zokkon (4103) の日記

2003 年 10 月 10 日
午後 06:06

Oxford Phrasebuilder Genie

OALD (Oxford Advanced Learner's Dictionary) の CD-ROM には,Genie という,小さなウィンドウで表示される独自の検索ソフトウェアを用いたものがある。Genie は起動すると常に最前面に表示されて邪魔なので入れていなかったが,OALD と Oxford Collocations Dictionary を統合した Oxford Phrasebuilder Genie というパッケージがあり,これが意外な高機能だった。そこで,ちょっと使ってみることにした。

実際に使ってみると,欠点の方が目につく。しかも,phrase を検索する頻度はけっこう低い。利用者として,それを補うだけのメリットが見出せるかどうかというとやや疑問。

Genie の欠点

  • 起動が遅い。
  • 常に最前面に表示されるのは,やっぱり邪魔。
    辞書引きが主要な作業になる局面というのはほとんどなく,たいていは別のアプリケーションで表示している文書を読み書きするときに付随的に辞書を使うのだから,常に最前面に置くという選択は辞書ソフトに対しては不適切ではないか。なお LDOCE 第4版の CD-ROM は常に最大画面表示らしい(不評)。
  • 画面の大きさを変えられない。スクロールして下のほうの記述を読みたい場合は不便。
  • 一部のアプリケーション(今の環境では Internet Explorer と MS Word)ならカーソルを当てるだけで辞書が引けるが,それ以外のアプリケーションでは,たとえばテキストエディタの場合,拡張子 .txt に対する標準のアプリケーションとして設定してあるソフトを使っていても,カーソルを当てただけでは Genie が認識してくれない。クリップボードを経由させる必要がある。そしてクリップボード経由だと反応が遅いように感じられる場合がある。目指す項目がすぐに表示されない(Advanced のタブをクリックしても表示されず,collocation をクリックし直すと次に Advanced をクリックしたときには表示されたりする)など。

Genie の利点としては,コンテンツ保護機能の弱さが挙げられると思う(これは Genie というよりオックスフォード大学出版局の方針がそうだということだが)。
 Longman などとは違って1か月ごとの認証を必要としない点は,使用者にとっては利点と言える。しかしそれは購入の動機にはなりえない。せいぜい,Longman と Oxford で迷った結果どちらかを購入した人が,後からこの認証について体感するか悪評を耳にして,Longman 購入者は Oxford にしとけばよかったかなとちょっぴり後悔し,Oxford 購入者はああよかったと安心するという程度のことだろう。

ただし問題はそこではない。 購入は評価よりも前の段階にある。今後の改訂の際には現状が基準になる。つまり新たなユーザーが購入を検討する場合にも Longman の CD-ROM との比較を行うわけで,それを上回る価値を見出させることができるかどうかが問題になってくる。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。

ソースを見ろ -- ある4桁UID

処理中...