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kahoの日記: カモノハシゲノム

日記 by kaho

Nature Web Newsより,単孔類ゲノムの解読が報告されていた.
カモノハシの奇妙な形態/生態はここで紹介するまでもないが,トリともほ乳類ともつかない得意な生物は発見当時から多くの謎を含んでいた.
RefSeqなどで遺伝子発現がそれなりに調べてられていてゲノムももうすぐ出るだろうと思っていたので,解読そのものは驚きではないのだが,その進化上の特異な位置づけから,解析内容はいろいろと面白い.

カモノハシもX染色体を持ち,それによって性別が変化するのだが,カモノハシのX染色体はほ乳類のX染色体とは全く違い,トリのZ染色体に近いのだそうだ.(ほ乳類ではXYがオス,XXがメスだが,トリはZWがメス,Z0がオスになる)
これはほ乳類のXY型の性決定システムが現れたのが単孔類との分岐の後であったことを意味している.つまり,我々の性決定システムはつい最近できたものだということになる.

他にも,カモノハシがもつ毒(犬一匹殺せるほどの量)は収斂進化によって獲得したもの(ヘビやトカゲとは起源が違う)など,興味深い点がいくつかあったが,私の興味のあったところはあまり解析されておらずちょっと肩すかしの気持ちもある.

私はエピジェネティクスの観点からいろいろと調べられるのではないかと期待していた.
ゲノムインプリンティング(遺伝子が父親由来か母親由来かをDNA修飾で区別する機構)の起源が単孔類にありそうだというのが,最近私が聞いた話なのだが,残念ながら特定の座位の遺伝子クラスターの位置を示しただけしか論文にはなかった.
今回示されているのはPrader-Willi Syndromeの原因となる場所なのだが,それ以外にもH19-Igf2クラスターでほ乳類と同じインプリンティングパターンがあるという話を聞いており,ほ乳類で知られているインプリンティングを受けるクラスターがどのようになっているのか,ゲノム全体で示して欲しかった(そしてできればメチル化のパターンも)のだが,今回は配列の解読と配列からわかることで全てのようだ.
多分他の研究者とかぶる上に手付けが遅いので自分の業績には全く関係しないが,趣味の一環として時間があれば調べてみたい.

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