パスワードを忘れた? アカウント作成
6590904 journal
日記

aitoの日記: 11/17 EMM&EA研究会@大分大学 まとめ

日記 by aito

○プライバシーと著作権を保護するデジタル取引システムのためのDWTとSVDに基づく電子透かしの手法(京大)
日置研。デジタルコンテンツを取り引きするための三者取引プロトコル(semi-blind fingerprinting)。コンテンツ(たとえば画像)を2つに分割し、コンテンツプロバイダは分割した画像をそれぞれユーザと第3者に送る。第3者は受け取った画像に透かしを入れてユーザに送る。ユーザは、送られた2つの情報をあわせて完全な画像(透かし入り)を復元する。このとき、透かしの入った完全な画像を持っているのはユーザだけになるのがポイント。この提案では、semi-blind fingerprintingのための画像の分割法法と透かしの埋め込み方法を提案している。この発表では、画素をシャッフルして、シャッフルされた画像を特異値分解した行列に透かし画像の情報を埋める。

○可逆電子透かしの埋め込み容量および品質の改善(東京理科大)
岩村研。医療画像への電子透かし。ベースとなる方法は、可逆電子透かしを何回も使って繰り返し透かしを埋める方法。この発表では、さらにどのような可逆透かしをどう使ったらよいか調べた。複数の方法を使うことによってより多くの情報を埋めることができる。「本当に医療画像にこういう方法を適用することができるのか」というつっこみが入った。

○可逆透かしを用いたJPEG画像へのモザイク手法(東京理科大)
岩村研。防犯カメラの映像を圧縮する際に顔に可逆的なモザイクをかける方法。モザイクを元に戻す情報は、JPEG耐性のある電子透かしで画像自体に埋め込む。JPEGブロックに対してAC成分をすべて0にすることで画像をモザイク化する。元のAC成分は暗号化し、その他の画素に可逆透かしを使って埋め込む。顔が大きい場合はJPEGブロック単位ではモザイクが小さいので、その場合は複数ブロックを1つのブロックとして扱う。質疑として、監視カメラ応用ならMPEGじゃないとだめだろうとか、顔検出も含めて自動化すべきだといった意見があった。

○カメラを利用した難視性パターンからの情報抽出評価(東京理科大)
岩村研。印刷物への情報埋め込み。白紙の微妙な濃淡パターンを周波数領域で操作し、そこに情報を埋め込む。埋め込み単位は1インチぐらい四方のブロック。今回は、それをカメラで撮影したものから情報抽出ができるかどうかを試した。カメラの撮影条件や埋め込み単位を変えて、抽出できるかどうかを評価。盗撮された文書から情報を取り出すということだが、実際にはあまりうまく情報が取り出せないようだ。

○商品コード用バーコードの互換性を維持した秘匿化と大容量化(テララコード研究所)
通常の1次元バーコードの拡張。バーコードの線の間の白い部分や黒い部分に色を付けて、その色に情報を埋める。従来のバーコードと互換性があるということだが、色が付いているものを従来のバーコードリーダーで呼んで大丈夫なのかな。誤り訂正としてRS符号を使う。

○文字の選択的隠蔽(九州大学)
内田研。カメラに写ったナンバープレートの数字を自動検出して隠す。同様の処理がGoogle Street View などで行われているが、誤検出部分をぼかすと見にくくなってしまう。そこで、「文字はわからなくなるが、文字でないものはあまり影響を受けない」という隠蔽方法を考案した。手法としてはImage inpaintingを利用する。文字の場合はテクスチャの連続性や反復性は意味を持たないので、Image inpaintingを使うことによって、文字として読めないパターンになる。Inpaintingでは、削除領域のうちエッジが複雑な部分をとってきて、周囲のパターンやあらかじめ用意しておいたパターンの中で似たブロックを持ってきて貼る(パッチベース手法)。文字の可読性は下がり、壁などの画像では違和感なく復元する。

○OFDMタイプのスペクトル拡散型電子透かし(神戸大)
栗林先生。スペクトル拡散で複数ビットを埋める電子透かし。複数ビットからなる埋め込み信号系列を作り、その逆DCTに対してPN系列をかけて透かしを作り、ホスト信号に加える。ホスト信号からの干渉を低減するために、最初にホスト信号をDCTした内容の低次の成分を埋め込み信号にすげ替える。

○スペクトル拡散型電子透かしのIHCに基づく評価の報告(山口大)
川村研。IHC委員会の統一評価基準でおこなった電子透かしコンテストに参加した方式。スペクトル拡散とQIMを使う。埋め込み画像を1/10に圧縮した後でさらに圧縮した場合、約4%まで圧縮しても誤りがなく、PSNRは69dBだった。

○Kirchhoff-Helmholtz積分方程式の逆問題と順伝搬に基づく音場推定(NICT)
岡本さん。空間内に仮想的オブジェクトがあるのと等価な音空間を作る研究。放射特性を有する音をどうやって抽出・記録するか。従来のマイクロホンアレイなどの方法だと点音源を仮定するので放射特性はわからない。そのため、小規模なマイクロホンアレイから、ちょっと離れた音場を推定する技術を開発する。Kirchhoff-Helmholtz積分方程式を通常と逆に使って、領域の中のマイクロホンアレイで観測した音圧を使って境界上の音圧と音圧傾度を求め、それを使って領域の中の任意の位置での音圧を推定する。現状では1kHz以上で境界上の誤差が大きくなるが、それなりに推定ができている。

○可変ステップサイズを有するFXLMSを用いた狭帯域能動騒音制御システム(県立広島大学)
Filtered-x LMSアルゴリズムによる狭帯域能動騒音制御で、ステップサイズを適応的に変化させる方法。そういうのすでに提案されてなかったっけ?予稿には「可変ステップサイズの能動騒音制御は提案されているが、狭帯域騒音に適用したものはない」とあるけど、狭帯域以外と比べてそんなに違うんだろうか。

○振幅変動の有限性を考慮した音声信号処理法と実環境への適用(県立広島大学)
単一マイクロホンの雑音除去。信号の瞬時値の分布をベータ分布で近似して、確率的な枠組みによって雑音除去。ベータ分布版のカルマンフィルタみたいなものだと理解したが、詳細はよくわからなかった。

○主観評価実験における被験者の状況把握に関する研究(日本文理大学)
音刺激に対する主観評価実験で、被験者の挙動をKinectとスマートフォンの加速度センサで調べる。最初にそれぞれのデバイスの計測精度を調べた。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

人生unstable -- あるハッカー

読み込み中...