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TarZの日記: レンズや反射鏡を使わない宇宙天体望遠鏡のアイディア

日記 by TarZ

本家 Proposed Telescope Focuses Light Without Mirror Or Lens

 集光に、レンズや鏡を使わない宇宙望遠鏡のアイディアだそうだ。

 どんな未知のテクノロジーを使っているのか、と思ったら回折レンズ(Fresnel zone plate)だった。
 何年か前の情報では、同種のレンズがX線顕微鏡の分野では使われていると聞いたことがあるけど、天体観測用としてはまだ加工精度が要求水準に届いておらず難しい、という話だったような。技術は進んでいるということなのかあ。

 この種のレンズの集光能力は、通常の屈折レンズや反射鏡よりも落ちるようだが、宇宙望遠鏡として使う場合の最大のメリットは軽いこと。軽量であれば大型のレンズでも打ち上げることができるので、分解能を高くできる。
 軌道上に直径30mの回折レンズを展開すれば、期待される分解能は、30光年彼方の地球型系外惑星を直接捉えられるくらいになるそうだ。惑星の像を恒星の光から完全に分離できれば、スペクトルから惑星大気に酸素が含まれるかどうか──つまり、生命の徴候があるかどうか──も知ることができる。

 詳細が以下の記事に書かれている。が、記事を読む限りでは、実現するまでには問題が山積している。

Telescope could focus light without a mirror or lens

  • 直径数十メートルの巨大な構造を、軌道上で精密に展開する技術がまだない。
  • レンズと焦点の距離が離れている。望遠鏡をレンズ保持部と焦点部の2パーツ構成にするなら、観測対象を変える度に焦点部の移動が必要になる。(リアクションホイールで向きを変えられるHSTと違い、推進剤を消費する)
  • レンズ部を開放構造にすると太陽光が直接レンズに当たってしまい、その反射光が観測の妨げになる。(なんらかの遮光機構が必要)
  • 直径数メートルの小規模なレンズで予備試験を行おう、という提案は(他のESA宇宙ミッション提案との競合で敗れて)却下された。

 記事には、回折レンズのサイズ8cmプロトタイプの写真が載っている。また、20cmサイズの回折レンズを実際に望遠鏡に組み込んで、天体撮影する計画もあるようだ。
 しかし、ここから30mサイズのレンズへの道のりはまだまだ長そうだ。

… … … …

 コンシューマ向けに回折レンズを使った製品としては、今回の記事のものとはちょっと異なるが、キヤノンEFマウントのDOレンズがある。
 製品化当時はすごい時代になったものだと思ったが、デジカメWatchの記事の作例をみると、写真用途としてはかなりクセがあるみたい。

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