パスワードを忘れた? アカウント作成
6817699 journal
日記

aitoの日記: 12月22日 SIGMUS&インターカレッジまとめ

日記 by aito

・音群的音楽の表現を取り入れた演奏ソフトウェアの制作(九大)
ソフトウェア音響アート作品「雲霞の如し」「げんげ」の制作コンセプトと制作過程。どちらも、画面上に「群れ」を表示し、それに応じた音を生成する。群れの生成はBoids理論というのをベースにしている。制作ソフトはOpenFrameworksとMax。「雲霞の如し」は3Dで魚の群れみたいなのが泳いでいて、その位置によって音が鳴る。「げんげ」は2次元でいろいろな図形が群れをなして動き、それが中心を横切るときに音を出す。群れが集まる中心を図形として指定することができ、その図形の領域によって鳴る音の音域やリズムなどを制御することができる。

・A music puzzle game application for engaging active listening (KTH)
聴覚障害者(難聴)のための音を使ったパズルゲーム。スマートフォンを使った聴覚障害者の聴能訓練のためのプロジェクトの一つ。Androidタブレットを使う。最初に音の素材がボールとして表示されていて、タブレットを振るとそれが「割れ」て複数のボールができる。それぞれのボールには元の音の一部が割り当てられるが、ピッチが変更されている。パズルのタスクは、それを順番に並べ直した上でピッチを元に戻すこと。いかに「音を注意して聞く」時間を長くとることができるかがコンセプト。プログラムはPureDataとProcessingで書かれている。筑波技術大の平賀先生と共同で実験をしているらしい。

・テンポの類似性を取り入れた事例に基づく演奏表情の生成(II)~試聴実験によるその効果の検証~(芝浦工大)
表情付けシステムKagurame Phase-III。演奏したい楽譜Aと、表情がつけてある楽譜データベースDを用意し、Aの一部に似ている楽譜をDから検索する。楽譜のピアノロールを画像にして、画像の類似性によって検索を行う。テンポが演奏表情の聴感に影響するので、事例を選択するときにテンポの類似性を考慮する。テンポ類似性を正規分布で表しているが、その分散をどうしたらいいのかを検討した。テンポを考慮した方が生成した表情の自然性は高い場合があるが、分散の決め方による差はあまりない(極端にテンポが異なる場合には差がでる)。

・サーボモータを用いたサウンドインスタレーション"Waver Laser"の制作(東京電機大)
小坂研。学生さんがアフロヘアなのが気になる。昨年のICでも展示されていたサウンドインスタレーションだが、大幅にバージョンアップ。いくつか並んだガラスの筒に水が入っていて、上からおもりをつるし、下からレーザーを当てると伸び縮みする光の列を作ることができる。光の列のパターンによって音を生成する。各レーザの長さが倍音の強さを表現する。おもりをサーボモータで上下させる。おもりの位置を変えるUIでは、コントローラから出るレーザを対象に当ててつまみを回すと動く。制御はArduino。

・関数を取り入れた音楽生成ソフトウェアの制作(九大)
中村研。シーケンサーだが、曲座標中でのオブジェクトの位置によって音が鳴り、2つの配置の間がじわじわ変わる。オブジェクトをどこに配置するかを関数で指定する。

昼食後コンサートのはずだったが、SIGMUSの委員会が15時半まで続いたためコンサートはパス。16時から特別講演。

☆Human/Technology Interface and Interactivity (Kia Ng, U of Leeds)
・最初にMusic via Motionの紹介。体の動きによって音楽が生成されるシステム。ダンサーの動作を画像処理して、エッジ画像の処理結果から音のピッチと強さを生成する。動きと音は単純なマッピングではなく、異なるレベル(フレーム、ジェスチャなど)で異なる音イベントにマッピングされている。
・I-Maestroプロジェクト。音楽教育への応用。
  楽器演奏動作のキャプチャ、ジェスチャ解析など。
  練習曲の自動生成。
  弦楽器(バイオリン)のジェスチャ解析。先生に「弓で8の字を書け」と言われてできなかった話とか。チェロ奏者の擦弦動作のキャプチャと3次元CGでの再現。
  複数のまともな擦弦動作から特徴抽出してクラスタリングし、学生の擦弦動作がセントロイドに近いかどうかで動作の良さを評価。
・CASPERシステム
  指揮動作のキャプチャと解析
  Kinectを使ったMusic via Motionシステム
  指揮棒にArduinoによる無線トランスミッタをつける方法
・Musical Stones and Lisophone
        石を使った楽器 iRock
   石でできた音盤を並べ、その振動をキャプチャして加工して流す

インターカレッジ・コンピュータ音楽コンサートの部

・発音置換詩(後藤天、IAMAS)
二人による詩の朗読。無意味語のようだが、意味のある日本語の音素を何かに置換した物らしい。パフォーマンス後のインタビューでは、5母音の前舌を後舌に入れ替えるなどしていたらしい。子音にはimplosive soundも入っていた。

・2人の拍手とエレクトロニクスのための「こだまのこ」(藤城達也、国立音大)
会場ではワイヤレスが使えない関係で本来のパフォーマンスとは違うらしい。会場の真ん中で二人のパフォーマーが向かい合って手を打ち、それを加工した音が会場の四方から流れる。

・ii!!ii!iiiii!ii!!!!!i!i!iiiii!i!iii!i!!(四宮基稀、大阪芸大)
アンビエントな低音にのせて女性による詩の朗読が流れる。

・11Vc(市原義己、玉川大学)
チェロの独奏。譜面台にiPadを置いて何かをしていた。チェロの音とコンピュータ生成された音が混ざって再生される。

・F(music) (藤原尚紀、九州大学)
昼間の講演で発表していたもの。5つの回転するシーケンサーの半径が簡単な関数で表され、半径が音の高さになる。関数を指定することで、さまざまなメロディが流れる。

・entropy(上田真平・黒田麻美、日本大学)
水槽に水を入れ、それを撮影した映像が流れる。水に白か黒の液体を垂らして画面がもやっとするたびに流れる音が変わる。最後に画面が真っ黒になって終了。画像のフレーム間の画素値の差から音を生成しているらしい。

・流される音楽(宮坂浩太郎、昭和音楽大学)
3つの独立な音楽が流れ、最初は雑音っぽいが、最後は一つの音楽の3つのパートになるよう少しずつ音が修正されるという予定調和的作品。

・Electronic Improvisation 2012(古澤彰、慶応義塾大学)
リズムマシンとベースラインにあわせて即興演奏。

・Rain Sounds(出口広樹、洗足学園音楽大学)
カッパを着た兄ちゃんの動きをKinectで計測し、画面にはその動きと雨粒が表示される。雨粒と体の関係で音が出ていたようだ。

・Internal Sound Flow(中村隆行、東京電機大学)
画面に線の固まりが激しく動いて表示され、それに併せて音響モデムみたいなビロビロした音が鳴る。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

読み込み中...