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「集団の知恵」なんてものはない? 169

ストーリー by soara
誰にとっての価値なのだろう 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

世界の面白ニュースを集めたサイトFark.comを立ち上げたDrew Curtis氏の発言が本家/.にて話題になっている。

Cutis氏は先週ワシントンDCで行われたカンファレンスで「『集団の知恵(wisdom of crowds)』なんて、こんな馬鹿げた話は今まで聞いたことがない。集団とは愚かなものである」と発言したとされている。氏曰く「集団を正しい方向に導くには人の力が必要であり、集団のままでは人々は群れてフラフラして文句を言うだけである」とのこと。Fark.comで紹介される日々の面白ニュースへのコメントに対するモデレーションを行ってきた経験から、ウェブ上のコメントの 99%はゴミであり、何らかの価値のあるコメントはたった 1%しかないとも感じているという。

また「集団の知恵」が働いていない例として、米下院共和党員が立ち上げた America Speaking Outを挙げている。America Speaking Outは政策の重要度を国民に尋ね、支持する政策に投票できるシステムであるが、Curtis氏曰く、真面目に投じられた票かどうかを見極める術が無く、大失敗であり完全に破たんしていると指摘している。

なお、原文の「wisdom of crowds」は日本語では「集団の知恵」や「集合知」、また「群衆の叡智」などと訳されているようだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 三人寄れば文殊の知恵 (スコア:5, すばらしい洞察)

    by reininn (35924) on 2010年07月03日 11時24分 (#1789592)
    と言って、集団の知恵の存在を肯定する人がいるけど。
    やはり、制御可能なのは、三人の意見ぐらいまでで、
    それ以上集まると発散してしまい、まともなものは決まらない。
  • by Anonymous Coward on 2010年07月03日 11時48分 (#1789606)

    例えば、OSSの開発なんかだと、Linus一人ではそこまで目が届かないだろう、という部分までちゃんと誰かが手をつけたから、Linusとかその他一部のコアの人たちはそれを取捨選択するだけで良くなった。

    Wikipediaみたいなものでも、専門家+一般からのフィードバック、みたいな体制で作れば、今の辞典よりも精度が良くなる可能性もあるだろう。コストもかかるけど。

    おおまかな方向性を賢人会議で決めて、一般からフィードバックを受け、フィードバックから得られる知見の取捨選択まで賢人の間でやるのが良い方法だと思う。
    問題は、その「賢人」をどう選出するか、というところにかかるんだけど。

    (あるテーマについて妥当な「賢人」が選ばれているかどうか、という命題は衆愚によって判断可能か?)

  • by greentea (17971) on 2010年07月03日 12時12分 (#1789631) 日記

    社会心理学の実験で、こういうのがあったみたい。

    同じ問題を
    ・ひとりで問題を解く
    ・グループで問題を解く
    で比較したところ、正答率が高かったのは、グループだった => 「集団の知恵」を支持する結果

    けれど、この結果は当たり前っちゃ当たり前。例えば、問題が3問あったとして、
    Aさんは(1)しか解けない。Bさんは(2)しかとけない。AさんとBさんがやったら(1)と(2)が解けた。
    ただそれだけのことかもしれない。

    そこで、同じ実験を行って、単純な正答率の比較じゃなくて「創発性」
    つまり、AさんとBさんが協力して問題を解いたら、1人じゃ解けなかった(3)が解けるようになったか、に焦点を当ててみることにする。

    問題の難しさ、問題を解く人の賢さはどれもそう変わらないと考える。
    そのとき個人の正答率をpと置けて、n人で問題を解いたときの「創発性」ゼロのときのグループの正答率は
    P(n) = 1-(1-p)^n
    と予測できる。
    実験結果がP(n)を上回れば「創発性」があることを意味する。

    その結果、正答率はP(n)を下回った。
    つまり「みんなで協力したら、1人じゃ解けなかった問題が解けるようになった」なんてことはなく、そればかりか「みんなで協力したら、誰かが解けてたかもしれない問題も解けなくなった」という結論が得られた。

    --
    1を聞いて0を知れ!
    • 何か変ですよ。
      > 「みんなで協力したら、誰かが解けてたかもしれない問題も解けなくなった」
      という結論と
      > 正答率が高かったのは、グループだった
      という事実が矛盾してませんか?

      親コメント
      • 例えば問題が5問あって、1人でやったら、Aさんは(1),(2),Bさんは(2),(3),Cさんは(4),(5)を解ける。
        全員、正答率は40%です。

        2人でやったとき、なぜか(1),(2),(4)しか解けなかった。
        単純な正答率比較では40%から60%に上がっていますが、
        Bさんが解けたはずの(3),Cさんが解けたはずの(5)は解けなくなっています。

        --
        1を聞いて0を知れ!
        親コメント
    • >つまり「みんなで協力したら、1人じゃ解けなかった問題が解けるようになった」なんてことはなく、そればかりか「みんなで協力したら、誰かが解けてたかもしれない問題も解けなくなった」という結論が得られた。

      ん?一人で問題が解けるケースは初期段階で除外してるように読めるんですが、その辺は計算に入ってるんでしたっけ。

      一人で問題が解けない場合において、複数人なら問題が解ける確率ですよね?

      親コメント
      • > 一人で問題が解けない場合において、複数人なら問題が解ける確率ですよね?
        いえいえ。
        ・1人で問題を解かせた実験結果を元に、もしも、複数人集まって互いにいい影響も悪い影響も与えなかったら正答率がどうなるかを計算により求める
        ・複数人で問題を解かせた実験結果と、計算により求めた結果を比較する
        そうすると、
        計算値 < 実験値: 複数人集まるといい影響を与える
        計算値 > 実験値: 複数人集まると悪い影響を与える
        という考え方です。
        --
        1を聞いて0を知れ!
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        • >・1人で問題を解かせた実験結果を元に、もしも、複数人集まって互いにいい影響も悪い影響も与えなかったら正答率がどうなるかを計算により求める

          その計算の中に、二人以上が異なる回答を出した場合にはどちらの回答を選択するか、の項目は入ってますか?

          他の方が書いているように、一つの回答を選択するというプロセスは割と重要な気がします。誰か一人でも正解していればOKという命題なら計算で出てくるでしょうけども。

          というか、まさにそのプロセスが正答率を下げているような気がするので、回答を選択する項が存在していないとおかしな結論になりそうです。

          親コメント
          • by okky (2487) on 2010年07月03日 17時17分 (#1789771) ホームページ 日記

            その計算の中に、二人以上が異なる回答を出した場合にはどちらの回答を選択するか、の項目は入ってますか?

            その選択に関する問題の中で最もコストが高くなるのは、限定された情報量の中ではどちらの解答を選択する方がよりよいのかを評価できない場合、だと思う。

            ようするに「やってみないと判らない」ところがある場合に、A案, B案 どちらが良いか? という問題。

            一人であれば、どうしてもどちらが良いか決められないなら、サイコロを振って決める、という戦略が使える。
            複数人の場合は、まず「どうしてもどちらが良いか決められない事に合意する」ことから始める必要がある。この段階からして高コスト。

            .

            さらに。ここまでは全員を完全に中立な立場だとしてきたが。

            少なくとも「提案者」にとっては自分のアイディアが採用される方が嬉しい。その「提案者」がうれしい方が「代案者」が嬉しい場合よりもうれしい、という人間の集団は「提案者」側を支持する。こうなると、「中立的な立場ではどちらが良いか決められない」状態で、「各人が自分の政治的立場から、選択する」ようになるため、なかなか
            「どうしてもどちらが良いか決められない状態になっている事に合意する」
            ことすらできなくなる。

            .

            で、一旦迷走を始めると、極論はともかく、妄想としか言いようがない案が出てくる。

            例: 「決められないならこれで」つ[非実在青年]

            大抵、こういう寝言を言える奴というのは、周囲の人間に利害関係だけはきっちり作り上げているので、「政治的立場から賛成している」奴らがゴロゴロと出てくるため、さらに事態は悪化し…

            --
            fjの教祖様
            親コメント
            • 回答をまとめる際に、一人の場合には脳内オレサミットが開かれて議決されているだけだと思うわけですよ。多人数で議論した時と同じ。で、知識ベースが広くなる分、多人数の方が正解を導き出す確率が高くなるはず。

              そうならないなら、前提条件か計算方法に何か問題があるんじゃないだろうか、と。

              >一人であれば、どうしてもどちらが良いか決められないなら、サイコロを振って決める、という戦略が使える。
              >複数人の場合は、まず「どうしてもどちらが良いか決められない事に合意する」ことから始める必要がある。この段階からして高コスト。

              そうですね。大体世の中には、

              1. 決める人
              2. 決められない人
              3. 決める気がない人

              の3タイプくらいいると思いますが、1が複数人いると結論が出ない気がします。3は思考しない人なのでいてもいなくても利も害もないでしょう。2は1の理論の補佐ができれば、1の結論の正答率が上がるんでしょうかね。

              1が理論も糞もない宗教系の人だと武力解決しかなくなりそう<偏見。

              親コメント
          • それは計算式には入ってないです。

            ただ、問題の選び方によっては、回答が与えられればそれが正解か間違いかが明らかな場合(例:素因数分解)もありえます。
            が、そこまでの詳細は知らないので、なんともいえないです。

            --
            1を聞いて0を知れ!
            親コメント
            • 案外そこが単純に多数決になったりするのではないかな?
              (複数案が同数なら均等な確率で配分するとか。)

              その結果として、正答が多数案を占められる状況では誤答を排除
              できるので全体の正答率は上がり、誤答が多数案を占めてしまう
              状況では正答が無視されるので全体の正答率は下がる。

              つまり、集団の構成員が十分に賢ければより良い結果が得られ、
              逆に多くの構成員が賢くなければ結果はより悪くなると。

              親コメント
  • 集団のメンバーの意見の平均値 (あまりうまい喩えではないかな) である wisdom of crowds (群衆の叡智) と、集団の知識プールである Collective intelligence (集合知) と混同しているようですよ。

  • 1% (スコア:3, すばらしい洞察)

    by kojirox (34129) on 2010年07月03日 12時40分 (#1789653)

    価値を決めるのはアナタじゃない。

    mixiの日記に対して一喜一憂することだってある。
    人が救われることだってある。

    そんな人生自体がカスなんだ。と言いたいのなら
    アナタはヒットラーにもなれるだろう。

    # 前半の集団の知恵の部分は、まぁわかる。

  • Twitterの (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Yohsa (2572) on 2010年07月03日 11時09分 (#1789578) 日記
    デマのRT大拡散なんかが最近だと問題ですねえ。出処が判り難いからいつの間にか本当の事になってる。
    • Re:Twitterの (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2010年07月03日 11時13分 (#1789580)
      それはチェーンメール等が何十年も前に辿ってきた道だ
      親コメント
  • なんという自己中。1%もあれば十分だろ。

  • 共通の目的があるかどうかで、知恵の出かたも異なるでしょう。
  • きちんと、データ・モデルの提示をして比較可能にして周りの評価を取って、データとモデルの再定義をして…。
    って事がただのコメント+Vote/Hateってインターフェイスでできる訳が無い。

    少なくとも、CSVをグラフ化する機能、GIS表示の機能はいると思うんだが。

    で、自分でデータが集められない場合には助けを求めることができたりすれば、集団の力を生かせるだろ。
    データの再利用もできれば尚良い。

    あとは、あからさまな議論の邪魔を排除するのに参加者の議決によるBANが居るのか?。
    参加している勢力別に評決とって2/3以上の勢力の賛成でBANとかで。

    この辺りで、やっとマトモな議論が可能なシステムになるんじゃ無いのか?
    それを、やらないで「愚衆」だの何だのは走りすぎ。
  • by Anonymous Coward on 2010年07月03日 11時00分 (#1789574)
    スタージョンの法則ですね。わかります
    • Re:スタージョンの法則 (スコア:3, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2010年07月03日 13時15分 (#1789676)

      あらゆるものの90%はクズである。
      あらゆるものだから、残った10%の内の90%もクズである。
      さらに残った1%の内の90%もクズである。
      さらに残った0.1%の(以下略)

      親コメント
      • Re:スタージョンの法則 (スコア:2, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward on 2010年07月04日 1時44分 (#1789918)

        あらゆるもののうち10%はクズではない。
        あらゆるものだから、残りの90%のうち、10%はクズではない。
        更に残った81%のうち、10%はクズではない。
        更に残った72.9%のうち、10%はクズではない。

        親コメント
    • Re:スタージョンの法則 (スコア:3, すばらしい洞察)

      by 90 (35300) on 2010年07月03日 14時00分 (#1789695) 日記

      その中から10%を自動で選び出せないものを集合愚
      コンピュータなりのシステムが選び出すのが集合知
      というのれす

      親コメント
  • Wikipediaとか2ちゃんとか (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2010年07月03日 11時02分 (#1789575)
    Wikipediaのことですね、分かります。
  • 一体面白ニュースからどんな知恵を得ようとしていたのだろうか? この本人の発言自体も面白ニュースへの文句にしかなってないところがみそなのかも知れない。
    --
    -- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
  • by duenmynoth (34577) on 2010年07月03日 12時10分 (#1789626) 日記
    要するに「自分以外は全員アホ」とでも言いたいのかと
    • Re:要するに、 (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2010年07月03日 13時18分 (#1789677)

      アホは集団の主導権を握る能力に長けている

      と言いたいのかもしれない。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2010年07月03日 14時03分 (#1789697)
        宗教なんかで顕著だが、「信心する」事と、「祭司の権利を得る」事は別で、
        集団が大きくなると、後者の方が圧倒的に有利で、すべてを総取りに出来る。

        そんな典型的で無くて、卑近な単なるアイディアでも、よいアイディアになると
        そのアイディアを禁じて後で独占しようとするから、本当によいアイディア
        なら、「これはよいものだ」とみんなに知られる事は危険で、いつのまにか
        みんなが知っているようにしないといけないが、「集団で知」を作ろうとする
        と、良いアイディアを「よいもの」と必然的に知らしめてしまうから良くない。
        親コメント
typodupeerror

192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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