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kinneko (277) の日記

2003 年 11 月 05 日
午後 06:03

Novell がほしかったもの

Novell はこの厳しい市場の中では、かなり長生きしている企業な
ので思い付きで企業を買収をしたりはしない。資金が余った時に
技術的な戦略なしに行った買収が失敗した経験も持っているので、
また危ない橋を渡ることはないだろう。
SuSE の買収で Novell がほしかったのは、おそらく、SUSE Linux
Openexchange Server なのだろう。

Novell が次世代のビジネスコアとして推進中の Novell Nterprise
Linux Services だけでは、インテグレータに向けた具体的なソリ
ューションとしては弱い。バックエンドとしては成り立つが、表
に見えるものがなく、実際の利用環境でのアピールが弱く、末端
までの総合的な環境にはなり切っていない。この経験は NetWare
と Groupwise で学んでいるはずだ。Nterprise Linux Servicesと連
携するグループウエアはぜひともほしいアイテムだろう。

Ximian の買収も同じ観点からすると主眼は Ximian Desktop には
ないことが予想できる。
推測にすぎないが、Nterprise の管理ツールの一部が予定通り開発
されていないのではないだろうか。おそらく、そこに Red Carpet
を当てはめようというのが買収の主目的だろう。
もちろん下流までの統合化も必要だ。サーバー側おおさえただけ
ではビジネスは難しい。クライアント側でも連携できるソフトウ
エアが必要なので Evolution も必要だった。どちらかというと、
Red Carpet よりこちらのほうが戦略的に重要なのかもしれない。

つまりは、Novell は、2社の買収で Exchange Server と Outlook
がほしかったのではないだろうか。
この予想が正しければ、Novell がビジネスを進める布石は、正し
く敷かれていると思う。

SuSE のディストリビューション(サーバー側とクライアント側の
両方)とブランドはおそらくたまたま付随したものではないだろう
か。
関連はあり、技術やリソースは使えるけれど、それはメインター
ゲットではない。むしろ、自社でディストリビューションを持つ
と、北米市場では redhat 製品への対応が組みにくくなるのでトー
タルではマイナスではないかと思う。
しばらくするとディストリビューションパッケージのビジネスは
外に出されるか、別のビジネスユニットになるかもしれない。
取って付けたような 10% を越える IBM の出資は、このあたりと
絡んでいるのかもしれない。おそらく SuSE ディストリビューシ
ョンを開発するビジネスユニットを維持するための費用なのだろ
う。この費用で、何年間の保守契約が行われたかはわからない。
関係開発者を IBM 側に移籍するための布石なのかもしれない。

Novell の次のトピックは、Evolution の Windows 版というあたり
ではないかと思う。
ちまたで期待されているように、もし SuSE と Ximian を使って
デスクトップ OS 市場を狙うのであれば、横目で Sun の結果を
見ながら、サーバーとサービスをおさえた後になるだろう。

# なんて書いてみたけど、英語圏では Desktop として通用しそ
# うなところまで来ていると思うので、セキュリティとウイル
# スの混乱を排除するソリューションとして、一挙に MS 排除
# というポイントを狙った Novell Desktop がライン化される可
# 能性は十分にあると思います。そんなの信じないけど(^^;。

SSJV -SUSE Support Japanese Version
http://ssjv.kir.jp/

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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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