Oliver (4) の日記

2003 年 03 月 10 日
午後 02:29

組み込みでのオープンソース利用とライセンス違反

今、某社のある製品が内部のOSにLinuxを使っているが、その旨がどこにも書かれていなく、Linuxの著作権表記もなく、当然ながらファームウェアと呼んでいるものに関するライセンスもない、というタレコミがあり、取材中だ。パソコン周辺機器を扱っている店にいけばかならずあるメーカで数もそれなりに出ていそうな製品なので、できれば平和的に解決したい。オープンソースコミュニティとしてはソフトウェアを、どういう形態であれ使ってもらうのは嬉しい事だ。ただ、ほんのちょっとの約束 (契約という形で明記) を守ってほしいだけだ。プロジー式よりエプソンみたいな解決のほうが嬉しい。

が、この会社。電話して、やっと担当者に連絡ついたところまではいい。サポセンががんとして否定も肯定もとしなかったLinuxが使われている事実はあっさりでてきた。そこで、具体的な指摘やライセンス違反だと非難する前に、使われているLinuxに対してライセンス等に一切言及されていないが、どういう見解なのか中立に問い合わせた。最初から悪意を想定してはいけないし、たぶんそうではないだろう。それら製品群担当の広報担当者は直接の担当(非広報)に問い合わせた上で午後にでも返事をくれると快諾して電話を切った。

が、それから1週間近くたった今でも返事の気配はない。お願いしたメールでも、最初不在だった為に折り返し電話してもらった電話番号にもだ。たぶん対応が決まってなくて困っているのだろう。広報担当者はつつかれている薮の深さをしらなかったのだろう。しかし、連絡がまったくないのは失礼だと思う。相談にのることもできよう。ライセンスに従うのは当然だとして、プロジーの道を選ぶか、エプソンの道を選ぶか選択するのはその会社だ。自分は有効なアドバイスを持っていると思う。他にライセンス関係で悩んでいる人/会社があったら、ジャーナリストとしてではなく、相談にのることもできる。

しかし、このまま単に晒すだけでは騒いで楽しむ無責任な人々以外は誰も徳はしない。オープンソース使うと恐い、というFUDのネタになることはオープンソースコミュニティとして避けねばならないし、信用を失墜させられた会社もオープンソースにたいしていい想いを抱きやしないだろう。平和的解決を残しつつ、事態を進展させる為に、どういう形で公開するのがいいだろうか。悩む。

追記:GPL恐いというFUDに結びつけたくなる人がいそうなので言っておく。これはGPL以外のライセンスもかかわる問題だ。たとえば、上の製品にはold-style BSDライセンスのツールも使われている可能性は高い。当然、宣伝条項をまもってない事になり、GPLにおけるソースなしのバイナリ配布と同様にライセンス違反で、そこに含まれるオープンソースソフトウェアは不正コピー、いわば海賊版ということになる。

組み込み各社につぐ:ライセンスはお願いではなく、契約である。御社はこれまでのプロプラエタリな組み込みOSでもそのライセンスを守ってきたはずだ。オープンソースでできないはずはない。知らないはずはない。 反射的に隠しても、誰も徳はしない。

追記(3/11):もうすこし待って欲しいという回答が今日になって送られてきたので、公開はすこし延びる。

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