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Pravdaの日記: 〔DVD〕 アデルの恋の物語

日記 by Pravda

いきなりですが、フランソワ・トリュフォー監督の『アデルの恋の物語』(1975年)です。トリュフォー監督の映画は個人的に好きなんですけど、語るのが難しい人ですね。ヌーベルバーグの旗手で評論家からスタートしたトリュフォーはフランス古典映画を罵倒していましたが、映画作家として古典的ストーリー主義への回帰を決定づけた作品。

1963年、英領カナダの州都ハリファックスに一人のフランス娘が降り立つ。文豪ヴィクトル・ユーゴーの次女アデルで、イギリス軍中尉ピンソンへの愛を全うするため、家を出て彼の任地まで追いかけて来たのだ。しかしピンソン中尉の心は、すでにアデルから離れ、冷めてしまっていた…。

ヒロインのアデルに扮するのがイザベル・アジャーニ。この映画の撮影当時、芳紀19歳。まだ少女の面影を残しており、冷たい空気にふれたり興奮したりすると赤みがかる頬や小さな鼻、ブルーがかった灰色の瞳の真剣なまなざしなど、これらの要素がなければ、ただのストーカー女の気持ち悪い妄執の話になりかねません。山田宏一『フランソワ・トリュフォー映画読本』(平凡社、2003年)という本によると、トリュフォー監督はテレビで18歳のイザベル・アジャーニを見て、即座に彼女のために脚本を書き直して映画化を決定したのだとか。

なお、この映画の冒頭に「史実に基づく」とありますが、実際のアデル・ユーゴーがイギリス軍中尉を追ってカナダに渡ったのは33歳で、身も心もボロボロになりフランスに戻ったのが42歳の時。しかし、トリュフォー監督は19歳のイザベル・アジャーニに「老け役」をさせることなく、ほとんど素で撮っています。前掲書によると、イザベル・アジャーニが「わたしはこの役には若すぎるのではないか」と言ったところ、トリュフォーは「そのとおりだよ。でも、口実が必要だったからね。だから、もうそのことを考えるのはやめよう。誰もそんなことは考えないだろうと思うよ」と答えただけだった、とか。〔p.416〕

まさに、イザベル・アジャーニによる、イザベル・アジャーニのための映画。撮影は『天国の日々』(1978年)でアカデミー撮影賞を受賞した、名匠ネストール・アルメンドロス。空気感の表現が素晴らしい。音楽は、ジャン・ヴィゴ監督 『新学期 操行ゼロ』(1933年) [slashdot.jp] 以降、フランス古典映画の数々の名作に楽曲を提供したモーリス・ジョーベール。なお、ジョーベール本人は1940年に第二次大戦で戦死していますから、この映画の音楽編集には当然ながら直接かかわっていません。

この映画の43min.頃、ヒロインのアデル(イザベル・アジャーニ)が恋人のイギリス軍中尉と会いたさに、男装してパーティーに紛れ込むシーンがあります。また72min.以降のアデルは眼鏡をかけています。男装の麗人萌えとか、眼鏡っ娘萌えな方にもオススメできます(笑)。トリュフォー作品でもこの頃になるとヌーベルバーグ臭が抜けてきて、安心して(?)観ていられる、って部分はありますよね。

以下、DVD裏のデータより。

■ CAST
イザベル・アジャーニ
ブルース・ロビンソン
シルヴィア・マリオット
ジョゼフ・ブラッチリー

■ STAFF
監督:フランソワ・トリュフォー
原案・脚本・台詞:フランソワ・トリュフォー
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:モーリス・ジョーベール

公開年:1975年
字幕スーパー、日本語字幕&フランス語字幕&英語字幕
98min.
カラー
発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社

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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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