カーネル開発者になろうとする人々へ、Linus氏からのメッセージ 36
ストーリー by hayakawa
小さいことからコツコツと 部門より
小さいことからコツコツと 部門より
insiderman 曰く、
CNET Newsに、Linus Torvalds氏が現在のカーネル開発について語ったインタビュー記事が掲載されている。Linus氏は、「カーネル開発者になるのは簡単だが、大きな貢献者になるのは難しい」と述べ、その理由として、カーネルが大きく複雑になるにしたがって、既存の開発者とのやり取りがより重要になっていることを挙げている。
記事でLinus氏が語ったのは、以下のような内容である。Linuxカーネル開発者になりたい方は、ぜひ原文を一読してみてはいかがだろうか。
- 「big contributor」になるのは簡単ではない。カーネルが巨大かつ複雑になりすぎているし、コードを書く以外の流儀を学ぶことも必要だ
- しかし、カーネル開発の世界に足を踏み入れることは簡単だ。実際、Linuxカーネルのリリースごとに数千もの開発者からパッチが届けられている
- 「大きく、複雑なパッチ」をいきなり送ろうと考えないほうがよい。新しい開発者が既存のカーネル開発者とうまくやり取りするやりかたを学ぶのには時間がかかる
- もっとも悪いことは、カーネルについて一人だけで学ぼうとすることだ。何ヶ月かかけてカーネルを学んで、突然既存のカーネル開発者たちに予想外の巨大なパッチを送る、ということだ。これは誰にとってもいらいらすることだろう
- まずは「ささいな、小さいパッチ」を送ることを新しい開発者にはおすすめする。ただ、小さいパッチはつまらないかもしれない。正直なところ、カーネル開発を始めたばかりの人誰しもが、カーネルの大きなピースを書き換えたいとは思っていないだろう。
- 完璧な開発プロセスが存在するとは考えていない。もちろん、これによっていくつかの開発者は開発から離れてしまうだろうし、このプロセスはおそらく改善されるだろうことに疑いはない
本当のところ (スコア:5, すばらしい洞察)
だから、この発言は開発者への啓蒙ではなくて、Linusがカーネル開発の現場で振り回されている問題のぐちと見たが、どうか?
これからやる人は、こんな風にならないでね、と言いたいのだと思う。
Re:本当のところ (スコア:2, 参考になる)
>仕事やプロジェクトに途中参加する上での極意というか心得だと思う。
>一言で言うと、郷に入っては、と言うことだと思う。
その通りだと思います。
あと、Linux をはじめとする FLOSS では、会社と違って普段から顔を合わせて話す事は稀です。
よって、最初に細かな実績を積んでコミュニケーションをするということは非常に重要です。
小さな事すらやったことない奴に大きなことをいきなり任せようなんて思うことはない、
という当たり前のことをパッチやproposalを送って reject されまくり、という人は
改めて考えてみるといいと思います。
#会社組織で新人が大抜擢!というのは、マネジメント層がその人の素養を見極めるだけの
情報が存在しているor失敗したとしても人材育成という面からプラスがあるからです。
あと、pci id を1個追加するだけのパッチをずーっと昔に Linux kernel に追加してもらった
ことがありますが、話をする相手を選ぶのも重要ですね。いきなりlkmlで騒ぎまくっても、
負の効果(なんなんだあいつは、という認識)しか得られないでしょうし。
Re: (スコア:0)
Re:本当のところ (スコア:2, 参考になる)
Hans はコーディングスタイルに固執してマージがされていなかったわけですが、Con Kolivas は「重要性がその当時の主要開発者に理解されなかった」という違いがあると思います。
英語だけは使えるようになったほうがいいかも (スコア:1, すばらしい洞察)
英語を使って必要最低限のコミュニケーションはできるようにしておこう。
Re:英語だけは使えるようになったほうがいいかも (スコア:3, すばらしい洞察)
Re:英語だけは使えるようになったほうがいいかも (スコア:3, 参考になる)
Re: (スコア:0)
知識が必要なんですよね。知識のない人はいくら一般的な意味でコミュニケーション能力あっても
会話ができないんですよ。
今のLinux開発の例で言えば「大きく、複雑なパッチ」をいきなり送った人がいくら問題点説明しても
理解できずに「でもこれ便利じゃーん」としか言えない人とか。
さすがにカーネルパッチ作る人にそんな人は少ないかもしれないけど自分みたいに玉石混交な所で働いてると
結構この手のギャップが多いんですよ。
Re:英語だけは使えるようになったほうがいいかも (スコア:2, 興味深い)
「○○を●●したいからあのへんをごっそりアレするよ」
って先に相談しろって事だよね。たぶん。
いきなりパッチ上げないで。
その程度のコミュニケーションができない(というか蛇足と思ってる)人がいたりするんだよね。
#というか「いきなり完成品うpする俺カッコいい」とすら思っていそう。
Re:英語だけは使えるようになったほうがいいかも (スコア:5, すばらしい洞察)
それならマシなんだが、実際には「こんな事で質問すると迷惑に違いない」と勝手に決め付けて(実は自分が面倒とか、対人恐怖症なだけ)、何も確認せずに進めちゃうなんてのも多々有る。
勿論、自分の内在的なマイナス要因なんてのは受け入れがたい。
だから本人的には「相手の事を考えて質問しないんだ」と素で思っていたり。
悩まんで良いよ。
先ずは問い合わせてみよう。
勝手に進められる方がなんぼか迷惑だから。
(何にでも言える事だけどね)
Re:英語だけは使えるようになったほうがいいかも (スコア:2, すばらしい洞察)
@昔大先輩が言ってた。
Re: (スコア:0)
修羅場を作るにはそう思う人間が一人だけで十分だが、それが複数人居た日には・・・。
#軍靴の響きが聞える。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
自らトンチンカンな間違いや質問を発してしまうと,「あいつこんな変な質問してきたぜ」とバカにされ,その会社にいる限り「あの~さんって,昔こんな変なこと言ってたんだよ」みたいにネタとして言われ続けてしまうリスクがある.一方,最近だとネットで調べりゃ大抵の知識は(付け焼刃的には)簡単に入手できるので,わからないこともそうやって手軽に入手できる知識だけでテキトーに誤魔化しておけば,もし後で無知がバレても大恥をかくことはほとんど無い.
特に最近の「どんなミスでも,寄ってたかって皆で叩きまくる」という世の中の傾向を考慮すると,その大先輩の考え方もあながち間違いとは言い切れないような.
Re: (スコア:0)
でも多人数でやっている時にちゃんと摺り合わせをやって置かないと、往々にしてトラブルの元。
その後デスマの戦犯と見られた日には、叩かれて恥ずかしいなんて言ってられませんよ。
ま、業務に必須な情報で恥をかくのが嫌だって人だとデスマの戦犯なんて恥は耐えられなくて逃げるか、って考えたら何となく思い付く顔も有るな。
Re: (スコア:0)
聞くことはよほどでない限り一生の恥ですよ、大人なら
Re: (スコア:0)
いや、恥とかそういうレベルじゃなくて、迷惑なんですよ。
わからないことを人に聞くというスキルを欠いている、と言った方がいいかな。
Re: (スコア:0)
>聞くことはよほどでない限り一生の恥ですよ、大人なら
自分の思い込みでそう判断して居る人間が、実は相手から見れば迷惑以外の何でも無いって話でしょ。
「空気なんか読まなくて良いから仕事しろ」でも済むが。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
空気読まないくらいのことがスルーできない組織というのも困ったちゃんだと思う。
Re: (スコア:0)
大人が何でもスルーできるなら空気なんか現れないだろ
Re: (スコア:0)
学生のときは確かに「聞くは一時の恥」なんだけど、
会社で同じ事を言うと「聞くは一生の恥」。
#そんなことも知らない人間に仕事は任せられないっていうことだと思ってたんだけど、
いろんな人の言動を見るにつけ、そういうことはやっぱり知らないようなのだ。
だから結局は質問するくらいなら空気を読め(=質問なんてするな)っていう意味なんだと思う。
Re: (スコア:0)
あ、それは多いです。付け加えると何が大事で何が大事でないかわかってないのが
多いです。インターフェイスと実装の違いをわかってないとか。
だから大事でないことを聞いてくるのに大事なことを独断で進めたり。
Re: (スコア:0)
「コミュニケーションを大切にしない輩には、コミュニケーションの為の取り決め(インターフェース)の大切さも又解らん」
って事でしょうかね。
いろんな集団がある (スコア:0)
「Linuxコミュニティは」そうだ、という話ですね。
ある意味うらやましいです。
LinuxどこかFOSSコミュですらなく、自分が経験したあるプロプラ職場の話になっちゃうけど、
そのシステムの設計や開発体制について驚きが多かった(matzがいう驚き最小の法則に反してると自分が思った)ので実際に質問しまくったら、「質問減らせ」って言われちゃったこと有るよ。
こっちの聞き方も悪かったんだろうとは思うんだけど、
いっぽうで、客とそのプロジェクトとの間も、(プロジェクトリーダーは)「いかに質問量を減らすか」に心を砕
Re: (スコア:0)
勘違いしているっぽいが、会社で仕事の為の情報を必要な分を揃えられないなら「無能」と言われても仕方ない。
でも、他人の作っているものなんかその当人以外は知らないなんてのは普通に有る。
つまり、業務を行うに当たって他人に質問しないと「無能」の謗りを受ける事になるってのは極普通の事です。
ま、それでもそんな事が言われそうになる理屈もわからんではありません。
そういう事を言われる人たちってのは、往々にして「質問のしかたを知らない」ってのがあります。
良くあるパターンと対策は、
1.質問する
Re: (スコア:0)
言いたいんだと思う。
関連ストーリーに追加 (スコア:1)
こっちと同じことを言ってる気がする。
# SlashDot Light [takeash.net] やってます。
カーネル開発は金にならん (スコア:0)
べつにLinusも億万長者になってないし。
Re:カーネル開発は金にならん (スコア:1)
Re:カーネル開発は金にならん (スコア:1)
Linusさんが金のために働かなくてもいい程度には潤っているってのは初耳です。Linux開発を始めた学生のころは収入らしい収入はなかったと思うし、Transmetaに勤めていた時に超破格の給与があったとも思えません。今の組織(の前身)に移ってからもそうなんじゃないでしょうか。年収2000万円を越えていても驚かないけど、「金のために働かなくてもいい」ってのがキャッシュ残高10億円とかだったら、そこまでお金をためているかなぁ。
vyama 「バグ取れワンワン」
Re:カーネル開発は金にならん (スコア:1)
#「やりたくない仕事だけど、Linuxのためなら仕方ない」はありそうだけどね。
金持ちを目指さなければ金から自由になれるくらいの知名度は持ってるんじゃないかと推測していますが。実際、Linux関連の仕事なら職に困らないだろうし。
Re: (スコア:0)
NG 金のために仕事をしなくていい
OK 金のために仕事を選ばなくていい
#選べるほど知名度もリキもないのでAC
Re: (スコア:0)
聞いたことはあるがな。
似たような話は、他に2~3件あった筈。
Linus自身は、そりゃGatesの様な金持ちではないけれど、
評価資産自体は結構な金額になるんじゃないか?
Re:カーネル開発はカーネ(にな)ル? (スコア:0)
#カーネル違いなのでAC