ITR から
INSOURCING: THE OTHER ALTERNATIVE
BUSINESS TECHNOLOGY TRENDS AND IMPACTS VOL.4,7
IT をアウトソーシングして、自社のコアコンピタンスへ集中する
事が企業の生き残りの絶対条件であるように語られた時代は去り
つつあるようだ。アウトソースへの不満やプロジェクトの失敗事
例がたまってきた事により、IT 部門を社内に戻す方向が出て来て
いるそうだ。これもまたムーブメントの振り子が戻る兆候の1つ
かもしれない。
アウトソーシングの問題については、下記の3点が注目されてい
るようだ。
・アウトソーシングを行って IT を使った戦略優位に立つことが
できるか? (コストは削減できたが、その他の面では優位性は失
ったのではないか)
・アウトソースが、必ずしもコスト削減につながっていないの
ではないか? (コスト構造を見直してみると意外に内部のコスト
パフォーマンスが良いことがある)
・企業の経営リスク開示が前提となる時代に、状勢が不安定な
海外へのアウトソースはコントロール可能なのか? (アメリカ
では、優良なインドの開発先を確保するのにやっきになって
いる)
この動きは、勝ち続けている DELL が、システムを社内開発し
ている事が大きく影響を及ぼしているようだ。
アメリカでも、この動きへの諸論があるのだが、なにがなんで
もアウトソースという方向にはブレーキがかかりつつあるよう
だ。振り子の戻しが必要な企業への参考文献として下記があげ
られている。
"Insourcing After the Outsourcing: MIS Survival Guide"
by Robert B.Chapman, Kathleen R.Andrade (AMACOM, January 1998)
組み込み業界が Linux を採用する動きにあるのも、同じような
理由があるように思われる。ネットワーク化のような新しい技
術が入って来た時、プロプラな組み込み OS に縛られていると、
その上で動くアプリの拡張が難しくなってしまう。OSS を採用
することで、アウトソースとインソースのいいとこどりが出来
る可能性が出て来る。
皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー
ITアウトソーシング (スコア:1)
CIOたちの「脱・アウトソーシング宣言」 [idg.co.jp]
“ここ”がいけない、ITアウトソーシング [idg.co.jp]
あたりも参考になるかもしれません。
アウトソーシングという中長期の契約により、その間の選択の自由度が損なわれてしまう(方針転換が困難になる)ことに問題があるような気がします。
written by こうふう
Re:ITアウトソーシング (スコア:1)
いわば外部の会社に出向させて学ばせておき、
インソーシングに方針転換したらアウトソース先の会社とは手を切って、
これまで社内を管理していたアウトソース先の会社にいた人材を
引き抜くんですな…なんだか、むちゃくちゃやってますねぇ。
職場は同じでも待遇はコロコロ変わるわけで、
渦中にある人材はたまらないな…。