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日記

aitoの日記: 8月31日(土)SIGMUS@東大 午前まとめ

日記 by aito

09:00 主査挨拶
平賀瑠美先生があいさつ.

09:10-09:35
オープニングセッション
「SIGMUS20周年記念祝賀スピーチ」
オーガナイザー: 平賀 瑠美 (筑波技術大学)
平田圭二先生(1993-1994)
・当時の雰囲気:ICMCに追い付け追い越せ
・任意団体の音情研の話題
・ICMC1993@早稲田大の話題
鈴木孝先生(1995-1996)
・音楽を愛する心,音楽が好きだという情熱は変わってほしくない
・ポップカルチャーなどで世界をリードしてほしい
平賀譲先生(1997-1998)
・あまり良く覚えてない(国際会議のほうが覚えてる)
・音楽情報科学の現実世界とのかかわりが深まっている
・研究者の広がりによる研究のスプロール化,ドーナツ化
・コミュニティの維持の難しさ
松島先生(1999-2000)
・収益事業,会員数の頭打ち
・「音情研ってガサツよねぇ~」夜ディスとかのノリが
・更なる発展のために:少子高齢化対応(若手,女性参加),音楽分野と交流,新領域への挑戦
小坂直敏先生(2001-2002)
・芸術音楽と音楽情報処理
 2000年代から分野の細分化,専門家
・ICMCの状況:コンピュータ音楽は確立,応用志向,作曲研究者中心
・SIGMUSと他の芸術系学会は緩やかな関係が望ましい
片寄晴弘先生(2003-2004)
・学術領域としての地位確保
 他研究会との共催,裾野拡大(学生無料参加),その他の改革(運営委員削減)
・CrestMuseプロジェクト
・これから
 学術領域をけん引する研究会へ
  論文メディアの確立
  市民への紹介,若手の活動サポート
堀内靖雄先生(2005-2006)
・主査時代の研究会,招待講演,会員微増
・裾野を広く,横のつながりを広く,音楽を楽しみましょう
後藤真孝先生(2007-2008) テンションが違う
・急成長の時代 音楽情報処理研究者倍増計画,発表件数の増加
・第2期音楽情報処理研究者倍増計画
 世の中への貢献,研究の重要性アピール,学問分野の確率
西村拓一先生(2009-2010)
・ビデオレター(家庭的背景)
・なぜかBGMが大きい
平井重行先生(2011-2012)
・音+プレゼン
・参加回数削減,ポジションペーパ名札
・ライブ動画中継を始める

09:35-11:40
オープニングセッション
「音楽と音楽情報処理の未来」
オーガナイザー: 平田 圭二 (公立はこだて未来大学)
登壇者(五十音順):糸山克寿(京大),大石康智(NTT),大島千佳(佐賀大),梶克彦(名大),北原鉄朗(日大),才野慶二郎(ヤマハ),竹川佳成(はこだて未来大),中野倫靖(産総研),橋田光代(相愛大),深山覚(産総研),松原正樹(筑波大),森勢将雅(山梨大),吉井和佳(産総研)

業界初のひな壇トーク.最初に各パネリストが自分の研究を簡単に紹介.
続いてお題.

音楽情報科学の研究に音楽の経験や知識は必要か?(糸山)
・「楽器演奏・作曲経験者」に手を挙げさせたら会場でも8割以上が挙手.
・音楽知識がある/ないためによかった/苦労したのはどんな点か?
 大石:音楽をやっていると音の収録の知識が役立つ
 才野:歌のデータが必要な時に自分や知り合いが使える,プロとの話が最低限できる
 竹川:自分の知らない楽器に関する研究の有効性が判断できない
 大島:自分の知っている楽器については学生の指導が厳しくなりすぎる
 吉井:コード認識にしてもコード進行などの知識が必要
 中野:自分がわからないのでコードに関する研究ができない,音の聞き分けも難しい
 北原:音楽知識があると,普通の人がどう音楽を聴いているかわからない.素人が何をしたいかわからない
 松原:学会で音楽家と研究者が交流するときに互いの言葉がわかるのは重要
 北原:知識や経験は重要だが,研究を始めるためには知識が必須であってはいけない

信号処理と記号処理を融合させると何ができるか?(吉井)
・音響信号理解の確率モデル vs. 計算論的音楽理論 など
・信号処理は音楽である必然性がない vs. 記号処理h亜音楽家に対するフィードバックがない
・リサーチマップ
 大石:音声認識の言語モデルと楽譜のアナロジー,GTTMとCFG
 吉井:確率ベース信号処理一派は過激派なので確率モデルで信号処理に殴り込み
 深山:信号処理の人は音のデジタルデータだから音楽を扱っているだけではないか
 森勢:人間の処理はわからないので,性能が高ければそれでよい
 北原:幼児は記号を知らなくても歌を歌う.記号は本質ではなく信号が本質
・融合のためのアイデア:階層ベイズモデル
 糸山:融合は本当に必要なのか?研究者が多いのだから分業してもいいだろう
 松原:言語創発の研究は現在盛んなので,似たようなモデルで音楽でも何かできるかも
 竹川:どちらでも実装が楽だったり精度が高かったりすればよいのではないか.相手の研究もやってみたほうがよい
 才野:ラップには楽譜がないので楽譜を定義するところから始めた.データからそういう構造が自動推定できれば面白い
 平田:人間が思考するというのは記号操作だと思うが音楽はどうか
 北原:記号化は有用だが,さまざまな記号化がありうる
 大石:記号に表せない部分は従来はノイズと思われてきたが,音楽の立場から扱えれば面白い
 橋田:技術をアプリに落とす部分で記号化が必要
平賀先生から中野さんにリクエスト 
 中野:ブレス,ビブラート,中間的な母音などの扱いも大事.記号は重要だが音楽的知識が必要そう
 松原:記号を使わなくても信号だけで音楽作品が作れる
 北原:必ずしも記号レベルに落とさなくても,もっとあいまいな表現で音楽を表現・操作することは可能
 中野:あいまいに表すとそれはそれで情報が落ちている
 平田:記号表現であってもあいまい性がある

音楽情報処理における機械学習はどう使うべきか?(大石)
・DNNが猛威をふるっている ISMIRでも利用が増加
・識別モデル vs. 生成モデル
 吉井:DNNは強力だが,生成モデルの良さは中身がわかること
 才野:生成モデルは生成過程を仮定するので,中間的な状態がわかり,操作の余地が生まれる
 森勢:ブラックボックスでもよい.人間が何をしているかわからないので入出力だけがわかればよい
 中野:生成モデルであっても最初のモデルを考えるのは人間なので,中間状態がわかるといっても中途半端ではないか
 平田:記号処理の立場から見るとどっちでも五十歩百歩
 深山:ブラックボックスという言葉に酔いすぎ.識別モデルであってもじつはノウハウがあるのでは
 大石:識別モデルではあらゆる特徴量を全部使ったりしていて問題
 吉井:ノウハウがあまりなくてもさまざまなコンテストで優勝する
 森勢:あらゆる特徴を全部使うことに何の問題があるのか?
 北原:識別モデル派が系列をモデル化するときにどうやるのか?
 吉井:Deep RNNを使うと生成モデルよりもはるかに性能が高い
 才野:HMM音声合成でDNNを使う話もあるので融合はすでに行われている

音楽情報処理は音楽教育にどのように貢献できるか?
・なぜ小中学校で音楽を学ぶのか
 音楽は知識だけでなく表現に重点を置く
・歌唱,器楽,創作 / 知識・技能,判断・表現,意欲
・テクノロジーを使うとどのように音楽教育が変わるか?
 大島:音楽的技術と演奏表現に分けて,技術(正しい鍵盤を弾くとか)をサポートすることで,演奏表現を伝えやすくなる
 深山:小学校の劇の音楽にOrpheusを使ってみたが,「Orpheusの歌はつまらない」ということで子供たちが自分で作曲を始めた
 竹川:ピアノ学習支援システム
 橋田:Songleなどによって音楽の理解をさせることがやりやすくなったが,音楽専門の学生は情報リテラシーが不十分
 松原:「鑑賞」を教育することに情報処理が役立つ
    自分の知らなかった音楽の聴き方がわかると,次に自分がどうしたいかが新しく出てくる
 大島:従来の「鑑賞」は感想や印象のようなものだが,それと構造分析のようなものの関係は?
 松原:印象などを情報処理的に扱うことも可能.ほかの人がどのように感じているかわかることも重要
 北原:感想よりも音楽を分析的に聞くことの方が重要
 梶:それよりもモチベーションを高める教育が重要ではないか
 大島:分析的に聞くよりも感動が重要.そういうものを音楽情報科学が支援できないか
 橋田:ロックのライブなどでは客が音楽を聴いてない
 森勢:音楽は好みにはまるかどうかだけが重要で,そこにそれ以上のものが必要なのか
 深山:教育は布教.聞き方を共有することでわかることもある

音楽で国民生活を豊かにするためにはどんな技術開発をすべきか?(才野)
・技術開発の最終目的は国民の生活を豊かにすること
・「豊か」というのはどういうことか?
 プラスを増やす系:より快適に,より楽しく(創作支援,エンタメ)
 マイナスを減らす系:医療支援,剽窃発見など ありうるが少ない
・今の研究はどのように国民生活に貢献するのか?
・エンタメ系で論文のイントロに困ったことは?
 才野:ボーカロイドのおかげで最近は困らないが,採譜などはどうか
 吉井:自動採譜や音源分離は歴史があるので論文のイントロは書けるが,それだけではよくない
    音楽情報検索もよくある
 平田:「楽しむ系」の良さは何か
 才野:「自分が楽しいだけだろう」とよく言われる.主観評価をしたりするが,それが生活にどう貢献するか難しい
 森勢:音声分析基盤を作っていて使われているが,それがどうしたという話もあり,難しい
 北原:曲を加工するアプリを作っても,それがない世界で評価させても評価は上がらない.信念をもって続けるしかない
 松原:それを言い訳にしないで,評価手法の学術性をメッセージとして広げていく必要がある
 平田:「役立つ系」の研究者が少ないのはなぜか.
 橋田:医療系などの研究では,研究者自体が実際にそういう立場にないと実施が難しいのでは
 大島:重度の認知症の人に対して音楽入出力をするだけで大変
 森勢:一番ネックになるのは実際に使う人を探すのが大変だということ
 大島:評価のことはよく言われる
 竹川:音楽療法などの人は多いが,このコミュニティには少ない.これからそういう人と仲良くすることが必要
 大石:音楽セキュリティは儲かるところなので参入してもいい
 北原:「福祉工学には気軽に手を出すな」と言われた.当事者でない人が中途半端な技術を作っても相手にされない
    現場で通用するコードを書くのは大変
 吉井:音楽がわからない人向けのエンタメ系はむしろ「マイナスを減らす系」なのではないか.
    本当のプロ用の技術はむしろ少ない
 竹川:「中級者」をきちんと定義したほうがよい
 森勢:自分の研究を「役立つ系」「楽しむ系」と決めつけず,使い手が自由に使えることが重要
 中野:「役立つ系」「楽しむ系」の区切りをつけるのではなく,さまざまな分野に手を出すことが重要

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