geln12 (18637)の日記

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環境税、来年は導入せず

geln12 による 2004年11月13日 18時59分 の日記 (#263635)

ロイターとか、毎日とか。

環境省案が「目的税化しない」「低負担」「他のエネルギー諸税との整理は据置」という妥協の産物であったことを政府税調でつつかれて、来年度は見送りになった模様。当然ですな。環境省案は制度的にどうなの?とか思われたし、叩き台として示したという雰囲気がありましたし。
特に難しいと思われるのが、道路財源になっているガソリン税との整理だろう。既に消費税が二重課税になっているという主張をしている石油連盟が、この上(ガソリン税+環境税)*消費税という消費者の追加負担(=売り上げ減)を認めるわけがない。
考えられる選択肢が、1)ガソリン税の道路目的税化を外して一部を環境目的に回す、2)ガソリン税を減免して環境税を課税する、などだが、いずれにしても道路財源を削るということになる。これに関して、「道路族」という強力な政治集団がいるが、これに対する政治的な根回しは、どうなのだろうか。
国土交通省はガソリン税などの環境目的化に対しては以前から否定はしていない。「自動車からの税収入」というところを強調して、国土交通の観点から得られる税収であることを意識しているようにも思えるけれど。
環境税など、炭素排出に対して課税による効果を認めていないのが経済産業省。ソースを見つけられない(私の/.J日記のどこかに書いたとオモワレ)が、経済産業省はそもそも温暖化が深刻なのかor温暖化の原因はCO2なのか、ということへの疑問を呈した報告書をだしたことさえある。
経済産業省は環境税を課税しなくても京都議定書の日本の義務を達成できるという報告をだしたが、これは政府税調に一蹴されたようだ。
今後は、環境税課税を前提に議論が進むのだろうか。

やはり最大の問題は、ガソリン税をはじめとする道路目的税の石油への課税との調整でしょうな。
つまりは道路財源の削減、ということで小泉さんの好きな既得権益の打開・構造改革につながるんですけど、彼はいま郵政にしか視点がないようで。
官僚レベルの調整で決着つけたら、環境省が政治的(国会対策的)な力があるようには思われないので、まぁ、なぁなぁの感じで決着がつくのでしょうけど。
(と言うか、それを見越したのが、今回の妥協の産物のような環境省案で、それを逆に政府税調に突っ込まれたような)

官邸レベルの政治決断は.....どうなのでしょうなぁ。
(環境重視の)EUへのアピール、あるいは排出権取引の売り手と思われる東欧・ロシアへのアピールとして、ぶちかますには環境省案はいまいちだし。
そもそも、小泉さんがそちらの方向に政治的アピールをする意図があるのかどうか。

 
以上、政治的にも外交的にも素人な一個人の感慨でした。

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