Francis (12546)の日記

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仏様がみてる

Francis による 2004年12月28日 3時18分 の日記 (#272185)

#以下は学生のころの話なんで、もうシステムが変わってるかもしれません。

私は川崎大師でお守りを授与するお手伝いをしたことがあります。
大晦日から元旦の朝までの期間、殺到する膨大な人数を必死でさばくハードワークでした。窓口の前に陣取ったら1秒も休めない。行列できてるし。一応交代制ですが。
元旦の朝10時までは深夜仕事なわけで男どもが担当です。朝10時になると巫女服のお嬢さんがたに交代して終了。朦朧として窓口に来る人の顔もろくに認識できないような極限状態から救ってくれる瞬間はまさに女神。いや菩薩。

ちなみに売るのではなく「さずける」のだそうで売るという表現をしたり気持ちでいると怒られます。「客」という呼称もダメ。渡すときに授与する側が「有り難う」いうのもダメ。お守りの代金を払うのではなく小額の寄進。商品を渡すのではなく信徒への授与。あれも宗教儀式の一つの形なのだから形式を重んじて双方満たされなければいけないわけです。
よってお手伝い中はもう自分は僧侶の外部端末もしくは出張所であるという意識で脳ミソを充満させていました。お守りを手渡すときはこんな感じで。
「少しでも多く!伝われ御利益ッ!紫色の波紋疾走(ノーブル・パープルのオーヴァードライヴ)!」
…いやちょっとそういうのとは違ったような気がしないでもない。

まあとにかく厳かな気持ちで着々とこなすわけですがトラブルとかもありました。
(1)値切る
とりあえず断りますが、トラブルになりそうなほど粘られたら要求をのんでもよいと教わりました。
「ええっ値切られちゃってもいいんですか?」と言ったら、僧侶の方はにやりと笑って曰く「御仏はみていらっしゃいますから。」
とりあえず私と知り合いのお手伝いたちの心の中では、値切ったら御利益も値切ったなりであると解釈することで一致しました。別の僧侶さんによれば他の信徒さんの迷惑にならないようにという配慮でもあります。

(2)計算を間違える
本気で計算できない人が間違った金額を払おうとします。多いのも少ないのもあり。どちらも一応こちらから訂正しますがしつこいとそのまま通ります。
私の側も、もちろんよく計算や釣りを間違えそうになったりするわけですが。交代直前の朝10時とかが朦朧としていて危険。御自分でも確認なさってください。

(3)システムが複雑
川崎大師の御守りや御札は基本的に抜き身のままでカバーはついていません。
御守りには「身代わり」「交通安全」「学業成就」があり、基本は中身だけ。身代わりには例外的に巾着袋にはいっているバージョンが売っています。(値段も違う。)学業成就のみ袋に入れたい場合、学業成就御守りを手に入れた後別の袋だけ扱っている窓口で入手する必要があります。コレを理解できずに窓口でごねる人が結構います。
御札のための額縁も別ですが、こちらは御札と同じ窓口で大丈夫です。

身代わり御守りってのはその名のとおり病気や怪我や厄災を代わりに引き受けてくれる御守りで、PSOでいえばスケープドール。ワイルドアームズでいえばヤギのぬいぐるみです。

(4)めったに出ないものを授与しろと言われてパニックを起こす
護身鏡(大)とか掛け軸とか御砂とか御札用の強化外骨格とか。後ろの棚から引っ張り出さないといけない類。
「ゴシンキョウノダイ」とかいわれると、一瞬日本語として理解できなかったりします。さあレッツ護身鏡。

(5)無いものを要求する
車にはっつける反射板的なお守りが欲しい場合は護摩をたいてもらって下さい。普通のお守りと一緒には置いてありません。しつこく聞いてもダメ。
あと、あそこはお寺なんでオフィシャル破魔矢はありませんよ。それは神社。なんか周辺の店で売ってたりはするが。いいのかアレ。

#12/29追記:ちなみに私の所に交代に来た巫女さんは、本職ではなくバイトの女子高生でした。ダブル萌えキャラですね。というかたぶん本職はいない。寺だから。
#交代の瞬間、どいつもこいつも朝日の中で照り輝くのでものすごい美人に見えます。

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