yourCat (4820) の日記

2002 年 05 月 01 日
午後 03:23

タレコミニスト養成講座

ほんのちょっぴりリクエストがあったので書いてみる。メーデー特別企画。何の関係もないが。
なお、以下はわたしの個人的な見解であり、他の編集者はどう思うか分からないし、まして/.Jの公式見解でもないことをお断わりしておく。またタレコミとコメントは違うということもお忘れなく。

生タレコミを読める身分になってみると、ネタはおいしいのに内容がまずいために採用しにくいものにしばしば出くわす。
もちろんタレコミ文に不備があれば、編集で補うようにする。しかしペン入れの必要のないタレコミに比べ、即決しないため他の編集者が読むまで待ってしまう。そうすると採用が数時間から下手をすると数日遅くなる。その間に旬を過ぎてしまったり、同ネタのタレコミが集まり、せっかく最初にタレコんだのに却下扱いになることもある。
これはつまらない。
まずいタレコミにはいくつかポイントがあるが、大きく分けて

  1. 日本語の問題
  2. 体裁の問題
  3. 引用の問題
  4. 取材の問題

に分類できる。

1. 日本語の問題

基本的なことだが、文体は統一しよう。短いタレコミ文の中で「ですます調」と「であるだ調」が混在しているのはみっともない。「~だそうです」という伝聞調、「~のようです」という憶測調や「~と思います」という感想調の乱発も感心しない。はっきり「○○によると△△です」と言い切ること。伝聞であっても、それを事実と信じた以上は責任を持って断定をする。公開文章のいろはだ。
ただ、自分の意見や感想部分は、それが感想であることを分かりやすくするために感想調にするといい。事実関係と意見はちゃんと区別しよう。

2. 体裁の問題

/.Jのタレコミに使えるHTMLはあまり多くない。ちゃんと調べた訳ではないが、おそらく使えるのは以下の通りだろう。

  • <B> (太字)
  • <I> (斜体)
  • <P> (段落)
  • <A> (アンカー)
  • <LI> (リスト項目)
  • <OL> (有順序リスト)
  • <UL> (無順序リスト)
  • <EM> (強調)
  • <BR> (改行)
  • <TT> (等幅)
  • <STRONG> (より強い強調)
  • <BLOCKQUOTE> (ブロック引用)
  • <DIV> (ブロック・コンテナ)

このうち、アンカー以外は一切の属性が無視される。アンカーにしても有効なのはhref属性だけだ。
さて、/.Jの横に再現なく広がるレイアウトのためだろう、やたらと改行やパラグラフの多いタレコミが目立つ。しかしたかだが100文字前後の短いタレコミ文のなかで改行やパラグラフを多用するのは、冗長性を増すばかりで感心しない。
また太字、斜体、強調も控えた方がいい。ごく短いタレコミ文で強調する必要は少ないし、必要があったとしても文章の不備に起因するからだ。記事のメール配信には反映されないため、わたしやOliver氏が担当だとまず削除されると覚悟しよう。
文章でメリハリを付けるように心掛けて欲しい。

3. 引用の問題

引用をする場合は必ずブロック引用か鍵括弧を使う。ブロック引用は/.Jで唯一使える引用を意味するHTML要素、鍵括弧は日本の言論出版界で慣例として引用時に用いるものだ。引用部を斜体にする人もいるが、根拠に乏しい。
また引用部分の元記事に占める割合、タレコミ文に占める割合も考慮する。著作権法上、引用が認められているのは、引用元を明示した上で、引用元の一部を引用先の従として使う場合だけだ。
引用元の明示方法だが、URL直書きはやめよう。URL直書きは、「朝日新聞」と書く代わりに朝日新聞社の住所を書くようなものだ。URL自体には用がないのだから、アンカーに埋め込む方がいい。
埋め方も工夫して欲しい。/.Jでは記事中のリンク一覧を抜き出して別途表示する機能がある。ここに「記事」や「こちら」が並んでしまうと役に立たない。「○○の記事」と記事提供元を含めたり、「こちら」の代わりにリンク先のタイトルを使うといいだろう。

4. 取材の問題

なるべく一次ソースに近付く努力をする。例えばYahoo!ニュースは他所のニュース配信を受けてただ転載しているだけの二次三次リソースだ。また日経系やImpress Watchシリーズの記事は企業のプレスリリースを元にしていることが多い。参照元としてこれらを挙げていると、一次リソースにあたっていないと一発で分かる。Watchシリーズはまだ独自の味付けをしようとするからいいが、特に付加情報がないなら、必ず一次リソースをあたろう。
ちなみに日本語であるというのは付加情報になりうる。一次リソースが英語の場合などは日本語二次リソースで構わない。またasahi.comのように賞味期限があるもの、Yomiuri Onlineのように頻繁にURLを変えるものなどは、二次リソースでもやむを得ない場合もある。
なお、リソースが報道機関である場合は、複数をあたろう。例えばasahi.comの記事ならMainichi InteractiveYomiuri OnlineSankei Webも見るといい。ZDNNの記事ならWatchシリーズCNET (たいていZDNNの翻訳違いがある)、MYCOM PC WEBASCII24も見るという具合だ。記事の偏りをなくすことができるし、同業他社との差別化を図った付加情報があるかもしれないからだ。

…と、徒然に書き連ねたが、k3c氏のタレコミを読んだ方がよほど役に立つかもしれない。まぁ自戒を込めたメモということで。

【今日の点取り占い】
嵐を呼ぶいかれたうぐぅ
6点

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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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