von_yosukeyan (3718)の日記

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現金オペコストと募金

von_yosukeyan による 2004年10月26日 15時53分 の日記 (#259895)

オフトピ気味なのでアレ以上書かないが、実際に円貨取扱手数料の導入の影響をモロにかぶっているのはコンビニや商店といった小売業である

信金に行けばいいじゃんというコメントもあったが、無料で両替に応じてくれる信金がある地域はまだマシな方だ。特に都内では顕著なのだが、大都市部では歴史的な経緯から地方銀行空白地帯が多く、地方銀行の役割を信金が代替している地域が多い。こういったところでは、信金も実際には地方銀行と同じように、顧客の選別を行っているところがある

実際のところ、金融機関側としては両替などのサービスで利益を生むわけではないから、既存の取引顧客相手ならともかく、一見の客の多額の硬貨の持ち込みなど受け付ける義理はない。表面的には、地銀や信金といった地域金融機関は円貨両替手数料は導入して入るが、融資関係があるとか株式や出資金を(ある程度)持っている既存取引顧客からの持ち込みにも無料で応じることがある

結局のところ、大手金融機関の円貨取扱手数料の導入によって、既存顧客外が、無料の両替手数料だけを目当てに雪崩れ込んで迷惑を蒙っているのが地域金融機関であると言える。ちなみに、郵便局と言うのは銀行ではないので、企業が両替に使用することはほとんどない

では、募金のあり方としてどうあるべきか、という点だが、金融機関そのものが募金の窓口として活用されるべき、という考え方がある。しかし、郵貯や被災地域の金融機関以外は、募金の取扱に極めて後ろ向きな位置にあることは確かだ。そうなると、クレジットカードを利用した募金やネット銀行を利用した募金の形態が重要になってくるだろうし、はてなポイントのようなマイクロペイメントのインフラが重要性を増してくる

その意味で、今回のはてなのような形での募金形態は、すでに広まっているスーパーやコンビニにおける募金と同様に、既存の募金システムの抱える問題点を埋め合わせるソリューションの一つとも言える。すでに、米国の大統領選挙の資金集めで、アマゾンなどの商用サイトを経由した募金形態が注目されたようにだ

一方で、クレジットカードを利用した場合での金利手数料(わが国ではリボ払いが一般的ではないので顕在化しないが)や、マイクロペイメントの決済手数料が寄付者そのものに顕在化して負担感となる。しかし、結局のところ現金や小切手を使用した寄付の場合でも、手数料や現金オペレーションコストは発生する。今までは、それは単に資金を募る側が負担していたに過ぎないコストであって、トータルで考えれば資金化に必要な時間やコストを考えれば、新しい募金形態のほうがコストは安上がりになるだろう

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