Nature Web Newsにイカは女装して交配するとの記事.
オーストラリアのコウイカ (Sepia apama)は繁殖期になるとオーストラリアの南海岸に集まって激しい繁殖競争を繰り広げる.
一匹の雌に対して雄が争う比率は平均して1対4,最大では1対11にもなる.
たいていこの競争で勝つのは体の大きいオスなのだが、全体の3分の1は大きくない雄が交配している.
雌の獲得戦略は競争で勝ち残った雄が他のオスと戦っている隙をついたり,産卵の準備中の雌のところに駆け込んだり,そして女装したりといった手段をとる.
コウイカの女装は体に斑点を出して、何本かの足を隠したり形を変えたりといった手の込んだものだ.
この女装行為は前から知られていたのだが、それが本当に役に立っているのかどうかは証拠がなかった.女装することでメスに近づいてもオスに攻撃されず、やすやすと目的のメスに近づけるとは考えられるが、それでうまくいっているかは確認されていなかったのだ.
今週号のNatureの論文で,じっさいにDNAを採取して女装したオスイカの遺伝子が受け継がれていることが確認され、女装戦略が機能していることがわかった.
こういう女装による生き残り戦略は体を他のヘビに温めてもらうために女装するガーターヘビや,やはりこっそり忍び込んで子孫を残そうとするブルーギルで知られているが、これほどすばやく変身し、しかも体の形まで変えてしまう例は初めてだということだ.
これはまあ雑学のレベルかな.
でも同じ場所にあったムービーがかなり面白い.
一匹のオスがメスと交配しようとした瞬間に女装した2匹のオスが「俺も俺も」と乗りかかってきてるのに最初のオスは気がつかないという・・・
こういう「騙す」戦略をとっている種では、騙されるオスは自分にも騙す能力があるのだから,騙される可能性も知っていてもおかしくない.騙されないような能力を発達させたりしないものだろうか?
#どうでもいいことだけれど,ブルーギルの生殖戦略を日本語でみつけようとしても釣り関連ばかりで困った・・・
最初のバージョンは常に打ち捨てられる。
イカって結構視力に頼ってるんだ (スコア:1)