが。
        http://www.ifs.tohoku.ac.jp/maru/research/laputa/index.html [tohoku.ac.jp]

        肝要は導熱するが塩分は通さないパイプ。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          ああ、うん、まあそうなんだけど。
          元コメの言ってるような圧力差によるものではないよね。あくまで温度差(とそれに伴う濃度差)によるわけで、そういう意味では今回のソーラータワーと構造的にはやや近い。
          #でもって圧力差の部分は、重力による位置エネルギー分でキャンセルされる(というか静水圧差の起源が重力ポテンシャル)ので移動には寄与しない。

          • by Anonymous Coward
            高度による気圧差では無理ですけど、これだけ高ければ、風速差による気圧の違いで上昇気流が発生するような気がします。
            ベンチュリー管でしたっけ?
  • by Anonymous Coward on 2011年07月27日 18時19分 (#1993251)
    ・80~90℃の温室内で植物を見守る農業従事者
    ・低温のデータセンタ内でサーバを見守るIT従事者
    あなたなら、どっち?
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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