C0FFEEの日記: (メモ)(ゲーム)(映画)ファイナルファンタジー、アバター、ヘビーレイン…
■ディティール
ファイナルファンタジー13とアバターについて、ゲームと映画という違いはあるものの緻密なディティール志向の映像という点で共通していて、
3D対応映像での競演があったり、FF13制作者の発言が何かと波紋を呼んだりしました。
スクウェア・エニックスが明日12月17日に発売するPS3用RPG『ファイナルファンタジーXIII』の3D対応シネアド(劇場広告映像)が、12月23日~2010年1月5日にかけて、全国のTOHOシネマズ各館で上映される。
明日発売『FF XIII』の3DシネアドがTOHOシネマズで上映決定 (2009/12/16)
We're a little suspicious that the world famous Avatar movie might have take inspiration from us!
訳:アバターは我々のFFから着想を得ていると思う。
Final Fantasy XIII 's Motomu Toriyama and Yoshinori Kitase - Interview (2010/02/19)
そして、SF的な誤魔化しのない人物モデリングと、更にインタラクティブシネマ的な表現を推し進めたようなヘビーレイン。
こうしたリアル志向のタイトルを見ていて、2001年公開の映画ファイナルファンタジーの時の話を思い出しました。
■テクニカル
ハリウッドではスクウェアの知名度はゼロに等しく、なかなか相手にしてもらえなかった。「吹き替えをするなら(アニメーションの仕事なら)ディズニー」というイメージが強く、スクウェアは信用されなかった。一体どんな映画になるのか、どんな俳優が参加するのが分からなかったので、みんな最初にサインするのをイヤがった。
収録当日に俳優が「ドタキャン」するケースもあった。俳優に「こんな感じになります」とテスト映像を見せ、収録に入ろうとすると、突然俳優が携帯電話でマネージャーに話し出した。
「オレたち俳優の存在を脅かすようなリアルな”CG俳優”の声は担当できない」。
ハリウッドではテクノロジーの進歩が映画に及ぼす影響について以前から論じられている。なかでも「CG俳優が生身の俳優に取って代わるのではないか」という議論は度々持ちあがっており、くしくもこの俳優はそう感じたわけだ。
メイキング オブ ファイナルファンタジー―ハリウッドにCGで挑んだ男・坂口博信 (P.82~P.83)
野球やプロレス等スポーツ物では本人を取り込んで使うというのは珍しくなかったと思いますが、それは生計を立てている世界ではない人たちなので出演を躊躇しないことが考えられます。
しかし、映画的なゲームとなると上記のような考えで降りる人もいるようです。
鬼武者では金城武・松田優作・ジャンレノ、ロストプラネットでは韓国人俳優、龍が如く4ではテレビでよく見る役者がモデルとして取り込まれています。
どうせゲームだからと割り切られているのでしょうが、オファーが成功しているタイトルは、どういう背景でどういう契約になっているのかちょっと気になります。
さらに、最近は人物モデルだけでなくメタルギアソリッド・ピースウォーカーではボーカロイドを使っているなど、声にも擬似モデルが活用されているようです。
生身の人間に完全に取って代わるというのは当分無理でしょうが、SF的誤魔化しのようなアイデア次第では人間の必要だった領域を侵食していくでしょう。
しかし、こうした技術革新に任せてリアルにしておけば無条件に感情移入してもらえると安易な作り方をしていると、ゲームとしても映画としても中途半端な駄作になるのは明らかでしょう。
■デシジョン
――今回の映画作りは、今後のゲーム作りにどう役立ちますか?
坂口:まず、今後のゲームですが、3つに分かれていくと思います。オンラインゲーム、反射神経を使うゲーム(シューティングなど)、そしてストーリーのあるゲーム(RPGやアドベンチャー)です。いまストーリーのあるゲームが行き詰まっていると思うんですよ。ユーザーがお金を出すときに40時間や50時間プレイできることに価値を見出していますが、そうではなくて、もう1回ユーザーを増やすために、4、5時間でいいと思っています。これ以上長いと限定されますよね。既存のゲームと違って、より物語性でユーザーを引っ張るゲームです。これは映画作りのノウハウがうまく活用できると思うんですよ。ストーリーの伏線の張り方とか。CGのテクニカルなことはもちろん応用できますが、エンタテイメント・ソフトを作る根源的なところの応用もまた可能だと思っています。
テクニカルな応用でいくと、開発したオリジナルソフトはほとんど日本に持ってきますし、講習会も開いています。ゲームもここまで映像がきれいになると、作るのが大変ですよね(笑)。作るための総エネルギーは一緒なので、映像にかかりきりになるとゲーム性だとか他の部分がそがれてしまいます。よく言う「映像はすごいんだけど面白くないゲーム」になってしまうわけです。これを解決するのはツールをそろえる事しかないですね。映像に関して効率をあげてエネルギーを最小限にとどめて、ゲーム性に力を割けるようにしないと。
――「ゲームの映像はきれいである必要はない」という考え方があります。坂口さんはどう思われますか?
坂口:ストーリー重視のゲームであれば、キャラクターの表情が豊かだったり、声が出たほうがユーザーは感情移入しやすいはずです。だからボクは実写並みの映像にこだわるわけです。
ハワイのスタジオではいま、リアルタイムのレンダリングマシーンの研究開発を進めています。いまソフトでレンダリングしているものをハードでやろうというわけです。リアルタイムで最終映像が見られるようになります。これができた瞬間、単純に効率があがるのと、1000通りぐらいカメラを回したっていい。役者はCGだから何千回も同じ芝居をしてくれるわけだし。映像としてのクオリティがあがり、実写よりもいろんなことを試すことができます。ここまでいくとゲームとの融合はもっと進みます。このマシンの性能を持った家庭用ゲーム機さえあれば、そのまま家庭内で実写並みのフルCGゲームが楽しめます。5年以内にはそこまでいくと、あるCG業界の専門家が言ってました。
メイキング オブ ファイナルファンタジー―ハリウッドにCGで挑んだ男・坂口博信 (P.188~P.190)
10年後の現在のHD環境のゲーム制作は、まさに「ゲームもここまで映像がきれいになると、作るのが大変(略)作るための総エネルギーは一緒なので、映像にかかりきりになるとゲーム性だとか他の部分がそがれ」がちといいます。
やれる手数が増えると、それだけ決定しなければいけない事が膨大になるだけという落とし穴にはまってしまう危険が高まります。
そうして面白いかどうかを判断するモノサシが狂っていると、むしろ試行錯誤が無い方がよかったという事になりかねません。
馬鹿の考え休むに似たりと言うように、見極めの出来ない人間に分不相応な道具を与えるとコストパフォーマンスが悪化します。
…そのような問題は依然として解消されていない事が、FF13開発工程の講演中でも語られていました。
■プレイテスト
・[GDC 2010]FF13はなぜ“一本道”なのか。ディレクターの鳥山氏自らそのゲームデザインについて語った「The Crystal Myth and FFXIII」をレポート
・スクエニ、ディレクター鳥山氏が語る「FF XIII」の開発秘話
・GDC 10: 『FFXIII』は開発の長期化が問題、将来のFFシリーズでは従来のRPG要素復活も
開発プロセスや開発ツールのテクニカル面の向上に頼り切って、プレイアビリティやユーザビリティを計測しないままリリースすると、大事な部分を入れ忘れてしまうと思います。
業務システムなら、入力された情報に期待した結果を返すという要求された仕様を満たせば良い訳ですが、エンターテイメントではもっと漠然とした期待感に応えないといけません。
上記GDCの講演を読んだ限りでは、その部分に対する試行錯誤をおざなりにして作られている事が解り、あのような出来映えにも納得してしまいました。
しかも、ユーザーがダラダラ眺めるムービー作りは習熟したでしょうが、入力に対するレスポンスの面で楽しませるノウハウは蓄積されていないようです。
過去の引き出しから取り出してきて、弁当箱に詰めるだけで面白くなると考えているような節も見受けられます。
出来るだけシステマチックにプロジェクト管理を効率化する事は大事ですが、パッケージの中身が犠牲になっては本末転倒でしょう。
・[GDC 2010]ヒット作を確実にリリースする方法,教えます。「アサシンクリード2」はいったいどのように作られたのか?
・「アサシンクリード 2」のゲームデザイナーが語るゲーム制作の秘訣
・リードゲームデザイナーが明かす、『アサシン クリードII』を支える3本の柱
アサシンクリード 2のプロセスは、その辺を大事にしているように見受けられます。
方向の妥当性を早期から検証する手段を確立せずに、エイヤで進めてもそれなりに結果が出せるのは、
FFのような13作も続く老舗ブランドで惰性で買い求めるユーザーがいる場合に限るんじゃないかなあ。
そうした進め方に胡座をかいていると、新規タイトルの開発力で、ますます格差が拡大しそうな予感がします。
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