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OSI、EU公式オープンソース・ライセンス「EUPL」を認定 26

ストーリー by otk
22の公用語に対応 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

3月4日、The Open Source Initiative(OSI)が「European Union Public Licence(EUPL)version 1.1」をオープンソース・ライセンスとして認定した(OSOR.EUの記事OSOR.EUによるEUPL詳細解説)。

EUPLは欧州委員会によって発行されたEU公式のオープンソース・ライセンスで、EUの公用語である22言語でライセンスが規定されており、そのすべてが同一の効力を持つ。また、EUPLはGPLv2と互換性を持つとのこと。

GPLの場合、英語版が「公式版」であり、そのほかの言語への翻訳版は「参考訳」とされているため、非英語圏のユーザーにとっては使い勝手が良くない。内容が似たオープンソース・ライセンスが増えることを「混乱を招きかねない」として問題視する人もいるようだが、EUPLはEUで使われる各言語向けに同一(と見なされる)のものが提供される、という点において意義があると思われる。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by taro-nishino (32033) on 2009年03月13日 0時34分 (#1529958)

    世には、やたらと多いオープンライセンスがあり、少なくとも私個人は、お腹いっぱい
    状態になっていたのですが、今回のOSIの満場一致での認定は歓迎します。
    OSIメンバーのMartin Michlmayr氏がインタビューで、オープンライセンスの氾濫
    を抑止したいけれども、今回の認定は本当に意味があると言ってますね。

    The OSI is increasingly strict with new licences, to prevent licence proliferation,
    says Martin Michlmayr, one the OSI board members.
    In an interview with the German Linux Magazine Online last week,
    he said he expects the EUPL to be of true value. "For the first time we have a license
    available in all European languages, valid everywhere and with all translations legally
    scrutinised."

    何か、小さな一歩だけど、人類の進歩を信じたい気持ちになりました。

  • EUPL (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2009年03月13日 0時11分 (#1529950)

    第一条:
    EUは、MSを好んでおらず、
    MSが怪しいことをしていたら、
    通達するように。

  • かえって混乱を巻き起こしそうな。少なくとも僕は混乱している。

    なんというか今までは、GPL にせよ BSD ライセンスにせよ、これさえ適用しておけば世界中どこでも同じ扱い (細かい法的根拠はさておき) なんだ、と思っていられたんだけど、EUPL のように国境や地域を意識させるようなライセンスが出てくると、例えば自分の GPL ソフトウェアは EU 圏の人は EUPL として使いたのか GPL のままでも問題なく使えるのか、とか余計なことを考えてしまう。こんな調子で Asian PL とか USPL とかが仮に乱立したとしたら、EUPL or AsianPL or USPL で配布、とかするようになるのか、とか。OSS ライセンスの一つでしかないとは分かっているんだけど。

    EU圏内での使用に限って言えば、第15項にあるように、法的根拠を最終的にはベルギーの法律に依るとしているので、法的根拠がはっきりさせやすいというメリットはあるんだろうけど。

    今まで Free Software だオープンソースだと言っていたけど、何の根拠もないあやふやなものですよ、世界共通なんて甘い夢はあきらめなさい、とあらためて言われたようで、なんとも考えがつかない。

    FSF や他の OSS 団体の意見を待って、もう一度考えたい。

    • by taro-nishino (32033) on 2009年03月13日 14時10分 (#1530300)

      今まで Free Software だオープンソースだと言っていたけど、何の根拠もないあやふやなものですよ、
      世界共通なんて甘い夢はあきらめなさい、とあらためて言われたようで、なんとも考えがつかない。

      今回のEUPL認定は、世界共通への一里塚だと思えばいいんじゃないでしょうか。
      EUPLが何故作られたかの理由の一つに、(EUPLのサイトに載っていますが)以下のことがあります。

      To be valid in all Member States, limitations of liability or warranty had to be precise,
      and not formulated “to the extend allowed by the law” as in most licences designed
      with the legal environment of the United States in mind.

      つまり、「各国の法律に基づいて云々」みたいな曖昧さでは、実際の裁判では到底勝ち目はあり
      ません。
      また、GPLを(原文そのまま)プリントしたものを証拠書類として提出したところで、採用されるか
      どうか、疑問ですよ。(おそらく却下されるでしょう。「何、これ?」みたいな感じで・・・)

      親コメント
      • おそらく却下されるでしょう

        少なくとも、日本の民事訴訟の場合は違います。却下はされず、翻訳したものを提出しろと言われます。

        民事訴訟規則138条(抜粋)
        外国語で作成された文書を提出して書証の申出をするときは、取調べを求める部分についてその文書の訳文を添付しなければならない。

        親コメント
        • 日本でGPLを巡った裁判例が無いので、実際どうなるか分かりませんよ。
          ご存知でしょうが、GPLの翻訳が効力を有するかどうかについて、
          GPL FAQ [fsf.org]
          には、以下の文があります(一部分だけ抜粋しますが、その節全部を読まれたらいいかと思います)。

          But we have not dared to approve them as officially valid. That carries a risk so great
          we do not dare accept it.

          また、

          Therefore, for the time being, we are not approving translations of the GPL as globally
          valid and binding.

          つまり、本家本元が翻訳には何ら保障も権限も与えないと言っているのです。そんなもの、
          わざわざ翻訳して添付しますか?
          私が言いたかったのは、GPLはそのまま出すしか方法が無いことなんです。

          親コメント
          • 私が言いたかったのは、GPLはそのまま出すしか方法が無いことなんです。

            FSFがGPLの訳文の法的効力を承認しないと言っただけで、GPLの訳文の日本における法的効力は無くなると思うわけですね。明らかにこれらは無関係でしょう。GPLが無効となるとすれば、確実に別の理由からです。

            そして、証拠採用されたいのであれば訳文を提出するしかありません。

            裁判所では、日本語を用いる (裁判所法74条)

            ともなっていますしね。

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            まてまて。日本国内の係争では、GNUが保障できることも権限を与えられることもカケラもないだろ。それを判断するのは裁判所であり、その判断の根拠として訳文を使う。訳文が正確か不正確か、という点が裁判の進行において (例えば被告と原告で異なる解釈をしているとか) 論点になるかどうかは、その先の話。

            GNUが「GPLの訳文は一切作ってはならない」と主張しているわけでなし。
            何か勘違いしてないか?

    • by Anonymous Coward

      GPLやBSDLに根拠がないと言うことでなく、各国でいちいち裁判をして
      有効性を確認するのは面倒くさいから最初から考証を入れたライセンスを
      書きましたよということでしょう。

      CCもそうですけれど、各国版にライセンスの互換性を示す仕組みがあれば
      世界中で同じ扱いをすることの妨げにはならないと思いますよ。

      • > CCもそうですけれど、各国版にライセンスの互換性を示す仕組みがあれば
        > 世界中で同じ扱いをすることの妨げにはならないと思いますよ。

        そういうところまでくれば、妨げにはならないのだけど、それを実現するには、膨大な労力がかかります。CCでそれを実現できているのは、各国に弁護士資格保持者などの支援者がいるからで、本来なら、GPLでもなんでも、そういう取り組みまで持ってこれれば良かったのだけど、少なくとも日本では実現してないようです。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          いやだから、ヨーロッパでは欧州委員会がそれをやって、
          OSIにも歓迎された、というニュースでしょ。

          • by Anonymous Coward

            いや、欧州委員会がせっかくその手間を掛けるのなら、
            新しいライセンスを作らずに、従来から広く使われている
            ライセンス(GPLなりBSDなり)がEUのどの国でも有効に
            なるような方策をとれたのではないですか、ということです。

            そのほうが、EUだけで有効性が確かめられたライセンス
            ではなく、米国+EUで有効性が確かめられたライセンス
            ができあがったはずです。

            そのほうが有用性が高いのにそうしなかったということは、
            あえて米国との間に障壁を作りたかったからじゃないの?
            と疑われても仕方がないでしょう、ということです。

            と、別人である私は思いました。

            • by Anonymous Coward

              > 従来から広く使われているライセンス(GPLなりBSDなり)がEUのどの国でも有効になるような方策をとれたのではないですか

              非公式な各国語訳 [gnu.org]を見る限り、GPLについては難しそうですね。
              Stallmanを口説くよりも新しいライセンスを作るほうが楽だと思ったのかも :)

              と言う茶々は置いといて、単に妥当性の検証と適切な文言の使用で有効化が出来ればよいですが
              米国とその他の国の法の違いにより、ライセンスあるいは法律のどちらかを修正する必要が生じるかもしれません。

              現状では、"たかが"オープンソースライセンスのために法制度を変更

              • by Anonymous Coward
                無理でしょ。著作権のありさまを見れば。
                根源たる趣旨は同じでも運用が違ってくるのは避けられず、
                更にそれを統一化しようとか拡張しようとかの動きの繰り返しが起こるから。
                制度と言っても固定化している訳じゃなく時代と共に流動していくものなのですよ。

                #固定化しようとすると時代に合わず陳腐化する。
        • by Anonymous Coward

          いずれにしても現地での有効性の検討は法律家が加わって行われるでしょう。
          事前的か事後的かの違いがあるだけですよ。

    • by Anonymous Coward

      なんというか今までは、GPL にせよ BSD ライセンスにせよ、これさえ適用しておけば世界中どこでも同じ扱い (細かい法的根拠はさておき) なんだ、と思っていられたんだけど、

      細かい法的根拠をさておかれたら意義の大半はなくなってしまいますが、それでも

      > EUの公用語である22言語でライセンスが規定されており、
      > そのすべてが同一の効力を持つ。

      これだけでもGPL,BSDよりも有用性があるとはいえませんか? すくなくとも日本でオープンソースを普及させようとしても「英文のライセンスを読ませて承諾させる」ところに困難さがあるのは同意できると思います。そこが日本語だったら、と思わせてくれる点で意義があると思います。

  • by Anonymous Coward on 2009年03月13日 1時14分 (#1529972)
    言語かどうとか言ってるけどいつものようにアメリカ起源が嫌なんでしょ。
    • by Anonymous Coward on 2009年03月13日 1時30分 (#1529980)

      言語がどうとかよりも、各国で法的根拠となりうるかってところが問題なんですよね。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2009年03月13日 13時54分 (#1530287)

        そもそも大抵の契約の有効性の適法性に置いては、相手に正しく伝わることを前提としている。
        国に拠っては明示的に公用語での記述を求めている筈。

        つまり、「言語も凄く重要」。

        #でないと俺様言語でも良いって話になる。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          オープンソースのライセンスを契約とした場合には、そもそも
          理解して同意しないと対象のコードを利用できないのだから
          言語が通じないから無効と実際の当事者間では言い難いと思う。

          当事者の認識に関わらず言語によって契約の無効を強制する国も
          あるのかしら。

          • by Anonymous Coward

            > 理解して同意しないと対象のコードを利用できないのだから

            現実を見てから言ってますか? Webなどでもインストールの仕方が公開されていて理解せずともインストールだけならできますよ。というか例えばGPLを理解している利用者って探すほうが難しいと思う。

            • by Anonymous Coward

              杞憂です。例にあげられたGPLの場合、純粋なユーザは同意が必要な対象ではありません。
              改変や再配布を行う利用者がライセンスに同意しない場合それは著作権侵害です。

              • by Anonymous Coward

                でも、その表記がその国で有効な言葉で記述されていないと、そもそものライセンス条項自体が「読めないので無効」とされ得るのが問題なのでは?

              • by Anonymous Coward

                そうすると既存の多くのオープンソースソフトウェアが利用できませんから、
                当事者の不利益を差し置いて契約の無効を強制される国があるのかしら、と。

          • by Anonymous Coward

            オープンソースのライセンスを契約とした場合には、そもそも
            理解して同意しないと対象のコードを利用できないのだから
            言語が通じないから無効と実際の当事者間では言い難いと思う。

            大抵はチェックボックスにチェックを入れてOKボタンを押せば使える物ばかりだと思うが。
            それこそネコでも大丈夫なくらいに。
            ってか、それだと不当契約の裁判なんぞ無いって事になるよ。

            不当契約の裁判が表しているのは「規約は書けば良いって訳じゃない」って事だろ。

            • by Anonymous Coward

              理解せずに利用することはできますけど、著作権法に違反します。
              映画屋さんたちが訴えるのと同じことです。

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