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デジタルデータを「1000年保存する」方法が開発される 94

ストーリー by makeplex
モノリスはまだですか 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

日経新聞によると、慶應義塾大学の黒田忠広教授らとシャープ、京都大学の研究者らによって、デジタルデータを「半永久的に」保存する方法が考案され、基礎実験が成功したそうだ。

詳細は記事には掲載されていないが、

データを半永久的に保存するには、装置の記録媒体を化学的に安定した物質で完全密封し水分などを排除すれば理論的には可能

とのことで、データを記録した半導体チップを密封し、無線によってデータにアクセスする、という方式だと思われる。

問題は1000年後にそのデータを読み出せるデバイスが残っているか、というところだろうが、学術的に重要な情報の保存などには有用だろう。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • これでしょ? (スコア:3, 参考になる)

    by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2009年06月16日 23時51分 (#1587738) 日記

    黒田先生入ってるし,Symposium on VLSI Circuitsで発表されるこれ [vlsisymposium.org](いつものワイヤレスTSV関連)でしょ?
    ……でもこれで「1000年持つ」ってのは,宣伝文句とはいえどうなんかなあ.
    確かに外部接点を持つものよりは相当丈夫だけれども,長期間の保存では(非通電状態においても)チップ内配線自体が劣化することが知られているわけで,それで1000年持つのかというと……

  • 実績・・あり? (スコア:3, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2009年06月17日 4時02分 (#1587850)

    対象はアナログなものばかりですが、
    2000年に基本的に似たような方法でとりあえず30年保存されたものが開封、実績を確認されていますね。
    まもなく40年目に突入。

    http://panasonic.co.jp/history/timecapsule/index.html [panasonic.co.jp]

    1000年どころか5000年保存を標榜しています。40年前にして既に。
    #実際達成できるかどうかはともかく、
        (おそらく本気で)5000年保たせるつもりの当時の知恵と技術の粋が注がれています。

    開封展、見に行けなかったんだよな。次の2100年の開封までは生きられないだろうし、くそう。

  • 1000年後に生きてて (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Lurch (10536) on 2009年06月16日 22時38分 (#1587662)
    責任を取る人がいないのが問題ですね
    --

    ------------
    惑星ケイロンまであと何マイル?
  • by gonzo (38147) on 2009年06月17日 9時40分 (#1587909)

    特殊な物、環境で1000年持つよりも
    一般的な物、環境で50年持つのがいい。

  • 化学的に安定した物質で完全密封

    というと富士通製ハードディスクのHDD故障につながった欠陥半導体樹脂問題が法廷へ [srad.jp]を思い出しますね。
    もちろん非接触でエージングの進行状況を観測できるような仕組みも備えていて、
    エージング期間中(最初の100年位?)でやばそうな時には速やかに
    バックアップ媒体にコピーできるようになっているのだとは思いますが・・・

    こういうのをエージングと呼ぶのが適切なのかどうかわかりません。

    --
    屍体メモ [windy.cx]
  • by Technobose (6861) on 2009年06月16日 22時42分 (#1587669) 日記
    個人しろ国家にしろ、今までいろいろと自分たちの記憶や記録を残そうと
    努力してきたわけだけど、消えてなくなることも重要なのかもしれない。
    でないと、時代が降るほど、いろんな他人の記録で埋め尽くされて身動き
    できなくなるかもしれないし。


    けど、個人的な記録はせめて自分の生涯の間は利用できるようになっていてほしいもんだ。
  • by Anonymous Coward on 2009年06月16日 23時09分 (#1587688)

    > 問題は1000年後にそのデータを読み出せるデバイスが残っているか

    データ読み出せるデバイスも問題かもしれないが、デコードするソフトウェアが存在するか、
    というのはもっと問題かも。

    手元にX68000とかPC9801の頃とかの画像データやらサンプリング音のデータとかFD
    のイメージファイルはあるけど、どうやってみたものかと。
    いや、見る方法はエミュレータとかであるんだろうけども、1000年も経ったら
    エミュレータが動くホストマシンのエミュレータが動くホストマシンのエミュレータが動く
    ・・・(何十周かループ)・・・のエミュレータが必要なんじゃないかと。

    そんなことを考えると、紙とかフィルムとかが最強!とか思ったりする日々なのであった。

  • せっかくのデジタルなんだし同じ媒体で長持ちさせるよりロスレスコピーで継承していった方が効率的じゃないかな、と。
    もっともロスレスのはずが何らかの手違いで失われることからはたぶん逃れられないと思うので、
    常用のデータは継承したもの、いざそこに抜けがあったら原本を参照、ってやるには原本の長期保存はやっぱり大事かな。

  • by tamatukurikei (32435) on 2009年06月16日 23時50分 (#1587737) 日記
    ダヴィンチコードは,約500年保存に成功しました.

    冗談はおいといて,一番の問題は保存にかかる費用でしょう.お金さえかければ1000年保存は可能かと
    地上絵については,初期投資が半端なくかかりますが,劣化に目をつぶれば保存できています.
    今回のデバイスでは,費用の面ではクリアしているように見えます.

    しかし,アクセスする側の機器の保守費用があります.

    コンシューマ向けでないと考えられるので,機器に対して量販効果はあまり期待できません.

    修理で対応できないこともあります.

    そもそもアクセス機器の,保守方法,再生産に必要な設計図等は1000年保存できるのか,という疑問もあります.

    と,書きましたが重要文化財等,未来に残してほしい情報はたくさんありますので,保存法の今後に期待したいです.
    • by maia (16220) on 2009年06月17日 1時03分 (#1587791) 日記

      保存メディアをちょっと解析しただけで(設計図を用意しておいてもいいが、それだけでは足りない)、再生装置を比較的簡単に「再発明」できるようにする、というのが、この種の(SF的)超長期保存の肝じゃないでしょうか。つまり再生装置が失われている事自体を前提に、設計すると。いずれにせよ、実用化には、情報密度とコストが問題なんでしょうけど。

      #ちなみに、ニッケルディスクにマイクロエッチングでアナログに描いておく、というアイデア(ロゼッタ・プロジェクト)も(ソース [ndl.go.jp])。耐久性は2000年。

      未来人を高度な文明人と見なすか、(レベル的に)中世人と見なすか、でも違うか(笑

      親コメント
    • Re:ダヴィンチ (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2009年06月17日 5時38分 (#1587861)
      そうか、太字で書くと残りやすいんですね?
      親コメント
  • 一方、ロシアは鉛筆と中性紙(ry

    なにゆえわざわざ30年程度しか持たないメディアを作るか
    不思議に思える今日この頃。

    #保存状態が悪ければ紙もそう長持ちしませんが

    • by albireo (7374) on 2009年06月17日 2時50分 (#1587836) 日記

      なにゆえわざわざ30年程度しか持たないメディアを作るか
      不思議に思える今日この頃。

      記録の大半が30年も持てば十分だからです。
      そんな用途にわざわざオーバースペックなメディアを使う方が不思議だと思うのですが。

      --
      うじゃうじゃ
      親コメント
      • > 記録の大半が30年も持てば十分だからです。
        > そんな用途にわざわざオーバースペックなメディアを使う方が不思議だと思うのですが。

        追記型や書き換え型の場合には、色素の寿命もあって30年より短くなりえるのはもちろんですが、販売目的でビデオや音楽に使われるものでも
        期待できる寿命が一般的に30年程度ってのは、それが用途や目的に合ってるからなのかなぁ。

        生きてる間くらいはいくらなんでも持つだろうと期待し、その結果 ちょーしょんぼり しないようにするにはおたかいもの にしかならないのだろうか。

        紙相手なら「百年プリント」とか「つよインク」のように寿命を売りにできるけど、自動車の安全性能と同じく、それに価値があることについて買い手が納得できない限り、この手の問題を安く解決することは後回しなんでしょうね。

        親コメント
        • コストの問題を軽視しすぎです。
          デジタルメディアのビット単価の下がり方はすさまじいことを考えてください。

          10年もしないうちにもっと大容量のメディアが登場しているのだから、寿命の長いメディアを使うよりも、市販の安いメディアに記録しておいて寿命が来る前に必要なデータだけ安くなった新しいメディアにコピーする方が、コピーの手間をというコストを考慮しても割安になることが多いでしょう。

          DVDなどのリードオンリーメディアの場合の肝は需要と供給側のコスト負担の兼ね合いです。
          仮に寿命が10倍で価格が2倍のメディアがあったとしても、ほとんどの人は安い方のメディアを買うでしょう。
          需要の少ないメディアを別に供給するというだけで余分なコストがかかるので、そういうことをやりたがるところは少ないです。そして需要が見込めるものだけ新しいメディアで出し直す。
          音楽やビデオもマスターとなるデータには長期保存が必要でしょうけど、市販されるメディアは「消費されるもの」にすぎないんですよ。

          それに価値があることについて買い手が納得できない限り

          「そのために余分に支払うコストに納得できる買い手が十分にいない限り」ですね。
          既存メディアでも保存方法に気を使うことでけっこう長持ちさせることが可能なのこともあって、コストが高ければ需要はほとんど見込めません。
          上乗せされるコストが十分に少なくなる見込みが立たないと「百年プリント」「つよインク」のように身近にはなりませんよ。

          --
          うじゃうじゃ
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          • メディアの供給者としてもビット単価=価値という競争が続くうちは、寿命を延ばす方に投資するのは難しいでしょうね。ただ、そうは言ってもある程度安全に情報を保持しておくのも、メディアの基本機能のひとつなんで、あまりに寿命が短いメディアは、いくら安くても洒落にならない。値段に惹かれて1週間で読めなくなる CD-R を買った時のくやしさは、いまだに忘れられません。

            閑話休題。

            多くの人にとってどの程度の寿命が必要か証明できるようなデータは、残念ながら持ち合わせていません。

            それでも酸性紙が世の中から駆逐されたようなことが起こる可能性は、意外に高いと見ています。酸性紙が数十年でボロボロになると多くの人が知って以来、使い捨てのメモにすら「中性紙」の表示があります。これだけをもって多くの人がメディアに期待する寿命を断ずるのは、もちろん無理があります。酸性紙と中性紙のコスト差も比較しなければなりませんし、ビットレートの下落を紙に当てはめれば同じ量の紙をより将来より安く買えるわけですから、もう少し状況は複雑です。

            それでもやはりメディアの寿命について、広く知られてないんじゃないかと思えるところがいくつもあります。たとえば、DVD-R に直接記録するビデオカメラ、DVD-R へスライドショーを記録するデジカメのオプション、キズがつきにくくなったことで長寿命をうたうメディア etc.

            「せめて著作権と同程度には市販されるメディアも長持ちしてほしい」「自分が生きている間くらいは子供の写真やビデオが残っていてほしい」ってのは、贅沢な望みなのかなぁ。

            さらに規格がコロコロ変わるって可能性は非常に高いので、メディアの寿命がくる以前に買い替えを迫られる って方に賭けるのが、一番現実的なのも確かです。

            メディアもしくはコンテンツの供給者と、メディアもしくはその再生機器の規格の策定に関わるものが同じだと、メディアや規格を長寿命化する動機付けなんてほとんどなく、むしろ短寿命化させる誘惑に駆られてしまう。

            言いかえれば、規格にしても、メディアしても、その寿命の短さは、商品としてメディアやコンテンツを供給する側に有利に、需要側に不利に働きます。これはメディアの長寿命化の足を引っ張る大きな要因のひとつです。何ゆえ30年程度の寿命しかないメディアを作るのか不思議。一体、誰が得するんだろ。

            DVD-R にしても「超硬」のごとく、取り扱いを楽にする商品が出てくるくらいなので、寿命に関してもなんとかなるかなぁとか無責任に思うんです。反射膜に金を使うってな富豪的解決策だと高くつきますが、もう少し安上がりな方法もあるんじゃないのかなぁ。

            P.S. そう取っていただけなかったのは残念ですが、コストの問題に関しては、albireo さんとお互いに合意ができてるような気がします。また、現状に対して何の不満も持つべきでないってことを albireo さんがおっしゃりたいわけでもなく、現状でも個人で対処するとすれば、より安価な解決策があるって話だと受け取っています。実際、私自身もメディアの寿命に関する問題を回避し、ビット単価の下落に乗っかる運用をしてます。元々、きわめて曖昧なコメントをした私に責があります。わざわざこんなところまで読んでいただいた皆様におかれましては、ご理解いただければ、幸いです。

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  • 情報をDNAのような核酸の中に保存し、カチカチに冷凍して永久凍土の下におけば、1000年程度ならいけそうな気がする。
    細胞分裂すれば複写の際にミスが起きる可能性があるけど、凍らせてしまえば問題ないし。

    --
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    • by Anonymous Coward on 2009年06月17日 12時58分 (#1588109)

      枯草菌に記録 [yahoo.co.jp]するんだとか

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      • なるほど。すでに同じアイデアに基づく研究が進められていたのですね。

        次の課題は、現在の読み書きにかかる数千万円というコストをいかに抑えるかである。
         コストと並んでDNAメモリの持つ大きな問題点は、書き込みと読み出し、つまりアクセスタイムにかなりの時間(現時点では1日から数日)を要することだ。したがって、このままでは現在のハードディスクの代わりに使うことはとてもできないが、保存するデータの内容によっては、数千年もの長期保存が可能ならば少々読み書きに手間がかかってもよい、というケースは十分に考えられる。

        数千万円も掛けて数千年もの間保存しなければならない情報って、そう滅多にないと思うけど、コスト削減できればもっと身近なところで使われるようになるかも。

        --
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