kaho (2741)の日記

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ドリーの作者が幹細胞治療を申請中

kaho による 2004年09月29日 11時34分 の日記 (#253722)

Nature Newsにも出ていたが,本国イギリスのScotsman.com Newsの方が詳しい.

ヒトクローンの作成はほとんどの国で禁止されており,EUでも個体としてのヒトを生み出すクローンも治療用のクローンも禁止されているが,ドリーをうみ出したイギリスでは例外的に治療用は合法化されている.
そこでRoslin研究所のIan Wilmutが運動ニューロン障害(motor neuron disease, MND)にターゲットを絞った治療法の研究のために許可を申請したという話.
MNDは細胞レベルの進行過程を観察することができないので発症のメカニズムも治療法も分かっていない(おそらく原因も過程も多様だろう)ため,新たな神経細胞を移植するしか現在有効そうな治療方法がない.患者は発症から数年で死亡し,ごく稀な例では十年以上(36年という例も)生きるとされる.

方法としては患者の皮膚から採取した細胞から核を取り出して幹細胞を作製し,それを神経細胞にまで発生させるための基礎研究ということのようだ.

ちなみにイギリスでのクローンを用いた研究の申請はこれが初めてではなく,糖尿病などの研究のためにニューカッスル大のグループが申請済みであり,ドリーの関係者ということが今回注目を集めた理由だ.

日本等の各国の状況を見ると,基礎研究のためのクローン作成では今年7月に許可された
ただし,まだ省庁の連絡会議でこれから指針作りという段階らしい.

日本の状況のリンクを探しているうちに,ノンフィクションライターの最相葉月氏(『絶対音感』で良くも悪くも名を馳せた人物)が最近ではこんなサイトをやっていることをみつけた.
「受精卵」と「クローン」は全く違うものだが,それはとっかかりの段階でのことだからいいとして,中絶のことに関してはほとんど無関心なのは日本人らしいサイトだ.
偏らずに情報を提供しようという意思がみられるので(現実にそうなっているかは別だが)ちょっと読んでみるつもり.

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