昨日はなんとか予定通りにEmbedded Technology 2003 に行って来た。
午前中は10時半頃にパシフィコ横浜に入って展示会場をまわったが、
さすがに時間が足りなかったので興味のある主要なところに絞った。
午後は講演とパネルディスカッションをひとつづつ聞いた。
espyさめの言われたとおり、坂村節を堪能させていただきました。
以下はメモ。
前半は現在の動向について話があった。
・シンガポールにTRONの拠点を作っているらしい。
・自分はLinuxなどコミュニティの人たちとは仲がよいと強調していた。
・ITU Telecom World 2003 (ジュネーブ)に行って来た。
20年前から、4年に一度やっている。
先進国と発展途上国の通信の格差を無くすのが当初の目的。
携帯電話の話で、日本、欧州などで方式が違うことが普及に対して
問題に思われているが、これから発展途上国に普及させていくには
方式は関係ない。
方式が違う場合はローミングすればいいのだから。
大事なのは安いこと。
PHSは安いから発展途上国に普及させるのにはとても良い。
欧米の出展企業は技術を展示するのではなく、営業活動ばかりしている。
日本人は画策には向いていないので技術で戦うしかない。
・パソコンでメールやWebをみるなどたいした事をしない人向け
・携帯電話のTVについて・・・デジタルは良い、アナログ放送のチューナー
の入ったのなんか欲しくないね
後半はT-Engineの説明。
・T-Engineフォーラム参加企業 2003年11月13日現在270社
・「ミドルウエアを流通」させたい
・ビジネスモデルの転換
囲い込み型 → オープンプラットフォーム型
・Open Standard
GPLとは違う
仮想化と適応化のバランスの重視
・チップフリーアーキテクチャ
・セキュリティ
認証、暗号化機能は標準機能として搭載
・eTRON
eTRONソケットの標準装備
暗号に関しては国家の安全保障に関わる
(国際的に標準化が難しいということ?)
・ハードウェアアーキテクチャ仕様
T-Engine
μT-Engine
nT-Engine
pT-Engine
・カーネル仕様
T-kernel
・RTOS ←→ TSSOS
ラウンドロビンとイベントドリブンで違うものである。
TRONはMSともオープンソースともケンカしていない。
違うタイプのOSなので戦うことはない。
古い頭の人たちとは戦っている(笑)。
・デバイスドライバAPI仕様を規定(標準化)
・T-Format
移植性の高いソフトウェアを構築するガイドライン
・標準ミドルウェアAPI仕様策定
・T-Dist
ミドルウェア流通機構
オンライン配布+課金システム
・T-Collection
基本的な処理を行うミドルウェアアプリケーションソフトウェアのオープンソース集
歴史に残るような良いソフトを残そうということで100年ソフトと私は言っている。
・IPR(知的所有権)に関する考え方
オープンソースコミュニティで不特定多数が持ち寄ったプログラムコードとはしない。
→ 知的財産権の明確化
会場左手にパネリスト、右手にモデレータという配置で、中央に大きな
プロジェクタスクリーンがあったので迷わずパネリストの正面の最前列に
席を確保した。
パネリストは全員プレゼン用のノートPC用意して、最前列のわたしのまわり
のひとたちも皆、記録用のノートPC出したので、わたしも予定外だったけど
ミエはってVAIO U を出してしまったのはナイショ(^^;
【モデレータ】
・日経エレクトロニクス編集長 浅見 直樹氏
【パネリスト】
・マイクロソフトの古川 享氏
・T-Engineフォーラムの坂村 健氏
・CE-Linuxの堀 昌夫氏(ソニー)
・ウインドリバーの藤吉氏
詳細な内容は日経エレクトロニクスで記事になると思いますので、そちらを
読んでください。
坂村教授のところだけVGAケーブルにトラブル発生してプロジェクタ赤が出なかった(^^;。
# ちゃんとテストしろよ運営サイド。
【坂村教授】
坂村教授は「オープンソース」という言葉を使うことを避けていた。
モデレータの浅見氏にオープンソースという言葉を安易に使うなと
何度も注意していました。
坂村教授曰く、オープンソースコミュニティから非難されるからだそう。
某所(海外のカンファレンスらしい)でオープンソースという言葉を使ったら
オープンソースは我々が定義したものと言われたとか。
つまり、オープンソースという言葉が特定の名詞になっていて単にソースコードを
公開するという意味に受け取ってもらえず、誤解されると言うんだな。
でも、その前の特別講演の中ではさんざん使っていたような...
その後、TRONオープンシングルソースと呼んでいた(^^;;;
坂村教授はここでも、TRONはどことも戦わないと主張していた。
「LinuxなどGNUを否定していない。」
しかし、坂村教授と古川氏はかなり仲良さそうだったな(^^;。
【古川氏】
古川氏はMSがオープンでないということに対して、シェアードソースを持ち出して、
そんなことは無いと反論していた。
最後のほうに浅見氏から「MSはSCOに対して多額のライセンス料を支払っていますが、
何故ですか?SCOを支援しているのではないかという憶測も流れていますが?」という
質問がメールで来ていますがどう答えますか?と振られるとさすがに顔色が変わった。
これに対しては、「過去にMSが権利を持っていた頃に作られたものに対して、権利を
手放した今、正当なライセンス料を支払っているだけだ」と回答していた。
これに、切り返すように「では、他の方々に逆に質問しますが、貴方の製品に私の特許が
使われてますといわれたときにどう対処するのでしょうか?」と質問していた。
【堀氏】
堀氏はCE-Linuxの活動に関して説明。
【藤吉氏】
藤吉氏はウインドリバーのVxworksからLinuxへの戦略の変化を説明。
--追記
wakatonoさめのとこで見つけますた。
「GPLは組み込みに向かない」:東大坂村氏の講演
UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie