airheadの日記: word: instead of
「instead of」を訳すとき、しっかりと内容が把握できないうちは「ではなく」を選ぶのが無難だと思う。
「instead」の意味を調べると、たいてい「 [副詞] 代わりに、〜に代わって、〜しないで、それどころか」のように示されている(Exceed、英辞郎、プログレッシブ)。 いずれも置換・入れ替わりを意味する言葉だが、用法としては(先にAを述べて「B instead」の場合)、
- 消極的理由から採られる、Aの代理・代用・相当品としてのB。Aと同様もしくはそれ未満の役割・効果を持つ
- 積極的理由から採られる、Aとは別の選択としてのB。Aとは別の役割・効果を(も)持つ
のように幅があり、文意としてはまるで逆になる。どちらなのかは「instead」だけでは判断できず、文脈から判断しなければならない。「instead of」で意味を調べると「〜の代わりに」「〜に代わって」としか示さていないものもあるが(英辞郎)、用例ではやはり後者に近いものも多い。
その一方で日本語の「代わり」という言葉は、前者(同様の役割・効果)を連想させてしまう。文脈がはっきりしないうちは、どうとでも取れる「ではなく」あたりが無難だろう。
ウェブ検索で用例を調べてもみたが、「代わり」が使えそうなものは意外と少ない。「Fox sticking with schedule instead of Obama」(米Foxが大統領の会見中継よりもドラマ『Lie to Me』の放映を優先した話)の訳に「代わり」は使えない。スケジュール通りならならドラマでそれに替わっての会見中継だから、「大統領の代わり」じゃないだろう。「instead of notepad」にしても、「Gedit instead of notepad」というような相当品を示す表現もあるものの、(メモ帳よりも便利だからという)積極的理由からの選択を示す表現が多い。ここでも「代わり」はふさわしくない。
深く考えずに「代わり」を充ててしまうと、場合によっては訳者による誘導とも受け取られかねないので、注意したい。
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というのは下記コメント(強調は引用者)を受けての内容だが、特にmasakunさんに充てたものではない。
Officially known as Darwinius masillae, the fossil of the lemur-like creature dubbed Ida shows it had opposable thumbs like humans and fingernails instead of claws.
かぎ爪の代わりとなる指の爪と、ヒトのように向き合う親指(opposable thumbs)を持っているとのこと。
続くコメントではこれを手係りに考察を重ねているが、誘導しようとしているのか自ら誤誘導されてしまっているのか傍目に判別できないような有様では、「慌てなさんなはしゃぎなさんな」としか言えない。また、私はID論について屁理屈ぐらいにしか思っていないが、私自身がID論そのものの批判にあたるのは時間の無駄と考えているので、誤りの指摘にとどめている。議論はしないよ。
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