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14153 story

理研、カオス理論に基づく通信方式を第4世代携帯向けに推進 82

ストーリー by mhatta
むずかしいな 部門より

Anonymous Coward 曰く、

読売新聞の記事によると、理化学研究所は、混じり合った携帯電話の電波を高精度に 分離し、現在よりも50倍の高速通信が可能になる技術を開発したとのこと。「騒音の中でも特定の声を聞き分ける脳の仕組みを応用した」と言う。

なんのこっちゃと思ったが、 理研のプレスリリースを見ると、カオス理論に基づく通信方式であるカオスCDMA方式にICA(独立成分分析)を組み合わせたら、高い精度で電波を分離できることが分かった、という話らしい。現在の第3世代のCDMA方式では、他の携帯電話からの電波の干渉の問題があるため結果的に電波にのせられる情報量が小さくなっている。ICAを応用してCDMA方式の信号の分離をしようとしても結果はかんばしくなかったとのこと。だが、カオス理論に基づく通信方式であるカオスCDMA方式とICAを組み合わせたら、高い精度で電波を分離できることが分かったそうだ。

この技術により、携帯電話の基地局において各携帯電話が送信した電波だけを分離してから各携帯電話が送信した情報を取り出すことにより、電波にのせられる情報量を飛躍的に増大させられるらしい。第4世代携帯電話の世界標準の有力な候補となることが期待できるようだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by hal_19000 (29295) on 2006年12月13日 11時45分 (#1074795) 日記
    月々の電話料金も
    「カオティック」で「予想外」となります
    --
    あかるいデスマーチ2010実行委員会
  • by yuki-kun (1485) on 2006年12月13日 12時35分 (#1074863) ホームページ 日記
    つまるところ、ニューラルネット [wikipedia.org]を使った人口脳(ICA)がデジタル信号(CDMA)をうまく理解できなかったから、アナログ信号(カオスCDMA)に変えたら理解できるようになったよって感じでよろしいでしょうか?
    --

    IDENTIFICATION DIVISION.
    AUTHOR YUKI-KUN.
  • 携帯以外で (スコア:2, 興味深い)

    by gesaku (7381) on 2006年12月13日 13時34分 (#1074912)
    カクテルパーティエフェクトとカオス理論の組み合わせですか・・・
    CDMA信号じゃなくて普通にAMラジオに応用してくれれば
    特定の放送局だけ聞こえるように・・・

    #文化放送をクリアな音声で聴きたいgesaku
  • by bhind (32461) on 2006年12月13日 13時36分 (#1074914) 日記
    CDMAというかスペクトラム拡散では、拡散符号の長さで多重度(帯域)が決まると理解しているのですが、帯域を増やそうとすると逆拡散の際のPLLによるロックに時間がかかり、実用面ではトレードオフとなることから、あまり帯域をかせげないという話を聞いたことがあります。
    「独立成分分析」の処理分の時間的コスト増があっても、分析能力の向上によって「50倍」かせげたってことを実証したってことなんでしょうね。(たぶん)

    # 今回のリリースは「カオスCDMA方式」と「独立成分分析」の相性の良さ(個性的な声)が売りのような感じではあるため、オフトピ気味ですが。
    # 識者によるご指摘をどしどしお待ちしております。
    • by taka2 (14791) on 2006年12月13日 14時14分 (#1074954) ホームページ 日記
      拡散符号の「長さ」じゃなくて「組合せ」の問題でしょう。

      スペクトラム拡散では、通信したい情報そのものを「拡散符号」で変調することで広い周波数帯域にわたる信号に変換し、複数の信号を周波数的にも時間的にも完全に重ねて送受信します。
      受信側にとって「拡散符号」の異なる信号は単なるノイズで、目的の「拡散符号」で変調された情報だけを取り出すことが可能です。
      しかし、例えば、拡散符号が8ビットあれば一見256通りの情報を重ね合わせることが出来そうですが、実際には逆拡散で分離できない符号の組合せがあるので、使える拡散符号数は少なくなります。

      ざっくばらんに説明しますが、拡散符号「10101010」と「1111000」の二つで通信を多重化する場合を考えます。
      拡散符号「10101010」で「0011」を変調すると「10101010 10101010 01010101 01010101」になり
      拡散符号「11110000」で「0101」を変調すると「11110000 00001111 11110000 00001111」になります
      この二つを混ぜた「21211010 10102121 12120101 01011212」が送受信される信号となります
      これを「拡散符号10101010」で逆拡散すると「0.25 0.25 0.75 0.75」といった結果が出てきて、二値化で無事「0011」が取り出せます。

      ところが、拡散符号が「10101010」と「10101011」って組合せになったりすると、
      拡散符号「10101010」で「0011」を変調すると「10101010 10101010 01010101 01010101」に
      拡散符号「10101011」で「0101」を変調すると「10101011 01010100 10101011 01010100」に
      混ぜると「20202021 11111110 11111112 02020201」となる。
      これを「10101010」で逆拡散しても「0.06 0.44 0.56 0.94」みたいなことになります。
      二値化で「0011」は取り出せますが、0.5付近になってるということは、ノイズに非常に弱い状況なわけです。
      この拡散符号の組合せは実用上まず使えないでしょう。

      というわけで、実用上、分離の精度とノイズ耐性などから、使える拡散符号の組合せは限られてきます。
      カオス理論の導入で分離の精度が上がれば、使える拡散符号数が増え、より多重化できるようになり、帯域が増える、というのが今回のネタでしょう。
      親コメント
      • by Canadian (31348) on 2006年12月13日 15時39分 (#1075021)
        「帯域が増える」というのはミスリーディングかと思われます。
        通信路容量は割り当てられた周波数帯域とS/Nでシャノン限界として決められてしまうので,それをいかに多くの局で効率よく分割して使うかという方法が周波数分割,時分割,符号分割多元通信かと。
        そういう意味でスペクトル拡散通信は効率のよい通信路容量の分割を目的としないという意味でちょっと違います。(i.e. JPL符号を通信に使っても必要な帯域の割に収容局数が小さい)

        CDMAの場合は効率よく通信路を分割するために相互相関が小さいことが求められます。例えば,親コメントに出ている符号は直交符号なので,位相が違うと相互相関が大きくなってしまいます。
        位相が違っていても相互相関の小さいM系列符号や,M系列をもとにしたGold系列を使う場合が多いです。

        カオスCDMAはそういう意味で符号長が長く,相互相関が小さく,決定的(同一の種から生成すれば双方で同じ符号が得られる)な拡散符号をカオスで生成しようという話かと思われます。

        発表タイトルが書いてある, 電子情報通信学会 非線形問題研究会 [ieice.org]の講演名とプレスリリースの文章から推測すると,今回の結果は
        • 復号時に符号間の相関をとって復号すると面倒だから独立成分分析を使いたい
        • 符号化にカオスCDMAを使うと独立成分分析でCDMAを復号可能なことがわかった
        …という内容のような気がします。ここに信学技報がないので,はっきりとはわかりませんが。
        信学なら通ソCS研, RCS研や基礎・境界でもWBS研とか, 発表する場所は他にもあるような気もしますけど, NLP研で発表しているというのは, カオスの基礎的な説明は省けるということなのでしょう。



        量子通信ならエンタングルメントを使ってシャノン限界を超えられることは 確かですが(「Holevo限界」で検索してください), それはまた別の話と言うことで。

        #もうIDでいいや
        親コメント
      • by bhind (32461) on 2006年12月13日 22時50分 (#1075251) 日記
        多重度の制限は長さではなく、符号間の相互相関でしたね。
        ご指摘ありがとうございます。
        あと、Canadianさんが書かれている内容で論旨がわかりやすくなりました。
        それにしても、信学のNLPなんですね。てっきりNCかと思ってました(脳の機能を応用とかあったんで)

        憶測にすぎませんが、主題はカオスCDMAの長所云々より、独立成分分析がカオスCDMAの複合に使えるよ、なのでしょうかね。
        # カオスCDMAは拡散符号に多値つかってるから、それが独立成分分析に効いた?のかなぁ。。。
        # ウェーブレットとかじゃだめなのかなぁ。。。
        親コメント
        • by ddc (14170) on 2006年12月14日 1時19分 (#1075314) 日記
          >多重度の制限は長さではなく、符号間の相互相関でしたね。

          符号長が長いほど多重度も上げられるというのは、間違いではないかと。
          もちろん、符号間の相関性が低いことは前提ですが。

          >憶測にすぎませんが、主題はカオスCDMAの長所云々より、独立成分分析がカオスCDMAの複合に使えるよ、なのでしょうかね。

          そーいうことだと思います。
          ところで、ICAってどの程度の計算量を必要とするんですかね。
          あまり重いようだと、フェージングとかには対応できなさそうですが。
          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年12月13日 19時34分 (#1075170)
    カオス CDMA の方はよく知らないんですけど,プレスリリースで

    > ICA(理研脳科学総合研究センター)という日本発の独自の技術

    なんて言っちゃっていいのかなぁ…

    ICA に関して,国内では理研がトップクラスだとは思いますが,
    フランスとかフィンランドとかアメリカとかNTTでも盛んに研究
    されているようです.
    • by Anonymous Coward on 2006年12月14日 2時13分 (#1075338)
      > ICA(理研脳科学総合研究センター)という日本発の独自の技術
      初期の研究は J. Cardoso とか,C. Jutten が有名だし,
      そもそも ICA という言葉を定義したのは P. Common だし,
      Infomax による定式化を行ったのは A. Bell だし・・・

      日本人研究者(例えば S. Amari や N. Murata など)も大きく貢献してるとは思いますが,
      独自の技術って言うとちょっと違うかなあと思います.

      脳神経科学以外の分野として音響信号の分離では
      NTT CS研(コミュニケーション基礎科学研究所)とか
      奈良先端科学技術大学院大学 (NAIST)なんかが強いのかな

      リアルタイム性が気になるけど, ICA については畳み込み混合問題でなければ実用的な
      速さで動く気がします.アンテナアレーのアレーサイズによるだろうけども.

      # 年末といえばデスマーチ
      親コメント
  • by Emc2 (14960) on 2006年12月13日 11時29分 (#1074767) 日記
    プレスリリースの半分も理解できてるか自信がないですが、これって基地局側の
    改修だけでデータ通信が高速化するって話なんですかね?
    端末側での対応も必要だとすると画餅っぽく見えますが、基地局だけで済むなら
    利用者全体に恩恵のある話(事業者にとっても電波帯域の有効活用でウマー?)
    じゃないかと。

    #WLLCOMとTU-KAの二台持ちなんで2008年3月頃までは関係ない人
    --
    RYZEN始めました
    • by Anonymous Coward
      改修どころか第四世代なんて書いてあるようですけど。
      • by Anonymous Coward
        もちろん、端末側の対応も必要ですね。
        プレスリリースの言葉で言うと、

        基地局の電波:
        CDMA方式 → カオスCDMA方式

        携帯端末
        ICA(独立成分分析)搭載

        にすると、より高密度でも大丈夫、ってことでしょう。
    • by Anonymous Coward
      GPSや無線LANで使われてる スペクトラム拡散とちょっと似てる気がする。
  • 俺の机の上も (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年12月13日 11時29分 (#1074769)
    カオス理論に基づいています
  • by Anonymous Coward on 2006年12月13日 11時40分 (#1074787)
    現状の通信方式は電波干渉のため1/50程度しか使えないってことだね
    干渉をなくすと50倍になるというはなしか?

    通信速度はそのままで端末を50倍に増やしそうだけど

    #携帯に期待してないのでAC
  • by csmith (30391) on 2006年12月13日 13時27分 (#1074906) ホームページ
    雑音との区別がつかないところから情報を拾い出せるということは、
    近未来の地球上を飛び交う電波は雑音だらけに聞こえてしまうということですよね。
    M78星雲でSETIしてる友達が困るんでやめてほしいんですが。
    • SETI : Search for Extra-Terrestrial Intelligence
      親コメント
      • 横レス(+オフトピ)ですが、確か日本での紹介記事とかでも「地球外」だったですしね。
        ただ、指摘の「Terrestrial」だけですと「陸」とか「地球型の」という意味もあるようなので
        「木星型知的生命」とか「水棲知的生命」とかを探していると読めなくはない…無理やりですがw。

        ↓辞書リンク
        http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=Terrestrial+&stype=... [yahoo.co.jp]

        ※昭和の昔、故郷の星「テラ」に戻る為、主人公が冷凍睡眠などで広大な宇宙を移動する…という
        ハードボイルド調なスペースオペラが有りましたので単語の意味だけ覚えてましたw。
        「星を探してる?テラ? …陸、なんて星の名前はありえないよ」 「…orz」 みたいな。
        ちなみにタイトルはDumarest SAGA

        :まぁこれはさすがにID

        親コメント
        • テラと言えば、なんといっても「地球へ…」 [wikipedia.org]でしょう。「地球へ」と書いて「テラへ」と読むので、これで「地球=テラ」と刷り込まれました。

          ちなみに、超長編SF小説であるローダンシリーズでは、「地球」=「太陽系帝国」=「テラ」で、地球人は「テラナー」。
          私は(ペ)なので、もはや「テラ」と聞いたら「地球」としか考えられない体になってます。
          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年12月13日 11時27分 (#1074762)
    携帯も良いですけど、あっという間に抜かれたアマチュア無線のデータ転送速度なんかでも使えるようになるといいですね。衛星との通信と組み合わせて、色んなことができるといいなぁ。
    TNCに入れば、テレビでのノイズ除去とかにも。
    • Re:携帯以外 (スコア:2, おもしろおかしい)

      by frigate (10771) on 2006年12月13日 11時42分 (#1074788)
      >アマチュア無線のデータ転送速度なんかでも使えるようになるといいですね

      PLCの推進派が「これで電磁波漏洩問題は解決」とか喜んだりして。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年12月13日 11時28分 (#1074765)
    プレスリリースを見るかぎり、携帯から基地局への通信の情報量を増やせる、というふうに読めますが、逆はできるのかな?信号を分離するのにアレイアンテナが必須だとしたら、携帯に載せるのは無理っぽいし、処理能力的にも携帯側ではちょっと大変かな…
  • by Anonymous Coward on 2006年12月13日 11時56分 (#1074809)
    理解できなくて。
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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