akiraaniの日記: なぜWinny訴訟がダメでマジコン訴訟はアリなのか 9
最初に断わっておきますが、タイトルは個人の主観です。
任天堂対マジコンの輸入販売業者裁判、任天堂勝訴。損害賠償額は1億円近くに関係の話。
Winny訴訟とマジコン訴訟にはコピーする道具を取り締まるという共通点があるためか、両者を同列に評価する人をたまにみかけますが、この二つには大きな違いがあります。
それは手段と目的がかい離しているかどうかという違いです。マジコン訴訟は不正競争防止法にのっとって行われています。昔のストーリーでコメントしているのですが、プロテクト回避機能を問題にしていて、プロテクト回避機能を売りにしていることをきちんと証明して見せていることが大きなポイントになります。
DS版のドラクエ5で、マジコンを使ってコピーソフトを起動するとゲームの序盤で船が港につかず先に進めないというものがあったのを覚えているでしょうか。
そのことが話題なった直後、マジコン側はアップデートパッチを用意して、このプロテクトを回避する対策を入れ込みました。そして、さらにその直後、任天堂をはじめとしたゲーム業界が結託してマジコンを不正競争防止法で訴えます。
つまり、コピープロテクトかけて破らせることで、違法ツールであることをはっきりさせてから訴えを起こしているわけです。
一方、Winnyはどうだったかというと、見せしめ目的で著作権侵害のほう助犯として金子氏を逮捕勾留し、Winnyの開発環境そのものを差し押さえました。確かにそれでWinnyの改良は行われなくなりましたが、別にWinnyはコピープロテクト破りをする機能を持っているわけでも何もないので、それだけでは全く対策にならないわけです。そのまま有効と思われる対策(コピープロテクト入りのメディアへの移行など)をほとんど講じないまま無駄に年月が過ぎていき、暴露ウィルスなどの横行を許します。
ちなみに、無罪判決後にWinnyがアップデートされなかった件はこちらのコメントが参考になります。裁判によって現状を放置するしかない状況になってしまったというわけですね。結果論でもWinny訴訟は対応手段としても悪手だったといわざるを得ません。
つまり、マジコン訴訟は何がいけないのかをごまかさず順序立てて行われた対策の一部だったわけですが、Winnyの訴訟は無計画に行われた八つ当たり的対処でしかなかったということですね。
いわゆるジェイルブレイクの是非についても似たような話が言えるかと思います。メーカーにとって重要なのはコンテンツ販売プラットフォームを阻害するかどうかであり、ジェイルブレイク自体は別にそのような意図で行われるものではないです。問題になるのは、ジェイルブレイクしたデバイス向けに海賊版コンテンツを提供する連中であって、たいていの国でそういった海賊版を取り締まる手段も法も用意されています。
結局のところ、ここがポイントになるのではないかと思います。
ヒステリーは誰も得しないって事ですねえ (スコア:1)
たいとるおんりー
どうなんだろう (スコア:0)
マジコンのアップデートパッチは、あくまでマジコンのファームウェアのアップデートであって
そこからハードウェアの販売禁止まで持って行っていいのだろうか?と思うのですが。
この話の流れだと
DQのプロテクトを破ったという主体はソフトウェアですし
DQのプロテクトを破ることができないバージョンのマジコンは使ってもいいのか?と。
マジコン自体は昔のファミコン時代からあったのに
DSで裁判沙汰まで来てしまったのは、マジコンをどうどうと売るバカとか
雑誌で紹介するバカとか、
任天堂のオフィシャル大会で使うバカとか
その辺が悪い気がするんですよね・・・
Re:どうなんだろう (スコア:1)
マジコンのファームウェアが製品とセットで提供されるものである以上、プロテクト外しの主体がマジコン本体にあるとされるのはしょうがないですね。
堂々と売るほうが阿呆なのは同意ですし、今回のケースでも販売についてあの手この手で差し止めが入って、最終的に販売業者への損害賠償にまで発展しているわけですから、悪いやつが正しく罰せられたと解釈してよいのでは?
個人的には、雑誌なんかで紹介したところも責任も当然とるべきと思いますが、一番悪いやつを抑えることができた以上、任天堂がそこまでするとは考えにくいですな。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
いやですから、堂々と売った業者が損害賠償を命じられたという話ですけど。
不正競争防止法のロジックというのは、マジコンそのものを規制するといったものではありません。
マジコンのコピープロテクトを回避する機能は「不正競争」の構成要素の一部でしかなく、
そうした機器の展示、販売、輸出入などを行った個人または法人に対して損害を賠償させることを目的としています。
> DQのプロテクトを破ることができないバージョンのマジコンは使ってもいいのか?と。
マジコンの使用を問題にした裁判ではありませんし、不正競争防止法も使用を規制するための法律ではありません。
あくまでも販売やそれを目的とした輸出入、あるいはマジコンのバージョンアップによってプロテクト回避を実現する機能の提供などを規制するものです。
一度不正競争防止法を読んでみるといいと思います。
この件では、二条十項と三条を見てみると、どういうことが問題とされ規制されているのかが分かります。
Re:どうなんだろう (スコア:1)
正にDQに釣られて見事にプロテクトを破り、営業上の利益を侵害する行為を行う意図を明白にしてしまった"バカ"
を相手に訴訟して勝ったつう話すよねえ。
Re:どうなんだろう (スコア:1)
いや、プロテクトを破ったのはマジコンのメーカーで、訴えられたのは販売業者だから、全然違う。
販売業者からすると、「今までは、あくまでグレーで黒じゃない、ってことで堂々と販売できていた」のに、「メーカーのおせっかいに黒確定行為を行ったために損害を被ってしまったじゃないか」と被害者ヅラすることだって可能かも。
Re: (スコア:0)
こと輸入に関しては、不正競争防止法もそうだし、製品の安全性にかかわる話でなんだけど、製造物責任法でも、
国内の責任者として輸入業者に明確な責任を求めてるんだよね。
だから輸入する業者は本来、それがどういうものかをしっかり把握し管理しなきゃいけない。そういう責任を負わされている。
プロテクト解除が確認されてすぐとはいえ、割とネットで話題になってから訴訟されているし、
そもそも違法性について前から言われてたのだから、やり玉に挙げられたくなければ注意して取り扱いをしてるべきだったんですよ。
製品の動向の監視、プロテクト解除が確認されたら即輸入&流通停止、体力あるなら回収とか。
しかも相手は大企業、輸入業者があまりにも甘く見過ぎていたって事。自業自得。
Re: (スコア:0)
>DQのプロテクトを破ることができないバージョンのマジコンは使ってもいいのか?と。
「プロテクトを破る為の手段を投入した」
って事実の問題でしょう。
だからプロテクトを破る動きをしなかったなら、それを犯意の傍証として引っ張って来る事は出来なかったと。
ちょっとは違うけどPT1の販売の注意深さを見習うべきだったと言うか。
とても個人的なマジコンの使い方 (スコア:0)
まぁ昔の話なのでROMカートリッジ時代の事としてDS系のとはちょっと事情が異なるんだけど。
僕はファミコンやスーファミのソフト開発に携わっていましたのでかなり特殊な事例だと思うわけですが。
当時はPROMに焼いてからデバッグチームに配布するって事をしてたわけです、当然デバッグチームは別会社とかの可能性もあります。
で、PROMをギャングライター(今もこう言うのかしらないけど、PROMを複数個同時に書き込む機械)で焼いて20コピーとか送るわけですが、もの凄い時間かかるわけです。(当時は消すのもの紫外線で1時間くらい)
でその焼き込み時間が我慢ならず(開発してるプログラマが直接焼いてた)ファミコン時代はROMエミュレータ(MMC2とかの回路のクローンをPLDで作っってRAMへのローディングをプリンタポートから行える)の基板を作ってデバッグ会社へ送ってソフトはデータをBBS(WWIVとかの奴)に置いておくとかしたわけですが、スーファミ時代になるとプロテクションチップが入っちゃってこのROM焼き(しかも容量がデカイ)の手間がもうどうしようもなくてスーファミ版マジコンを使うって言う方法になっちゃったことがあります。
で、どう考えても、デバッグサイクルと異なりROMカートリッジの方が取り回しが楽なのでマジコンのフロッピーから読み込む事なんかエンドユーザはあんまり恩恵得られないのでカジュアルなコピーはそこまで多くなかったんじゃ無いかと思っています。
DSになると同時に持ち運べる量がかわっちゃったのでエンドユーザレベルでのマジコンの扱いが変わっているのでは無いかとちょろっと思ったりマシした。
どちらにしても時代のあだ花としてごく少数なら見逃してもらえただろうにマスで売るような(買われるような)状態は健全ではなかったとは思います。