taggaの日記: QES 解散へ 3
「『標準語を使え』と言っているやつは『正しい』日本語を使っていない」というジョークを広める会 (会員 0人)のファウンダーとしては、 anti-Queen's English Society http://antiqueensenglishsociety.com/ (以下、anti-QES) に祝電でも打ったほうがいいんだろうか。
The Queen's English Society http://www.queens-english-society.com/index.html (QES) が解散予定であるらしい。
- AFP (2012-06-07) 英国の正しい英語守る「クイーンズ・イングリッシュ協会」、解散へ
- Lewis Smith (2012-06-04) Queen's English Society says enuf is enough, innit? Society formed 40 years ago to protect language against poor spelling and grammar closes because too few people care, guardian.co.uk.
- Damien Gayle (2012-06-04) OMG!!! Queen's English society announces that it is to close cos no one cares about speaking proper no longer, MailOnLine.
イギリス英語 (むしろ、イングランド英語) の規範主義 (prescriptivism)的な団体である。 アカデミー構想が順調でないこと、 会員が高齢化し減少していること、 それにともない役員の成り手がいないことが原因のようだ。 なお、6月8日現在、 QES および anti-QES のページに、告知もプレスリリースも見あたらない。
むろん、社会が健全に機能するには規範が必要である。 しかし、規範の構築性・可塑性・文脈依存性を理解しなければ、 「善意の人たち」が規範を抑圧の道具にしてしまいかねない。 このことは、言語に関係した教育を受けたものには当然とされていることである。 ところが、QES は理解していなかった。そのため、anti-QES が作られた。
例えば、txting の際に使われる言語は、標準形ではないことが多い。 しかし、このことは書き手が標準形を使う能力がないことを意味しない。 txting という文脈が、標準形を求めていないだけである。
※ 念のために、冒頭の冗談を解題: 政府やNHKは、 戦前に「標準語」と呼んでいた言語変種を、 原則として「共通語」と呼んでいます。
穏健な「共通語」派です (スコア:1)
戦前(明治政府以降)に位置づけられたものだったのですねー。昭和30年代くらいまでは方言と強い訛で学校教育の担い手まで苦労していた地方の生まれ育ちとしてはもっと近年までそういう扱いだったかという実感もありますが。最近誤用とされることを自覚しないで標準語という単語を使っている人は過去に返れという復帰運動をやっているわけではなくそういう経緯を知らないから外国語などで用いる一般用法の連想で使っているんでしょうね。
Re: (スコア:0)
経緯を知らず無自覚にそう言う人は、
実は同時に「自分が普段使っている言葉が標準語・共通語である」と思い込んでいます。
どれだけ方言交じりでもね。
Re:穏健な「共通語」派です (スコア:1)
?
「そう言う」の「そう」の意味が曖昧で(#2169673)に異議を唱えているのか全然別の話をつないでいるのかよくわかりません。
助詞のつなぎ方でお里が知れると指摘なんでしょうか。