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電力

環境省、国内の自然エネルギー発電のポテンシャル分布図を発表 338

ストーリー by hylom
コストや環境負荷、リスクも考えた総合的な判断を願う 部門より

弥七の風車 曰く、

asahi.comの記事によると、環境省は国内で風力などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)を導入した場合の発電量の試算結果について発表した。東北地方では、原発3~11基分が風力でまかなえる計算とのこと。

該当の環境省の報道発表資料をみると、試算結果は「再生可能エネルギーポテンシャルマップ」としてGoogle Earth対応のkmzファイルで公開されている。各都道府県の陸上・洋上(沿岸近くを除いた近海)の風力、中小の水力、地熱について賦存量(種々の制約要因を考慮しない理論的なエネルギー資源量)と導入ポテンシャル(制約要因を考慮したエネルギー資源量)の分布、集計結果などが閲覧できる。知床の地熱など、賦存量は高いが実際に利用するには困難な地点なども確認できる。

再生可能エネルギーに関しては、つい先日の池田氏のBlog記事で、供給の不安定と蓄電池のオプションを考慮したうえで進行波炉型原子力を(途上国向けに)推進しているビルゲイツの講演が紹介されている。/.Jerが考える今後のエネルギー源はなんだろうか?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Meth610 (31617) on 2011年04月22日 23時01分 (#1941055)

     日本全国の電力会社は、強い風が吹いて風力発電所が稼働すると、火力発電所の出力をその分落とすという運用はしたことがありません。

     また、火力発電所が廃止されたこともありません。電力系統に大量の電気が急に入ったり、入らなくなったりすると電力系統全体が不安定になり、停電することもあるのですが、まだ風力発電所からの電気は系統全体の1~2%以下で誤算の範囲なので不安定にはならないので何もしていません。

     風力発電所が結構増えた北海道電力、東北電力では、風力発電所の発電量が増えると、既存の火力発電所の出力は落とさずに、風力発電所からの送電を止めています(接続制限)。なぜかというと、風は一定の強さで吹き続けるものではないので、それに合わせて火力発電所などの出力を調整するのは難しいからです。

    ―― http://no-windfarm.asablo.jp/blog/cat/5/ [asablo.jp]

    発電能力を数字だけで議論しても、実用に足るだけの安定性が確保できなければ意味が無い。
    少なくとも、原発の置き換えを考えるならば、ベース電力に相応しい安定性が不可欠。

    • by Anonymous Coward on 2011年04月23日 0時28分 (#1941099)
      風力も不安定ではあっても今の技術なら全く発電量が読めないって訳じゃないですけどね。
      ただ単に火力を変動させるのがめんどくさいから導入しぶってるだけでしょ。 全体の1-2割程度なら風力を導入してその分火力や水力を変動させて対応するってのは東北電力が余程無能でなければ不可能ではないはずですよ
      というかそれが不可能だったらドイツとか導入できてないかと、ドイツの風力発電の設備稼働率なんて平均16%程度しかないんだから。

      とはいえ電力会社にしてみれば、わざわざ余所から高い電気買わなくとも、自社で発電した方が安価なわけで そりゃありとあらゆる理由こね回して渋るのは当然ですけどね、でもそれをなんとかするのが国の仕事でしょうよ

      どっちにしても単独ではベース電源たり得ないっから原発の替わりにはならないってのは全くその通りなんですけど
      そうするとベース電源として使える自然エネルギーは水力くらいなのに既に開発適地がほぼ残って無いので結局手詰まりという
      コスト完全無視なら地熱でもいいんだろうけど
      親コメント
  • by Dumarest (25156) on 2011年04月23日 13時53分 (#1941351) 日記

    GoogleEarthでちょこちょこと陸上風力発電のポテンシャル見る限り
    関東だと千葉の方と伊豆半島にちょっと適地あるけど、やはり少ないですね。
    千葉-----81万kW
    東京-----69万kW
    埼玉-----7万kW
    神奈川---12万
    都内だと伊豆大島がかなり適地と表示されてます、送電できるのか疑問ですが。

    で、『東北太平洋側だとどうなんだろ』と調べると
    岩手---1600万kW
    宮城----329万kW
    福島----870万kW

    と桁違い。
    確かに岩手とかは風力発電結構有名ですがこんなに違う物なんですねぇ。
    風力発電に思い入れ全くないけど、規制緩和でもう少し利用率あげても良いのかも。

    #ただ、福島の適地は結構な土地があの「20km圏内」に有りそうなんですよねぇ…orz
    #(また変な陰謀論が浮かびそうだ・・・)

  • 一体、送電網の管制を誰がどうやってやるのかと小一時間(ry

    特に、小規模な発電設備を、大量に運用する場合とかさ。

  • 太陽光発電(非住宅系)、風力発電(陸上及び洋上)、中小水力発電及び地熱発電(温泉発電を含む。)について、我が国における賦存量及び導入ポテンシャルの推計を行いました。

    って、どれも再生可能じゃないような。例えば地熱発電って究極的には放射性核種の崩壊熱だから原発と同じく数十億年前の超新星爆発エネルギーですし。っていうか「再生可能エネルギー」って言葉自体が熱力学第二法則に抵触しているんじゃないでしょうか。

    メガ年単位で「非枯渇性エネルギー」って言うんなら分かりますが。ああすみません「年」はSI単位じゃないですね。テラ秒単位で見てもいいです。

    天文学の予測する太陽の残り寿命は、同じく天文学者であったセーガンらの技術文明の寿命についての悲観的推測に比べれば無限と言っても差し支えないので、実時間太陽エネルギーは人類にとって「非枯渇性」と言えます。化石燃料は生物圏の分解能力が生産能力を下回っていた時代に蓄積された太陽エネルギーなので、使ってしまえばいずれ底をつく「枯渇性エネルギー」です。原子力も本来太古の超新星に由来する「枯渇性エネルギー」ですが、核燃料サイクルによって利用可能度を上げられる点がちょっとましかも知れないけれど現時点で人類はそこまでのテクノロジーを手にしていません。

    実時間太陽エネルギーとして古くから人類が利用してきたバイオマスエネルギーがこの環境省の資料ではオミットされているのがなぜなのかよく分かりません。広く薄くしか分布しないため化石燃料よりポテンシャルが低いからコスト的に見合わないのはわかりきっていますが。確かに世界的に見て超高価な日本人の人件費をかけなければ利用出来ないのでは勝ち目はありません。だからといって無視するというのも。

    バイオマスエネルギーにはRuBisCOの非効率性という原理的な問題があり、ポテンシャルも高くないので電力への変換効率が劣るため、面積あたりの発電能力という観点では技術の進歩で太陽電池に抜かれるかも知れません(現状はどうでしょう?)。しかし、日本のように水に恵まれた環境では「勝手に生えてくる」という利点があります。これは人類の感覚からすると「再生可能性」です。これを考慮せずになんとする。

    もちろんそのエネルギーの根源は1AU先で起こっている(まあ光球表面への伝達にかかる100万年くらいは無視するとして)水素の核融合反応であり、風力や水力と同じくそれをどう利用出来るようにするかの問題ではあるのですが。

    そういったことを考えると、太陽エネルギーにほとんど依存しない熱水噴出口生態系というのは大変興味深いものです。サツマハオリムシの実物を見たことがありますが(鹿児島水族館で)、あいつら野生では超新星を食って生きているのですから。え、話がそれすぎ?いいじゃないですか/.なんだし。

    --
    Jubilee
  • そろり前進中 (スコア:2, 参考になる)

    by s-kei (16661) on 2011年04月24日 15時18分 (#1941775)

    今回の原発事故が無くても、近年化石燃料の値段が上がってきて、困ったことになっているのはご承知の通りです。
    その対策の一環として太陽光以外の再生可能エネルギーを増やす方針は以前から打ち出されていて、その施策の一つが「全量買い取り制度」 [meti.go.jp]です。現在のドイツよりはだいぶ控えめな内容ですけど、それでも現状よりは助成水準が上がります。また発電量ベースなので、”回らない風車”なんてトラブルも減らせるかと(きっちり発電しないと、元が取れない)。
    1年以上かけて制度設計されてきたんですが、先日国会に提出されたそうです(すごいタイミングですが、たまたまそういう時期に震災が起きた)。

    もちろん再生可能エネルギーも決して「魔法の杖」というわけではなく、欠点・課題もたくさんあります。
    でもそれをうまく組み合わせて使っていけば、エネルギー事情を改善しつつ、国の経済にもそれなりに良い効果をもたらすことは実証されてます [www.bmu.de]。日本でも、やればできるはず [env.go.jp]。
    ある程度のリスクもありますが、地道に普及を進めて頂いた方が結局はお得だろうと思われます。

    # ドイツ等に比べて出遅れてはいますが、今回の震災・事故を機に議論が活発になったこと自体は、不幸中の幸いかも知れません。

  • by s-kei (16661) on 2011年04月25日 19時46分 (#1942455)

    ポテンシャル調査報告書の詳細版 [env.go.jp]も、発表されましたね。
    推計の手法や根拠となるデータが詳しく記されてますし、実地調査結果も含まれています。

    なおこの調査、別に今年始まったものではありません。昨年のものが、こちらにあります [env.go.jp]。

    # 議論が活発になったのはすごく良いことだと思いますが、よく調べないうちから、人の足を引っ張ることに注力してるコメントが多いように感じます。
    # 定量的なデータを捜された上で、問題を少しでも緩和する方法を考えた方が、お得ではないかと思います。

  • by Anonymous Coward on 2011年04月22日 19時13分 (#1940921)

    ずいぶん幅があるなw
    たぶん、経済性・安全性なんかをとると1基分にもならないんだろうな。。
    結局は絵に描いた餅なんだよ。。いつもの事だけど。
    <補助金・助成金目当ての自作自演に見える。
    <Nedoなんかでも、それ系でタカル役人を何人も見ているからな。。

    そんな事より、メタンハイドレードでガスタービン発電のほうが
    現実的な気がする。< 安定した採掘ができればって限定がつくけど。

  • 朝日の記事では、比較する原発を「出力100万キロワットで稼働率85%と仮定」としてるけど、実際の稼働率はこんなに高くないよね。定格出力の平均も100万キロワットはないかも?

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