akiraaniの日記: 海賊版はなぜ著作権侵害になったのかを知ろう
Minecraft開発者、無料化の要望に「海賊版で遊べ」と回答を眺めていて思い出した話。
ゲームメーカー曰く「中古は海賊版よりも大きな問題だ」と中古問題について書いた日記でも触れた話ですが、この手の話で重要になってくるのは「違法かどうか」ではなく「問題があるかどうか」だと思います。
違法かどうかが問題になるのは、企業活動のコンプアライアンスに関係する話か、損害賠償をどのくらいの額にするかといった段階になってからで、それ以前のフェーズでは実際にどのような損害があるのかをベースに考えないと問題点は一向に見えてきません。
そして、その観点で話をしようとすると、たいていの場合「合法な○○と違法な海賊版を混同するな」的なコメントをする人が出るのですが、そういう人に限って海賊版がなぜ違法なのかを理解していないと思われる言動をすることが多々あります。
というわけで、海賊版がなぜ違法なのか、という話をさかのぼっていこうかと思います。といっても、これ著作権法の歴史を紐解いていけばすぐに結論が出てくるわけですが……。
海賊版で問題になる複製権は著作権法が成立する以前からあった考え方で、歴史をたどると西暦1600年代、中世ヨーロッパにまでさかのぼります。まあ、ここらあたりの詳しい話はWikipediaの著作権の歴史やコピーの品格あたりを調べてもらうとして、なぜそのような問題が出てきたのかという点に注目する必要があります。
複製権はヨーロッパでの活版印刷業者間での業界内取り決めから生まれた概念です。
複製権の概念がないと、どこかがヒット書籍を作ると、他の業者が瞬く間にコピーして販売を始めます。なぜそんなことをするかというと、その方が楽して儲かるからです。活版印刷の原理では手書きの原稿から書籍を作るコストと、印刷された書籍から書籍を作るコストは全く同じで同じ品質の書籍が出来上がります。品質に差がありませんから、消費者には海賊版だろうがオリジナルだろうが同じ値段で買います。
ということは、最初に手書きの原稿に原稿料を払った業者が言い出しっぺの法則よろしく余計なコスト(≒原稿料)を支払うことになり、オリジナル書籍を作る分価格競争力に劣ることになるので、売り上げが圧迫されることになります。
このような状況ではオリジナル書籍を作ること自体がリスクですので、業界全体が縮小再生産に陥ってしまいます。この悪循環を止めるために印刷業者間で結ばれた取り決めが複製権なのです。
これって、印刷業者が出版社に入れ替わっただけで、今も事情は全く変わっていません。
ゲームの中古問題を考えた場合、新品に中古品との価格競争力ないため売り上げが圧迫されるという「製作者にとっての状況」は海賊版も中古も同じだと言うことはこれでわかるかと思います。書籍の新古書問題も同様ですね。
それが違法か違法でないかの差は消費者の財産保護と衝突するかしないかという違いでしょう。
ああそうそう、マインクラフト作者のコメントに至っては論外であることも明らかですね。ただで配れという要求は、作者への見返りは全くない海賊版以下の横暴要求なわけですからね。
なんか捕捉したので補足
ここで問題だと言っているのは、コンプアライアンスや法廷闘争の話題になるまでは違法だから問題だという論法はトートロジーだよ、という話です。
ゲーム製作者にとって真に問題なのは利益を侵害されるかどうかであって、権利を侵害されるかどうかじゃない。
あと、どうも主語を省略しすぎて誤解して伝わっているようなのでちょっと訂正します。
訂正前:マインクラフト作者のコメントに至っては論外であることも明らかですね。
訂正後:マインクラフト作者のコメントが海賊版の肯定だという話に至っては論外であることも明らかですね。
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