kaho (2741)の日記

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ウクライナの陰謀

kaho による 2004年11月25日 18時14分 の日記 (#265960)

私にとってウクライナというのはディナモ・キエフとシェフチェンコくらいの知識しかない.
日本人にはどうしてこれほど国際社会で騒がれるのかピンとこないウクライナの選挙なのだが,Nature Web Newsにこんな記事を見つけた.
いやだからといってウクライナの国政が身近になる訳ではないが,いろいろと激しい争いだと言うことは・・・

Natureのサイトに8月のユシチェンコ氏と現在の写真が載っているのだが,一見して違いが分かるほどというか,もはや同一人物と思えないほどに変化している.このようなざ瘡についてイギリスの医師が写真と症状に関する情報から診断したところ,これはダイオキシンによる塩素ざ瘡だろう,というのだ.
塩素ざ瘡というのは日本でも油症事件で問題になり,台湾でも起きたのだそうだが,PCBの被爆によって皮膚がに吹き出物ができることで,これまでに最悪の事件としては1976年イタリアのSevesoで大気中に漏れ出した20kgのダイオキシンが原因で大量被曝した例があるという.こういった事故以外にも職務上塩素系の化学薬品に多く被曝する場合にもみられ,その方が一般的らしい.

Sevesoの事故のご当地であるイタリアの医師は塩素ざ瘡が見られるほどのダイオキシンの摂取は非現実的だと指摘しているが,それに対してダイオキシン汚染の可能性を指摘したイギリスの医師はたった2ヶ月でのこの変化は異常であり,一度の食事でも十分起こると反論しているということだ.

ということでちょうどGoogle Newsにあった南アフリカのThe Star誌のサイトにあった毒薬説につかるウクライナの選挙をみたら,野党側が今回の選挙で絶対に負けたくないと思う気持ちも分かるようになってきた.

この記事を要約すると,ユシチェンコ氏が倒れたのは元KGBの長官との会食の後で,オーストリアで検査を受けたところ現場の医師は毒を盛られた可能性を否定できないとしたのに院長は否定し,しかも記録がオーストリアの裁判所によって没収されたという.
ウクライナにユシチェンコ氏が戻ったときにはメディア戦略により世論調査で20ポイントもリードされていた.また,ユシチェンコ氏が入院した理由も倒れた数日前の寿司やフルーツのせいだと国営放送に報じさせ,貪食漢のイメージをつけようとするという戦略に出たらしい.

私にはこの話の真偽について評価できないし,元KGBが毒を盛るならこんなあからさまなやり方をするだろうかという疑問もあるのだが(しかもダイオキシン?),野党側とすればここで負けることは共産主義時代の暗黒政治と同じに映るのだろう.

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