パスワードを忘れた? アカウント作成
795660 journal
日記

aitoの日記: 9月21日 音響学会2日目

日記 by aito

9月21日(水)

音響教育

○看護医療系専門学校の看護学科学生を対象とした病院の音環境に対する授業実践(大分大)
病院での音環境学習の実践報告。ICU内で発生する音の説明、実際の作業ででる音の測定、スピーチプライバシーなどについての解説。病院での騒音対策。

○千葉県における騒音・振動測定の教育訓練(千葉県)
千葉県での騒音振動測定講習会の紹介。初級3日間、中級2日間のコース。騒音レベルメーターの使い方など。苦情処理の実例紹介などがあるのがいかにも県の研修会らしい。

○佐賀県立宇宙科学館「平成15年春の企画展 音と響のテクノロジー」の概要と展示計画支援(九州大)
河原先生。企画展の記録。「音の科学」「音のテクノロジー」「響きのテクノロジー」に分けて展示。声道模型、ウェーブマシン、音叉、古い蓄音機、音記録メディアの変遷、スピーカーユニット、ホール音響設計模型、防音壁、防音室、ANC、DVDサラウンド。

音声A [信頼度]
☆音声対話型CALLシステムを目的とした学習者発話の識別に関する検討(東北大)
うちの安斎君が発表。対話型CALLシステムで、学習者が発話した文が正しいのか正しくないのかだけを識別する。識別には音響尤度だけを使う。「どの程度厳しく文法誤りを指摘するか」を制御することができる。

◎単語の文脈一貫性と音響尤度を用いた音声ドキュメント認識の信頼度の性能評価(NTTサイバー研)
認識結果の近い部分に出現する単語の間の一貫性を使って、その部分が誤認識を含むかどうかを調べる。尺度は、ある区間に出現する名詞に含まれている単語ペアの相互情報量の平均。これを音響信頼度と重み付き平均をした宇上でドキュメント内で平均し、「音声ドキュメント信頼度」を得る。この研究は確か前に聞いた気がするけど、どこだっけ?

◎平滑化自己相互情報量を用いた音声ドキュメント認識信頼度の推定(NTTサイバー研)
前の発表の続き。相互情報量の信頼性を挙げるため、観測されなかった単語ペアの確率をTuring推定量によって平滑化。また、低頻度共起単語が高すぎる情報量を持つのを防ぐため、t検定によって値を調整する。提案法により、取り扱う単語の数が増えることによってスパースネスがあがることの悪影響を押さえることができる。

音声B [音声分析・音声知覚]
○複数日本語母語話者の破擦音/ts/と/ch/および摩擦音/s/を区別する音響的特徴(愛知淑徳大)
破擦音と摩擦音は時間的な特徴で識別されていることがわかっているが、破擦音の/ts/と/ch/は周波数分布によって識別される(/s/と/ch/は周波数分布も有効)。これを確認するためにサンプルを増やして実験した。

○対話音声における文末音調と聞き手に伝わる発話意図との関係の分析(早稲田大)
実音声からクラスタリングによって得られた文末F0パターン10種類(下降調5種類、平坦1種類、上昇調4種類)を使って音声を合成し、聴取者がどういう意図を聞き取ったかを分析。それぞれのパターンによって、疑問・確認・意外性・命令・懇願・伝聞・確認・承諾・依頼などのニュアンスが伝わることが量的に確認された。単なる上昇・下降だけでなく、細かいF0変化の違いが微妙な意図に影響するのがおもしろいところ。

◎高齢者に明瞭な拡声音声のための雑音・残響下の会話(東海大)
程島先生。雑音・残響下での公共放送の明瞭度を上げる一連の研究の一つ。アナウンス音声発話時に話者に雑音を提示してロンバード効果を起こした方が、雑音下での明瞭度が上がる。今回は高齢者にもその効果があるかどうかを調べた。結果として、高齢者でもロンバード音声の方が雑音・残響下での明瞭度が高い。

----------------------------------
ポスターセッション音声A
☆マルチステージ環境音識別法を用いた非日常音検出に関する検討(立命館)
環境音の認識。環境音を「よくある音(日常音)」と「時々しかしない音(非日常音)」に分けて、非日常音を同じオノマトペで表現されるクラスタに分けてHMMでモデル化するところまでが従来法。この発表では、日常音(音ごとにHMMでモデル化)+非日常音1クラスで識別をして、非日常音と判別されたものに対してさらに下位のクラス(オノマトペクラス)での認識をやる。性能は上がるようだが、動機がいまいちはっきりしない。

----------------------------------
スペシャルセッション:原点回帰

○寸法知覚を中心とした聴覚情景分析(津崎実:京都市立芸大)
聴覚情景分析:そもそもなぜ耳が必要なのか
        周囲の状況を調べるセンサ
音の三大属性:ラウドネス、ピッチ、音色
ラウドネス・ピッチは周囲の状況の何を教えているのか?
        それぞれ単独では音源の情報のある側面しか教えない
物体の寸法
        寸法の変化→共振周波数の変化
        空洞(共通の大気)→共振周波数から寸法がわかる(形状が同じなら)
        駆動周波数(F0)と共振周波数
        音脈分凝と駆動周波数・共振周波数の関係
共振周波数は駆動周波数と共に音脈分凝に関連する
        共振周波数の差による知覚の方が鋭敏(音源の種類を表しやすい?)

○音を見るための物理的手法(中村健太郎:東工大)
アコースティックイメージングとは何か
        音そのものの可視化(測定、シミュレーション)
        音を使った可視化(超音波イメージングなど)
音の可視化
        超音波による音場の可視化
必要な測定手法
        音場を乱さない → 光学干渉計
        狭い隙間 → 光ファイバ先端の光学反射率測定
        校正なしで音圧の絶対値を知りたい
        真のリアルタイム
光で超音波を検出する
        レーザードップラー振動計によって空間の音圧変化による屈折率変化を測る
                音圧の絶対値も測れる(誤差20%くらい)
        光ファイバ先端で屈折率変化をとらえる
粒子速度を光のドップラー効果で測る
        音場測定用レーザーレーダー
                低コヒーレント光によって任意の位置の粒子速度を測る
                        リファレンスミラーの距離の位置だけ測れる
リアルタイムに音を測る仕掛け
        圧電素子とLEDによるリアルタイム音圧観測素子

○電気音響に関するアレイ信号処理的考察(三好正人:金沢大)
電気音響学の原点
        電話、蓄音機、三極真空管
        音を届ける→増幅→品質(HiFi)
        「聞かせたい音を聞かせたい人に伝える」
点制御と指向性制御
        点制御≠指向性制御
代表的な指向性制御
        ビームフォーミング:ある方向に音の位相をそろえる
        焦点生成:ある点で音の位相をそろえる
        +適応的な方法
2次元周波数領域を用いる(金大流)指向性設計
        時間・空間周波数上で指向角を設計する

○騒音振動の計測・評価・制御・デザイン(尾本章:九州大)
騒音振動分野:計測・評価・制御+デザイン
計測について
        絶対値を必要とする測定:音圧レベル
                サウンドレベルメーター
        相対的な音圧レベル(インパルス応答の測定とか)
                PC+サウンドカード
        今後の計測システム
                既存のセンサーとの併用による絶対値計測
                位置情報との統合
                可視化
評価について
        エネルギー平均を用いた評価:等価騒音レベル
        基準値の問題
                守ればよいわけではない
                継続時間の問題
                何が騒音か
                基準値が存在することによる抑止効果
制御について
        受動的制御
                遮音≠吸音
                高周波域に強い
        能動的制御
                アイデアとしては1930年代から存在
                現在では多くの分野で実用化
                物理的な限界
                適用例:Active noise barrier
                今後の方向性
                        Active Structural Acoustic Control
                        Glocal control
デザインについて
        付加価値を与える、快音化など

原点回帰セッションは今回で終わりだが、当初の予想に反してとても面白い発表が多かった。普段聞かない分野の話が聞けるのは楽しい。

この後懇親会。アトラクションでは懇親会の看板を破壊する悪いヤマタノオロチ(会場の都合により6頭)をスサノオノミコトが退治した。めでたしめでたし。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

読み込み中...