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γ線爆薬をアメリカが開発 99

ストーリー by Oliver
世界に配布しないでください 部門より

oddmake 曰く、 "New Scientistの記事によると、米国防総省はレアメタルのタンタルに陽子線を照射し、アイソマー(準安定な励起状態の原子核)ハフニウム178m2を生成したそうです。
アイソマーは原子核のエネルギーが何らかの理由で通常より高い励起状態にある元素で、ある寿命で余分なエネルギーをγ線の形で放出して安定な核の状態になっていきます。 (参考:放射線学基礎、壊変形式.4.核異性体転移)
アイソマーのエネルギーを取り出すことは既に成功しています。1gのハフニウム178m2はTNT火薬50kgにも相当する火力を持ちうるとされており、今回の実験は、小型の投射物が、臨界量に制限されない「核爆弾」を装薬するようになる、新たな軍拡競争の可能性を示唆しているとして注目されています。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • この発明は、武器にしか使えないものなのでしょうか?

    --
    むらちより/あい/をこめて。
    • by halo (12510) on 2003年08月15日 19時36分 (#379566) 日記
      ダイダロス計画やオリオン計画のように原水爆の爆圧で推進する宇宙船の燃料としてならどうかと直感的に考えたのですが、γ線の形で放出されるエネルギーが多いようなので扱いが難しいのかな。そもそも普通の燃料に比べて比推力の面で有利かどうかもわかっていませんが。
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    • by dgz (12635) on 2003年08月15日 21時26分 (#379644)
      元の記事を読むと、アイソマーというのはもともとエネルギーを 蓄える方法として研究されていた、と書いてあるようです。 ただ、そのエネルギーを爆発的にガンマ線として取り出す (というか放出する) 方法が発見されたと。

      普通の Hfのアイソマーは 31年の半減期を持つものらしいけど (これはこれで安全と言えるかはよくわからん)、 それに X線を当てると爆発がおきるとか。 核分裂も融合も起こらない点で従来の核兵器とは違うけど、 減衰し損ねたアイソマーが放射性物質として散らばる問題もあるよう。 あと、ウラニウムだと臨界量集めなきゃ連鎖反応が起こらないけど、 アイソマーの場合、少量でもそれなりに使えるのが便利と 書いてあるように読めます。

      個人的には、原子核にも励起状態があるってしりませんでした。

      親コメント
      • 下にも書きましたが、要するに31年に一回ころげ落ちる現象(γ線を放射して遷移する)を、X線をあてて、後ろからおっことすような物です。もともとγ線放射するものを、人工的に早めてやるってことですね。X線をガンガン当てれば、γ線も大量にでます。利点は、むしろ小さい中に沢山のエネルギーを詰め込めるというところのようですが、セールストークのような気がします(γ線のエネルギーが大きいのは当り前)。

        あと、放射能は、半減期よりも量が問題なので、安全かどうかは放射量(あとは、放射線種とエネルギー)によります。
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    • by sameshima (10060) on 2003年08月16日 1時02分 (#379753) 日記
      何年か使えるのでしょうか?
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    • 原子力電池、とか。
      どうせなら荷電粒子が出るような反応を研究してくれれば良かったのにぃ...
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    •  昔NHKスペシャルで,「コンゴでは携帯に使われるタンタルの利権を争ってる」というテーマの奴をみたことがあります。
       ちょい調べたらコンデンサの原料になるようで。
      親コメント
  • by oddmake (1445) on 2003年08月15日 21時17分 (#379637) 日記
    (#379576) [srad.jp]
    アイソマーからエネルギーを取り出すのには低出力のγ線を用います。
    ハンマーとか電気ショックとかでは今のところムリみたいです。
    すると、(半減期を待たずに)大量のγ線を放出するのですね。誘導放出みたいです。

    γ線レーザーのもと (#379578) [srad.jp]としても、そう有効かもしれませんね。
    アイソマーの量を加減すれば、そのぶん出てくるγ線も加減できるようです。
    γ線発信機がいるだけに銃弾につめるのはムリですが、小型のミサイルには詰めるでしょう。

    核パルス推進の燃料(#379566) [srad.jp]としても有効でしょう。
    γ線成分が多いのは、周囲に推進剤をかぶせることでカバーできるのでは。
    パルス核融合なんかでは、毛布をかぶせてあげるのはよくあると聞いたことがあります。

    濃縮ウランぐらいの価格で将来的には(今後5年以内)提供できるようになるというので、心して待ちましょう。ちなみに原料はランタンではなくなる予定ですね。
    でもなんかかなり高いですね。
    --
    /.configure;oddmake;oddmake install
    • さらなる補足。 (スコア:2, 参考になる)

      by teltel (1423) on 2003年08月15日 22時46分 (#379693) 日記
      Physics Review Letters Vol.82 no.4 p695 に論文があります。

      178Hf に90keV のX(γ)線をあててみたら、γ線(400~500keV) の放射量が4% 増えた、という結果です。結局のところ、励起したHf 核を(そのままじゃ半減期31年なので)より遷移しやすい準位までX線で持ち上げて、遷移を早めるということです。

      おもしろいけど、兵器としてはどうなの??????? って感じですね。cross section は 1x10^-21 cm^2 keV なので、かなり強いX線が、しかも90keV 程度のが、必要です。結局、X線photon 1個につき、1つの核が遷移するので、爆発的なγ線を放出するには、最低でも同じ程度のカウントレートのX線源が必要です。ただ、同じ論文に(不完全ながら)遷移の図があるのですが、途中のパスに90keV 程度の遷移もあるので、もしかしたらこの遷移を利用してγ線の放射が強くできるのかもしれません。
      親コメント
      • by chicxulub (15251) on 2003年08月17日 0時55分 (#380239) 日記
        >この過程が爆発的であることを発見した。ハフニウムの核異性体に低エネルギーのX線を照射することによって人工的にガンマ線崩壊させる

        を見ると、ガンマ線崩壊の連鎖反応なわけですが、
        臨界量はどのぐらいなんでしょう。
        1mg? 1g?

        >cross section は 1x10^-21 cm^2 keV

        から計算できるはずなんですが、専門家の人、誰か教えて~~!
        親コメント
    • by EUV (15336) on 2003年08月15日 21時47分 (#379657)
      原子核物理に少しとは言え携わるものとしては、γ線レーザーなんて、今の技術じゃとても不可能に近いですよ。
      この手の話は非公開論文で読んだことはありますが、X線等の極短波長領域でのレーザー発振は
      プラズマ輻射応用が専らのところでしょうから、微妙なところだと思います。

      もう少し詳述されたペーパーを呼んでみないことには、何とも言えないところですが。
      親コメント
  • 全訳 (スコア:3, 参考になる)

    by locate (5848) on 2003年08月15日 22時56分 (#379700) 日記
    問題があるかもしれないけど、せっかくなので全訳。
    間違ってるかもしれないので原文も見て下さい。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ガンマ線兵器が次世代兵器の開発競争のきっかけになるかも

    アメリカの国防省によって開発されている新型の原子核を用いた爆弾が従来の兵器と核兵器との境界を曖昧にするかもしれない。この技術に基づいた兵器は次世代兵器開発競争を誘発し、恐怖を呼び起こすことになるだろう。

    この爆発はある種の原子核からのエネルギーの放出によって誘発されるもので、核分裂や核融合によるものではない。ガンマ線として放出されるエネルギーは従来の化学変化による爆発から出るエネルギーの何千倍も大きい。

    この技術は既に米国国防省の重要軍事技術リストに含まれており、そのリストには次のように書いてある。「そのような非常に密度の高いエネルギーは、戦争のあらゆる局面に対して革命的な潜在能力をもっている」

    科学者たちは、ハフニウム(Hf)のような幾つかの元素が高いエネルギー状態(核異性体)を持ち、それらがガンマ線を放出しながら低いエネルギー状態にゆっくりと変化していくことを、ずいぶん前から知っていた。例えばハフニウム178が励起した核異性体であるハフニウム178m2は半減期31年である。

    Carl Collinsとその共同研究者たちはダラスのテキサス大学で、この過程が爆発的であることを発見した。ハフニウムの核異性体に低エネルギーのX線を照射することによって人工的にガンマ線崩壊させることができることを示したのだ。その実験では、照射したエネルギーの60倍のエネルギーが放出された。理論的にはもっと多くのエネルギーが放出されると分かっている。

    <エネルギーポンプ>

    ハフニウムを爆発物として使う前に、エネルギーをその核の中に溜め込まれなければならない。ちょうど原子が光子を吸収すると原子中の電子が励起するように、ハフニウムも高エネルギー光子を吸収して励起することができる。そして後にその原子核はガンマ線を放出して最低エネルギー状態に戻る。

    核異性体は元々はエネルギー貯蔵の手段として考えられていた。しかし、ガンマ線崩壊を加速できる可能性があることが、国防省の興味を引いた。もちろんトリウムやニオブのような他の候補となる物質も研究されている。

    これまで生成法としては、光子をタンタルに照射してそれが崩壊する時にハフニウム178m2ができることを用いていた。この方法だと原子炉か粒子加速器が必要であり、ほんのわずかな量しか生成できない。

    現在では、New Mexico州のKirtlandにある空軍研究所(Air Force Researh Laboratory)はSRSテクノロジー社から買ったハフニウム 178m2 でこの現象を研究している。SRSテクノロジー社はAlabama州Huntsvilleにある研究開発の会社で、ほかの実験で使われた核物質の残り物の中からハフニウムを精製し取り出している。しかし、量はたったの一万分の一グラム程度である。

    <非常に強力>

    しかし将来には、例えば普通のハフニウムをガンマ線照射することによってハフニウム核異性体を安価に作り出す方法ができるだろう。SRSの主任科学者のHill Robertsは5年以内にはグラムの単位で生成できるようになると信じている。

    そのハフニウムの価格は高いだろう(豊富にあるウランでもキログラム当たり数千ドルする)。しかし、ウランと違ってどんな量でも使うことができる(ウランには核爆発を起こす臨界質量があるのでそれ以上でないと使えない)。

    ハフニウムの爆発は非常に強力である。一グラムの完全に励起したハフニウムの核異性体は、TNT火薬50キログラム以上のエネルギーを持っている。現存するどの兵器より強力な爆弾を積んだ小型のミサイルを作ることができるであろう。そしてこれを使えば敵の武装兵力に対してより大きな破壊力が得られるであろう。

    この核異性体の爆発の効果により、ガンマ線によってその近くにあるいかなる生物をも殺害することができるであろう。核分裂型の原爆に比べれば、死の灰(放射性降下物)はほとんどないが、爆発しなかった核異性体(ガンマ線を出していないハフニウム)の小粒子が四方にまき散らされ、一種の「汚い爆弾(dirty bomb)」としてその場に残り、そこで呼吸をして吸い込んだ人に対して長期間にわたって、健康問題を引き起こすであろう。

    <政治的な影響>

    政治的にも影響がある。1950年、米国は "Davy Crockett" と呼ばれた核バズーカのようなミニ原爆の開発から手を引いた。これはTNT火薬15トンに相当する爆発力を持つ。この様な兵器は核兵器と従来の兵器との境目を曖昧にする。政府はこのようなミニ核兵器が軍によって、従来のような戦争において、普通の兵器と同じ様に使われることを恐れたのだ。

    核兵器の爆発力が常に他のものを圧倒する

    • by redbrick (4865) on 2003年08月15日 23時40分 (#379722) 日記
      全訳ご苦労様です。

      一点、間違っている部分があったので指摘させていただきます。
      #おそらく、元の文を誤読されただけと思うのですが。

      >これまで生成法としては、光子をタンタルに照射してそれが崩壊する時に
      >ハフニウム178m2ができることを用いていた。

      ここ、光子(photon)ではなく陽子(proton)ですね。
      #原文は"bombarding tantalum with protons,"なので。

      --
      ---- redbrick
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  • タンタルが原料? (スコア:2, すばらしい洞察)

    by mavelick (14949) on 2003年08月15日 20時15分 (#379586)
    お願い、これ以上タンタルの使用用途見つけないで(T-T)
    これで各国によるタンタルの大量備蓄なんて始まったら、小型電子機器一気に高くなっちゃうぢゃん(T-T)

    逆に太陽誘電とか村田とかNECとか儲かりそうだが。
    #今でも高いよな、大容量小型セラコン
    • by Stahl (7211) on 2003年08月15日 20時31分 (#379593)
      つか数年前のタンタルショックの再現があり得る…
      当時はコンデンサメーカーは儲かる側ではなく暴騰する市場価格に翻弄される側であったと記憶してます。
      前回はタンタルメジャーによる市場操作の疑いも(かなり濃く)あったんだけど、今度の一件もひょっとしたらまた絡んでる可能性はありますね。
      もっともその場合、「新規需要を創出することによって価格の高騰、維持を目論む」というある意味汚いところのない正統派な行動と言うことになっちゃいますが(汗
      親コメント
      • by halo (12510) on 2003年08月15日 20時43分 (#379603) 日記
        リンクされているNew Scientistsの記事によると、コストダウンの方法としてハフニウムを直接励起することが上げられていますから、実用化されるならタンタルが原料となる可能性は低いのではないでしょうか?タンタルのままなら高くつきすぎて実用化できないんじゃないかと。
        まあ、ハフニウムだってレアメタルの一種なわけですが。
        親コメント
      • by gedo (7079) on 2003年08月17日 16時39分 (#380414) 日記
        つか数年前のタンタルショックの再現があり得る…
        その対策なのか、代用品としてニオブコンデンサ [nec-tokin.net]なんてのもあるそうです。
        埋蔵量とかも、タンタルの100倍あるので安定供給が売りだとか。
        親コメント
  • by u1p (2709) on 2003年08月15日 18時59分 (#379550) 日記
    実験は実戦で、しかも近隣の半島で、じゃないですよね。
  • HNKで終戦記念特番を見る傍ら
    こんなニュースを見るのは複雑な気持ちです。

    願わくば、未来永劫使われる事無きよう。
    --

    --チートイのみ
  • もうこーいうものは,変なものに分類してほしかったような気がします.

    ましてやサイエンストピックのアイコンがアインシュタイン博士なのですから...
    --
    そうじゃないだろう!
  • by NAT33 (17123) on 2003年08月15日 20時38分 (#379598)
    小松左京の短編集「本邦東西朝縁起覚書」にベルトのバックル型の超小型原爆が出てくるけど、この技術を使えば、それも可能になるんかいな?
  • by mich (6859) on 2003年08月15日 22時42分 (#379689)
    なんとなく"γ線"とGoogleで検索してみたら… [google.com]
    なんだこりゃ!?
  •  かつての機関銃や原子爆弾のように、戦争を「永久に終結」させる兵器を開発するために利用されたりして。

     それを本気で考える連中がいたら、この言葉を贈りたい。

    「二度あることは、三度ある」

    /* ここはどこ?私はココ。 */
    • by Anonymous Coward on 2003年08月16日 17時25分 (#380084)
      たぶんそうゆう物ではないでしょう
      原爆が大きすぎて使いづらいので気軽に使えるものを
      って感じだと思います。

      また配備までしてしまってから「不拡散」などと
      言い出すのでしょうか
      親コメント
  • by ikebass (8108) on 2003年08月16日 13時32分 (#380003)
    放射性物質の崩壊を加速することはできませんかね?
    原発の廃棄物処理のために。

    現象も原理も別の話ですから、応用も何もないんですが。
  • 「軍拡競走を引き起す」? とんでもない!

    今まで以上にテロの恐怖が増すってこと、米国さんはどうお考えなんでしょうね。
  • この兵器で撃ち合ったら、弾薬庫のγ線弾頭が誘爆するのでは?
    (核分裂でなくても、この仕組みを応用すればX~γ線投射兵器は造れそう...)

    人間だけでなく弾薬庫も鉛か劣化ウランで覆わないと使えない。
    つまり、小型化には限度があります。(バズーカサイズでも弾薬の輸送容器が重すぎて1人では運用できないでしょう)

    現在、X線をシャワーのように降らせる爆弾が存在しますので、これを1発かますと...。

    # 戦車とか装甲車なら実用になるでしょうけど、航空機には積めませんね。
    --
    notice : I ignore an anonymous contribution.
  • 専門家ではありませんが、自分でした計算もまじえ、総合的に書いてみました。

    20世紀最小の核爆弾:
    U,Puの臨界量は10~20kg。その破壊力は5~10ktTNT。広島長崎がこのサイズ。
    爆発方式は単純に、5kgずつ二個に分けてあるのを、火薬で一個にくっつける。
    くっつけさえすれば、U,Puの自然崩壊で出る中性子から、連鎖反応が一気に(ナノ秒以下)で始まる。

    U,Puだけで(つまり水爆でない原爆で)この100倍のサイズを作るのは困難。なぜなら
    5kgずつ分けてあるのを数百個、どれか二つが先にくっついてしまわないように
    全部同時にくっつけるというのが難しいから。
    よって原爆の最大サイズは数百ktTNT。それ以上は水爆になる。

    水爆はメリットとして
    ・水素がU,Puに比べ非常に安い
    ・重量あたりの破壊力もU,Puにまさる。
    ・静止核標的に粒子を当てる方式でなく、温度を上げ核同士を衝突させる方式なので、臨界量がない。
    デメリットとして
    ・温度を1億度近く上げなければならない。
    ・1億度を達成するには原爆を使うしかなかったが、原爆の周りに水素を置くと、
    水素が十分熱せられて核融合を始める前に、飛び散ってしまう。
    ・水素は密度が低い。液体水素入りの爆弾は扱いが難しい。
    ・水素と6Liの化合物を使う方式だと、6Liから3Heを作るのに中性子が要る。しかもこの反応過程は中性子増殖過程でない。

    これらを踏まえ20世紀の水爆は、D6Liの芯に中性子源235U等を配置した爆縮型だった。
    サイズは直径1~2m、長さ数メートルの円筒形。破壊力は最大数百MtTNT。

    より大きな水爆として、通称ギガトン爆弾がソ連で研究されたという話がある。
    おそらく原爆十数個を球対称に配置し、中央の水素を爆縮させる方式なのだろう。
    100tを越えるので、船への積み下ろしすら困難。

    178Hf-γ過程の臨界量を計算する。
    cross-section σ = 1*10^-21sqcm. Mean free path λ = 1/nσ
    n = 13.3/178*NA=0.45*10^23
    λ = 0.22mm
    λ^3 * 13.3 = 0.14mg
    これが21世紀原爆の最小限度。
    最小Hf弾は、0.07mgの二粉末をくっつけて爆発させることになる。
    178Hfは自然半減期31年だから、くっつけるだけで自然崩壊したγから連鎖反応が始まる。
    粒子加速器等、他のγ線源は必要ない。
    破壊力は50kgTNT/gだから、0.7gTNT。
    実験室物理で広い応用がある気がする。
    兵器としては例えば食べ物に混ぜ、腸に達したところでドカンとか、
    目薬に混ぜ、眼に差したところでドカンとか。
    原料タンタルはウラン並に高価だが、使用量が少ないからあまり制限にならない。

    もっと大きいHf弾を作るには例えば、
    火薬で中空球を作り、内部に金メッキし、その内部にHfコーティングする。
    火薬で爆縮し、重い金原子に慣性がつくから、臨界量に比べ大量のHfでも、一様に反応するだろう。
    直径2cmでHf1g。破壊力は50kgTNT。このあたりが最大のHf弾だろう。

    もうすこし小型なのが、銃発射用など広い分野で実用的だ。

    水爆と組み合わせ、50kgTNT以上5ktTNT以下の破壊力を得ることは可能か?
    例えば二段階爆縮方式があり得る。
    中空ボールを外から、火薬、金、Hf、充填材、金、D6Li、T6Liとなるように作る。
    火薬を爆発させる。ある程度爆縮したところでHfに火がつき、充填材をプラズマ化する。
    その熱と加速された爆縮の衝撃波でまずD-T反応に火をつけ、
    放出される中性子と6Liから3Heを作り、D-3He反応も始める。
    具体的なサイズやパラメタはシミュレーションや実験してみないと未知だが、
    Hfなしのレーザー核融合でもけっこう良い所まで行っていたので、
    Hfだけよりは大きな破壊力が出るだろう。

    Pu原爆の開発副産物として、球状物質を火薬で非常に均一に爆縮させる技術があるから、
    直径1mほどの二段階Hf爆縮水爆が可能かもしれない。破壊力は数百ktTNT。

    インチキ書いてありましたら専門家の方、指摘お願いします。
    • > U,Puの臨界量は10~20kg。その破壊力は5~10ktTNT。広島長崎がこのサイズ。
      > 爆発方式は単純に、5kgずつ二個に分けてあるのを、火薬で一個にくっつける。

      臨界量はウランの場合10-20kgですが、プルトニウムなら2kg-8kgです。
      それと2つに分けて火薬でくっつける方式は、ウラン型でしか使えません。
      プルトニウムだと、2つがくっつく前に小爆発を起こして飛散してしまいます。
      なので、普通は複数の小部分に分けて爆縮します。

      > 178Hfは自然半減期31年だから、くっつけるだけで自然崩壊
      > したγから連鎖反応が始まる。

      今回のガンマ線兵器の場合、連鎖反応を起こすとは書いてないです。
      つまり、Hfから出たガンマ線はそのまま外に出るだけです。
      ある波長のX線をHfに当てると崩壊が少し早まるだけです。
      とても爆発的だとは言えません。だらだらと放射線が出てくる感じかな。

      > Hfなしのレーザー核融合でもけっこう良い所まで行っていたので、

      全然良い所まで行ってないんだけど(^^;)。やっと中性子が出てきた程度(^^;)。
      親コメント
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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