akiraaniの日記: 個人情報問題は権利契約の問題と考えるべきだ 1
PS3の個人情報問題のストーリーでそれくらいでがたがた騒ぐな系のコメントが見てて何やら微笑ましいんですが、ひろ☆みちゅ先生(※)が何を問題視しているのかという点についてはもう少しきちんと調べたほうがいいのではないかと思う。
先月のネットの羅針盤でスマホのプライバシー問題についていろいろ切って捨ててらっしゃいましたが、先生の言う個人情報やらプライバシーやらの問題って、つまるところなぜ個人情報の取得がどうしていけないことなのかがさっぱり理解されていないことを問題視されているという印象がある。
ひろ☆みちゅ先生が良く指摘されるのが「説明がなってない」というところ。なぜ個人情報を取得して、それをどのように使って、そのことでユーザーにどういう影響があるのか、その説明が全くできていないという話です。
個人情報の公開が問題なのは、ストーカーに悪用されたら被害を受けるとかのリスクが問題だと思ってる人がけっこういるが、それは厳密には違う。極端な話をすると、ストーカーに情報を販売しますと説明した上で許諾を得ているのであれば、プライバシーの観点からは問題のない行為になる。犯罪行為のほう助にはなるかもしれないが、それは別の問題だ。
思うに、プライバシー公開を個人の権利資産だと考えて、サービスを受けるにあたって対価として貸与契約していると考えるとわかりやすいのではないかと思う。
例えば、通販の連絡用にメールアドレスを渡す場合のことを考えてみよう。メールアドレスを渡すのは通販の決済情報や商品発送状況を受け取るためだが、これは店側に商品発送にかかわる連絡をするためにメールアドレスを使用する権利を貸与契約したと考えることができる。もし、注文時に「新製品紹介のメールマガジンを受け取る」という条件を許諾しているのであれば、それはメールマガジン配信のためにメールアドレスを利用する権利も一緒に貸与したという風に解釈することができる。もし、承諾を得ないままSPAM業者にアドレスを売ったとすると、それは契約していない権利を勝手に売買したことになる。これが一番わかりやすい個人情報保護法違反。
では、契約書に契約内容をわざと曖昧に分かりにくく書いて、契約者が思った以上の権利をかすめ取ったとしたらそれはどういう扱いになるだろうか。そのような行為は一般的には詐欺と呼ばれている。
『日本の事業者はどこもかしこも、「個人情報」に該当しなければ何をやってもいいという誤った道に進み始めている』というのは、つまるところそういう意味なのではないだろうか。
※:高木浩光先生の直筆サインをもらったを参照
仰る通り。 (スコア:0)
> 権利契約の問題と考えるべきだ
同感。
それでも「そのぐらいでガタガタ言うな」となるのだとしたら、それは「サービス残業ぐらいでガタガタ言うな」と同じで、
「俺の労働や個人情報には何の価値も無いので、お前らのも同様に価値が無いものとしろ」 と言う、奴隷根性の布教だと思う。
いやいや、俺の労働にも個人情報にも金銭で取引されるぐらい価値があるので、 そんな連中と一緒にはされたくない。
どうぞお前らの分だけ無償で献上して下さい、と申し上げたい。